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ナナ  作者: T2BK
10/21

ナナ10

ナナ10


シェリーはナナのことを自分の孫のように可愛がった。


「この子は優しくて美人になるね。本当に嬉しいわ」

いつもシェリーは何回も言った。


客にも自慢げにナナのことを見せた。


「私には親も夫も子供もいない。だけど神様が真の家族をくれた。美奈子とナナは私の娘と孫だ。晩年になって本当の幸せを感じている。美奈子ありがとう」

お酒を飲むとシェリーは美奈子に優しい眼差しで言う。


「私こそありがとうね。シェリーさんは私のお母さんだよ」

美奈子は心からそう言った。


美奈子は毎日が張りがあり、シェリーとナナとの生活に心底幸せを感じていた。

 

ナナが二歳になったある日、美奈子は買出しから戻って一階で仕込みの準備をしていた。


買出しに行っている間はナナはシェリーが見ている。


いつもは仕込みをしているとシェリーが二階から降りてくる。

今日は降りて来ない。


美奈子は二階に向かって声を出した。

「シェリーさん、仕込み終わったよ」

返事がない。


美奈子は二階に上がった。

シェリーとナナは一緒になって寝ていた。


シェリーに毛布をかけようとした時、美奈子はシェリーが口から泡を吹いているのに気がついた。


「シェリーさん!」

シェリーは微動だにしない。


ナナが起きて泣き始めた。


すぐに救急車を呼んだが、すでに亡くなっていた。


急性心筋梗塞だった。

義母と同じだ。

あの時のバチが当たったのか。


美奈子は呆然とした。




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