第二十五話『熱いバトル………あれ? 全く『バトル』してなくね?? いや別の意味の『バトル』はしてるけど(汗)』
はいはいども~! それでは引き続き『大魔王テュポーンの姫君スキュレー』が率いる『最精鋭モンスター軍団』VS『人類最強の英雄ヘクトール』率いる『トロイア王国軍』&『人間諸国から集結中の『援軍』』たちの『熱いバトル』を見ていくっすよ~!
(改めて考えるとすげぇよな、だって今『描写』されてる『戦闘シーン』に『スキュレー』も『ヘクトール』も一切出て来てねーんだから)とクレオン。
『バトル漫画』がなぜ『不合理』でも『1対1のタイマン戦闘』に拘って『広域の集団戦闘』を描かないのかの『理由』が骨身に染みるってやつっすね(作者が)。さて、前回は『キュクロプス族のもとに助けを求めようとしていたトラキス兵』と『一人で駆け付けた智将オデュッセウス』の会話のシーンが『途中』で終わっていたっす。
っすがその『続き』は一旦お預けで、ちょっとここで『場面』が変わりまして、『毒血で狂乱』して『完全に制御不能』になっていた『ピロクテテス』を『物陰に隠れながら見守って』いた『ネッソス』と『副官メドン』たちに移るっす。
『うぐぐ………ああ………』とピロクテテス。
前回の通り『部下たち』を『ケンタウロス族』だと勘違いして『射殺』していた『ピロクテテス』も『周りに動くもの』がいなくなるととりあえずはおとなしくなったっす。
ただ地面にあおむけになったまま『身じろぎ』していて、しかも『弓矢』は絶対に手放そうとしない主君をみていた『メドン』がふいに遠くの岩に隠れている『ネッソス』に声をかけたっす。
『………聞こえてるかケンタウロイ! 聞こえてるのなら返事しろ『ケイローン一族』の名を辱める『ネッソス』よ!』とメドン。
『………なんの用だ人間ぶぜいが………』とネッソス。
『!? がああああああああああああああああああああああ!! そこかあああああああああああ!!(射撃)』とピロクテテス。
『メドン』と『ネッソス』の声に反応して『ヘラクレスの矢』がそれぞれ飛んできたので慌てて『マリス兵』たちも『ケンタウロス族』たちも『その場で地面に伏せた』っす。そうしながら『メドン』がさらに、
『見ての通り貴様の『毒血』のせいで我々は現在『戦うこと』も『逃げることも』できない状態にある! こんな状態を『グダグダ』続けていても時間の無駄だ! そなたらもいち早く『身の安全』を確保したいだろう!? まずは『休戦協定』を結ばないか!? 我らの決着は『日を改めて』つけることを提案したい!』とメドン。
「…………ちょっと待ってくれ! 『神に酒を捧げる儀式をする人 (スポンダイ)』を『結ぶ』ってどういう意味だ!?」とクレオン。
「『献酒儀礼』をする人って意味じゃなくて『和平』のことですよ。『神々』に『ワイン』を捧げて和平条約を締結するって意味です(豆知識)」と『コーラス』の一人。
彼はこの時『何としても主君が死ぬ前に治療したい』と思っていまして、そのために『ネッソス』たちと『一時休戦協定』を結びたかったっす。
といっても『普通の状況』なら『トラキス軍』を追い詰めている側の『ケンタウロス族』がそれを受け入れる道理は『万に一つもない』んすが、すべては『トラキス王ピロクテテス』が『生まれながらにして生粋の狩人』であり『人類最強のヘクトール』にすら『運が悪ければ死ぬ』と思わせるほどの『豪傑』だったがゆえに切り開かれた『唯一の希望』だったんすよね。
だがから当然ながら『メドン』は『治療』さえ済めばすぐにでも『ネッソス』を殺すつもりだったっす。彼は『主君』を守るためなら『嘘』だって厭わないなんすよね。
「この状況ならそりゃあ俺だって同じことをするとおもうなさすがに」とクレオン。
「『普通』はそうですよね。でもたぶん『炎髪のネオプトレモス』だったら絶対にしなかったと思いますよ私はね、ふふふ」と『フィロメデュサ』
そして相変わらず『ピロクテテス』は『滅茶苦茶に矢』を放ちまくっていたんすが、それでも『忠義者メドン』の『策略』を理解していた『ネッソス』も負けじと声を張り上げて、
『誰が乗るかそんな提案に馬鹿にしてんのか貴様は!? 俺は『ピロクテテス』を殺すためにここに来たんだ! せっかく『毒血』を浴びせられたのにむざむざ『治療』などさせんぞ! 『ピロクテテス』はこのまま放っておけばどんどん『衰弱』して最後は『死ぬ』んだよ! つまりまってるだけで俺の勝ちなんだぞ! 誰がその『圧倒的優位』を手放すか!! ………』とネッソス。
ここで『ネッソス役』に戻っていた『フィロメデュサ』がそれまで被っていた『どや顔の仮面』からこんどは『緊張した顔の仮面』に付け替えて『独白』したっす。
「…………と、言いたいのは山々だが、我々もずっとここに『長居』してるわけにはいかん。『キュクロプス族』がどんな動きをするかわからないというのがまず『第一』だ。なぜならすでに『ピロクテテス軍』の周囲に『知将オデュッセウス』が『出没』しているからだ。あいつのことだから今の我々をどこかからみてるかもしれん。そして奴がもしも『キュクロプス族』を『説得』してしまったら………」と『ネッソス(フィロメデュサ)』
するとそこでクレオン先輩と一緒に『観客』になっていた『バッコスの信女』の一人が挙手しまして、
「はいはい! ということはこの時『ネッソス隊』は『キュクロプス族』と何らかの『秘密協定』を結んではいなかったということですか!? オデュッセウスはそのことを知らなかったってことでいいんですよね!? なんだか場面が前後するとわかりづらくて………」
すると『コーラスの信女』の一人が、
「その通りです、実は『ネッソス隊』は『キュクロプス族』に知られずに『こっそり』と『レムノス』にやってきて『待ち伏せ』していたのです。『キュクロプス族』は『人口密度』が極端に低いので『ケンタウロス兵200名ほど』で行動していても意外と『ばれない』ものなのですよね。もちろんそれは『ネッソス隊』が『隠密行動』が得意で『敵兵に発見されずに行軍する能力が高い』こともあわせてのことではありますがね」
すると今度は『クレオン先輩』がすかさず、
「なんか今の『フィロメデュサ』のセリフって『心の中のセリフ』っぽいよな!? つまり頭ん中で考えてることであって口に出してるわけじゃねーってことか!?」
「そうですさっきのは『独白』です! 本来は心の中で考えていることを『観客』にわかりやすく示しているだけなので相手には聞こえてませんよ!」と『コーラスのリーダー』
さらには『フィロメデュサ』が『独白』を続けながらこんどは『上』を見上げまして、
「…………それにあんまり『時間』をかけているとあの『意地汚い鳥ども』が俺たちの『手柄』を盗みに来るかもしれない。正直こっちが一番『気がかり』なくらいだ。『ハルピュイア』どもは今だって俺たちの『頭上』を飛び回っているからな! ならばあえて奴の『駆け引き』に乗ってみるのも、存外と俺にも『損』はないかもしれんな………」
と、そこで『舞台』の上に『三人目の信女の俳優』が登場したてきたっす。彼女の名前は『アグネテー(聖女)』と意味でして、どうやらどこかの国に建立されている『ディオニュソス神殿』を保守する『神主一族』の出身らしいっす(『またとんどもない命名センスが現れたな』byクレオン)。彼女は背中に『木の枝を組んで作った翼っぽい骨格』を背負ってまして、つまり『ハルピュイア役』であることを示しているっす。彼女が『ネッソス(フィロメデュサ)』に近づくと、
「この『イリス』は見ていたぞ、貴様は情けないと、恥ずかしいとは思わないのか『ネッソス』よ! せっかく『ピロクテテス』に『毒血』を注ぎ込めたというのに『ネズミ』のように岩陰に潜んで『コソコソ』しおってそれでも『戦士』か貴様は!? これはすぐにでも『スキュレー様』に報告せねばならんな! そしてお前を『この場』から外して『別の者』に『ピロクテテス』を討たせるべきだ! 貴様らに任せていたらそれこそ日が暮れてしまうからな!」と『イリス(アグネテー)』
この『ハルピュイア』の『イリス』と言う名前はもちろんのこと『ゼウスの伝令:虹の女神イリス』にちなむ名前でして、この『女神』は『ハルピュイアの『四隊長』の一匹である『アエロー(ポダルゲの妹分)』の『実の姉』にあたるらしいっす。なので『ハルピュイア』達の中には『イリス』の名前を持つ者たちが多いらしいっすね(『でも『イリス女神』は別に『ハルピュイア』じゃねーよな?』byクレオン)。
そういうわけで『実際の場面』でも『ネッソス』のもとに『ハルピュイアのイリス』が舞い降りて上記と同じことを言ったわけでして、そうなると途端に周囲の『ケンタウロス兵』たちが『いきり立って』彼女を取り囲んだんすよ。
『ふざけるな『空飛ぶハイエナ』、いや『意地汚いハゲタカ』め!! 俺達の手柄を横取りする気か!?』と兵士α。
『あともう少しで『ピロクテテス』は死ぬんだよそんなことも分からんのか! 良いから引っ込んでろ!』と兵士β。
『そうやって『嘘八百』を『スキュレー様』に『密告』する気か!? 貴様の方が恥を知れ! あんまり舐めたことを『囀る』と今この場で『敵に討たれて戦死』したことにしてや………』と兵士γ。
『おいおい『口は禍の元』という『金言』を知らんのか貴様らは?(嘲笑)お前らが『空』が飛べるというのなら別だが、そうでないのならあんまり変なことを言わんほうがいいぞ。『聞き耳』を立ててるやつは別に私一人というわけでもないんだからな』と『イリス』
彼女が『頭上』を顎でしゃくるとそこには『たくさんのハルピュイア』たちが『ピロクテテスの矢の射程圏外』の上空を優雅に飛び回っていたっす。なので『ケンタウロス兵』たちは『舌打ち』して引き下がったんすが、『ネッソス』だけは『しかめっ面』で『忌々し気』に、
『………貴様ら『ハルピュイア』はいつもそうだ。『遠征先にいる部下たちの監視が必要』だとなんとかいって『兵士たちの仕事ぶりを見張る審査役』を演じているが、実際にやってることは『兵士たちの『ミス』を目ざとく見つけてはそれをネタに『強請り集り』、あるいは今回のように『手柄の横取り』ができる『隙』を探し回ったりすることだけだ。今回も貴様は『密告されたくなかったらピロクテテスの首級を自分に寄こせ』とかいう気だろ? は! 『密告』したければ好きなだけするがいいさ! 貴様らが『スキュレー様』のもとへ『飛んで帰ってくる』間に俺は『ピロクテテス』を『始末』しているだろうからな!』とネッソス。
これは以前にも似た話があったっすけど、日ごろから『大魔王テュポーン』に忠誠を誓う『モンスター貴族』たちはお互いに『激しい出世競争』を演じてまして、『異なるテュポーンの子供の部下の間』でも『同じ子供に仕える部下同士』でも関係なく『足の引っ張り合い』や『手柄の奪い合い』みたいな『醜い』ことをやってるんすよ。まあそういう『意地汚い』のは『人間』と同じってことっすね。
「は~、なるほどな。だったら確かに『モンスター貴族同士を離反させる』って『オデュッセウス』の作戦って結構『現実味』ってやつがあるんだな(感心)」とクレオン。
「さ~てそれはどうでしょうかね~? そう簡単に事が進むのなら『オデュッセウス』も『イタケ』に帰れないままなわけがないと思うんですけどね~?」と『コーラス』のリーダー。
『ネッソス』の『強がり』を聞いて──ええ『強がり』と表現するっす。だって本当にできるのならもうとっくにやってるはずなので──も『イリス』は『厭らしい笑み』を崩さずに、
『へぇ! 『野蛮なケンタウロス』も『遠まわしな言い方』が通じるんですねこれは驚いた!(げらげら)そうですよ、『臆病者』のあなたに代わってこの『私』が『ピロクテテス』を『討って』あげようというわけですよ! あなたは私が『スキュレー様』に『ピロクテテス』の『首』を持っていった際に、その『武功』の『証人』になってもらいたいのです。この『取引』についてもうちょっと『考え直し』てみませんか? あなたはどうも『武功』に目がくらんで『状況』が全く見えてないようですのでね』とイリス。
『目がくらんでる………(おおよそ察した)…………それはどういう意味だ?(確認)』とネッソス。
『もう大体わかってるでしょ? 私はすでに『オデュッセウス』が『レムノス』に現れ『カベイロイ族』と『接触』していることを『確認』しているんです。彼は『弁舌達者』かつ『演技派』なのできっと『うまく』やってしまいますよ。さ~てあなたは今『時間』が限られているわけです! もうここは『武功』と引き換えにしてでも自分の『保身』を考えるべきでは? ただでさえ『ケンタウロス族』は『テュポーン様』から『不信感』をもたれてるんですからね~?』
またも『クレオン先輩』が手をあげまして、
「はいはい! 『武功の証人』ってなんだそれ!? どういうことだ!?」
「教えましょう、『スキュレー』は別に『ピロクテテス』の『顔』を知っているわけではないので『ピロクテテスの首』を自分の前に並べられてもそれが『本人』なのかどうかわからないんです。なのでその首が『本物』であると『証明』できる人が必要なんですよ。これは『大魔王軍』に限らず『軍隊』の常識でして、本来なら『ライバル関係』にある『ネッソス』が『イリス』の『武功の証人』になるわけがないので、彼が『保障』すれば『スキュレー』も『信じられる』ってことですよ」と『コーラス』のリーダー。
「そういうもん………なのか~なるほど(納得)。確かに『首の証人』って必要だけど、俺はてっきり『魔法』でどうにかしてるのかと思ったぜ」とクレオン。
「『目の前の首が本人か識別する魔法』ですか? 確かにあったら便利かもしれませんね(笑)。なかなか面白い発想です、あなた『魔法使い』に向いてますよ(適当)」
「いや無理だろ俺『文字』読めねーし(ばっさり)。でも『武功の証人』なんて当てになるのか? 『ネッソス』が『買収』されてる可能性もあるだろ? ちょうど『今』みてーにさ」とクレオン。
「その可能性が極めて低いことがこの後の『展開』で分かるという寸法ですよ」
というわけで『イリス』の提案を『ネッソス』は蹴ったっす。
『………何度も言わせるな『犬蠅』どもめ。『ピロクテテスの首』は俺の物だ。絶対に貴様らなんかには渡さんぞ!………』
彼はそのまま『岩陰』から顔を出すとおりしも『ピロクテテス』はまだ元気に『空のハルピュイア』太刀に向かって『矢』を放ってまして、さすがの『ヘラクレスの弓』でも『射程が無限』ではないので一矢も当たらず地面に落ちてきていたっす。
そしてその『向こう側の岩』に相変わらず待機している『メドン』に視線を送り、そこから以下のように叫び返したっす。
『………さきほどだの話の続きだが、『ピロクテテスの部下』どもよ! もし貴様らがすぐ『武器を捨てて降伏』するのなら『命』だけは助けてやらんでもない! 『神』の一族の『下僕』となることは『死すべき定めの人間』にとって『名誉なこと』だし、もし望むのなら『神々』と同じ『不死』にしてやってもいいぞ! まさにこれぞ『神との合一』ってやつだな! ガハハハ!』
もちろん『不死にしてやる』というのは『『シーシュポス』と同じ目に遭わせてやるぞという『脅し』』っすよ(『つまり死んだほうがマシなやつだな』byクレオン)。『ネッソス』は『口』ではあんなことをいいつつも、『本心』は『恐怖』によってしか『マリス兵』の『精神』を完膚なきまでに『へし折れ』ず、そうでないと『従順な奴隷には絶対にならない』と思っていたからっす………まあこの考え方は『モンスター一般』に共通してるんすがね。そしてもちろんのことこれは『虚勢』でもありまして、自分が『ハルピュイア』から『足を引っ張られている』ことを極力隠したかったっす。
そしてこの言葉には『メドン』よりも他の『トラキス兵』が怒りだして、
『死ね糞モンスターどもが!! お前らも『シーシュポス』と同じ目に遭わせてやろうか屑どもめ! 貴様らには『上位存在』としての『良識』も『倫理道徳』もないのか!? 人間の方がよっぽど優しいぞ!!』と兵士α。
『なにが『神』だ! 人間を奴隷にしようとする奴は『神』なんかじゃない!』と兵士β。
『………』とメドン。
『お前らはかなり『真理』に近づいてるんじゃないか!? その通りだ! 我ら『神霊』に『人間に対する良心や道徳』なぞ存在しない! そしてそれは当然ながら『キュクロプス族』も同じだ! 世界中が『大洪水』に沈んでも文字通り『助け舟』を出さなかった連中だぞ!? お前らはやつらが本当に自分たちを助けてくれると思っているのか!? なんだそうならまだまだお前らは『神』への『信仰心』が残っているようだな! ガハハハ! なら『神』である我らをもっと敬え! そして『奴隷』のように跪いて永遠に奉仕するんだな! ガハハハハハハハ!!』とネッソス。
彼は『出来る限りいやらしい言い方』で『トラキス兵』たちの『不安』を煽ったっす。そしてそうしながら『ピロクテテス』は次第に『大きな声』を発しても『反応』が鈍くなってきてまして、『メドン』は『滝の汗』を掻き他の兵士たちは『涙目』になり始めたっす。
『こ、このままでは『王』が………! で、でも『ケンタウロス』どもが絶対に妨害してきますし………』と兵士α。
『そもそも『王』を介抱しようとして暴れない保証が………』と兵士β。
『こ、こうなったら俺たち『家臣』全員が『奴隷』にあるかわりに『王』を助けるという『取引』をしましょう『メドン』様! 『王』が生きて『オリゾーン』に戻られればきっと俺たちの『家族』を養ってくださるでしょう! それならせめて『妻子』や『老いた両親』は守られるわけですし………』と兵士γ。
『『『そうですメドン様! それが最善ですよ絶対! 今すぐ『取引』を持ち掛けましょう!!』』』と兵士たち。
この時点で『トラキス兵』の何人かは『涙目』になっていたそうっすね。『英雄』ほど『戦場』ではよく『泣く』ものっす(実体験)。そして『メドン』は『ネッソス』によってすっかり『兵士』たちが『意気消沈』しているさまに困り果ててしまい、
(この状態だと『力づくで王を回収しろ!』なんて言っても『ガッツ』がでず無理だろうな………なら本当に『ネッソス』の『取引』に乗るか? 馬鹿な! 本当に『シーシュポス』と同じ目に遭う気か正気じゃないぞ! 奴が『他のモンスター貴族』から足を引っ張られることを期待したが、あの『ハルピュイア』どもはなにもしてないのか? くそ、だったらこの『賭け』は『負け』ということになる………なら仕方ない、『王』よ、俺はあなたを『信じて』います。ですから俺が一人で『あれ』を成し遂げて見せましょう………!)とメドン。
そしてここで『場面』がいきなり変わりまして、今度は『ヘパイスティアの鎮守の森』で会話する『逃亡中のマリス兵』と『知将オデュッセウス』の会話に戻るっす(『うお、いきなり変わるなよ!』byクレオン)。『マリス兵』は『キュクロプス族が大魔王軍に協力してない証拠がない』という指摘をされると反論できず、
『………確かにないです………でも証拠がないですし………もしそうだったらこれまでの彼らの『1000年間』は一体『何』だったのでしょうか………??』とトラキス兵。
いや、本当に。『カベイロイ族』は『ただの偏屈で自由を愛する怪物の種族』ってわけではなくて、『大魔王軍』が何度も『服従』させようとして『攻め込んでくる』のを『膨大な犠牲』を払って『追い返して』きた『剛の者』たちなんすよね。確かにそんな彼らがここで『大魔王と手を組んだ』となれば、それはこれまでに『死んでいった同胞たち』への『裏切り』に他ならないっす。
っすが『オデュッセウス』は『わかっとらんな』と言う顔で、
『知らんのか? 『自然とは偶然の産物』であり『過去の出来事は未来になんの影響も与えない』が『量子力学(厳密にいうと『量子論』)』の考え方だぞ』とオデュッセウス。
『?? 何言ってるのかよくわかりませんが何か『証拠』でも?』とトラキス兵。
『いや、証拠はないんだ。確かに証拠はないんだが………『疑わしいもの』ならある。この『偽ピュラデス』が持っていた『キュクロプス族の剣』がそれだ』
そういって『オデュッセウス』は前回自分が手に入れた『カベイロイ族の短剣』を見せつつ『偽ピュラデス』に関する話を話して聞かせたっす。もちろん『偽ピュラデス』は『ピロクテテス軍』に出会っているので『トラキス兵』も驚きつつまだ疑惑の目で、
『………あれが『猿の骨に牛の皮を巻き付けた人形』ですって? 確かに『王』もあの青年の『素性』を疑っていましたが、それでも『化け物どころか生命体ですらなかった』というのはにわかに信じがたいです……俺たちは一応は『戦士』、近くに居るだけで相手に『呼吸』や『生きてる気配』だって察知できるんですよ? それなのにそんな『粗雑な人形』だったことに気づけないなんて………』とマリス兵。
『それが『魔法』だ。何も驚くべきことではない。これでも『ラードーンの魔術』に比べればまだまだ『可愛いもの』だがな』とオデュッセウス。
『ならばその『短剣』だって同じく『魔法』の可能性があるのでは? 俺達では『魔法』を解除なんてできませんし………』
『そう、だから『疑わしいものがある』といったんだ。これはあくまで『容疑』であって『有罪が確定』しているわけじゃあない。しかし『容疑』がかかっている以上は『取り調べ』が必要だ………なのでちょっと来い。お前以外にも『マリス兵』をできる限り集めたいんだ。彼らが『考えなし』に『カベイロイ族』のもとに逃げ込む前にな』とオデュッセウス。
その後『オデュッセウス』はこの『マリス兵』と共に『ヘパイスティア』にある『ヘパイストス神殿』のすぐ近くまで移動し、そこで『カベイロイ族に助けを求めるトラキス兵』を捕まえては『考え直す』ように『説得』して回ったっす。
「ああ、そういえばですが、この時『オデュッセウス』たちが潜んでいたのは『ヘパイストス神殿』の敷地内にある『広大なブドウ園』です。『レムノス』は昔から『ワインの名産地』として名高く、かつて『人間』たちが世話していた『ブドウ園』を『カベイロイ族』たちも手入れして『レムノスワイン』を世界各国に輸出しているんですよ。『キュクロプス族』が『巨大な足で踏みつけた葡萄』で作った『ワイン』はまたこれが格別なんですよね~」と『コーラス』のリーダー。
「………『ワインを作るための葡萄踏み』って『若い娘』がやるもんだと勝手に思ってたが、『おっさん』どころか『一つ目の巨人』が踏んでんのかよ………なんかやだな………(失礼な感想)」とクレオン。
ちなみにもちろんすが『オデュッセウス』が捕まえた『トラキス兵』は揃いもそろって全員同じことを言ったっす。
『『『『カベイロイ族』が裏切ってるかもしれないですって!? 信じられない! 一体どんな『証拠』が!?』』』と兵士たち。
『いちいち『説明』するのも面倒くさくなってきたからもうせんぞ(苛立ち)。とにかく『知将』の俺が言うだからそうなんだよ! それで『納得』するんだいいな?』とオデュッセウス。
『『『そんな言い方で納得する奴はどこにいないですよ馬鹿なんですかあんたは(呆れ)』』』と兵士たち。
『お前らがその『最初の人間』になればいいだよ(暴君ムーブ)。ゆえに『知将』として『戦闘不能』の『ピロクテテス』に替わって『俺』がお前たちに『指示』を出す、今から『俺一人』で『カベイロイ族』に『真相』を問い質してくるから、お前たちは………』とオデュッセウス。
彼は指示を出そうとしたんすが、この時の『トラキス兵』達は『命からがら逃げ出してきた』ことや『焦っている』ことなどあって『興奮状態』だったので騒ぎ出したっす。
『『一人』でですって!? 『カベイロイ族』に『容疑』がかかっているのなら『一人』は危険でしょうが普通に考えて! 我々が『護衛』しますよ! あなた『部下』がいないんですからね!』と兵士α。
『違う違う! オデュッセウス殿は俺たちに『援軍』を呼んでほしいんだよ! きっと近くに『ネオプトレモス』殿がいるはずだ! 彼の居場所を教えてください! 知ってるんでしょあなたなら!』と兵士β。
『『ネオプトレモス』殿だけでいいのか!? 『カベイロイ族』が裏切っている可能性も考えてもっと『強大な味方』を呼ぶべきだ。近場なら『オデリュッサイ王シタルカス』や『トリバロイ人』、あるいは『タポス人』や『リュディア王クロイソス』、『トロイア人』、『ポントス王ミトリダテス』などがいるぞ! 彼らに『援軍』を頼めば『カベイロイ族』が攻撃してきても問題なく勝てる………ぎゃあ!』と兵士γ。
そこで『オデュッセウス』がまた『アガメムノン帝の王笏』で兵士たちを殴り倒してから、
『うるさいぞ貴様ら! 『一兵卒』の『浅知恵』など何の役にも立たん! 黙ってろ馬鹿どもが! 私は『一人』で十分だから『護衛』はいらんし、お前たちは『全員』で急いで『トロイア人』のところへ行け! だが他の連中のところにはいくなよ? 『オデリュッサイ人』や『トリバロイ人』や『タポス人』は『カベイロイ族』と『緊張関係』にあるから余計にややこしくなるし、『リュディア人』が軍隊を動かすともっと面倒なことになるからダメだ! 同じ理由で『ポントス軍』を動かしても『リュディア人』を刺激するからダメ! 今回『援軍』として頼れるのは『トロイア人』、もとい『ヘクトール』だけだ!』
殴られた兵士たちは苦しそうにうめきながら、
『いてて………『カベイロイ族』と『もめ事がある連中』や『もめ事』を『新たに生み出しそうな連中』の方がいいじゃないですか。だって『カベイロイ族』は『裏切りの容疑』がかかってるんでしょ? つまり連中は『人類の敵』ってことです、ならばそれにふさわしい者たちを呼べばいいんですよ』と兵士α。
『『容疑』はあくまで『疑惑がある』だけで『有罪は確定してない』とさっきも言っただろ『無学』な連中め(怒)。私は別に『カベイロイ族』を『敵』に回したいわけではない、あくまで『探り』をいれ、もし『裏切り』が事実なら『出来る限り穏便な形』で『中立』に戻ってもらいたいんだ。ゆえに『カベイロイ族』と『もめ事』になることはない『トロイア人』だけが『援軍』に適任だ。俺はそれだけ『深謀遠慮』でお前らに指示を出してるんだ、さぁもう時間は貴重だぞ! さっさと『トロイア人』の元へ行け! 俺はまだ『トラキス兵』を集めつつ『カベイロイ族』のもとに交渉に向かう。さぁわかったらさっさと行けと言ってるだろ!(王笏を振り回す)』とオデュッセウス。
『ちょちょっと! 本当に『暴力的』な人だなあんたは!? どこが『知将』だ脳みそまで筋肉でできてるんじゃないか!?(逃げ出す)』と兵士たち。
このようにして『トラキス兵』たちは皆で『トロイア』を目指していき、その道中の『レスボス』の街に駐屯している『ヘクトール』にこの知らせをもたらすことになったっす。そして彼らを送り出した『オデュッセウス』はすぐに『カベイロイ族』のもとを訪ねて『詰問』を始めたわけっすが、それは『次回』ということで。
それでは今回はここまでで。今後もよろしく頼むっす~!




