009 ベストな早起きとは
彼女は言いました。どんなに遅く寝たとしても、早起きすることが大切なのだと。しかし、早起きはとても辛いものです。特に夜更かしをした状態では。
「早起きすることで生活リズムが整えられる。しかも、朝日を浴びるためには早起きが必要不可欠なのだ」
彼女は言いました。朝日を浴びる事が必要不可欠なのだと。
「早起きですか。何時ぐらいに起きればいいのでしょうか?」
「お前は何時だと思う? 早起きに適切な時間は」
「六時三十分ぐらいですか」
「遅い。それは遅いぞ」
彼女は遅いと言いました。六時三十分に起きるのが遅いと。さすがの僕もこれには驚きを隠せません。
「え、では何時に起きればいいのですか?」
「朝起きるのに最適な時間は五時だ。生活リズムにもよるが」
「五時……」
途方もない時間帯です。というより、一番眠りが深い時でしょう。
「そうだ。五時が一番脳が活発的に動く時間帯だからな。五時に起きてやりたい事をするのがベストだな。たとえば運動とか」
運動は僕の一番苦手なものです。本当はなるべく家にこもってテレビゲームや読書をしたいのですが。
「運動ですか」
「適度な運動を心掛ける事によって、自然と夜に眠たくなる」
「寝る前に運動するのはいけないのですか?」
「駄目だぞ。逆効果だ。興奮して眠れなくなる」
彼女はそう言うのでした。
「逆効果ですか。それは以外でした。てっきり疲れて眠くなるものかと思いました」
「眠気が吹き飛ぶぞ。だから朝の眠たいときに運動をすればいい。特に効果的なのは腕立て伏せだ。十回程度行うだけで、あっという間に目が覚める」
「へえ、そうですか」
「早起きは自然なのだ。自然な事を出来ないのは病気と一緒だぞ。遅寝遅起きは根暗を引き起こす要因になるから気を付けろ」
「はい、気を付けます」
「まだまだ言いたい事はたっぷりあるぞ」
彼女の講座はまだ続きそうです。