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18:久しぶりのアイダホでキャットファイト

ずっとアマノハラに籠るのもどうかということで、私は、ララとアイリスさんと一緒にアイダホに来ている。


私たちのアイダホの家は町の人が残してくれているけれど、直接家に転移すると目立つので、近くの森に転移してから徒歩で町まできた。


町には人が増え、以前よりも活気に溢れている。

銅の採掘の事業も軌道に乗ってきているようね。よかったわ。


荷物を家に置いて、町並みを眺めながら歩いていると、


「おっ、ボムッチじゃん。久しぶり」

「あら、フラムじゃない。久しぶり。背が伸びた?」


私が講師を務めた爆発魔法の授業で一番成長した男の子が声をかけてきた。数ヶ月会ってないだけで、背も伸びている。成長期はすごいわね。


「結構伸びたぜ!もうボムッチよりも背が高いぞ!けどまぁボムッチも一応伸びてるな!安心しろ!」


謎のフォローを受けたけど、この世界にきてから1年くらい経って、確かに私の背は伸びていた。フラムには抜かれちゃったけど、日本にいた時の今の年齢の時よりは身長が高くなってる気がするのよね。

正確に測ってないからわからないけど、アイリスさんのおかげで栄養バランスのよいものを食べてるからかしら?


「それは、ありがとう。それにしても子供の成長は早いわね」


私がしみじみ言っていると、


「ボムッチも子供だろう。なんかおばさんみたいだぞ」


「なっ!レディーに向かって失礼よ!」


「レディーっていっても俺と数歳差程度じゃないのか?背伸びしなくていいんだぜ!」


目の前のドヤ顔の少年に思わず爆発魔法をお見舞いしそうになったけど、私は大人だからこれくらい余裕よ。


「ふふふ。大目に見てあげるわ」


「どうした急に笑って。気味悪い」


・・・落ち着け私。


私が自分を落ち着かせていると、フラムはあたりをキョロキョロしはじめた。


「なぁ、アイリスさんとララさんは一緒じゃないのか?」


フラムは心なしかソワソワしているわね。

これはもしかしてもしかする?


「どっち狙いなの?」

「えっ!べつに!そういうのじゃない!いつも一緒だから今は1人でどうしたのかと思っただけだ!」


明らかに焦ってるわね。


「確かに、ララもアイリスさんも人気よね。早くしないと誰かと仲良くなっちゃうかもよ?」


さっきの仕返しとばかりに、ちょっとからかってみた。

ララは可愛らしい見た目とちょっと淡白な言動のギャップがいいらしく、特に同年代から人気があった。

アイリスさんに至っては、年代問わず人気になっている。

私?私はほら爆発の魔女だから・・・


脳内でちょっと不貞腐れていると、現実ではフラムが慌てていた。


「そ、そういうんじゃないって言ってるだろ!」

「はいはい、わかりました」

「ほんとだからな!」

「そういうことにしておきましょう。それよりどこか行く途中じゃなかったの?」

「そうだった!鉱山で爆発してくる!またな!」

「うん、またね」


走っていくフラムを手を振りながら見送ってから、私は冒険者ギルドに向かった。


「今日はケンカしてないといいけど・・・」


ララもアイリスさんも人気だけど、アイダホには人気がある人がもう1人いる。

ただ、アイリスさんとは馬が合わないらしく度々ケンカしていた。


冒険者ギルドの扉をあけて中に入ると、そこには前回と似たような光景があった。


「さすがは腹黒受付嬢様ね。相手を騙すのがお上手ですこと」

「言いがかりはやめてくれないかしら?アイダホに有利な条件を、ルーク王国の事務官に飲ませただけじゃない。そんなこともわからないなんて、栄養が頭じゃなくて別のところにいっちゃったのかしら?」


冒険者ギルドの受付嬢のエミリーさんは、そう言いながらアイリスさんのある部分に視線を向けていた。


アイダホで人気があるもう1人はエミリーさんだ。

ルーク王国の事務官相手に対等以上にわたりあっていて、アイダホの発展にかなり貢献している。

才色兼備のクールビューティーのような扱いで、しかもたまに醸し出す時アンニュイな雰囲気がまたいいらしい。後者に関しては、町の男性談である。


しかし、本人たちは相性が悪い。

2人とも町での人気には興味がないから人気取り合戦ではなく、シンプルに相性が悪い。


おっと、アイリスさんのターンだ。


「あら?ひがみ?かわいそうね・・・」


そうはいってもエミリーさんもスタイルがいい。

ただ、アイリスさんの果実が豊満なだけだ。


「独人的かつ都合の良い解釈ですこと。シスターさんには論理的思考がないのかしら?」


「シスターは関係ないわよ。それこそ、論理的思考がないんじゃないの?」


いがみあう2人は唐突に、壁際で気だるげにしていたララを巻き込んだ。


「「ララちゃんはどう思う?」」


ララは嫌そうな顔で2人のほうを向いた。


「ララちゃんは私の味方よね?」

と、アイリスさん。


「最近ぽっと出てきた人が何を言ってるの?私の方が付き合いが長いわ。姉と妹のようなものね」

と、エミリーさん。


「私はララちゃんと一緒に住んでるわよ。もう名実共に家族だわ」

と、アイリスさん。


正確には家は別だけど、危機管理能力の高い私はそれを言わずに口をつむぐ。

 

ララ本人は、心底めんどくさそうにしている。


アイリスさんとエミリーさんの話題がララのことになりギャアギャア言い合っている間に、ララのそばにいった。


「ララ、こういう時わね。『私のために争わないで!』っていうの」

「なぁ、それ、逆にめんどくさくならないか?」


私とララが呆れながら冒険者ギルドから出ようとすると、エミリーさんが


「あっ、ユカちゃん。ルーク王国があなたのこと探しているみたいだから気をつけてね」

「あっはい」

(ルーク王国が私に何のようだろう?鉄鉱石を探す才能があるとか思われている?まぁ、ほとんどルーク王国近辺にこないし、大丈夫でしょう)


アイリスさんとエミリーさんを後に残して、私とララは町の手伝いに向かった。


いずれにせよ、フラムをはじめとする人材がちゃんと成長してるし、この町の発展も軌道に乗っていることはいいことね。


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