交差点
何の変哲もない交差点…
すれ違う人々…
なぜこっちを見て微笑んでいる人がいるの?
少し怖いような、でも何かを伝えようとしているのでは…。
意識しすぎなのか、意識すべきなのか。
そんな葛藤の中歩く交差点。
どこにでもあるごく普通の交差点。
いつも通る交差点。
人通りは多い方だ。
青になった途端皆歩き出し、我先にと横断歩道を渡る。
僕もその群衆の中の一人。
別に急いでいるわけでもないけれど、
周りに急かされて歩いている。
そんな時って、主体性もなくボーッとしながら周りの流れに合わせて歩いている。
でも、そんな中思う事がある。
向かい側から歩いて来る人の中に、やたら目が合う人がいる。ただ目が合うだけじゃないんだ。ドキッとする。
知り合い?
いや、そうじゃない。
全く知らない人。
普通なら日常の景色となってしまうような人達の中にいる人。
特定の人じゃないし、いつもいるとは限らない。
いない時もあるし、二、三人いる時もある。
ただただ、ドキッとする。
あっ、美人だからか!
と思い気にしない時もある。
でもそれだけじゃない。
中年のサラリーマンだったり
学生だったり
老若男女問わず、それが起こる。
何で?
ちょっと微笑んでる人だっている。
何で?
僕の事を知っているのか。
ちょっと怖いような、でも気になってしまうその感じ。
でも、僕は気づいたんだ。
意味がある。
その微笑み。
その眼差し。
意味がある。
そして疑っている。
僕らは何かのゲームの中のプレイヤー。
自分達が気づいてないだけで、
日本中、世界中の何億という人々がいくつかのチームに分けられている。そしてら何かを競っている。
僕みたいな一般庶民には、何の為に、だとか主催者は誰かって事はわからない。
でも確実に巻き込まれている。
あの交差点だけじゃないんだ。
他の交差点でもそう。
繁華街の中やショッピングモールの中でもそう。
何かを僕に伝えたい、何か僕に指示をしたい。
そう思ってるのかもしれない。
まさか、普通の社会人の僕がそのゲームの中ではとてつもないキーパーソンだったりして。
はたまた敵かもしれない。
キーパーソンだけに、狙われてるのかもね、なんて考えてる。
頭がおかしいなんて思われるかもしれないけれど、
本当にすれ違う人とのあの感じ、
ただ偶然目が合ったからだなんて思える?
味方からのサインプレーの合図なのかもしれないよ。
よく通るあの何の変哲もない交差点。
それは戦場であり、一瞬の打ち合わせの場なのかもしれない。
誰が敵か味方かわからないけれど、僕はキーパーソン。
凛としたら態度で向かいから来る人々とすれ違いたい。
何の変哲もない普通の僕だけれど、何の変哲もない交差点を今日も誰より誇りを持って歩いて行く。
お読み頂き誠にありがとうございます。
本小説は始まりに過ぎません。
後から話があるのか、それが皆様の頭の中で繰り広げられのか、このサイトに登場するのか…。