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仮題:奴隷皇子の大出世  作者: 富田大志
序章:家内奴隷クレオン→逃亡奴隷クレオン→鉱山奴隷クレオン
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第四話:『銀の脚持つアタランテ『渾身の大作戦』』

『アッテナイ』、『アッチカコッチカ』、『アレモレコモ会議』、『ブリブリネイス』……だ、だめだ。もうこの時点ですでに『俺の脳みそ』は『容量オーバー』になっちまってる……こういう時は一旦『頭を冷やして』、『蛙の声』にでも耳を傾けるべきだな……、



『ブレケケケックス! コアックス! コアックス!』と『山の蛙』



 ……ほら俺の言った通りに鳴いてるだろ? やっぱり『蛙』の鳴き声はこうじゃねーと『締まらねぇ』よな~『松尾芭蕉』が『風流』を感じるのも納得できるってやつだぜ。でもこれが『集団』で鳴いてるとすげーうるさいんだよな。マジで頭から離れなくなるんだよ『コアックスさん』がよ……(ゲシュタルト崩壊)。



「……『地獄』みたいな山の中で『河の蛙』が鳴いてる……なんで『蛙』ってあんな『変な声』で鳴くのかしら?? 私昔からあの『鳴き声』を聞いてると『自分の作品を滅茶苦茶こっ酷く馬鹿にされている』気がしてならないよね……」とアタランテ。


「はぁ?? なんで??」と俺。



 その後アタランテは『ヘラクレスが腹ペコなのは解釈違いだわ………』とかなんかぶつぶつ言ってた。俺にとってはこいつが言ってることの半分以上が『山の不思議』だわ、マジで何の話だ?? 


 つーかなんで『アタランテ』は俺より『年下』なのにこんな『色々なこと』を知ってるんだ? あれか? 『世界一金持ちの国』だから『農民』も『学校』ってやつに通ってるのか? くそ~別にうらやましくねーからな! どうせ俺なんて『学校』に通っても『いじめられる』だけだから通ってなくて清々してるくらいだぜ!




『先輩『狂暴』すぎて絶対いじめられないと思うっすよ(確信)。あと『アッテナイ』じゃなくて『アテナイ』ですって全然『難しい単語』じゃないっしょ(呆れ)』とペンテシレイア。




 うるせぇえええええそうだよ『酸っぱい葡萄』だよ!(泣) つーかどんなんだっけ『アタランテ』が言ってた『作戦』って!? 俺は『100字』を超える台詞は頭に入らねーもんだから全然聞いてなかったんだよな。『レイア』代わりに説明してくれ(ブン投げ)。


『『主人公一人称視点』の『責任』を放棄しないでくれます??(溜息)本当に先輩は私がいないとダメっすね~、え~と確かこんな感じのこと言ってたっと思うっすよアタランテパイセンは……』





『アタランテ』は『疲れで地面に大の字になっているクレオン』を上からのぞき込んでこんなことを言ったっすよ。



「いいクレオン? まず今この『ラウレイオン鉱山』がおかれてる『状況』を理解しなさい? 今『大魔王テュポーン』は『コリントス』の土地に『スキュレー軍』を配置してて、いつでも『アッティカ』に攻め込んでくることができるわ。一方『トロイア王国』も『トロイア王プリアモス』が『ヘクトール王子』に『軍隊』与えて今すぐにでも『スニオン地方』を侵略できるの。つまり今『アテナイ』は『大魔王軍』と『トロイア人』に『挟み撃ち』にされてるってことでOK? いくら『アテナイ』が『世界一お金持ち』といえども『挟み撃ち』にされたらさすがに勝てないから……」


 でも『クレオン先輩』はご存じの通り『ミジンコみたいな脳みそ』なんで『コリントス』とか新しい単語が出てくると悲鳴をあげたんすよ(『お前いきなりひどくね?』byクレオン)。



 そこで今度は『クレオン先輩』が手を挙げて質問したらしいっす。


「まて待てまだ俺は『聞きたいこと』があるんだって! 『アレモレコモ会議』とか『ブリブリネイス』って何なんだよ一体!? わからねー単語のせいで全然頭に入らん! まずそこら辺を順番に説明してくれよ! そうじゃなかったら『国語辞典』持ってきてくれって俺字読めねぇけど!(切実)」


「…………もう『アレモレコモ会議』とか言ってる時点で『説明してもどうせわからない』としか思えないわよ……(げんなり)……わかったわ、もう『難しい単語』は一切使わずに説明してあげるわよ。たくっ、なんで私が『年上』にこんなことしないといけないんだか……(ぶつぶつ)……それともまさか『わざと』やってるんじゃないんでしょうね……???」とアタランテ。


「いや俺が馬鹿なだけだってへそ曲げるなよ(汗)。媚びを売るってわけじゃねーが『アレオパゴス評議会』とか俺も響きが格好いいと思うぜ?(歯キラリ)」


「やっぱり『わざと』やってるんじゃない! あんたのためを思って言ってるだから少しは真面目に聞け!!(ビンタ)」


「ぶげぇ!?(吹っ飛ばされた)」



 クレオンはアタランテの『全力のビンタ』を食らって吹っ飛んだっす。今度はうつぶせに倒れたクレオンの腰の上にアタランテが座ってから、


「…………まああれよ、私の『作戦』を『簡単に』説明すると『北に大魔王軍がいて、南には『トロイア人』がいてどっちも『ラウレイオン鉱山』を欲しがってる。だからこの山を守るために『アテナイ人』は『奴隷であっても戦える奴は兵士にしよう!』ってことになったの。つまりクレオン、あんたも『モンスターとトロイア人』相手に戦って『武功』をあげたらワンチャン『解放』してもらえるかもしれないってことよ…………私の言ったこと理解できたかしら?」とアタランテ。


 そういわれてもクレオンはアタランテの言葉が『蛙の声』にしか聞こえなかったらしくてしばらく『フリーズ』してたそうっすけど──『そろそろ俺と交代しねーか?』byクレオン──『5分』くらいかかって『再起動』してなんとか喋ることはできたらしいっすよ。


「………『鉱山奴隷』を『兵士』にだって?? え、そんなことできるのか……?? じゃあ一体誰が『鉱山』で働くんだ?? まさか『アテナイ人』が代わりに採掘してくれる……?(期待)」とクレオン。


「『鉱山奴隷』らしいわよ。つまり今まであんたたちには『鉱山での仕事』しか課されてなかったけど、これからプラスで『鉱山を守る仕事』も任されるってことになるわけね」とアタランテ。


「まあそうなるわな(がっかり)……いや予想できたけどよ、でも結局俺ら『奴隷』の負担が増えるだけじゃねーか……そんで『戦争でけが』しても『治療』はされないんだろ? もっとやばい状況になってるだけだな……はは、俺まじで『一か月後』生きってかな?」



 …………、





 だからなんか喋れや『レイア』(ツッコミ)。たく、お前はマジで『飽きっぽい』な…………えーおほん! 俺は『アタランテ』の話に『心底げんなり』して、夜遅いこともあって『眠く』なってきたんだが、一方『アタランテ』はそこでなぜか興奮し始めて、


「まあ確かに『鉱山奴隷』の人たちの負担が増えてるのは確かにその通りなんだけど……(汗)。でもクレオンよく考えてみてよ、『鉱山奴隷を兵士にする』ってそれは『軍用奴隷』のことなのよ? つまりあんたは『武功』をあげれば『自由』がご褒美としてもらえるかもしれないの! これって『大チャンス』じゃない!? ねぇ俄然『テンション』があがってこないかしら!?」とアタランテ。


 あー、なんつーか、こういう時本当に『自分の教養のなさ』に嫌気がさすな。俺は『渋々』という感じで、


「…………なぁ、その『軍用奴隷』ってのがいまいちわかってねーんだよ俺は。『ご主人様と一緒に敵の軍隊と戦う奴隷』らしいけど、つまりどういうことなんだ? おまえもさっき言ってたけど『奴隷』は『自由人』と違って『ゴミみてーな食い物』しか食ってなくて『ガリガリ』なんだから『兵士』になるわけねーだろ??」



 ここだけの話だが、じつは『ペイシストラトスの屋敷』に居たときは『ご主人様と糞アホ口臭激臭ヒッピアスの食べ残し』が俺ら『奴隷』の食い物だった。基本的に『肉』は全部食い尽くされてるからほとんど食えなかったけど、それでも『骨付き肉の肉無し』とかがよく出されたから『骨の表面の肉のカス』を頑張ってこそぎ取ったり、骨割って中身吸ったりはできたもんだ。あとは『ヒッピアス』が残した食パンの耳とかな、あいつ『サンドイッチ』がでても耳食わねーんだよ贅沢野郎だからな(怒)。



『私もパンの耳嫌いだから食べないっすよ』とペンテシレイア。


 な!? くそ、やっぱりてめぇも『お姫様』かよ……(がっかり)。


『それは全く関係ないっすよ(呆れ)』



 その当時は『くそ残飯処理させやがって』と思ったけど、『鉱山』に来てからは俺が『甘ちゃん』だったことが分かったな。なんたって『鉱山』で出る飯は全部『メザシ』だぜ!? なんで『メザシ』なんだよせめて『山』で採れるもんにしろよ! ずっと『メザシ』だからもう飽きてんだよ、せめて『鍋の底に残ったカレーの残りかす』でもいいから違うもの食わせてくれ……(切実)。



 すると『アタランテ』は腰に手を回して『超絶どや顔』で、


「じつに『模範的』で『世間知らずお馬鹿一直線』のコメントだわ! 『奴隷』って立場便利よねお話づくりには! だって『無教養』だから『世界観説明』にもってこいだもの! 『軍用奴隷』は他の奴隷とちょっと違って『特殊』なのよ! 『ご主人様と戦う奴隷』ってのは間違ってないけどね! あんたは『リュサンドロス』って人知らないのかしら!?」とアタランテ。


「『メタ』はやめろ(呆れ)。『リュサンドロス』だぁ? 誰だよそいつ(素直)」と俺。


「『スパルタ』の『英雄』よ! なんでも産まれは『メッセニア人の奴隷』だったらしいけど、『軍用奴隷』として働き始めたらどんどん『出世』していって、最後は『スパルタ海軍の最高司令官』まで上り詰めた『偉人』なの! ……ってあんた『スパルタ』とか『メッセニア』とかわかる…………わけないわよね(汗)」


「まあわかるわけねーよな(平然)。でも『スパルタ』なら聞いたことあるぜ? 確か『スパルタ人は並の人間の『10倍の戦闘力』を持ってる』っていう『超人族の国』なんだろ?(冗談めかし)」と俺。


「まあその理解で間違ってはないわね。『軍用奴隷』ってのは『奴隷』だから『足枷手枷首輪』はつけられたままなんだけど、他の『奴隷』と違って『肉とチーズ』を毎日お腹いっぱい食べさせてもらえて、他の仕事はせずに『ひたすら訓練』して『ムキムキ』になってる『奴隷の戦士』のことよ。もちろん『敵の将軍や王様の首を取った』ら『自由』を与えられるのよ! 『スパルタ』にはそういう人が多いって話ね~…………つまり『クレオン』もそれを目指せばいいってわけよ! この『ラウレイオン鉱山』をめぐる『戦い』でね!」



 恥ずかしながら俺は『スパルタの英雄リュサンドロス』のことを全然知らなくてな……でも今でも気になるんだが、その人『スパルタ人』なのか『メッセニア人』なのかどっちなんだ??


『どっちでもよくないっすか?』とペンテシレイア。


 …………まあ確かにどっちでもいいな(思考放棄)。



 ……そんなことより俺にとって『重要』なことは『別』にある。この時アタランテから初めて『俺の『推しピ』リュサンドロス』を教えてもらえて『テンション爆上がり』しちまった。


「りゅ、リュサンドロス…………すげぇ…………! 俺そんな人初めて聞いたぜ……? ほ、本当にその人は『軍用奴隷』だったのか? まじで『軍用奴隷』は『功績』があれば『奴隷から解放』してもらえるのか…………!?」と俺。


「もちろんよ! だって『軍用奴隷』は『国を守るために戦ってくれる英雄』なんだもの! もちろん『軍用奴隷』は『スパルタ』だけの話じゃないわよ? 今『ここアテナイ』でも『ラウレイオン鉱山で働く奴隷たちが『モンスター』や『トロイア人』と戦って『武功』をあげたら『自由を与える』』て話が『アレオパゴス評議会』で出てるの! この『噂』が今『マロネイア村』で『話題』になってるんだから! どうクレオン? あんたもこの『作戦』に乗る気になったでしょ? 乗る気になってるはずだわ! そうよね!?』とアタランテ。


 俺はもちろんそこで『当たり前じゃねーか!!』…………とは言わなかった。代わりに『ヘッ』と鼻で笑ってふて寝して、


「…………それのどこが『作戦』だよ(呆れ)。まあ確かに『軍用奴隷』の話は『初耳』だし『自由になれるチャンス』だとは思うけどよ、でもお前考えてもみろよ? お前曰く俺は『ろくなもん食ってないガリガリの奴隷』なんだぜ? 『農民の女』にもスピードで負けるような奴でしかも『武器』なんて持ってねーんだぜ? お前どう考えても『武功』どころじゃねーだろ、それよか『戦争に巻き込まれて死にそう』だって『心配』すべきだぜ普通はな。なら俺は『アトレウス皇家の守護霊が現れるのを待つ作戦』を提案するぜ! どうだ? こっちの方が少なくとも『安全そう』じゃねーか? どこか隠れて待ってればいいんだからよ」


 アタランテが言う、


「でも『鉱山奴隷も活躍したら奴隷から解放する』って話は本当なんだけど??」


「その話だって信じられねーっつーの。そもそも『ご主人様』からそんな話は聞かされてねーからな」と俺。


 前回の『次回予告』の話はもちろんこの夜の『翌朝』の話だから俺は知るはずがない、面倒くさい『時系列』ってやつだよ。


「でも『噂』は本当だもん。『パパ』と『ママ』も言ってたから絶対だわ!(頬プクー)」とアタランテ。


「『はいそうですか』とは言えねーだろ俺の立場にしてみればよ。それにもしそれが『本当』でもお前の言ってる話は『作戦』になってーねーって。だって俺が『武功』あげるとか無理だもんどう考えても」と俺。


「そうなの? あんたなんか『身のこなし』が『村の男の人』と同じなのよね、私の見た感じだけどさ。もしかして『戦う訓練』とかうけたことないの?」とアタランテ。


 こいつなんか『異常』に鋭くね?? そういえば『モンスター』の中には『心を読める能力』をってるやつとかいるって話だよな……と俺は思いながら、


「なんでわかるのお前?? 確かに俺はここに来る前に『冒険者』について行って『特訓』してもらったことはあるぞ一応。つっても『荷物持ち』だったから全然強くねーけど……それがわかるってやっぱりお前は『精霊』か『モンスター』……」


「やっぱりそうなんじゃないかと思ったわよ(華麗にスルー)。なら問題ないわよね? たぶん『武器』とかそのうち『ご主人様』から配られるんじゃない? 私も自分でできる範囲だけどあんたに『協力』してあげるわよ。あんた外のことわからないだろうから教えてあげるし、欠けてる『常識』も教えてあげるわ(ドヤ)」


「お前に『常識』を教えてもらったくらいで『武功』が上がるかよ(マジレス)。そんな『作戦』にもなってねー『作戦』に乗って『あぶねー目』に遭うくらいならまだ『奴隷どもの反乱を煽ってその隙に逃げる』の方がずっとましな『作戦』だぜ…………つーかそっちの方がまだ『実現可能』じゃねーか? だって『奴隷』どもはすぐに『暴動』を起こすからちょっと煽ってやればすぐに『大混乱』になるぞ…………??」


 俺はここで自分が言った『ふざけた思い付き』が『全然ふざけてねーぞ?』と考え直し始めていた。だって『コドロス』の糞はほぼ毎日『奴隷同士の喧嘩』をやめさせてるじゃねーか…………『やめさせる』っつーかあいつが喧嘩してるやつ『両方ボコる』だけなんだが。あいつもなんか地味に強いんだよな…………つーことは俺が『奴隷』どもを焚きつけて『暴動』を起こさせれば、その混乱に乗じてマジで逃げるれるんじゃね……!?


 だがそこでアタランテが強い口調で、こんなことを言いやがったんだ。




「……駄目よ逃げたら。『逃げる』のは負けよ」とアタランテ。




 その言葉を聞いて俺は途端に『カチン』ときてまた立ち上がって──上に載ってたアタランテを押しのけて──怒鳴っちまった。


「んだとゴラ!? てめぇは所詮『自由人エレウテロス』だからよく知らねーんだろうがな! 俺ら『奴隷ドゥーロス』が『解放』される方法は『ご主人様から解放してもらう』以外の方法がねーんだよ!! 後はそれが無理なら『逃亡奴隷』になるしかねぇ! でも『逃亡奴隷』を助けると『他人の道具を盗んだ』てことになって助けた『自由人』が『犯罪者』になっちまうんだ! じゃあどうすればいいっていうんだゴラァ! 俺は今の『ご主人様』の顔すら知らねぇのにどうやって『気に入られろ』っていうんだよ!!」


 そういうとアタランテのあのバカアマ…………ってなんだよ『レイア』、今大事なところなんだから割り込んでくんなって(呆れ)。




『…………クレオン先輩、そのことについて前々から気になってたことあるんすけど、『合法的に奴隷から解放される方法』って本当に『ご主人様から『OK』を貰う』以外の方法ってないんすか? ほら、よくあるじゃないっすか、『奴隷が自分自身を買い取って自由人になる』ってやつ。あれとかできないんすか??』とペンテシレイア。



 お前なぁ…………そんなの『ご主人様』が『売らない』っていったらどうするだよ?



『…………え? そんなことできるんすか??』とペンテシレイア。


 むしろなんで『出来ない』って思うんだ?『教養』のない俺がこういうのもあれだがなレイア、ちょっと考えてもみろよ? 例えば『市場』に言って『魚売ってる商人』に『魚が載ってる籠を売ってくれ』っていうじゃん? そしたら『商人』から『旦那、それは売りもんじゃないんですよ。魚なら売ってますよ』って言われたら? 売りもんじゃないものをどうやって買うんだお前は??


『…………それは『大金』を出して買えば…………』とペンテシレイア。


 やっぱり『お姫様』は違うな(へっ)。でも普通『商売』ってのは『売りたい奴』と『買いたい奴』が両方いて初めて成り立つものなんじゃねーの? だからどれだけ『奴隷』が『ご主人様』に『俺を売ってください!』っていっても『お前は売らない』って言われたら終わりじゃねーか。そういう場合お前はどうするんだよ?


『……………………確かに『奴隷』が『大金を積む』ってのも無理っすよね……後私は『お姫様』じゃなくて『女王』っすよ『全然らしくない』っすけど、へへ』とペンテシレイア。


 へいへいどっちでも大して変わんねーだろ(鼻ほじ)。そもそも『奴隷』は『道具』なんだからどれだけ『稼ごう』ともその『稼ぎ』は全部『ご主人様』のものだろう? お前は『トラックの運ちゃん』が『トラック』に給料を払うと思うかよ?? 『奴隷』は『車』と同じもんだぜ、大体値段も変わんねーだろうしな、たぶんだけど。


『……うーんさすがは『奴隷』の専門家っすねクレオン先輩は。『奴隷』に関することなら『辞典』並みの『教養』を持ってて素直に敬意を表するっすよ先輩』とペンテシレイア。


 こんなこと何が悲しくて詳しくならねーといけねーんだよ(涙)。



 さーて、気を取り直して『アタランテのバカアマ』に俺は『ブチギレ説教』をかましたわけだが…………そう思ったらアタランテの方も『逆切れ』して俺を『ビンタ』、つーか『張り倒し』やがったんだ。


 バシィッ!


「ぶげぇ!?(また吹っ飛んだ)」と俺。


 アタランテは『怒り』が『湯気』になって見えそうなくらいの『気迫』で、


「…………たとえそうであっても『逃げる』のだけは絶対にダメよ! それは『問題』を先延ばししてるだけで『解決』してないわ! そして今のあんたに『先延ばしできるだけの時間』が残ってると思ってるの!? 『一か月後生きてるかわからない』っていったのはあんた自身よ!? 私だって『無茶なこと言ってる』ことくらいわかってるわよ! それでもあんたが『合法的』に『自由』になる方法がこれしかないの!! 『逃げた』ってどうせまたここに連れ戻されるだけよ! あんたは自分が『奴隷』でも『匿ってくれる人』でもいるの!? そんな『変な人』いないでしょ!?」とアタランテ。




 もちろんそんなこと俺だっていやというほどわかり切ってる。本当にあんたとは『もっと違う形』で出会いたいかったぜ『アリス』……、


 ……だから俺は『すっかり萎えた』顔で起き上がって、


「…………糞ったれ、んなことお前に説教されなくてもわかってるってーの。でも言っとくがお前の『作戦』は普通に『実現不可能な夢物語』だからな?」


「『ピュテアス』という『船乗り』はそれまで誰もが『想像』すらしていなかった『北極圏』に見事たどり着いてみせたわ(ドヤ)。『成せばなる』のよどんな物事もね」とアタランテ。


「『ピュアです』?? 自分でいうなよ(違う)。なんだよお前のその『異常な自信』は…………つーかてめぇさっきから『バシバシ』俺のこと『ビンタ』してくれってけどなぁ!? 俺は殴られたら殴り返す質なんだよ相手が『女』だろうと関係なくな! てめ一発殴り返させろや! 殴られっぱなしが一番腹立つんだよ!!」


 俺はそう言いながら『ファイティングポーズ』を取った。あ? なんで急に攻撃的かって? こいつ俺のこと何発も殴ってるし、しかも俺の『一番センシティブな部分』に土足で踏み込んできたじゃん? もうこれ殴ってもいいことだよな??(答えは聞いてない)


『本当にガキっすね先輩w』とペンテシレイア。


 あーそうだよ! 『むしゃくしゃ』するから仕返しをしてーだけだよ! くそがあああアタランテ大人しく殴られろおおおおお!!


「ちょっと!? まるで猪みたいなやつねあんたは! もしかしてあんた昔『逃亡』したこととかあるの!? それで誰かに拾われたけど連れ戻されたとか!? 『14歳の奴隷』が『冒険者の手伝い』してたってよくよく考えたらおかしいわよね!? もしかして『ご主人様の元から一回逃げ出して冒険者に拾ってもらって、『自分は奴隷じゃない』って嘘吐いたけどバレて連れ戻された』経験とかある感じ!?」とアタランテ。


「お前もしかして俺の心読めるのかよ!?(恐怖)やっぱり『モンスター』だなてめぇえええええ『ノルマ達成』してやるうううううう!!」と俺。


 俺がまたも『ムキ』になって追い掛け回すが『アタランテ』は本っっっ当に捕まらない。だが今回は今までとは違い、『アタランテ』が『反撃』に出たんだ。


「…………っ! ちょっとしつこいわね! 骨折っちゃったら御免! 一応当てないようにはするから……!!」


 そう叫ぶなり『アタランテ』は『ふわり』と飛び上がり、『突撃』している俺の『頭』に向かって『照準』合わせる(殺す気満々だろ!)。俺はその瞬間『本能的』に『やばい』と思った。



 アタランテの奴は『飛んでもないスピード』で走り『異常なジャンプ力』をもってる、つまりその『脚力』で『蹴り』を放ったら『滅茶苦茶な威力』になるんじゃねぇーか……?



 そう思った刹那、『アタランテの回し蹴り』が『炸裂』した!!


 カカッ、


 バキャァアッ!!



 俺は一瞬頭が真っ白になった。なぜなら『アタランテの右足』が俺の『鼻先』をかすめて『横にあった木の幹』に『突き刺さった』かと思ったら『幹が爆裂』したからだ。



 これが『アタランテ』の最大の武器であり『大魔王軍』に畏れられ『トロイア人』を唖然とさせた『黄金の足』………ならぬ『銀の脚』だ。



「ヒィェッ!?(なんだこのアホみてーな威力の蹴り!? 殺られる!)…………うがあああああああああ!!」と俺。



 俺は一瞬にして『火事場モード』が発動し、渾身の力でアタランテの『みぞおち』に拳を叩き込んだんだ!


「くらぇえええええ!!」と俺。


「ゲフゥッ!?」とアタランテ。


 事前に『空中』に浮かんでいたこともあり『アタランテ』はそのまま『身体をくの字』にまげて吹っ飛んで地面に倒れてしまった。俺は『ぜぇはぁ』と全身冷や汗を流し、とりあえず呼吸を落ち着かせてから気絶しているアタランテを見下ろして、


「…………あれ? そういえばこいつの家ってどこにあるんだ??」


 あの夜はマジで困った…………結局アタランテが起きるまで俺がそばにいることになったんだよ。まあ自業自得だけどな、はは(反省)。




 その『夜』の『翌朝』が前回俺が『次回予告(?)』で話した『朝食の場でコドロスが話していた内容』になるわけだ。俺はさらに時間が進んで『その日の夜』にいつも通りの場所に現れたアタランテに向かって、


「…………すまん、お前の言ってた話『マジ』だったぜ……骨折れてねーかお前? 俺結構力強いから男の骨でも折っちまうんだよな」と俺。


 アタランテは最初は『ブスッ』とした顔をしていたが俺の言葉に途端に『どや顔』になって犬歯を見せ、


「別に。あんたに殴られたくらいで骨が折れるようなやわな身体じゃないわ! それより『ご主人様』から『大魔王軍やトロイア人』についての話を聞かされたわけね? なんて言ってたの? …………はいこれ私の家の夕飯よ。『今日すごくお腹すいた!』ってママに言って多めに作ってもらったの」とアタランテ。


 そういってアタランテが『ピタパン』を差し出してきた。やっぱ『パン』っつたら『ピタパン』だよな(こだわり)。これに『ケバブ肉』挟んで食うとマジうまいんだよ。まあ『ケバブ』じゃなくて『ギロ』って言わないと怒られるけどな(誰に?)。


「お、サンキュー♪ …………確か『コドロス』の糞が言ってたのは『鉱山は『アッテナイ軍』が守るけど奴隷も協力しろ、もしそれでデカイ武功をあげたら『奴隷』から解放してやる』…………って話だったな」と俺。


「あんた意地でも『アテナイ』って言わないつもりみたいね……♯ ていうかその『コドロス』って誰よ?」とアタランテ。


「耳を澄ませてみろよ」


「??」





『…………きょあああああああおおおおおおおああああああ!! クレオオオオオオオン!!?? どこだああああああああ!!??? 俺にはお前が必要なんだぜクレオオオオオオオよおおおおおお!!!』とコドロス。





「…………『あれ』だよ(笑)」と俺。


「『あれ』が『奴隷の元締め』なの?? もしかして本当に『モンスター』??」とアタランテ。


「ああ、たぶんこの鉱山はすでに『テュポーンの息子コドロス』に乗っ取られちまってるんだよ……あとお前の家の『ピタ』あんましうまくねーな。『ペイシストラトスの屋敷』の『パン焼き奴隷』の方が腕がいいみてーだ。俺ペイシストラトスの残り物いつも食ってたし」と俺。


「奴隷だって良い物食べれてるんじゃない!!(ツッコミ)」とアタランテ。



 アタランテと出会ってから『三日目の夜』はそんな感じで始まったわけだ。本当のところ『ラウレイオン鉱山』の外では『怒涛の勢い』で『戦況』は動いていて、本当ならこんな風に『ゆっくり』してるどころじゃなかったんだろうが、俺とアタランテは『とりあえず飯食いながらこれからどうするか考える』くらいしかできなかった。


 そりゃあ『アタランテの作戦』は『作戦』と呼べないような代物だなんだからしょうがない。目下最大の『問題』は『武器』の調達だった。どうやってアタランテが俺のところに『武器』を運んでくることができるか、だ。


「…………それにしても驚きなんだけどさ。なんであんた『武器』もってないわけ?? 普通は配られるんじゃないの話の展開的にさ」とアタランテ。


「そう思うだろ? でもそんなに甘くなかったんだよこれがな。まさか『奴隷には武器は配りません』なんて堂々と言われるとは思わなかったぜ……」と俺。


 え? 何の話かって? それは例の『朝飯の場でコドロスが奴隷どもに告げた『ご主人様』の言葉』に関することなんだが……すまん。ちょっと今回は語ることができなかったので次回に回させてくれ。



『こんな『時系列』が『行ったり来たり』するくらいなら前回『次回予告』なんてしなければよかったすね』とペンテシレイア。



 だって『次回予告』しないと次も読んでもらえないと思ったから……(弱気)……もうしちゃったもんはしょうがねーだろしちゃったもんはな! じゃあ続きは次回だ! 以上! そんじゃ今回はこれでさいなら~(強引に幕引き)。

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