第一話:『魔王の子は魔王、貴族の子は貴族、奴隷の子は奴隷』
新しい話を書き始めました。ある程度書くか、あるいは完結が見えてきた段階か、あるいは完結してからかどこかで何らかの賞に応募してみようと思ってます。願わくば応援よろしくお願いしますm(__)m
幼いころ『ご主人様』の屋敷にやってきた『吟遊詩人』が歌っていたのを聞いたことがある。『怪力の英雄ヘラクレス』でも倒せなかった恐ろしい『大魔王』、『長い命と耳』を誇る『物知りのニュンペー(ニンフ)』たちも行ったことないほど遠い国からやってきた『侵略者』の話。
『大魔王テュポーン』は『総勢550万』を超える『魔物の大軍勢』を率いて『人間の国』の中で最も大きな国だった『アカイア帝国』を滅ぼし、『全人類』の『三分の二』を『奴隷』に『堕とした』という。
この『アカイア帝国』の最後の『皇帝』の名前は『アガメムノン』と言うらしいが、この皇帝様は『魔王軍』に対して『勝ち目がない』とわかると、『テュポーン』の娘で『魔王軍』を率いて『帝都ミュケーナイ』を『包囲』していた『女将軍スキュレー』のもとを尋ねて『命乞い』したそうだ。
『大魔王テュポーンの娘スキュレー殿、どうか私の『命』と引き換えに『民草』たちの命は助けてもらえないだろうか? 私はどうなっても構わないが、どうか『無辜の民』たちの命は助けてくれ』
この言葉に一緒にきていた『皇族の人たちや家臣たち』は『陛下……!』と『感涙』したそうだ。だが『魔族のお姫様』の次の言葉を聞いて皆すぐに『真っ青』になったらしい。
『……『自分が死んでもいい』だと……? ならなぜ貴様は『死に物狂い』で私と戦おうとしなかった?』
『……は?』とアガメムノン。
『自分の命が惜しくなかったのであれば『死を恐れず』私と戦うべきだった。だが貴様はそうはせずに私に跪いて許しを乞おうとしている……貴様には『王者』としての『プライド』はないのか? 『プライドのない人間』など『奴隷』と同じだ……よかろう、よって今日から貴様ら『人間』は我ら『魔物』の『奴隷』だ……男は『父上の城』でこきつかい、女子供は遠くに売りとばしてやる!』とスキュラ(スキュレー)。
これによって『アカイア帝国』の『皇族』と『貴族』たちは皆『奴隷』になることが決まった。その話を聞いて『アガメムノン帝』は自分の愛娘である『イフィゲネイア姫』を抱きしめて、
『待ってください! 私の愛娘のイフィゲネイアは『蝶よ花よ』と大切に育てた『箱入り娘』なのです! それを『奴隷に堕とす』などとあまりにもむごい……!』
『……なら今すぐ私を殺すか?』
そういって『スキュレー姫』はわざわざアガメムノンに『剣』を与えてから自分も『剣』を抜いたらしい。だけど皇帝様は情けないことに『剣』を拾うことができなかった。だから『魔物の姫』はアガメムノンの首に『奴隷』の証である『首輪』をかけ、『イフィゲネイア姫』も『足枷』をつけられてから他の女子供と一緒に『人間たちの国』に売り飛ばされてしまったらしい。
その後『娘の凱旋』に喜んだ『大魔王』は『人間たちの国』に改めて『宣戦布告』したんだそうだ。
『これは始まりに過ぎないぞ人間ども! いずれすべての人間が『魔物』の『奴隷』となるのだ! それが嫌なら死に物狂いで抵抗して余を精々楽しませるがいい! ガハハハハ!!』と大魔王テュポーン。
……そうだ。誰だって『奴隷』になんかなりたくない。俺だってそうだ、だから『逃げた』んだ。自分ひとりじゃ何もできない『10歳のガキ』が、『全て』を『死んだお袋』のもとに置きざりにしてまでも……なのに……、
「……クレオン、お前を僕の『パーティー』から『追放』する……理由はわかってるね?」
そう俺に告げたのは『アリステイデス』、確か今年『22歳』になるという『Tランク』の『冒険者』だ。すべての冒険者はまず『ランク外』から始まり、『M』、『G』、『T』とランクが上がっていく。
そして『22歳』という若さで『テラ』まで上り詰めた冒険者は『ギルド』の『歴史』では初めてだったそうだ……つまり彼は『勇者』に一番近い冒険者ってこった。そして同時に『善人』で、素性の知れないクソガキに過ぎなかった俺を拾って『パーティー』に加えてくれた『恩人』だった。これでさらに『すげぇイケメン』なんだから全く『完璧超人』すぎて泣けてくる。
なのに……俺こと『クレオン』は今その『大恩人アリステイデス』から『パーティー』を『追放』されてしまったのだ。
「……」
俺は彼に聞かれても何も答えられない。ただ『真っ青な顔』をして『冷や汗をだらだら』流しているだけ。そして『アリス』も別に俺の返事は待ってなかったようで、
「……僕は最初君と『出会った』時に確認したはずだ。そして君はあの時『自分は絶対に違います』と答え、『ゼウスやヘラクレスにだって誓える』とまで言い切っていた。だから僕は君の言葉を信じたんだ……なのに君は『嘘』を吐いてたんだね……君が本当は…………」とアリステイデス。
そうだ。俺が生まれて初めて『お屋敷』から飛びだした時、『ボロ雑巾みたいな服一枚』だけを着て『全身傷と泥だらけ』だった『10歳の俺』を初めて見た『アリス』に、仲間の『鍛冶師』かつ『医者』でもあった『大男ヘファイスティオン』が指さして叫んでた。あの『俺を心底嫌悪』している顔を俺は今でもよく覚えている。
『おいアリス!? まさかこの『ガキ』の言ってること本気で信じるつもりか!? んなの『全部嘘』に決まってんだろ! どこからどうみたってこのガキは……』とヘファイスティオン。
「…………『逃亡奴隷』だったとわね……」とアリステイデス。
『奴隷』
その言葉はこの世で最も俺が嫌いな言葉で、一番恐ろしい言葉で、何よりも『俺』という『存在』を一言で表現するのにこれ以上ないほどふさわしい言葉。
そして『お袋』を死に追いやり、俺がこの世に生まれる『きっかけ』を作り、その俺を心底『死にてぇ』と思わせる言葉。
いやだ……俺を『追放』しないでくれアリス……『お屋敷』に引き渡さないでくれ……俺はあの『地獄』に二度と戻りたくなんだ!! お願いだから助けてくれアリステイデス!!!
「……最初、確かに僕は君に言ったはずだ。『奴隷をパーティーに迎え入れることはできない。もし君が『ご主人様』の元から逃げ出してきた『逃亡奴隷』ならすぐにでも『ご主人様』に『返却』しなければならない』と……だが君は『自分は奴隷じゃない』と言ったんだ。もちろんなにも証明するものはなかったし、ヘファイスティオンや仲間たちは皆反対した。それでも僕は君の言葉を信じたんだ。だってあの時の君はあまりにも『哀れな姿』をしていたから……」
アリスの喋り方は穏やかだった。でも俺にとっては『死刑囚の罪状を読み上げる裁判官』にしか思えない。
俺はこれから『断罪』される、『冒険者』にとって最大の『禁忌』である『仲間の信頼を裏切った罪』で……、
「……でも君は僕の『善意』を利用してまんまと『逃亡』を成功させ、あまつさえ『この4年間』ずっと『戦友』として一緒に戦ってきたのに、そんな僕たちに『嘘』を吐き続けてきたわけだ……『命がけで魔物と戦う仲間』たちに君は『嘘』を吐いて『信頼』を裏切ったんだね……この件で『クレオパトラ』はね……」とアリステイデス。
彼はそこで『パーティー』に所属する『蛇を愛する女魔法使い』の名前をあげて、
「……とても怒っていたんだ。『冒険者パーティーが『逃亡奴隷』を匿ったなんて『お役人』にばれたら『冒険者特権』を剥奪されるかもしれないじゃない!』と……僕は別にそのことは怒っていない。君に『怒り』は感じていないが、ただただ『悲しい』んだ。なぜ君は『嘘』なんて吐いたんだ……もっと『真っ当な方法』で『奴隷』から『解放』されればいいだけなのに、なぜそうしなかったんだ? ……君がやったのは『犯罪行為』だ。だから『罰』を受けないといけない。明日君の『ご主人様』の使いの者が君を迎えに来る。まずは『仕事をさぼっていた4年間』の『償い』をするんだ。そしてもし『10年後』でも『20年後』でも構わないが、君が『自由』を手に入れたらその時は僕のところに来てくれ……その時こそ『本当の仲間』として君を受けいれると約束する……」
アリスは優しい調子でそこまで言ってから、『ニコリ』と、あの何度も俺を『安心』させてくれた『爽やかな笑顔』で……俺の『心』を『殺した』んだ。
「……たとえ『奴隷』であっても君が『根の善良な少年』であることは僕が誰よりも知っているつもりだ。だから『罪』を償ったらまた一緒に冒険しようよ!」とアリステイデス。
……俺はここで『我慢の限界』に達し、声に出さずにはいられなくなった。
「…………アリス、教えてくれ。俺は『産まれた時から奴隷』だった。『ご主人様』は俺を『解放』する気なんて毛頭なかった、『お袋』と一緒で『便利な道具』だとしか思ってなかったんだ……そんな俺がどうやったら『合法的に自由』になれたんだ……?」とクレオン。
ああ、また『一生忘れられない顔』が一つ増えちまった。
「……君の母親は『奴隷』らしいね。『奴隷』に落とされるってことは昔『悪いこと』をしたんだよ。だからそうなった。息子の君がその『罪』を償えばいい、今日は君から『反省』の言葉が聞けなかったことが『とても残念』だが、それでも君はまだ『仲間』だよ……」とアリステイデス。
…………まだ『奴隷なんて汚らわしい!』とか言われたほうがマシだった。そうかい、俺を『追放』することはあんたにとっては『善意』なんだな……。
…………、
……、
……この後何があったか……正直なところあまり記憶がない。俺は『心の底から信頼していた人』に裏切られて『頭の中が真っ白』になり、そのまま『元ご主人様』に元に運ばれたからだ。
といっても『アリステイデス』にしてみれば『元』ではなく『現ご主人様』なのだろうが……ちなみに俺のその『ご主人様』の名前は『ペイシストラトス』という。
俺は本当は『ペイシストラトス』が『お袋』に『夜伽』をさせて産ませた子供なんだそうだ。だから俺の本当の父親は『ご主人様』なのだが、『認知』しなかったので『父親』じゃないんだそうだ。
俺も別にこの男が『父』じゃなくてよかったと思っている、とにかく『冷酷』で『お袋』が病気になっても『働けない奴隷は要らん!』と罵るだけだったし、俺だって優しくされたことは一度もない。
だが『最悪』なのは『ご主人様』のその『バカ息子』の方だ。バカ息子の名前は『ヒッピアス』というが、こいつは俺やほかの奴隷たちを『いじめる』ことを『趣味』にしてる最低最悪のゲス野郎だ。
『お前らは奴隷だ! 『喋る道具』だ! 道具の分際で僕に意見するのか!? 道具に舌なんてついてるのがおかしいんだ、今すぐ引っこ抜いてやるぞ!!』と『ヒッピアス』
こいつはいつも『家庭教師に怒られた』とか『友達と喧嘩した』とかで機嫌が悪くなるとは俺たち『奴隷』に八つ当たりする癖があった。だから俺がそのたびに可哀そうなことに殴られて……、
『なんで俺が殴られねーといけねーんだよ!? お前の性格が悪いせいだろ死んで心入れ替えろや屑が!』と俺。
『ぐぎゃあ!? ……ぼ、僕の歯が……!? いでぇえええ!! くっそ、殺してやるぞクレオオオオオオオン!!』とヒッピアス。
……ムカついて『前歯二・三本』折ってやったことあったなそういえば(反骨精神の塊)。だけどこの『下種のヒッピアス』は毎日俺を『道具』と呼んで見下すんだ。
だから幼いころ俺はそれが悔しくて悔しくて『お袋』のもとに逃げ込むと、『お袋』は決まって悲しそうな顔で俺に諭したもんだ。
『……クレオン、私たち『奴隷』は『人間』じゃないの、『喋る道具』なのよ。だから『人間様』に反抗してはいけないのよ? もうお坊ちゃまに言い返すのはやめなさい……あなたの立場が悪くなるだけ、男の子は黙って『耐える』のが『格好いい』のよ……』と『お袋』
そうやって『格好良く耐え』続けて『お袋』は死んだ……結局『お袋』は『人間』にはなれなかったんだ。
母ちゃん、俺ははやく『人間』になりたいよ……。
『……久しぶりだなクレオン。『四年ぶり』か……ずいぶんとでかくなったな』と『ご主人様』
早速『お屋敷』に連れ戻された俺は『ご主人様』の命令で『暗い部屋』に閉じ込められ、『屈強な男たち』に一晩中『罵倒』されながら『殴られ』つづけられた。
『ああ!? 外は楽しかったかクレオン!? 俺達にも聞かせてくれよ! 喋れたらだがな!』
『何言ってるか聞こえねーぞ!? もっとはっきり喋れや!』
『おっとなんだまだ喋れるのかよ。ならもっと痛めつけてやらねーとな! ぎゃはははは!』
この『お仕置き役』も『奴隷』だ。だけどこいつらは俺みたいな『子供の奴隷』をいじめて憂さ晴らししてる『ヒッピアス』の同類だ。そしてその『ゲスカスクソの特売セール野郎ヒッピアス』は俺を見るなり『ご主人様』にこんなことを頼んでいたらしい。
『この『道具』は『危険』です! すぐに『処分』してください父上! 生かしておいて良いことなど何一つないですって!』とヒッピアス。
だが『ご主人様』は予想外に渋い顔になって、
『だめだ。こいつの『母親』の『値段』は『1000ドラクマ』もしたんだぞ。しかもその代金分働かずに死んだ。だからクレオンには『母親』の分も働いてもらわないといけない』
『お袋』の人生は何だったんだ本当に……俺は悔しいよ母ちゃん……。
『でもこいつを屋敷に置いてたらまた暴れたり逃げたりして『損失』が増えますよ! あの『アリステイデス』とかいうやつにも『謝礼』払ったんでしょ!? さっさと殺しましょうよ! こいつすぐ殴ってくるから僕怖いんです! 怖くて夜も眠れません!』とヒッピアス。
俺をさんざんいじめておいて何被害者面してんだ糞野郎!! 動けたら今すぐ総入れ歯にしてやるのに!!
結局『糞ゲス野郎のヒッピアス』がひたすら『駄々こねる』せいで『ご主人様』は俺を『手放す』ことを決めたんだった。
『……お前がそこまで言うのならクレオンは売るか……(溜息)。ならできる限り『高値』で買ってくれる人に売りたいのだが、誰か『伝手』はあるか……?』とペイシストラトス。
すると『馬鹿アホ間抜けの最低最悪うんこ野郎のヒッピアス』は『史上最高峰のゲス顔』になって、
『……僕知ってますよ父上。実は僕の『友達』に『鉱山』を持ってる奴がいましてね……そこで『若くて力自慢の奴隷』が『たくさん』必要なんだそうです。その『鉱山』は『銀』が出るそうでして、きっと『高値』で買ってくれますよ!』とヒッピアス。
……こんな話を昔『アリス』と一緒にいたときに聞いたことがある。
『奴隷』と言っても世の中にはいろんな『種類』の奴隷がいるらしい。『ご主人様やその家族の身の回りの世話』をするために家に住み込む『家内奴隷』、ご主人様の『農園』を耕す『農奴(農業奴隷)』、ご主人様と一緒に戦争に行って敵と戦う『軍用奴隷』、あるいは『大きなガレー船』を漕ぐ『漕ぎ手奴隷』とか『王の奴隷』とかもいるらしい。
だがそんな『奴隷』の中にも『比較的恵まれた奴隷とそうでない奴隷』がいるらしくて──俺は正直納得できないが──『家内奴隷』は『奴隷』の中でも『一番マシな待遇』らしい。なぜなら『ご主人様たちと一緒に豪勢なお屋敷に住むことができる』からだそうだ。食い物も『ご主人様の食べ残し』だけどそれなりにマシな物が食えるんだと。
しかも一番の『利点』は『ご主人様に気に入られたら奴隷から解放されることもある』だってさ……! そんなの『ペイシストラトス』は絶対しないけどな!!! くそが! 結局『ご主人様ガチャ』で決まるのかよ! もうみんな死んじまえ!!(自暴自棄)
……なら『それよりひどい』という『農奴』や『漕ぎ手奴隷』は一体どんな生活をしているんだ……? 俺は『ご主人様』の持ってる『農園』には行ったことがないし、『アリス』と一緒に冒険してるときに『ガレー船』にも乗らなかったので全然わからない。あと『軍用奴隷』と『王の奴隷』は……これはよく知らないからなんともいえねー。
でもそんな『奴隷』の中で他より圧倒的に『一番最悪な待遇』の奴がいるらしい。それが『馬鹿アホ間抜けトンマゲスアホゲスカス排泄物野郎ヒッピアス』によって送り込まれた『鉱山奴隷』なんだそうだ……。
俺が『14歳』の時に連れてこられたのは『ラウレイオン』という名前の『銀山』だった。この山は『銀の鉱脈』があるらしくて、俺以外にもたくさんの『男の奴隷』たちが毎日休むことなく『山』を『つるはし』で削ったり、『重たい石』を『荷車』に乗せて運んだり、地下に向けて『縦』にあけた『穴』から下に降りてそこの岩を掘ったりしていた。
とくにこの『縦穴』での作業が本当に大変だ。掘り出した『重い石』を『吊り下げた麻袋』に詰め、『穴』の上にいる奴隷がみんなで頑張って引き上げないといけない。そして『穴』の『底』もまるで『便所』みたいに滅茶苦茶狭いので、『5~6人』が『一つの便所』の中で『すし詰め』になって岩を掘らないとだめなわけだ。
『おらガキ! 子供だからって容赦しねーぞ! さっさと『岩』を穴の上に上げろ! すぐにやらねーと殺すぞ!』
『さっさと石を運べや溜まってんだろうが! この役たたずが! 崩落に巻き込まれて死にやがれ!』
『『つるはし』もうまく握れねーのかよ!? 『ノルマ』を達成できねーとぶっ殺されるぞ気をつけな!』
怖い大人ばっかりで俺は泣きそうになったよ……子供は本当にどこ行っても立場わりーよな……、
『うるせぇごらあああ!! つるはしが『うっかり滑って』頭かち割るぞごらあああ!!』と俺。
『『『わわわわわ!? こんな狭い所でつるはしを振り回すな! 俺らが悪かったからやめてぇえええ!!(懇願)』』』
……だから『武器』を持つに限るわけだな(どや)。
しかもこの『鉱山』では『新しいご主人様』──名前は知らねー、ただ『ヒッピアスの友人』としかきいてない──が『奴隷がやる気になるルール』を作ったらしくて、それが『半年のノルマ』なんだそうだ。
なんでも『半年の間に掘り出さないといけない銀の量』が『奴隷一人ずつ』に決まっていて、それが達成できないやつは『お仕置き』されるらしい。ちなみに『お仕置き』されると手足の骨を折られるが、その次の日にはいつも通り働かされるんだそうだ。実際にそういうやつを見たことある……え? 冗談だろマジで?? 『俺』は『高値』で買われたんじゃないのか??(マジで謎)
そして『銀のノルマ』だなんて言われても、『トンネル』の『どこ』に『銀鉱脈』があるかなんてわからねーから奴隷は皆『運任せ』で掘ってるだけだ。だから『ノルマ』を守るなんて土台無理だし、しかも俺みてーな『子供の奴隷』は『銀鉱脈』を見つけても『大人の奴隷』に奪われちまう。実際に俺は一回まぐれで『銀鉱脈』を見つけたのに『カリデモス』に『手柄』を横取りされた。
『俺がみ~けた! 邪魔だガキ! 事故にみせかけて殺されたくなかったらあっちいけや!』とカリデモス。
『うわ、く、くそ……』と俺。
そんな俺には刻一刻と『最初のノルマ達成期限』が迫っていた。そして俺は一回だけだが見たことある。仕事中の『事故』とか、あるいは『重いものを持ちすぎて体を壊した奴ら』とかが、『鉱山』のすぐ近くにある『掘っ立て小屋』の中に『医者』も『薬』も『包帯』すらない状態で『雑魚寝』で寝かされていたのを。
その『小屋』は『病人部屋』と呼ばれていて、『奴隷』は『道具』だから使い物にならなくなったらそこに『捨てる』らしい。奴隷を治療するより新しい奴隷を買ってきた方が安いから……最近は『魔王軍』の攻勢で『奴隷』の価格も下がってるとかそういう話だ。
『ぜ、絶対に嫌だ……あそこにだけは行きたくねぇ……どんな手を使ってでも回避しねぇと……』と俺。
だけどそのためには『倒さないといけない糞野郎』が『三人』もいた。まず『1人目』は俺の『手柄』を奪い取った糞野郎の『カリデモス』だ。
『……おいクレオン!? なんだその目はよぉ~!? てめぇ俺が『手柄』を奪ったことを恨んでるだろ~!? やられるまえにやっちまわねぇとなぁ~!?』
こいつは自分で俺の『手柄』を横取りしておきながら、そのことを『俺』が恨んでいて『自分の寝首をかきに来るんじゃないか』と『不安』らしく、俺を見るたびに難癖付けて『殴って』くるんだ。
恨んでて当たり前だろ糞野郎! 『復讐』されたくないなら最初から横取りなんかするんじゃねーよ頭沸いてんのか!?
『!? あああああくそったれクレオンてめぇええええ!! 俺の『ベッド』に『飢えたネズミ』を放り込んだのはてめぇだなああああああ!! 全身噛まれたじゃねぇかあああああ!』とカリデモス。
『ぶははは! そのまま病気になって死んじまえよ!』と俺。
『寝首をかきにくる』っていうからお望み通りかいてやったんだよ(へっへっへ)。
そして、この『ネズミの糞野郎』に絡まれた『後』に決まって現れるのが『二人目』の『エロメノス』だ。こいつは俺がそうやってよく『大人奴隷』に殴られると、全部終わった後にこっそり俺に近づいてきて『興奮した顔』でこんなことをいいやがるんだ。
『へっへっへ、どうだぁクレオンよ? お前『大人』にいじめられて毎日辛いだろ? もし俺の『恋人』になってくれたら俺が守ってやるぜ~? はぁ、はぁ……』
どうやらこいつは『15歳以下の子供』が『好み』らしく、『鉱山』で働かせられている『少年奴隷』は皆こいつに『口説かれていた』わけだ。というか『子供の奴隷』は俺に限らず皆『不遇』だからこいつは『守ってほしかったらいうことを聞け』と『脅して』回っていたというべきか?
しかもこいつは『ゲス』なことに、『告白を断られる』と『逆切れ』して殴ってくる『カス男』なんだ。だから俺は一度『告白』された時にはっきり言ってやったんだよ。
『ケッ! だれがてめぇみてーな『カス野郎』に惚れるんだよアホ! おととい行きやがれ『非モテ野郎』が!』と俺。
『な!? クソガキのくせに許さねぇぞクレオンよおおお!!(逆切れ)』とエロメノス。
それからこいつも俺を見るとは『いじめて』くるようになった。だけど『振った』ことを俺はこれっぽっちも『後悔』してないし、こいつと『カリデモス』は所詮『小物』だ。『三人目』に比べればこいつら二人はまだまだ『かわいい』方だからな。
最悪なのが『三人目』、この『ラウレイオン銀山』で働く『奴隷』たちの『頭目』を務める『コドロス』だ。
こいつは『奴隷頭』として『鉱山奴隷全員』の働きぶりを『監視』する仕事を『めったに鉱山に来ないご主人様』から命令されているのだが、『俺』のことを特別『目の仇』にしていて、他の奴らだったら見逃すような『些細なミス』も俺の時だけは絶対に見逃さず『鞭で気絶するまで殴って』くるんだ。
あの時も『俺』が『襲ってくるエロメノス』からなんとか逃げきって物陰で『小休止』していると、『コドロスの糞野郎』はそれを目ざとく見つけて俺を『タコ殴り』にしやがったんだよくそったれめ。
『てめぇなにサボってんだクレオン!? 『ノルマの期限』が『一か月後』まで迫ってんのがわかってんのかクソガキゃあああ!!(奇声)』とコドロス。
だけどこの時は『俺がエロメノスに追いかけまわされていた』ことを知っていた『子供の奴隷』たちが俺を庇ったんだ。
『待ってください『頭』! クレオンはエロメノスさんから逃げてて……ぎゃあ!?』
だけどコドロスはその『子供の奴隷』を蹴り飛ばし、さらに倒れている俺の腹も何度も蹴り始めた。
『んなこと俺の知ったことかよ!? 『ノルマ』を守れって言ってんだよ糞がぁ!! 俺は『ご主人様』から『奴隷どものしつけ』を命じられてるんだよぉ! 『ノルマ』守れねぇ奴隷は子供だろうと容赦しねぇ! 『ノルマ』守れねぇ『道具』は『破棄』だあああああ!!』
こいついつも怒鳴るとき『口から泡』とばすからきたねーんだよ(怒)。そのうちコドロスは俺が『血』を吐き出すと俺の胸ぐらをつかんで持ち上げた。
『……だけどなぁクレオン、てめぇだけは『すぐに殺す』のは勘弁してやる。なぜなら俺はてめぇに『でっけぇ恨み』があるからなぁ……(舌なめずり)……なぁ『アカイア帝国の皇子様』がよぉ!? 俺はてめぇら『皇帝一家』のせいで『奴隷』になっちまったんだよ馬鹿野郎がよぉおおお!!』
そう叫ぶと周りに集まってきていた『奴隷』たちが驚いて、
『……え、じゃああの『小僧』が『噂』の……?』
『あいつが『クレオン皇子』かよ……全然『皇族』にみぇねぇな、きたねぇクソガキじゃん』
『あれが『人類の裏切り者アガメムノン』の孫『クレオン』か……』
そう、この『コドロスの糞野郎』の言う通り、俺の『お袋』の名前は『アガメムノンの娘イフィゲネイア』という。
つまり『大魔王テュポーン』に『降伏』して『奴隷』に『堕とされ』た『イフィゲネイア姫』の『息子』が『俺』なんだ。だからもし『アカイア帝国』が滅んでいなかったら俺は『皇子様』だったらしい。
そしてなぜ『コドロス』が俺を恨んでいるかというと、こいつも元々は『アカイア帝国の大貴族の御曹司』だったからだ。それが『アガメムノン帝』が『降伏』してしまったせいで『奴隷』にされてしまい、『コドロス』は当時『6歳の子供』だったので『俺のお袋』と同じように『人間の国』に売り飛ばされたらしい。
『俺はてめぇら『皇帝一族』のせいで『奴隷』に『堕とされ』たんだ! 『アガメムノン』が最後まで『抵抗』していれば俺は今でも『大貴族』でいられたんだよ! なのになんで!? なんで『弱気』になったんだよ! そんなんだから『大魔王』に舐められてこんな目にあってるんだろうが!! くそがああああ!! 俺の『人生』を返せやボケがああああ!! あああああああ!!』とコドロス。
そう叫んでから『コドロス』はその場で『号泣』し始める。こいつの『皇帝一族』に対する『憎しみ』は『海』よりも深いらしく、この話をするとはこうやって大泣きするんだ。
すると周りで傍観しいていた『大人奴隷』が──多分こいつは『新参者』だろう──がコドロスを介抱しようとする。
『ちょ、ちょっとお頭、とにかく落ち着いてくださいよ、あんたのその小僧を恨む気持ちはわかるが……』
だがコドロスはまた『激高』してその奴隷を殴り飛ばした。
『わかるだと!? お前ら『道具』に『人間様』の気持ちがわかるかぁ!? 俺は本当ならこんな『腐った便所』に相応しくない『身分』なんだよ!! それを『アガメムノン』の奴がよおおおお!! っちきしょう! 『クレオン』の仲間は殺してやるうううううあああああああ↑あああああああ↓!!』とコドロス。
知らなかったから仕方ないとはいえ、『コドロス』は『ガチのサイコ野郎』なうえに自分を批判する奴は全部『俺の仲間』だと思って『ボコボコ』にするんだ。そして周りの奴隷たちは『あ~あ』と肩をすくめるだけで誰も助けない、当然だ『コドロス』を怒らせたくないからだ。
でも俺はそんなこと関係ないね糞サイコ野郎が!
『やめろこら! キチ〇イ野郎が! あんたも逃げろ!』と俺。
『ぐぎゃ!?』とコドロス。
『ひ、ひぃいい!!』と新参者。
俺が『コドロス』の『脇腹』を力いっぱい蹴ってやったので、こいつはしばらく『ぶっ倒れて痙攣』しており、その間に『散々けたぐり回されていた大人奴隷』は逃げた。まあいいさ、俺は別に『感謝』してほしかったわけじゃなんでね、この『サイコ野郎』の『隙』を突いただけだ。
そしてすぐにコドロスは『脇腹』を手で押さえ『苦しそうな顔』で立ち上がり、この『クソ』のせいで全身血とあざだらけの俺に『血走った目』で言ったんだ。
『……はぁ、はぁ、俺は『子供』のころはそりゃあ『大勢の召使』に傅かれて『お坊ちゃま』とかいわれてたんだ。『ご主人様』よりはるかに偉かったんだよ俺は!! だから俺はお前ら『皇帝一族』に『復讐』する権利がある!! ……』
だがそこまで言ってから『コドロス』は今度は『上機嫌』になって笑い出し、
『……そう、俺には『復讐』する権利があるんだ……! ひいひひ! だからすぐに死ぬんじゃねーぞクレオン!? やっと『皇帝一族』が目の前に現れたんだから『生き地獄』を味わってもらうぜ!! てめぇを今から『病人部屋』に連行して縄で縛り、一晩かけて『死ぬ』まで痛めつけてやるぜ! ケヒヒヒ!』
そういってコドロスは『このガキを『病人部屋に連れてけ!』とさけんだ。ちきしょう、悔しいがさすがに『足が笑って』やがる。『コドロス』は子供相手に容赦しねーせいで俺は毎回こいつに襲われた後『気絶』するんだ。
へ! それでも今回は『一矢報いた』からな! だから俺は『根性』で『必要ねぇ!』と叫んで立ち上がってその場を去る。正直視界もかすんでいて意識もかすれてたけど、ここで『気絶』したらまじで縄で縛られたまま『病人部屋』に送り込まれちまう。それだけはぜってー御免だから『どこか安全な場所に隠れてから』気絶しねーと……、
それでも『コドロスの情緒不安定最悪野郎』の言葉だけは覚えてる。
『ぎゃはははは! 頑張るなクレオン!? でもどうせお前はこのまま『確実』に『一か月後』には『病人部屋送り』だけどな! てめぇがあの『生き地獄』に落ちると思っただけで俺は『皇帝一族』を許す気になれそうだ! 苦しんで苦しんで死にやがれや! ぎゃははははは!』とコドロス。
この時はなんとか『その場を立ち去った』後、俺は『牛小屋』の中に忍び込んでそこで『気絶』することができた。といっても『牛の世話係の奴隷』がやってくるまでの短い時間だ。その後は何とか起き上がって仕事に戻る。そうしないとマジで『コドロス』に殺されるから仕方ないじゃねーか。
でも後からわかったことなんだけど、俺が『牛小屋』で気絶してた時『コドロス』の野郎も別のところで『失神』してたらしい。どうやら俺が『脇腹』を蹴った時『肋骨』をぶち折っちまったらしくてな……その激痛でしばらくあいつは俺を襲いたくても襲えなくて『青い顔』で仕事してたそうだ。人をいじめたらどんな目に遭うかわかったかバーカ(ゲラゲラ)。
……それにしても、なんだな。あの『サイコ野郎』は『子供のころは大貴族』だったのに『奴隷』にされてからは俺と同じように散々『大人』にいじめられてきたらしい。だがそれを『ぐっと我慢』して『奴隷頭』にまで上り詰めた。だから『頭がイっちゃってる』んだ。だけどこの『頭のおかしい野郎』のせいで歳の近い少年奴隷たちは皆『眼をつけられたくない』と怖がって俺に近づかなくなった。
だから俺には『友達』と呼べる奴も『恋人』もいない。そして『コドロス』は俺を『病人部屋』に送りたくて仕方ないからずっと『監視』して仕事を邪魔してくる。もちろん誰も俺を助けてはくれないし、俺みたいな小柄なクソガキではどうしようもない。滅亡した『アカイア帝国』に敬意を払う人間も……ここに『人間』は居ないし、その皇族を恨む奴はいても助けようとする奴隷は一人もいなかった……そんなの当然か。
……詰んだな、これ。
そう思うと俺は『気絶』してたくせに今度は『夜も眠れなく』なり、『奴隷たちが寝る小屋』を抜け出して、すぐそばの森の中の『岩』の上に座って一人『月』を眺めていた。
「……いやだ。ぜってぇにあの『病人部屋』にだけはいきたくない……でももう俺には助かる道がない……皆『マジ〇チサイコ野郎のコドロス』が怖くて俺を助けてくれない……『銀鉱脈』をもう一回見つけてもぜってー横取りされる……俺は一体どうすればいいんだよちきしょうが……!」
俺はしばらく頭を抱えて『無い知恵』を必死に絞って考えた。考えに考えに考えた。
そして……『もうすべてがどうでもよくなって』笑うことしかできなくなったんだ。
「…………何が『死にたくない』だよ。どうせ奇跡が起こって『ノルマを達成』できたとしても結局『鉱山奴隷』のままなんだぜ? 頑張って『出世』した『コドロス』だって結局『奴隷』のままだ。そんでいずれは『崩落』とかで死んじまうか、『即死』できなきゃ遅かれ早かれ俺は『病人部屋』にいく運命なんだ……」
俺はそれから『岩』の上に寝転がって、
「……それにこんな『糞みたいな人生』なんてさっさと終わってくれた方がいいくらいだ。母ちゃんは『我慢すれば何とかなる』が口癖だったけど、結局生き残れても『コドロス』みたいに頭がおかしくなるんだよ。むしろ早めに死んじまったほういい、俺の人生は糞だ。はあ、俺は何でこんな『当たり前の』ことに気づかなかったんだ? 確かに『病人部屋』に入ってしばらくは『苦しい』だろうけど、その後『永遠の安らぎ』があると思えば屁でもねぇな……」
皆が俺を『皇子様』と呼ぶが、俺は『お袋』が『奴隷』になってから産まれてるから『皇子様』だったことは一度もない。生れながらの『奴隷』だ。『コドロスの糞』もそれを知ってるはずなのに『憂さ晴らし』がしたいからわざとあんな言い方をするんだ……は~、本当に『鉱山奴隷』は最低最悪だ! これ以上『地獄』で生きてて何の意味がある!? もう今すぐ死ぬか? 目の前の『小屋』の屋根によじ登って頭から墜落すれば今すぐ楽になれるな……、
……でもそうは思ってもいざ『死のう』とすると『身体が固まって』結局『自殺』もできない。俺はこのまま一生『意気地なしの奴隷』のままなんだ……そのことの方が『病人部屋』に入るよりも一番の『地獄』だ。
……その時だった。
「…………あんた、さっきから何馬鹿なこと考えてんの?」
俺は『奴隷が寝ている小屋』の『屋根』の上に『1人の女』がいることにきづいた。『月』を背にしていて、髪の長い、思わずと二度見してしまうくらい『美人』な女。
「…………は? なんで女?? 『鉱山』には男奴隷しかいないはず……だれだてめぇは!?」と俺。
だがその『美人の女』は答えず俺を見つめて、
「さっきから黙って聞いてれば『人生は糞だ』とか『死んだ方が楽になる』とか『俺はどうせずっと奴隷だ』とか……ちょっとは自分で言ってて情けなくならない? あんたには『人間としての誇り』がないの?」
「誰だって言ってんだよ俺は!? つーか俺が何考えようとてめぇには関係ねーだろうが! 『奴隷』が自分に『誇り』なんて持てるわけが……」
俺がそこまで言いかけたとき、『美人の女』は身軽に『屋根』の上から飛び降りて俺の前に立ち、いきなり俺を『ビンタ』した。
バシッ!
「…………は?」と俺。
さらにこの女は俺の『胸ぐら』を掴み上げ、鼻が触れそうなほど『きれいな顔』を近づけて怒鳴ったんだ。
「…………あんたみたいなやつを見てると『イライラ』すんのよ。誰にだって『人生』辛い時はあるわ! ましてや『奴隷』になんて『堕ち』たら『絶望』くらいするでしょうよ! でもこれだけは忘れるんじゃないわよ、『たとえ奴隷になっても心まで奴隷になるな』!!」と女。
この『美人で熱い女』の名前は『アタランテ』、多分こいつと出会ってなかったら俺は一生『奴隷』のままで、『大魔王テュポーンを討伐した偉大な勇者』になることなんて絶対になかっただろうと思う。だからこいつは『俺の命の恩人』だ。
え? 『最底辺の鉱山奴隷に落ちて仲間もいない14歳のクソガキ』が『大魔王を倒した英雄』になったは『嘘くさい』って? お? じゃあ実際にどうやって俺が『成り上がっ』て『自由』を掴んだか見せてやろじゃねーか……!
これは『最底辺の鉱山奴隷』から『頂点』へと昇り詰めるこの『俺』の物語だ!
「…………っていうけどさ。俺まじでこの時点で『何も持ってない14歳のガキの奴隷』なんだけどさ、そのクソガキがまずどうやってこの『鉱山』を脱出するんだ??」と俺。
「そもそも『一か月後』生きてるんすか?(素朴な疑問)」とペンテシレイア。