001 裁き
朝日が僕の寝ている部屋に差し込んでいた。
「起きなさい」
目を開けると彼女が僕の布団の上に座っていた。人間の暖かい温もりが布団越しに伝わってくる。あまりの心地よさにこのまま二度寝しそうになりそうだ。
「後……五分だけ……」
夢の世界に行きたかった。しかし、彼女がそれを許してくれるはずも無かった。
「何をバカな事言ってるのよ。今日も修行するわよ」
「修行って」
そう、僕と彼女は悪魔を殺すために生まれたエクソシストだ。僕は新米のエクソシストで、目の前にいる彼女が上司ということになる。
「エクソシストになるための修行に決まってるでしょう。さあ、着替えなさい」
僕は渋々、クローゼットの前まで移動して、エクソシストの制服に着替えた。それは皮とボロ布で造られた貧弱な装備で、彼女が着ているような戦闘用に丈夫な生地で造られた戦闘服とは訳が違う。僕が着ているのはまるでシンデレラが舞踏会に行く前の格好だった。
「ねえねえ、いつまでこの服を着ればいいの?」
「上官には敬語を使いなさい」
「はい、すみません」
彼女は僕より年下だった。だからタメ口で喋ってみたんだけど、それは彼女を怒らせるだけだったらしい。
「私が判断するまで、それを着続けるのよ」
「分かりました。それで、今日の修行は何をするのですか」
僕の口調は敬語に変わりました。
「今日は万が一敵の手に落ちた時に、拷問に耐えられるようにする修行よ。さあ、尻を出しなさい」
彼女はそう言いました。
「へっ?」
「早くするのよ」
僕は仕方なく尻を突きだしました。すると、彼女は僕のズボンを少しだけ
ずらして、尻だけを露出させたのです。僕はあまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にしてしまいます。
「何をするんですか?」
「拷問に耐えられる体にするのよ!」
バシン。という音と共に彼女が鞭を使って、僕の尻を叩いたのです。痛くて痛くて仕方ありません。
「ひゃい!」
「僕は変態の豚野郎ですって言いなさい」
彼女がそう命令してきたので、
「僕は変態の豚野郎です!」
と言いました。その瞬間、再び鞭が襲ってきました。
「もっと鞭でシバいて下さい。僕はドMなんですって言いなさい」
「も、もっと鞭でシバいて下さい。僕はドMの豚野郎です」
バシン。
「ぶひいいいいい」
「ぶひいいいいいいいい!!!」
バシン。バシン。
「良い子ね。もっとお仕置きしてあげるわ。良い声で鳴きなさい」
更なる鞭の攻撃が続きます。僕は何故か分からないけど、段々とテンションが上がってきて豚の様に鳴くのです。
「ブヒブヒのぶひいい!」
「そうよ。ドMになれば拷問も乗り切れるわ」
「はい。僕は正真正銘、真正のマゾですうぅ」
こうして、彼女の攻撃は夜まで続いたのでした。鞭によるお仕置きが終わると、僕の体は鞭の快感に敏感に反応する体に出来上がっていました。