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「恋する月兎」 Written by オカザキレオ
「恋する月兎」
月の裏側に本当のキモチを埋める事に必死で
天体望遠鏡でしか読めない表情は
なんて泣き顔で
空気もない 水もない世界で
口をパクパクさせた魚のようでさ
あの人だけを求める現実は変わらないのに
蓋をして押し込めて 感情を殺す
恋する月兎
地球と月の距離のように近くはないけど
引かれるように惹かれ合う感情まで
無かった事にはできないでしょ?
月の海にその身を投げて
灼熱の昼と凍土の夜に抱かれても
感情は消えない事はもう知っているでしょ?
砂だらけの世界
何もない世場所で
何にも守られず
剥き出しで 傷を晒す
クレーターすら抱きしめて
満月のように立ち続ける君だから
無防備にジャンプする瞬間に
魔法が生まれる化学反応
誰かへの反応じゃなくて
勇気ある言葉で感応する
感覚神経全てで受け止めて
だからその手で 求めて
蓋をせずに確かめて
恋する月兎
君の魔法を信じてあげなよ。