ナナ3
ナナ3
しかし、後先考えないで、会社を辞めたので、収入がなくなる。
アパートも出ないとならない。
仕方ない、しばらくここで働くか。
とりあえず寝る場所と食事は確保できる。
「分かりました。よろしくお願いします」
涼子は心配そうな声で言った。
「よし!決まり!涼子頼むよ!」
ナナは嬉しそうだ。
「涼子、何歳?」
「二十五だよ」
「私より三つ上なんだ。
年下だと思ってたよ。
私のことはナナって呼んでね」
涼子はナナの行動に驚いた。
昨日会ったばかりの人をこのような迎えるのか。
「私のこと、知らないのに心配じゃないの?」
涼子はナナに聞いた。
「涼子と私は性格が合うよ。
私の直感は当たるんだ。
それに昨日涼子が酔っ払ってる時に、だいたいの
いろいろな話は聞いたよ。
んー、例えば男関係とかね(笑)」
「えー、そうなの?全然覚えていない」
涼子が、しまったという顔をした。
「ナナ、新しい人雇ったの?」
涼子はその声の方に振り返った。
綺麗な顔立ちをしたスタイルも抜群の女性がいた。
ナナの母親の美奈子だった。
「涼子、この人、私の母親。
お母さん、この子は涼子。
今日から面倒みるよ」
「そう、ナナに任せるよ。
涼子ちゃん、よろしくね。
給料はあまり払えないよ」
涼子は驚いた。
ナナのお姉さんだと思った。
そして、芸能人だと言っても誰もが納得するだろう。