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第二話 デス・ロイヤルガード

読みづらいなぁ、なんてところがあったら感想などで教えていただけると幸いです!

「えっと……ステータスオープン? うわっ!」


 ヴォン、という音と共に目の前に光の板が出現した。


==========

名前:エイス・アルヴァ

種族:グールナイト(危険度:B-)

レベル:100(進化可能)

年齢:216

==========


 そこまで読んでエイスは仰天した。


(あの日は僕は16だった……それが216歳? じゃあ200年も経ってるの!?)


 彼は知らないが、帝国がメイリス王国に対して襲撃を行ったあの日の数日後、帝国では精鋭をメイリス王国で失った事によりクーデターが発生、完全に血統が変わってしまっていた。

 その上、長く時間が過ぎたために世界の構造が変化、ステータス……レベルにモンスターなら種族、人間なら職業、そしてスキルという概念が追加されたのだ。


(レベル100……最初はどれくらいだったんだろ? どうやったら増えるのかもわからないし……!?)


 そして突然、自分の意識の無かった頃の記憶を取り戻した。

 とても自分とは思えないほど力任せに荒々しく剣を振るい、国民だったゾンビを押し倒し食おうとしていた醜悪な犬のような謎のモンスターを切り裂く情景、何者か良くわからない攻撃してきた者達を無慈悲に反発魔力で押し潰す情景………そして民家の壁を吹き飛ばし、中にいた男達を指差しゾンビに襲わせる情景。

 情景が切り替わる度に、すこしボロボロだった鎧と皮膚が綺麗になっていっていることに気づき、


(なるほど、レベルが上がると進化する、そして『進化』なんて言うんだから、強くなるのは普通………なら、レベルを上げる経験値は生物を殺すと手に入る?)


 すこし考察したが、ゾンビが()()を持ってきた事によりその思考は遮られる。


「これは……王冠!?」


 あの日、彼女が被るはずだった輝くそれ。王権の証であり、歴代の王族の想いが詰まったそれ。


(これは………姫様を探さないと。)


 彼女がいなければ復興なんて不可能だ。そう思い、エイスはシルフィを探し、意識を取り戻せていなければボウケンシャとやらを捉え、彼女に殺させるという新たな決意を胸にその王冠を受け取った。


「さて、じゃあまずは進化? をしないとね。でもその前に最後まで確認しちゃおうかな」



==========

名前:エイス・アルヴァ

種族:グールナイト

レベル:100(進化可能)

年齢:216

装備品

└武器:宝剣【フローレント】

└防具:メイリス王国近衛騎士隊制式鎧

スキル:『鑑定(アナライズ)』『魔力剣』『魔力盾』『特級剣術・極』『特級盾術・極』『魔力操作・極』『超体力』『超魔力』『HP超回復』『MP超回復』『絶対防御結界・偏向』『絶対防御結界・瞬発』『超防御結界』『状態異常無効』『大地激震(アースクエイク)』『魔法防御貫通』

ユニークスキル:『反発魔力』

==========


「なんか名前を見るとすごいけど……生きてた時に使えた気がしないようなものまであるのはなんでだろ……?」


 剣術はフェルシアの方が強く、盾術も別に強いものがいたにも関わらず『特級』と付いていることにすこし納得がいかないが、ひとまずは進化をすることにした。


「どういう風になるのかな……?」


==========

進化

・グールナイト(現在)

 └グールキング(グール系最高位)

 └デスナイト(デスマン系へ派生)

 └デス・ロイヤルガード(特殊進化)

==========


「………何もわからないなぁ。 そういえばスキルに鑑定ってあったよね? 使えるかな?」


 とりあえずキング(王)は無礼なので除外し、その他のものに鑑定というのを使ってみる。


==========

デスナイト

└デスマン系統の中位モンスター。ほとんど人間と変わらず、思考し、戦略を立て行動する。しかし理性は無いため会話は不可能。

危険度:B+

==========


「えぇ………何これ怖い……。とりあえずこっちも……」


==========

デス・ロイヤルガード

└発見例が少なく、討伐例は存在しない謎のモンスター。アンデッド系統という事は解明されているものの、それ以外の事は何もわかっていない。しかし、アンデッドの王族が出現した時、必ずそのそばに駆けつけると言う伝承が存在する。

危険度:A

==========


「うーん………こっちかなぁ。近衛騎士だったわけだし」


 危険度というものは良くわからないが、Aの方が先なため高く無いだろうと思い早速選択した。


「よし……おぉ!?」


 光の渦が集まり、自分の身体を覆い尽くすのはなかなかに怖いものがある。しかし、さらに身体の中には力を感じるようになり、そして微かにどこかに引き寄せられる感覚を覚える。


「おぉ……すごい、今ならどこまでも行けそうな気がする!」


==========

名前:エイス・アルヴァ

種族:デス・ロイヤルガード(危険度:A)

レベル:100(進化可能)

年齢:216

装備品

└武器:宝剣【フローレント】

└防具:メイリス王国近衛騎士隊制式鎧

スキル:『鑑定(アナライズ)』『魔力剣』『魔力盾』『特級剣術・極』『特級盾術・極』『魔力操作・極』『超体力』『超魔力』『HP超回復・常時』『MP超回復・常時』『絶対防御結界・偏向』『絶対防御結界・瞬発』『超防御結界』『状態異常無効』『大地激震(アースクエイク)』『魔法防御貫通』『王族探知』

ユニークスキル:『反発魔力』

==========


「というか、全然気にしてなかったけど僕の魔力ってこの名前で固定されたんだなぁ」


 反発魔力。自分の根幹をなす、最も強く、最も誇れる技能。それがしっかりと登録されていることに、何故か深い安心感を覚えた。そして、この種族を選んだ一番の理由。


(感じる……多分姫様だ!)


 狙いどおり『王族探知』というスキルを獲得し、おそらくシルフィの気配を探知出来るようになったエイス。

 そして、危険度A……厄災クラスのモンスター【デス・ロイヤルガード】となった彼は、伝説通りに進む。主のもとへ駆けつけるために。



◇◇◇◇



 今のアルメアにて、旧メイリス王国王都はこの世で1、2を争うほどに危険なダンジョンだ。

 最低でもC級……ベテラン冒険者しか対処できないモンスター、グールしかおらず、上位には一度外に出れば町が3つは滅ぶA級すら複数いると言われている領域。

 もちろん、探索により得られる利益も大きい。屋内には金貨が存在し、質の良い武器や防具、魔道具も存在する。しかしそれは甘い蜜。

 下手を打てばA級冒険者すらなす術無く殺されるような場所であり、C級以下の冒険者は侵入すら出来ない。例えパーティーとしてC級でもだ。そんな場所なのだから、当然帝国も警戒している。定期的に精鋭騎士団を送り込み、異常な存在は駆逐していた。2年前、恐ろしく速い突きを繰り出し、数多の冒険者や騎士を葬ってきた女グールを消滅させた時からは平和だったのだが………。


「そういえば、騎士サマ達は帰ってきたのか?」

「そういえば、遅いですね?」

「あんまり遅いようなら調査隊を送り込まなきゃなんねぇな」


 旧メイリス王国王都ダンジョンのとなりにある、城塞都市【ラッドニア】の冒険者ギルドにて、ギルドマスターとサブマスターがそう話し合っていた。


「確か最後の巡回とか言ってたか? 問題は起こらないだろうって話だったが………」


 すると突然、机の上にあった水晶玉のような魔道具が赤く点滅を始め、ヴー、ヴーと警報を鳴らし始めた。


「高魔力・瘴気警報装置が!?」

「噂をすれば影が立つってか? こんなタイミングでこの言葉が本当だなんて知りたくもなかったぜ」


 その魔道具は、特定の場所を観測し続け異常な変化が起こったときに警報を発する物だ。そして、この場所で警戒するところはひとつしかない。


「急いで調査討伐隊を編成するぞ。B級以上は全員参加、強制だ!」

「はい!」


 最悪の事態に備えて、彼らは旧メイリス王国王都を武装調査、可能であれば討伐をすることにした。その行動は、果たして正しいものだったのだろうか………。

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