ナナ16
ナナ16
梅雨が明け、八月に入った。
東京は毎日が猛暑だ。
最近の夏は異常な暑さだ。
特に今年の夏は耐えがたいぐらいだ。
三人とも涼しい北海道に早く行きたかった。
それと、美奈子とナナは涼子が育った場所を見に行きたかった。
お盆の期間の一週間、店を休みにすることにし、その期間に北海道に行くことになった。
旭川空港に三人で降り立った。
やっぱり東京より涼しくて気持ちがいい。
それに天気も最高に良い。
「涼子、やっぱり北海道は気持ちがいいね!空気が違う!」
ナナが涼子の肩をたたいた。
「本当!最高だね!」
美奈子も空を見上げて言った。
「なんか、私が褒められてるみたいだね」
涼子は照れた。
空港からレンタカーを借りて、涼子が運転をした。
助手席にナナが後部座席に美奈子が座った。
涼子は実家に行く前に、美瑛を案内したかった。
ゼルブの丘、セブンスターの木、ケンとメリーの木、白ひげの滝などを巡った。
ただ走っているだけでも全ての景色が素晴らしい。360度地平線が見える場所もあった。
ナナと美奈子はこの雄大で絵に描いたような景色に素直に感動した。
美奈子は後部座席から涼子とナナが仲良くふざけあっている姿を見て嬉しい気持ちが湧いた。
この子達二人がずっとこの関係が続くことを祈った。