第二十七話『バッカイ達の『オルロー』と狡い狐のオデュッセウス』
さてさて、それでは少々『時間』が空いてしまいましたが『続き』から行きましょうか。まず『ラウレイオン鉱山』の山中で『バッコスの信女』達と出会った『クレオン先輩とアタランテパイセン』はなぜか『バッカイたちの演劇』を観賞する流れとなったわけですが、『アタランテパイセン』だけは『こっそり』抜け出していたっす。
「クレオンの奴本当に救いようのないレベルの『バカ』なんだから………! いくら『バッカイ』達を知らないからって『人間を動物と間違えて殺してる』時点で『超危険なカルト教団』だってわかるもんでしょうが! 『アテナイ』の『ディオニッシア祭』の時に『女性市民』が変装する『偽のバッカイ』とは『全然別物』なのよ本当にもう!!(苛立ちMax)…………こうなったら私一人で何とかして『バッコスの信女』たちから目を盗んで『クレオン』を連れ出して逃げないと………!!!」とアタランテパイセン。
この時『クレオン先輩』は『酒と肉』に舌包みを打ちながら『演劇』を心底楽しんでいたわけでして、よくもまあそんあ『アホ』をパイセンは見棄てなかったっすね(感心)。
っすがその『演劇』は『バッコスの信女』たちが『皆』夢中になっててくれたおかげで『パイセン』が脱出するのはそう難しいことではなかったそうっす。なので『アタランテパイセン』は難なく『茂み』に入って身を潜め、まずは『十分な距離』離れてから『計画』を実行しようと思ってたっす。
(…………『木霊』は気まぐれだけど『私に対して特別な悪意』なんてないはずだわ………だったら私の言葉もそのまま『オウム返し』するはずだし、よーし、じゃあ一つ『試して』やろうじゃないかしら………!)
パイセンはそう思うと『アテナイ』で人気の『アリストパネス』と言う『劇作家』が書いた『喜劇:女だけの祭り』という作品に登場してくる『木霊』の登場シーンを思い出し、その場面をその場で『再現』し始めたっす。
アタランテ『………いっそ『妾』を、あの高空の火を吐く星が、
不運なこの身を、滅ぼし去ってくれたらいいのに
もはや『天』なる永遠の炎を眺めることも、
恋しくはありませぬ。こう戒めに掛けれらた日には。
咽喉を断つ苦しみも神々ゆえ、
亡者の国へと『幽冥道』を渡っていく身に』
すると早速『山々』を反響する『声』が聞こえてきたっす。
木霊『………ごきげんよう、お姫様。あなたを岩でさらし者にした父君、『ケペウス様(アンドロメダの父)』が『神罰』で死ねばいいのに』
この『木霊』の声を聴いて『アタランテパイセン』は思わず『ガッツポーズ』したっす。ちなみにこの『セリフ』が歌われたシーンは『海に突き出た岩に縛り付けられて怪物の生贄にされそうになっている『アンドロメダ姫』………に自分をたとえている『女装したまま柱に磔にされている爺さん』』でして、一方『木霊』は『その老人の息子』でである『悲劇作家エウリピデス』っす(『つまりどういう状況だよ』byクレオン)。まあそんなことはどうでもいいことでして、『アタランテパイセン』はさらに『演技』をつづけたっす(『謎すぎる上に説明なしかよ』byクレオン)。
アタランテ(女装老人役)『お前は誰かえ、妾の不幸を嘆いているくれるのは?』
木霊(エウリピデスではなく本物)『『こだま』ですわ。人の言葉を歌い答えて『ふざけかえす』者ですの。去年もちょうど同じところで『エウリピデス』の悲劇を上演する『手伝い』をしてあげましたのよ。だけどね、貴女は『自分の役』をしなきゃあいけません、哀れげに泣くんですのよ』
重ねて言うっすけどこれは『女だけの祭り』と言う『喜劇』の中の『セリフ』っす(なので意味が分からなくても仕方ないっす)。『アタランテパイセン』はそこまで聞いて『木霊はちゃんと私の声にも反応するわね』と確信し、『脳内』で自分の『作戦』を確認しながらさらに『茂みの奥』へと進み始めたっす。
『(よしよし、これならもうちょっと『離れた距離』まで移動してから『イアッコス(ディオニュソス神の別名)』を『騙って』あの『バッカイ』たちに『クレオンとアタランテを無事に送り出せ』とか命令すればいいわけよ。それにしてもやっぱり『喜劇王アリストパネス』はすごいわね~『人間』だけじゃなくて『木霊』なんて『化け物』にまで『ネタ』が通じるんだものね~♪ さぁて、もう少し進んだら………)って、あ」とアタランテ。
「あいた!」と信女の一人。
アタランテパイセンはここで『想定外の事態』に遭遇してしまったっす。実は『バッコスの信女』達の中に『酔っぱらった』挙句『みんなの集まり』からちょっと離れた所に『移動』していた連中がいまして、そいつらが『酔いが回ってぐっすり寝ていた』場所に『パイセン』がうっかり迷い込んでしまいまして、しかも『寝ていたバッカイの一人の手』を思いっきり『踏みつけて』しまったために気づかれてしまったっす。
「いった~! ちょっと誰~? 私の腕を踏むなんて………って、あら? 『アタランテちゃん』じゃない。も~! 酔ってるから仕方ないだろうけどちゃんと足元よく見て歩いてちょうだい~!」と信女の一人。
「「「ん~? なになに~? 何かあったの~?(起きた)」」」と他の信女たち。
「あ、す、すみません………(最悪! これだと『木霊』を利用できないじゃない!)」とアタランテ。
そしてこの『信女』たちは起床するやはいやすぐにその場で『酒盛り』を始めたっす。起きてるときは基本的にずっと飲んでるのが『バッカイ』なので、『アタランテパイセン』も早々に捕まって一緒に『酒』を飲まされたわけっすね。
「ほらほら『アタランテちゃん』も呑んで飲んで! あら? なんだか顔色が善くないわねあなた! そういう時は『お酒』が『百薬の長』よ! 『ヒポクラテス先生』も『酒を飲めば病気知らず』っていってるらしいし(大嘘)! ほら飲んだ飲んだ! ………ちょっと何そのノリの悪さ~? 私のワインが飲めないって言うの~!?(絡み酒)」と信女α。
「い、いや、私は生まれつき飲むスピードが遅くて………ははは(なんとか逃れようとしてる)」アタランテ。
「私もなんか具合悪いわ………おえぇ!(嘔吐)」と信女β。
「ちょっとちょっと! 『酒』は飲んでも呑まれるなよ! ほら『酒』を克服するためには『酒』の力を借りるのが一番! しっかり『酒』を飲み込んでやりなさい!(無理やり飲ませる)」と信女Γ。
そういうなりこの『信女Γ』が『お相撲さんが使うような超巨大な酒杯』を持ってきて飲ませ始めたっす。
「ごくごくごく………おえぇ!(また嘔吐)」と信女β。
「ちょ! 急性アルコール中毒になるから! 水持ってきて水! この人殺す気なの!?」とアタランテ。
「「「ちょっと『水』とか『雑魚女』のやることよ~! 『ワイン』は『水』で割らずに『ロック』で飲むのが『いっぱしのバッカイ』なんだから~!」」」と信女たち。
「『水割り』じゃなくて『水』を飲ませて安静にさせろって言ってんのこの『飲んだくれ』ども! いくら『宗教儀式』でも限度ってもんがあるわよ!!(怒)」とアタランテ。
そうやって『怒鳴って』も『バッカイ』たちは反省しないどころか誰も『吐いた信女』を『介抱』しようとしないので仕方なく『アタランテパイセン』が『水』を飲ませて『膝枕』までしてあげてたっす(やさしさ)。そうしながら『あ~、どうやってこの状態から脱出すればいいのかしら』と悩んでいると、ふとそれまで『バカ笑い』していた『信女』たちの一人が『いい気分』になったのか唐突に『歌い始めた』っす。
「…………『突然あなた(ペンテウス王)の御母上(アガウエ王妃)は『角ある牛』の鳴き声を聞きつけて、『バッカイ』の真ん中に立ち上がり、眠りから目覚めて体を動かせと、『オルロー』の叫び声を高らかに響かせた』………」と信女の一人。
するとその場の『信女』達が全員『ピタッ』と動きを止めたので『アタランテパイセン』が思わず身構えたっす。するとさらに複数の『信女』が、
「「「…………『女たちは瞼から深い眠りを拭って、すっくと跳ね起きて、若い女も年取ったのも、また結婚前の乙女(処女)たちも、驚くべき統率の取れた行動をした』………」」」
その時点で今まで『飲んだくれて寝転がっていた信女たち』が『一人』、また『一人』と起き上がり始める。『アタランテパイセン』の顔が硬直し始め、さらには『介抱していた信女』までもが『唱和』し始めるっす。
「…………『まず髪をほどいて両肩に垂らした。それから『小鹿』の皮(の服)は、結び目の解けていた肩ひもを結びなおして身だしなみを正す。そしてまだ模様の皮を絞めた腰帯は、舌を『チロチロ』とさせて頬を舐める『蛇』であった』………」
………オルロー………!
山のどこかから聞こえてくる『オルローの叫び』、そしてそれに合わせて『信女』たちが口々に『エウ・ホイ』とゆっくりと、だが『徐々にテンポを速めながら』口ずさみ始める。『森森』が『ざわざわ』と騒ぎ始め、まるでそれは『デルフォイの鎮守の森』で木々の枝葉を揺らして『神託』を告げる『アポロン神』や、『ドドナのゼウス神殿』で『樫の木のざわめき』を通して『巫女』と会話する『ゼウス神』のよう、
………『オルロー』………『オルロー』………!
ああ、ここで『ディオニュソス信仰を迫害した罪で『ディオニュソス神』の『神罰』を受けて死んでしまった『テーバイ王ペンテウス』の『最期』についての『補足』すが、実はこの『ペンテウス王』は『ディオニュソス神』のけしかけた『マイナデス(信女たち)』に『素手』で『八つ裂き』にされてるんすよ。
つまり『バッコスの信女たち』は『ディオニュソス神』から『不思議な力』を与えられていまして、『素手』で『動物の肉』を『引き裂けるだけの怪力』を与えられただけでなく、『テーバイの兵士』たちが『青銅や鉄の武器』で攻撃を仕掛けても『傷ひとつつかなかった』なんて言い伝えられてるっす。しかも『バッコスの信女』たちは『ペンテウス王』を殺す前に『エリュトライ』と『ヒュシアイ』という二つの『国』を『襲撃』してまして、それらの国の『軍隊』を『素手』で『撃破』したあげく『住民の全財産や子供』まで連れ去っているらしいんすよね。
え、なんでそれらの国が襲われたって思うっすか? そんなの『ちょうどいい所に居た』からにきまってるじゃないっすか(理不尽)。なので今回の『信女』たちの『獲物』も当然ながら『身近にいる信女じゃない二人組』っすよ。
「「「エウ・ホイ、エウ・ハイ………! いけ『リュッサ』の『狂犬』たちよ、いけ、山へ。『カドモスの娘たち』が『隊列』を組んでいる。『山』に向かって『疾駆』せよ。女たちの気を狂わせて、『獲物』達を襲わせるのだ。『無知な子供』を装って『マイナデス(バッコスの信女たち)』を『偵察』している、あの『気の狂った二人組の斥候』を。いざ『正義』よ、姿を現わせ。剣をかざして『喉』を貫き『殺戮』せよ。『ケクロプスの子供』の、神なく、法なく、義を知らぬ、土から産まれた『族』のあの二人………」」」
その場の『信女全員』がそんなことを歌いながら『ギラギラと輝く目』で『アタランテパイセン』に一斉に目線を向け始めて………『アタランテパイセン』はその時すでに『空を飛びあがって』いたっす。
「…………はぁああああああ! どりゃああああああ!!」とアタランテ。
バギャッ!!
パイセンの『剛腕』ならぬ『剛脚』によってすぐ近くにたっていた『樹齢100年はいってそうな大木』が『幹』から『ブチ折られて』しまい、そのまま『アタランテパイセン』の頭の上に落ちてきそうになったので力いっぱい『蹴り飛ばして』みせたっす。
「ふん!」とアタランテ。
メギャアッ!!
折れた『古木』は二回目の『蹴り』で『明後日の方向』、つまり『アタランテパイセン』も『バッカイ』たちも居ない方向に『吹っ飛ばされて』言ってすぐに見えなくなったっす。もちろん『信女』たちは『ぽかん』と呆けた顔になっており、さらに『アタランテパイセン』は『お相撲さんの盃』を掴むと豪快に『一気飲み』してみせたっす。
「ふんがあああああああ!!(がぶ飲み)!! どうよ私の『ディオニュソス力』は!?(謎概念)あんたらにこれが『真似』できる!? 所詮は『雑魚女』だから『お相撲さんの盃』でだって『一気飲み』できないでしょうが! 私と『飲み比べ』できる『肝の太い女』はいないのかしら!? 最近はずいぶんと『女ども』も腑抜けてきたようでがっかりだわ!!」とアタランテ。
すると『バッコスの信女』たちは『ハッ』と正気に戻ってから、
「「「わたしたち『バッコスの信女』に『飲み比べ』を挑んでくるとは愚かな『娘』ですね! 『けちょんけちょん』にしてあげますよ!!!」」」
どうやら見事『バッカイ』達の『プライド』をくすぐったらしく、まるで『都市のディオニッシア祭』の『二日目』に『亡国の皇子オレステス』を讃えるために『アテナイの男たち』が『巨大な酒杯』を傾けるように『バッカイ』達が『飲み比べ』を始めたっす。
なので『しこたまワインを飲まされる羽目』になって『気持ち悪く』なりながら『アタランテパイセン』は内心『ほっ』としてたっす。
(危なかった………! 『ペンテウスの伝説』で『バッカイが『オルロー』の叫びを発し始めたら『狩り』が始まる合図』って話を憶えててよかった………! でもたぶんこれ『二回目』は使えないわよねきっと! 次はどうすれば………っていうかどんだけ『お酒』飲ませてくるのよこの女どもは!? うっぷ、気持ち悪くなってきた………)とアタランテ。
その後『クレオン先輩』が『奴隷制』について『自分はどうすればいい!?』とわからないでいると『アタランテパイセン』が『信女』たちによって運ばれてきたっす。
「アタランテどこ行ったんだ!? おおい!! アタランテーーー!! ………っているじゃねーかアタランテ! お前どこ行ってたんだよ!? つーかなんで死にそうな顔してんだ!? まさか『モンスター』にでも襲われたのか!?」とクレオン。
「いえいえ、『アタランテさん』は私たちと『飲み比べ』をしてちょっと『羽目を外し』過ぎただけです。ふふ、でもなかなかの『飲みっぷり』でした。『バッコスの信女』に参加する資格がありますよ貴女には」と信女たち。
「うっぷ、頭痛いから叫ばないで………ちょっと寝かせてほしいわ………(クレオンのお馬鹿、私にまた命を助けられたことにもぜんぜんきづいてないんだから………)」とアタランテ。
パイセンはクレオン先輩に『膝枕』されることになり、また『フィロメデュサ』たちによって『演劇』が『再開』したっす。今回は前回の続き、『知将オデュッセウス』が『キュクロプス族』の仕事場である『ヘパイストス神殿』を尋ねた『場面』になるっす。
『………たのもー!! 『キュクロプス族』たちよ私の声を聞け! 我が名は『イタケ王ラエルテースの子にしてテレマコスの父オデュッセウス』! 『父方の祖先』は『幸多きエチオピアの王妃アンドロメダの父ケパロス王』、『母方』の『始祖』は『偉大なる四英雄』の一人『ペルセウス』だ! 『ヘパイストス神』の寵愛篤き『カベイロイ族』にして『ポセイドンの子ポリュペーモス』を産みし者たちよ! 私の話を聞け! 今すぐ俺と話をしろ!』と『知将オデュッセウス』
彼はこの時『ヘパイストス神殿』の『正面の門』の前に居たわけっすが、すると『門』が『ゴゴゴゴゴゴゴ』と厳かな音を立てて開きまして、中から『鎧兜で大きな盾と長槍をもったキュクロプス族』たちが『ぞろぞろ』でてきて『オデュッセウス』を取り囲んで『見下ろした』っす。
『貴様が『放浪のイタケ王』か! 『アカイア帝国』で優れた『知将』であったとかいう!』とキュクロプス兵α。
『噂では貴様は『イタケ王ラエルテース』の子供ではなく『コリントス王シーシュポス』の子だそうだな! ならば貴様に『反旗』を翻した『イタケ人』たちは『正義』の行いをしたということになるな! なにせ貴様は『外国人』でありながら『不当』にも『イタケ王位』を奪った『僭主(暴君)』なのだから!』とキュクロプス兵β。
『貴様より『パラメーデス』の方がずっと『賢い』とも聞いてるぞ! 確かにお前は『イタケ』を守ろうとしたのに『イタケ人』に裏切られたが、『パラメデス』は少なくとも『イドメネウス』のもとで『クレタ』の『独立死守』に貢献してるからな! 『パラメデスの二番手』が何の用だ!? 我らに何か言いたいのなら『パラメデス』を連れて来いよ! はははは!』とキュクロプス兵Γ。
この『カベイロイ族』が言っている『罵倒』は『オデュッセウス』について『人間諸国』でまことしやかに流れている『悪意ある噂』っす。『オデリュッサイ王の父ラエルテース』は『勇敢さ』で知られた『豪傑』でしたのに『息子のオデュッセウス』は『知恵者』だったので『あの父に似つかわしくない息子だ』→『もしかしたら『有能だが狡猾な政治家』として有名だった『コリントス王シーシュポス』の子供なのでは?』と『かなり安直』に『こじつけた』ものっすね。
「確か『オデュッセウス』って自分の国の人間から『反乱』起こされてるんだろ? そのことを考えるとかなり『悪意』のある噂じゃねーか? 『パイア』が流してるんじゃねーの?」とクレオン。
「たぶんそうでしょうね。ちなみにですがもちろん『シーシュポス』も『コリントス陥落前』にこの噂を『全面』否定していますね。そして『オデュッセウス』はこの話をすると『激高』しますよ」とフィロメデュサ。
この時この『フィロメデュサ』は『オデュッセウス役』をつとめ、『信女のコーラス』が『キュクロプス兵』達を演じてたっす。『舞台』の上に居るのはそれだけで、『悲劇』としては最も『古い形式』になってるっすね(まあこんな話はどうでもいいんすが)。
「はいはい! じゃあ『パラメデス』って誰!? やっぱ『アカイア人』なのか!?」とクレオン。
「もちろんです。『ナフプリオン(アルゴリスの一都市)王パラメデス』は『アカイア帝国』で『オデュッセウス』と並んで『知将』と歌われていた人です! ちなみに彼の『母』は『クレタ出身』ですので『イドメネウス王』の『従兄弟』にあたります! かつては『クレタの国』で『家臣』達と一緒に『居候』の身分だったそうですが、その時に『大魔王軍』が『クレタ』を攻撃しても『イドメネウス王』と共に『抗戦』して多くの『手柄』を立てているのです! かつての『オデュッセウス』にとっての『ライバル』だったこともあるので、この『罵倒』も結構『イタケ王』には『効く』はずですよ!」とエウリュメドゥーサ。
「ですが実は『パラメデス王』は『オデュッセウス王』に『恨み』がありまして、そのせいで現在『大魔王軍』に協力している問う噂もあります! と言っても『行方不明』なので何してるのか全くの謎ですが!」とアグネテー。
「ええ、なんでそんないろんな奴に恨まれてるんだよ『オデュッセウス』はよ………(呆れ)」とクレオン。
………と、『カベイロイ族の兵士』たちは『わざとオデュッセウスを怒らせる』ような言葉で『挨拶』してきたわけっすね。この『対応』に『オデュッセウス王』も険しい顔になって、
『…………どうやら俺が『どんな要件』でここに来たかわかってるようだし、しかもそれに対する貴様らの『本音』も隠す気はないようだな………? ならば話速い、『カベイロイ族』どもよ正直に『白状』しろ! なぜ『ケンタウロスのネッソス』どもが『自国』で『好き勝手』してても何もしない!? しかも『ピロクテテス』が『ピンチ』に陥ってても貴様らは『無反応』で、それどころか貴様らのところに確実に来ているのはずの『マリス兵』はどこにやった!? 回答次第では貴様らは即刻『人類の敵』だ! 一昼夜の内に『滅亡』することになるぞ!』とオデュッセウス。
そう怒鳴ってから『アガメムノン帝の王笏』で『地面』を突いたわけっす。っすが『カベイロイ族』たちは『爆笑』して、
『小さい人間無勢が粋がっておるわ! かわいいものよ! だが『小さい』だけではなく『頭も弱い』とは少々いただけないな! 貴様『状況』がわかっとらんのか? 『一人』で我ら相手に何ができるんだ?? 『ポリュペーモス』が『イタケ人の部下』を『食い散らかした』時も何もできなかった『腰抜け』のくせに! 今すぐ『岩』に頭を叩きつけて食っちまおうか!? あぁ!』とキュクロプス兵たち。
そういって『キュクロプス兵』の一人が『盾の縁』で『オデュッセウス』を『小突いた』わけっすが、彼はまるで『根が地面に深く張っている』かのように『微動だ』にしなかったっす。なので『キュクロプス兵』達が途端に『色めき』だって、
『どうやら『心底』自分が『下等生物』であることを理解できていない『バカ』のようだな貴様は! 今ここで痛い目に合わせて…………うお!?』
っすが『キュクロプス兵』が『オデュッセウス』の体を掴もうとすると、途端に『剣』を抜き放って牽制したっす。なのですぐに『キュクロプス兵』たちも『槍』を構えたんすが、『オデュッセウス』は全くビビらず、それどころかむしろ『うれしそう』に、
『………ふふふ。貴様らのその『忌々しい一つ目』を見ていると『食われた部下』たちがささやくんだよ、『我らの仇を討ってくださいオデュッセウス王よ!』とな。それは『ポリュペーモス』であって『俺たち』じゃない? 貴様らはすでに『大魔王軍』に寝返っているのだから違いなどない。ほらどうした『化け物』ども? そんなに俺を食いたいのならかかってこいよ。まずは貴様らを全員『血祭り』にあげてから『ヘパイストス神殿』に篭ってる他の『一つ目』どもを『皆殺し』にして『とらえられているマリス兵』たちの『救世主』となってやろうじゃないか………』とオデュッセウス。
この言葉に『キュクロプス兵』たちも『怒りのあまり青ざめた顔』をしてたっす。そしてもうすでに『両者』は『越えちゃいけないライン』を越えてしまってまして、もう『道理』とかそういうのは全部引っ込めて『是が非』でも『戦士のプライド』を守るために目の前の相手を『殺さない』といけない状態に陥ってしまい………、
結局、『それは困る』と言うことで『キュクロプス兵』の一人が『降参』したっす。
『………もういいお前達。『オデュッセウス』の『挑発』にのるな。こいつは『我らの腹の内』を探るためなら今すぐ本気で『殺し合い』をはじめかねんやつだ。『一対多数で圧倒的不利』とかそんなことこいつは全然考えてはいない! 『カベイロイ族はどんなことがあっても『大魔王軍』に寝返らないし、『大魔王軍』も我らを信用することなどありえない』と『はなから決めつけ』、『カベイロイ族はどうやら『アテナイ争奪戦』で何らかの『漁夫の利』を狙っているようだからそれを牽制する』ためにこうやって我らのところに『堂々』と『単身』で乗り込んできたんだ! こいつは昔から『こういう作戦』を好むん男だ、『策を実行する時に保険を掛けてから臨むのは『戦士』のすることじゃない、『リスク』をとって初めて『リターン』を得られる』とか大真面目に思ってる『博打狂いの本物のアホ』なんだよ!』とキュクロプス兵。
すると『オデュッセウス』も『剣』をしまって、
『は! どうせそんなこったろうとは思ったぞ『一つ目小僧』どもめ! 俺の見立てでは貴様ら『カベイロイ族』も『アンフィポリス(パンガイオン金山)』が欲しいんだろ!? おそらく『スキュレー軍』と貴様らは『アンドロパゴス(ポリュペーモス)族』を通じて『秘密の休戦条約』結んでいるか『模索』している段階で、『武器を供給』する代わりに『パンガイオン金山』の『分け前』を得るか、あるいは『アテナイ人の植民地』を一つでも貰いたいと思ってるはずだ! 『レムノス』の近くには『タソス』とか『アブデラ』とか『裕福な土地(アテナイ人が支配する都市国家)』がいっぱいあるからな!』
『我らはそんなこと一言も言ってないぞ『チビ』が! だが『レムノス(カベイロイ族)』が『スキュレー軍』と『休戦協定』を結び『商売の契約』をしたからと言ってそれがどうした!? かつて『アテナイ人』どもも『アカイア帝国の一部』でありながら『大魔王軍』に堂々と『武器と食料』を売りつけて『大儲け』していたではないか! 我らはそんな『アテナイ人と同レベル』に『堕ちる』ような『愚行』に走ってなどいないが、だからと言って『仮に』それが『嘘』だったとしても何も恥じることはない! なぜなら『アテナイ人』にとっては『ディオメデス的必然』だからだ!』とキュクロプス兵。
ああ、この『ディオメデス的必然』の『ディオメデス』は『アカイア人ディオメデス王』とは『別人』の『トラキア王ディオメデス』という『1000年前に実在した王様』のことっす。この人は『人食い馬』という『人肉食』を憶えた『狂暴な暴れ馬』を飼ってまして、『王権』を悪用して『気に入らない人間』を『馬』に食わせていたっす。
そのあまりの『狂気』っぷりに当時『大魔王テュポーン』も彼を気に入って『同盟者』としていたそうっすが、最終的に『四英雄ヘラクレス』と戦って『敗北』しまして、『ヘラクレス』は『ディオメデス王』自身を『人食い馬』に食わせて『処刑』したんすよね。そこから『因果応報の意味』でつかわれるようになったんすよ(『うわ~人間側の裏切り者かよ、ざまあみろだな』byクレオン)。
その言葉に『オデュッセウス』は、
『図体がデカい癖に言うことが『女々しい』連中だ(嘲り)。そんな『屁理屈』で俺が引き下がるとでも?』
『引き下がるも何もさっさと帰るんだな! 殺されなかっただけ感謝しろ! 俺達は今忙しいんだよ!』とキュクロプス兵たち。
『いいやまだまだ俺の『脅迫』は終わってないぞ。今すぐ『イタケ王』と『同盟』を結び『スキュレー』との『休戦』を破棄しろ! 破棄しなければ『レムノス』は『数百年ぶり』に『人間の住む国』に戻ることになるぞ!』とオデュッセウス。
『何が『脅迫』だぁ………? 貴様は何がしたいんだ一体!? 俺達は『貴様』の命令を聞かなければいけない義務も無ければ義理も無い! そんなに嫌なら殺さない程度に痛めつけて山の中に捨ててやっても………』
『俺はすでに『トロイア人』をここに呼び寄せている。『激高したヘクトール』を宥めることができるのは俺くらいだろうな! どうだ俺の『作戦』を理解したか!? さぁ謝るのなら今の内だぞ『一つ目小僧』ども! 後で俺に助けを求目る羽目になっても俺は無視するからな!』とオデュッセウス。
『『『『トロイア人』の威を借るキツネとか恥ずかしくないのか貴様は! 俺らのこと『女々しい』とか言いながらよくもそんなこと堂々と言えるな! 『厚顔無恥』にもほどがあるわ!!』』』とキュクロプス兵たち。
いや~『オデュッセウス』は本当はそんな『狡い狐』みたいな男じゃないんすよ? 本当にすごい人なんすが………今回は長くなったのでこの辺で。続きは次回っす~!




