幼なじみお姉さんと映画デート
お家デートの日から時間が過ぎ、今日は土曜日。
今、俺は映画デートに行くための、支度をしている。
ずっと、楽しみにしていた、映画デートだ。すごくうれしい。
支度を終え、俺は家を出る。今は、待ち合わせの時間、十時の五分前だ。
ガチャッ
「おはよう! きーくん」
家を出ると、雫姉さんは、もう待っていた。
「ごめんね、雫姉さん。もっと、早く家を出ればよかった」
「ううん、気にしないで! 待ち合わせの時間より早いし、私が早く家から、出ただけだから! それよりこの服、似合ってるかな?」
と雫姉さんは言う。
雫姉さんの服装は、上が白いブラウスに、下が黒いロングスカート、肩にはショルダーバッグをかけている。
語彙力がなく、なんて説明していいか、分からないが清楚系の可愛らしい格好だ。
「可愛いよ、雫姉さん」
「えへへ……。ありがと……」
と照れたように言う雫姉さんは、とても可愛いらしい。そんな姿を見て、俺は心臓がドキドキしている。
「じゃ、じゃあ行こうか、雫姉さん」
「う、うん……」
俺たちは歩き出した。
映画の前に、まずはカフェで朝ごはんだ。
ふと、隣で歩いている雫姉さんの手が、目にうつる。今日はデートだ、手をつないでも大丈夫だろうか?
と俺は悩んだがつなぐことにした。
そっと手をつないだ俺に雫姉さんは、
「き、きーくん!?」
と驚く。小さい頃は、よく手をつないで一緒に歩いていたのに、最近ではつないでいなかった。
互いに、恥ずかしがっていたのもあるが、俺たちが恋人同士ではない、というのも少しはあるだろう。
あーんは、しているけど。
「は、はずかしいね……。久しぶりに手をつなぐと……」
と雫姉さんは言う。
俺も、恥ずかしいと思うが、手をつなげて、とても幸せな気分になっている。
「そうだね。でも、俺はうれしいよ雫姉さんと、手をつなげて」
と俺は、つないでいる手を上げながら言う。
すると雫姉さんも、
「私もうれしいよ……きーくんと手をつなげて……」
と、少し上目遣いで、雫姉さんは言う。その姿に俺の心臓は、落ち着かない。
ずっと、ドキドキしっぱなしだ。
その後、俺と雫姉さんは無言でカフェへ向かった。
二人とも、恥ずかしくて何も話せないのだ。
でも、つないだその手は、俺も雫姉さんも離そうとは思わなかった。
久しぶりに、つないだ雫姉さんの手は、とても綺麗でとても暖かかった。
その、つないだ手を見るたび俺の頬が緩んでしまう。
そうして、つないだ手を見た後、そっと雫姉さんを見てみると、雫姉さんもこちらを見ており目が合う。
俺と雫姉さんは、それに照れてそっと目をそらした。
カフェに着き、俺たちは朝ごはんを食べる。頼んだものは、モーニングセットでとてもおいしかった。
雫姉さんもおいしそうに食べていた。
朝ごはんが、食べ終わりカフェから出ると、俺たちはまた手をつないだ。さっきまでの、恥ずかしさはないがそれでも少しは恥ずかしいし、緊張もする。
「えへへ……恥ずかしいね……。きーくんの手大きくて暖かいなぁ」
と雫姉さんは、照れながらそう言う。
雫姉さんが可愛すぎる。
俺たちは、映画館のあるシッピングモールへ着いた。
その後、チケットやジュース、ポップコーンを買った。
ポップコーンは、二人で一緒に食べることに、したため一つだけ買った。
俺は、今雫姉さんと一緒に、映画を見ている。
見ている映画のジャンルは、ラブコメものでとても面白い。
俺は、雫姉さんも楽しんでいるのか気になりそっと見た。
すると、雫姉さんは楽しそうに映画見ていた。
そんな、雫姉さんを見て俺は、また手をつなぎたくなった。
俺は、雫姉さんの手をそっと取り、つなぐ。
すると、雫姉さんは驚き、体をビクッと震わせる。
その姿を見て俺は、可愛いなと思った。
雫姉さんは、俺の手をギュッと握りこちらを見る。
その顔は、少し恥ずかしそうに笑っている。
雫姉さんは俺の耳元に顔を近づけると小さな声で、
「なんか、恥ずかしいね……。でもうれしいよ……」
と言った。
その後、俺たちは手をつなぎながら、映画を見たのだが映画の内容が頭に入ってこなかった。
雫姉さんの、綺麗で暖かい手や雫姉さんが俺の耳元で小さくつぶやいた言葉のせいだ。
でも、すごく楽しかったし雫姉さんが可愛かったので、手をつないだことに後悔はない。
映画を、見るよりも雫姉さんと手をつなぐほうが、俺には大切なのだ。