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プロローグ

 俺の名前は月城つきしろ 冬兎ふゆと妹一人と親父の3人家族でくらしている。世間一般的には平凡ではないかもしれないが、もうだいぶ前からそうだったしここまで育ててくれた親父には感謝しかない。母親は妹を生んだ後何処かへフラッと行ってしまった。その事で母親に対して特に何か思ったことはない。まぁ正直顔も覚えてないくらいだし、今頃になって戻ってこられても困るなくらいにしか思っていない。

 そんなことをつらつらと考えながら髪をボサボサにし、分厚いメガネを掛けて人目で陰キャだとわかるようなスタイルにし家にいる親父たちに「いってきます。」と声をかけて家を出た。向かうのは俺の通っている中学校“英明中学校えいめいちゅうがっこう”だ。

 最近はなくなってきたのだが以前はこの格好で外に出ると必ずと行っていいほどの頻度で職質をされていた。制服を着ているんだから生徒かどうかなんてわかるだろ!と思わなくもなかったが、生徒手帳を見せ毎回切り抜けていた。

 今日は珍しく職質をされなかったので心なしか足取り軽く教室に入り席についた。本を読んでいると教室がにわかに騒がしくなり始めた。肩を叩かれたので振り向くと「おはよ~。」とクラスでイケメンと話題な幼馴染に声をかけられた。こいつは東雲しののめ 大智だいち幼稚園の頃から俺に唯一話しかけてくるような変人だ。

「はぁ~、朝に俺に話しかけるのはヤメロって何回も言ってるよな?」

「まぁまぁ、いいじゃないか。」

「一ミリも良くねぇわ、わざわざ目立たないようにしてるのにお前のせいでめちゃくちゃ女子に叩かれてるじゃねーか。」

その時「だいち~、委員会活動あるでしょ~。」とクラスの男子に呼ばれて大智が廊下の外に消えていった。

はぁ~、やっとどこか行った。そう思ったのも束の間教室の入口の方からぞろぞろとクラスの女子がこちらへやってきた。女子たちは俺の机を囲み次々と俺を責め立てた。

「アンタのせいで大智くんと話せなかったじゃない!」

「アンタが教室にいるから優しい大智くんは放っておけないのよ!」

 「「そうよそうよ。」」

  …。


♪キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り先生が入ってくると女子たちは蜘蛛の子を散らすように去っていった。その後は特に目立ったこともなく過ぎていった。(強いて言うのなら俺が弁当を校舎裏で食べたことくらいか…。)

 家に帰りリビングルームに向かうとそこには親父が倒れていた…。


 


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