第二十八話:『人間とサイクロプスの『腹の探り合い』と『ミュシア王テレポス』』
さてさて、『あんまりダラダラ』やっててもしょうがないですし、それに何といっても『マリス王ピロクテテス』が『毒であまり時間が無い』こともありますので、足早に『物語』を進めていきましょうか。今回は『前回の続き』で『イタケ王オデュッセウス』が『単身』で『カベイロイ族』の住む『ヘパイストス神殿』にやってきたところからっす。
ではまずっすが、結局最初に『オデュッセウス王』を出迎えた『キュクロプス兵』たちは彼を『ヘパイストス神殿の中』に案内することにしたっす。
『俺たちはあくまで『門番』、『一兵卒』に過ぎないからお前と『休戦』とかそういうのの判断はできんのだ。だから『オデュッセウス』よ、貴様に『カベイロイ族の長老の一人』と面会させてやる』とキュクロプス兵たち。
『『長老』の一人ではなくて『長老会』を開くべきではないのか?』とオデュッセウス。
ここで『クレオン先輩』が『質問』のために『挙手』する『前』に『フィロメデュサ』が『解説』してくれたっす。
「『カベイロイ族』は『伝統的』に『貴族寡頭制』と呼ばれる『政治体制』をとってまして、『30人の長老』が集まって話し合う『長老会』で『国家の政治』を決めてるんです! もちろん本来なら『オデュッセウス王との休戦』も『長老会』で話合うのが筋なので、彼が言ってることは『凄く真っ当なこと』ですよ!」とフィロメデュサ。
「うわ、『政治』の話かよ、その単語が出るだけで『蕁麻疹』がでそうだぜ(寒いぼ)」とクレオン。
「……(クレオンに膝枕されながら)……何言ってんのよどうせ『何言ってるか理解できない』くせに。理解できないのなら『政治の話』をしてるかどうかもわかんないでしょうが(呆れ)」とアタランテ。
「てめー足『ぶるぶる』させて寝づらくするぞゴラ(怒)」とクレオン。
っすが『オデュッセウス王の当然の注文』をやっぱり『キュクロプス兵』たちは『笑い飛ばし』て、
『は! 貴様が『大軍』できたのならともかく『単騎』で来るとか言う『我らを舐め腐った態度』をとるのだから我々も『相応の待遇』をしているだけだ! それでも『長老の一人』がお前と会ってくださるだけでも『破格』なんだぞ! 感謝こそすれ、非難される筋合いはないわ!』とキュライノス兵たち。
そうやって『オデュッセウス王』は『ヘパイストス神殿』の内部に通され、『神殿』のあっちこっちで『泥や石を組んで作られた炉』から上がる『炎と煙』や、『炉』の『空気穴』にたまった『金属カス』を掻きだしている者、『懸命』にハンマーで『赤い金属』を打っている者、『炉の温度が適温を維持できますように』と『ワイン』を捧げて『月桂樹の枝』を振り回しながら『祝詞』をあげている者………さまざまな『キュクロプス兵』たちを横目に『奥の部屋』に通されたっす。
そしてそこに『寝そべって』まっていたのは一人の『キュクロプス』だったそうっす。っすが『格好』から明らかに『貴族』だったので『オデュッセウス王』が向かい合って座り、
『私は『ラエルテスの子オデュッセウス』だ。そなたの名は?』
『ふふ、私の名は『ガラタイオス』、かの『高貴なるニュンペー:ガラテイア』の『息子』であり、その『高貴な血筋』ゆえに『長老』の席を『カベイロイ族』から与えられたものだ。今回はそなたとの『交渉役』としてここにきている。さぁくつろいでくれオデュッセウス王よ、『座って』いてはこっちも落ち着いて話ができないからな』とガラタイオス。
この『ガラタイオス』という『キュクロプスの母親』は彼の言う通り『ガラテイアと言う女精』でして、かつて『カベイロイ族全員』が『夢中になった』とされる『魔性の女(の精霊)』っすよ♡ 結局この『ガラテイア』は『カベイロイ族の長老の一人』の『妻』になって『子供』を産み、そのうちの『一匹』が目の前の『ガラテイアの子』なんすね。
そこで『クレオン先輩』がやっぱり手をあげて、
「…………あれ? なんか前に『コーラス』がそんな風なこと歌ってたけど、確かその『キュクロプスが夢中になった女』って『ヘラクレスの嫁』じゃなかったっけ??」とクレオン。
「『デイアネイラ姫』の話ですよね? 実は『キュクロプス族』は『美女に目が無い種族』でして、定期的に『人間の女』や『ニンフ』に夢中になるんですよ! ちなみに『デイアネイラ姫』は結局『ヘラクレスと結婚』したので『キュクロプス族』の女にはなりませんでしたが、『ニンフ:ガラテイア』は『キュクロプス族』に迎えれられて『一員』になってますね!」とエウリュメドゥーサ。
「…………『オデュッセウス王』は『嘘』がうまいんだろ? 『女装』したら『カベイロイ族』騙せたんじゃね?」とクレオン。
「だめよ、『オデュッセウス王』は昔『トロイア遠征』の時に『乞食』に変装して『イーリオン』に潜入したのに『ムキムキ』過ぎて怪しまれたから『ヘカベ王妃(プリアモス王の正妻)』に『命乞い』して助けてもらってるもの(黒歴史)」とアタランテ。
ちなみにっすが『キュクロプスの長老ガラタイオス』はこの時『ベッド』に『左腕』で『頭』を支えながら『寝そべって』まして、彼の前には『御馳走やワインが載ったテーブル』があり、さらにその向こう側に『オデュッセウス王が座っているベッド』があったっす。『宴会』では『寝そべって食事する』のが『マナー』ですので『座る』のは『下品』なので繰り返し『ガラタイオス』が『寝る』よう促したっす。
『さぁ『くつろいで』くれ『イタケ王』よ。そう『落ち着きのない格好(座っている姿勢)』では『腰のすえた話し合い』もできまい。それに『寝そべらないで摂る食事』は『胃腸に悪い』と言うじゃないか』と『ガラタイオス』
言われた『オデュッセウス王』は怖い顔で、
『………『落ち着いて話し合いがしたい』のなら俺の要求に応えろ。一つ目は『とらえたマリス兵を全員引き渡せ』、『二つ目』は『今すぐ『大魔王軍』に力を貸さないと『ヘパイストスとポセイドン』にかけて誓え』、『三つ目』は『ピロクテテス救出を援助しろ』だ。俺は『うだうだ』と長話をしたくてここにきたんじゃない。手短に済ませろ』とオデュッセウス。
だが『ガラタイオス』は『ワイン』を呑み『鳩の肉』をもぐもぐほおばりながら、
『ふふふ、そなたのその『強気』については私も『理解』している。まずそなたは『ピロクテテス王』が『毒』で倒れて『パン神の笛』に吹かれた(『パニックになった』)者達が『誰彼構わず』に助けを乞うのを阻止してみせた。特に『リュディア人』や『トラキア人』が今回の件に絡んでくると『面倒この上ないこと』になることを理解していたからだ。そして『マリス兵』たちが『集団』で『トロイア軍』のもとに向かう方が『バラバラ』で向かうより『安全』であることも視野に入れて、な………』
オデュッセウスはまだ寝そべらない。そこまで言ってから今度は『ヤマウズラ』の肉を口に放り込んでから、
『………またこうやって『単身』で私たちのもとに乗り込んできたのも『時間』が惜しかったからだろう? 『トロイア人』どもが駆け付けてくるまでに『我ら』を『説得』して『休戦協定』締結に『めど』をつけたかったからだ。そなたはかつて『ポリュペモス』によって『信頼できる部下』をすべて失っているからな………『羊を養うイタケの王』よ、実は私も『大魔王軍』より『人間諸国』との方が『盟友』として『より信頼に値する』と思っている。これから『具体的な休戦協定の条件の設定』に付き合ってくれないか?』とガラタイオス。
だが『機略縦横のイタケ王』はまだ寝ない。その代わり『酒杯』を手に取って、
『………『宴会の主催者』が『ケチ』なことほど『不幸』なことはない。『世界の運命』を決める『会議』の『長さ』はひとへに『時間を計るワインの量』で決まるからな』とオデュッセウス。
『ふふふ、『会議の重要さ』は『空になったワイン樽の数』で測ることができるなんて言葉もあるくらいだからな。『オデュッセウス王』よ、そなたが私のもとでどれだけ『喋ろう』とも『のどの渇き』を感じることは決してないと『ヘパイストスとポセイドン』にかけて誓おう』とガラタイオス。
『では私も『守護神アテネ』にかけて、『寝そべって』馳走を受けようじゃないか』とオデュッセウス。
やっと彼が『寝そべって食事を始めた』ので『会議』が始まったっす。まずは『ガラタイオス』の方が口火を切って、
『ではまず『マリス兵』に関してだが、確かにそなたの言う通り『30名』ほどの『トラキス人』を我らは捕縛している。『長老会』は実を言うと『意見が真っ二つ』に割れていてな、ある者は『ネッソスに引き渡すべき』といい、他方は『魔法で『記憶喪失』にしてから解放すべきだ』とかいって一つにまとまらんのだ』とガラタイオス。
『ふん、『党派の争い』が起こってるわけか。どこでもあるものだな』とオデュッセウス。
『まあな。だがこうやって『ずる賢い狐』である『貴様』に話したということは、『それほど大したことではない』ということでもある。我ら『キュクロプス族』は『血のつながり』によって『強固に統一』されており決して『分裂』することはない(自慢げ)。なので『マリス兵』が欲しかったら『長老会』を『説得』する必要があるな。また『大魔王軍に力を貸すな』という件についてだが、実はその件に関しては『長老会』は一切関与してない』とガラタイオス。
もちろん『大魔王軍に力を貸している云々』の話は『オデュッセウス』が『偽ピュラデス』を退治したら『カベイロイ族の打った短剣』を持っていた件についてっすが、これに関して『ガラタイオス』は『知らない』と答えたことになるっす。そうなると『オデュッセウス王』は不機嫌な顔になって、
『知らないだと? なら『カベイロイ族の中の『何者か』が『こっそり』と『大魔王軍に武器を流している』ということか?』とオデュッセウス。
『そうだ。いや、厳密には『武器を横流ししている可能性がある』というだけだ。貴様も知っている通り我らは『自分たちが作った武器』が『選ばれた人間』以外に渡らないように『流通』を『厳密に管理』している。『武器を与えた人間の王(とその部下たち)』にも『直系の子孫以外の譲渡』を原則禁止し、もし『大魔王軍』が所有していることが判明した場合は『調査団』を結成して『入手ルート』を調べつつ『回収』も行っているのだ。もちろん『製造された武器』はすべて『番号』をつけて『どこの誰が持っているか』もリストアップしている………貴様が持ってきた『短剣』を見せろ、番号で『照会』できるはずだ』とガラタイオス。
だが『オデュッセウス王』は『短剣の引き渡し』を拒否して、
『いいやダメだ。せめて『ヘクトール』がやってきてからだ。こいつを『トロイア人』が来る前に『隠された』ら困るからな。俺はまだ貴様らを信用したわけじゃない』とオデュッセウス。
『ふふ、『知恵者』と言うよりかは『臆病者』だぞオデュッセウスよ(嘲笑)。まあ『短命種(人間)』相手だから手加減してやろう、さてでは最後の『ピロクテテス王の救援』だが、これも結局は『長老会』を説得すればいいだけの話だ。つまりお前さんは最初から『長老会』に出席して『説得』をするしかないということだな』とガラタイオス。
『だから俺は最初から『長老会』を開けと言ってるだろ(怒)。わかっているのならなぜこんな話し合いの場を設けた? 嫌がらせか??』とオデュッセウス。
『単に『レムノスの法律』では『長老会』を開くためには『長老』の一人が『主催』しないといけないし、また『長老』以外の者が『出席』するためには『長老の口利き』が必要と言うだけだ。私がその『口利き』をしてやろうという話だが………お前には『説得』する前にいろいろと『事前情報』を教えておかないちいけないのだ。つまり『どの長老』が『私』と『同じ党派』で、『どの長老』が『敵対する党派』に属しているのかをな………『味方の者』に失礼な態度をとられては困る、そういう『政治』の話だ』とガラタイオス。
『面倒くさいことを! そんな『まどろっこしい』ことなど必要ない、この『機略縦横の知将』が『妙案』を授けてやろう。お前さんが『味方の党派』の者たちと組んで今すぐ『クーデター』を起こして『敵対する党派』の『長老』どもを『拘束』してから『拷問』にでもかければいい! そうすれば『武器の横流し犯』も一緒に見つかって全部『スピーディー』に解決だ。『クーデター』なら俺の得意分野だ、何だったら『首謀者』になってやろうか?』とオデュッセウス。
『バカ抜かせ、私を試しているのかもしれないがそんなの『笑えない冗談』だぞ。貴様は『ずる賢い狐』だからそうやって『離間の計』を仕掛けることで『カベイロイ族』を『好きに操縦』したいのだろうが、『1000年』も『独立』を守る我らを『嵌める』ことなど絶対にできんぞ(嘲笑)』とガラタイオス。
『………こんなこと説明する必要もないだろうが、今『レムノス』は『危機』に陥っているぞ? 『ネッソス隊』が『トラキス軍』を『完全に無力化』した後『何もしないで帰る』ことはありえない。『レムノス』を抑えれば『スキュレー軍』は『アテナイ争奪戦』でも『利点』を得られる。そして『俺』が呼んだ『トロイア軍』もそれは同じだ。そんな『板挟み』の苦しい状況に『陥りかけている』のに、それでも『クーデター』を起こさないと? 事態は『急転直下』で動いているのに?』とオデュッセウス。
『ふふふ、そうやって必死にたきつけるがいい、その『短い人生』を空費するだけだがな(嘲笑)』とガラタイオス。
『機略縦横のオデュッセウス』はしばらく『ガラタイオス』の『顔』を『じっと』観察したっす。もちろん『ガラタイオス』は『余裕の笑み』で視線を返し、『イタケ王』は色々と『推し量った』っすね。
(…………俺やこいつが何を言おうが今現在『レムノス』の置かれている『状況』は『大魔王軍最精鋭部隊スキュレー軍の一部隊VS人類最強のヘクトールの軍隊』の『戦場』になりかけているという『立場』で間違っていない。こんな状況で『カベイロイ族の意見が不一致』だなんて、それこそ『一族の興廃』に直結する『大問題』だ………それでも『クーデター』に乗ってこないということは、『カベイロイ族』の『一体感』は我々が思っているよりも『強固』らしいな。『絶対に内戦には陥らない』という強い『自信』があるからこそこうやって『俺』と『腹芸の真似事』を悠長にやれるわけか。なるほどな、それが分かっただけでも『収穫』としよう)とオデュッセウス。
この『レイアちゃん』から見てもこの当時の『レムノスのカベイロイ族』が置かれている状況は『深刻で危機的』っすね。なにせ『大魔王軍と人間諸国の戦争』に巻き込まれたくなくて『キュクロプス族』は『中立』を貫いていたはずなのに、『両勢力』の『現状最強勢力』が『同時に自国に侵略』してきてる形になってるんすからねぇ。もしこれが『アテナイ』だったら速攻で『親大魔王派VS親トロイア派』で『内戦』始めてるっすよ(いや実際『奴隷反乱』が無ければすでに始まってるんすがね)。
「『腹芸』ってどういうことだ? 『オデュッセウスとガラタイオスの会話(会談)』ってようは『お互いに本音を正直話し合ってるだけ』にしか聞こえねーのは俺が馬鹿だからか?」とクレオン。
「はははは! 結果的にはそういう『認識』でも間違いではないですよ! そしてこの後『オデュッセウス』は『長老ガラタイオス』の『案内』で『カベイロイ族の長老会』で『演説』を行うのですが、いったん『場面』を変えましょう! この時の『他の勢力』の動きを『簡潔』にお伝えいたしますよ!」とフィロメデュサ。
(………本当にクレオンは『呑気』だけど、『バッカイ』達も負けないくらい『危機感0』ね………まあでもおかげでこうやって『体力』を蓄えれるわ………)とアタランテ。
そして一方の『ガラタイオス』の方も『オデュッセウス』の顔色を注視しながら色々と『考え』を巡らせていたっす。
(オデュッセウスは『生意気』な態度をとりつつも『本音』は『共同戦線』を欲している。我らが『秘密貿易』で『スキュレー軍』に『武器』を『輸出』していたことも『人間諸国との同盟』を結ぶ『見返り』として『免罪特権』の付与を要求すれば受け入れるとみてまず間違いない。だが『オデュッセウス』は『重大な懸案事項』をわざと『スルー』している………)
ああ、ここで一応『補足』っすが、『免罪特権』とはそのまんま『罪を許される特権』のことっす。『王様』が『家臣』の罪を許すこととか、あるいは『司法取引』とかも含む『広い意味』の言葉っすが、今回の場合は言うまでもなく『カベイロイ族が大魔王軍に協力していたことに対する『報復』を絶対にしないと人間諸国が誓うこと』を意味してるっすね。っすから『報復免除特権』と呼んだ方がより正確かもしれないっす(『また難しい話してる………』byクレオン)。
(…………『対大魔王軍共同戦線』が仮に『結成』できたとしても、『トロイア人』が『アテナイ人』に『懲罰』を与えないのなら我らは『参戦するだけ損』になるからな。我らが『1000年』の間保ってきた『中立』をかなぐり捨てる『見返り』に『相応しい』のはそれこそ『アッティカの支配権』や『パンガイオン金山の独占権』しかない。果たして『人間ども』はそれだけの『財宝』を我らに差し出せるほど『気前がいい』かなぁ? 『オデュッセウス』がこのことをちゃんと『理解している』か、そして奴が得意の『口八丁』で『人間諸国』を納得させることができるか、その腕前を見せてもらおうじゃないか、ふふふふ………)とガラタイオス。
この『キュクロプス』はこんなこと言ってるっすけど、『1000年前』は『キュクロプス族』にとっては『両親が若かった時代』っすから『人間』とは全く感覚が違うっすよ。『初代』に始めた事業を『二代目』が『継がないことにした』程度のことっすが、『ガラタイオス』はそれを分かったうえでこう考えてるんすよね(『狡りぃ一つ目小僧どもだぜ』byクレオン)。
ではここで『場面』を変えましょう。まずは『レスボス』の国から『出撃』した『ヘクトール率いるトロイア軍主力部隊』の話っす。彼らが向かった先は『レムノス』と『レスボス』の間にある地域『テネドス』っすが、そこへ『向かっている途中』に『トロイア軍』に参加していた『王侯』の一人がこんなことを『提案』をしてきたらしいっす。
『ヘクトール殿、今回我らは『テネドス』に全軍を向かわせていますがどうでしょうか? 軍隊を『半分』にわけて『ハロネソス』を占領しに向かうのは?』と『ミュシア王テーレポス』
『テレポス王』は『トロイア王国』の『属国』の一つである『ミュシア』と言う国の王様っすが、産まれは『アカイア帝国の属州』だった『アルカディア州の州都テゲア』っす。なので『アカイア人』なんすよね。っすが『奥さん』が『トロイア王プリアモスの娘ラオディケ姫』でして、なぜそうなったかと言うと『アルカディア人』が『アカイア帝国』から『独立』しようとして『反乱』を起こした時に『トロイア王プリアモス』が支援したからっす。
つまりその時に『テレポス王』は『ラオディケ姫』を『正妻』として迎えたんすね。っすがこの『アルカディア反乱』は『同じアルカディア地方の都市マンティネイア』の『裏切り』もあって『三か月ほど』で『鎮圧』されてしまいまして、その代わり『アカイア帝国』と『トロイア王国』も『和平』を結んだ時に『テレポス夫妻』にも『アガメムノン帝』が『恩赦』を与えたということがあったんすよ。
そしてその『数年後』、色々あってまた『アカイア帝国』が『トロイア』を『滅ぼす』ことを決意しまして、そのためにまず先に『属国ミュシア』を侵略したことがあったっす。『アガメムノン帝』は自軍の『切り込み隊長』に『テレポス王』を指名し、『テレポス王』は思い悩みつつも『妻の実家の戦士たち』を『殺戮』して『忠義』を示したとか………これはまさに『英雄叙事詩』っすね。っすが『トロイアの知将プリュダマス』の『姦計』にはまって『生け捕り』にされてしまい、今度は逆に『アカイア帝国軍』と戦わされる羽目になったらしいっす。彼の活躍で『アカイア帝国』は撤退したので、その功績で『ミュシア王位』を貰ったらしいっすよ。
「なんか『かわいそうな人』じゃねーか………なんで『爺ちゃん』………『アガメムノン帝』は『テレポス』ってそいつにそんな『意地悪』なことをしたんだ?」とクレオン。
「『トロイア王国軍』の中で『ミュシア人兵士』は『リュキア人』と並んで『勇猛果敢』で知られていた人たちだったので、彼らへの『精神攻撃』ですよ! 実は『ラオディケ姫』は『プリアモス王』と『ミュシア人の側室』の間に産まれた娘でして、『ミュシア人』たちからとても『人気』があった『憧れのプリンセス』だったのです! そんな彼女と『テレポス王』は『とても夫婦仲が善かった』と言う話もあって、だから多くの『真面目なミュシア人兵士たち』が『お姫様を悲しませれない!』と戦意が鈍るように『アガメムノン帝』が『謀った』のですよ!」とフィロメデュサ。
「なんか普通に『やり方が汚い』わね………しかも結局『失敗』してるし………」とアタランテ。
「んだとゴラァ!! 『戦わずに降伏してくれる』方が『平和』でいいじゃねーか! 『勇猛果敢なミュシア人』が『アカイア帝国軍』に加わってくれたら来るべき『大魔王軍』との戦いだってもっと『違う展開』になってたかもしれねーだろうが! 『爺ちゃん』の計画は間違ってねーんだよ! ただ『運』が悪かっただけだぜ!」とクレオン。
「あんた『アカイア帝国』が敗退した経緯知らないでしょうが(呆れ)」
「おほほ! 確かに『ミュシア遠征』の時系列は『大魔王軍との戦争』間近のタイミングでしたのでその可能性が高いですね! ですがこのような『狡い作戦』はいかにも『コリントス王シーシュポス』や『イタケ王オデュッセウス』が好みそうな手ですので、恐らく『あの二人のどちらか』、あるいは『二人』が共同で立案した『作戦』かもしれませんよ!」とフィロメデュサ。
「ぜってー『オデュッセウス』関わってるだろ、そんな『陰険な作戦』を『爺ちゃん』が思い付く訳ねーからな!(秒速掌返し)」とクレオン。
「言っとくけどその『陰険な作戦』を『採用』したのは『アガメムノン帝』よ(呆れ)」とアタランテ。
長くなりましたっすね(汗)。ではこの『複雑な経緯でミュシア王になったアカイア人テレポス』が『ヘクトール王子』に『ハロネソス出兵』を持ち掛けるところに戻るっす。
ああ、またも『補足』になって申し訳ないっすが、まず『テネドス』と言う国は『地理』を『超簡単』に説明しますと『トロイア(イーリオン)』と『レムノス』の『中間地点』にある『国』で『トロイア王国』の『属領』でして、現在は『トロイア王国の元老』の一人である『アンテノール』の領地になってるっす。
当初『ヘクトール』がこの『トロイア領』である土地に向かうことにしたのは『レムノスのカベイロイ族』に『軍事的圧力』をかけることが目的だったからっすね。
『『キュクロプス族』たちが『マリス兵』を助けようとしてない以上、少なくとも連中は『味方』ではない。『オデュッセウス』がどう考えているかはわからないが──いや、あの男の『本音』を探ることは誰にだって不可能だろうが──『俺』は俺自身の判断で『カベイロイ族とは平和な話し合いができない』と『確信』している。なのでまず『レムノス』に隣接している『テネドス』に『新しい要塞』を建設し、そこを『拠点』として『レムノス』の『土地』を『劫掠(破壊と略奪)』したいと思っている。連中の『農作物やワイン蔵や家畜』を『根こそぎ』奪い取ることで『いやでも我らに協力せざるを得ない』状態に追い込むべきだ』とヘクトール。
意外に思われるかもしれないっすが、『ラダマンテュス』や『プリュダマス』や『メムノン』、さらには『テネドス領主アンテノール』など、彼と共に出征していた『王侯』たちもだれもこの『ヘクトールの作戦』には反対しなかったっす。
『むしろありがたことだ。『私個人の財力』では『防御力強化』にも限界があるからな』と『元老アンテノール』
『『キュクロプス族』は『人間』ではない。『人間』の真の味方は『人間』だけだ。『人外種族』は常に我らを『見下している』から対等な『交渉』などできない』と『エチオピア王メムノン』
『『キュクロプス族』を敵にする『リスク』があるとしても、『兵糧が調達できる』、『補給線を固めることができる』、『トロイアの守りを強化できる』と『リターン』の方が大きい。私もそれでよいと思いますな』と『知将プリュダマス』
『もしこの場に『サルペドーン』がいても賛成していただろうな、いかにも『あいつ好み』だヘクトール王子』と『裁判官ラダマンテュス』
『俺は『サルペドーン』とは『馬があう』といつも思っているんだがな………(溜息)』とヘクトール。
っすが先ほど述べた通り『ミュシア王テレポス』は『レムノス攻撃』の手を緩めてその分を『ハロネソス』に向けるように進言したというわけっす。
『ヘクトール殿下、『テネドスの確保』は『レムノス劫掠』をより『容易』に行うため、また同時に『トロイア本国の防衛力』を高める『二つの意味』があるので『名案』であると思います。ですが『ハロネソス』も抑えるべきです。あそこは『アテナイ人の植民地』ですし、なんといっても『ケルソネソス』と『アッティカ』をつなぐ『交易ルート』を『防衛』するために絶対に確保が必要な『国』の一つです。むしろ『ハロネソス』を制圧できれば『エウボイア(アテナイの重要な植民地)』はもう『目の前』と言える地点、つまり『ハロネソス』を抑えれば『アッティカ』や『その向こう側』からやってくる『大魔王軍』の監視も容易になるのです。我らは『大軍』なのですからそれを行うだけの『余力』はあるのでは?』とテレポス。
ああ、思ったより話が進まなかったっすね。それでは『続き』は次回に持ち越すっす~!




