親父が倒れた
ちょっとここから先しばらくシリアスかも知れません。苦手な方はごめんなさい。
家のリビングルームに向かうとそこには親父が倒れていた…。
「おい、親父しっかりしろ、おい…。」
親父は何も答えなかった。
俺は急いで救急車を呼んだ。
♪ピーポーピーポー
俺は家に帰ってくるであろう妹の夏鈴に親父が倒れたこと、俺が親父と一緒に病院へ行くこと、そして親父に何かあれば俺が電話をすることを書いたメモを机に置き救急車へと乗り込んだ。
病院に着くとたくさんの看護師が待ち受けており、そのまま集中治療室にまで運ばれていった。そのまま跡を追おうとしたが、ある一人の医者に呼び止められた。
「月城蓮(つきしろれん 俺の親父の名前)さんのご家族の方でしょうか。」
「はい、そうですが…なにか?」
「蓮さんのご病気についてお話ししたい事がございまして…。」
「親父の病気?なんですか、親父の病気って。」
「やはり…蓮さんはご家族にご自分の病気のことを伝えていなかったんですね。実は蓮さんは数年ほど前からこの病院で病気の診断に来ていましてね…。最近はご家族の…つまり貴方方の話を診断中にされることも多くなっていていつも楽しそうに、それは幸せそうに話していらしていてね、あぁこの方はご家族のことを大切になさっているんだなと思っていたんですがね。そんな最中に蓮さんが急に吐血しましてね、我々は今日はもう帰らずに入院するべきだと言ったのに嫌だ俺は家に帰るんだと言い張って…。今日でその日から5日ほどになりますかね。もう蓮さんの体には会社で働けるほどの体力がないんです…。幸い命に別状があるほど病が進行してはいなかったのですが…。」
もう会社はやめた方がいいでしょう、そんな医者の思いが聞こえた気がした。
目の前が真っ暗になった。
気がつくと親父のベッドの横の椅子に俺は腰掛けていた。
「親父、なんで俺たちに教えてくれなかったんだよ…」
そんな言葉をポツリとこぼした。
次回は親父(蓮)の視点からのお話になるかも知れないです。次回もよろしくお願いします。
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