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010  錆び付いた体


 彼女の講義は続いていました。こうやって睡眠の大切さを学んでいると、ひたすらに眠くなるものです。僕はアクビを手で隠しました。


「夜寝れない時はどうする?」


 教官がそう訊いてきたので、僕は素直にこう答えます。


「布団の中でゲームをします。そしたら疲れて眠くなりますから」


 しかし、彼女は首を横に振っていました。何故でしょうか。


「健康と目に悪いぞ。それは」


 しばらく彼女は首をブンブンと横に振って、否定していました。


「確かにそうですね」


 そうなのです。


「この世の中には布団の中でジッと出来る者と出来ない者がいる。出来ない者は無理に寝ようとせず、起きた方がいいな」


 そう、起きた方がいいと言っています。この教官は。


「え、起きてもいいんですか?」


「勿論だとも。そういう時は暇な時間が出来たと素直に喜べ。そして、布団から出て難しい本を読んでいればあっという間に眠気が襲ってくるぞ。ただしテレビやスマホを見ようとするなよ。ライトにやられて視力が根こそぎ奪われるぞ」


「それじゃあ、ゲームはいいんですか?」


「眩しいのは駄目だ。昔の携帯型ゲームは光らないから、やるならそれをやれ」


「成程、目が覚めるという事ですか」


「その通りだ。寝ることは自然な事なのだから、そこに科学を加えるのは御法度だ。あくまでも自然の摂理したがって寝ないと、翌朝が錆びついた機械の体になってしまうぞ」


 彼女は怖いことを言っていますが、真実でしょう。夜にゲームやスマホを弄っていると、必ず翌朝が辛いです。彼女が言った通り錆びついた機械のようです。



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