第十七話【水面を走るくらい】
皆様どうもお久しぶりです!
作品の投稿日時を見るとこの作品が如何に放置されていたか分かりますねw
作者の気分に左右される作品がまた動き出します!
それではどうぞ( ˊ̱˂˃ˋ̱ )ノ
翌日、アインスは日課のランニングを終えて、家に帰ると眠そうなコルチカムが待ち構えていた。
「アインス、外出許可が出たぞ」
「え、ほんと⁉︎」
昨日サルビアにバッサリ却下された為、完全に諦めていたアインスは、思わぬ幸運に驚いていた。
(一体どうやってあの母上を説得したんだ...)
しかし、いくらコルチカムが外出許可を出してあげたいとは言え、サルビアの気持ちが分からないわけでは無いので、ある条件を出した。
「ただし俺と戦って勝てたらな」
「え...」
(それは流石に無理じゃないか?)
「あぁ安心しろ、流石にハンデありだぞ」
コルチカム達が一晩かけて出した妥協案は、コルチカムに勝つことだった。
しかし普通に考えれば、その腕一つで辺境伯にまで成り上がった元冒険者相手に、まだ10歳にもなっていない子供が勝てるはずがない。
「えっと...そのハンデとは?」
「まず俺は両手を使わずに戦う、それで俺に木刀で一撃でも当てることが出来たらアインスの勝ちだ」
(物凄いハンデだな...実質無条件で許可されているのと同じじゃないか?)
「勘違いしているようだから言っておくが...俺は両手無しでも強いからな?」
そこでアインスは数年前、コルチカムの勇姿が書かれた本を読んだ事を思い出す。
(そう言えば本では魔人との戦いで片腕を持って行かれながらも討伐したとか書いてあったな...)
コルチカムはあまり自分のことが書かれた本が好きではない為、本の数は少なかった。
なのでアインスはその本をあまり信用していなかったが、先ほどのコルチカムの話を聞くとあながち間違いではないかもしれないと思い始めた。
因みに切り離された腕は後にパーティーメンバーの魔術師が治したという。
(最近魔法の勉強したから分かるけど...その魔術師化け物だな)
治癒魔法は普通の魔法と違い、他人の魔力や身体を操作する為、魔力操作の難易度が段違いに高い上に消費魔力量が人間の平均のそれを軽く超えると思われる。
更に一般的な治癒魔法とは、擦り傷や浅い切り傷、骨折の治癒などで、完全に切り離された腕を治癒するのは普通に考えれば不可能だ。
例えるならばそれは、人力で水面を走るくらいに難しい。
「アインスが壁の外に行きたい理由はわかってる!だから当然俺は応援するぞ!」
「...うん!ありがとう!」
(俺が魔物を見てみたいってことが分かったのか?まぁ俺が久々に言った数少ない願いだからな何とかしたいってところか...)
今回は両親の勘違いで、アインスにとっては有利に話が進んでいた。
「一応勝負するのは明日以降ならいつでも良いが...どうだ?」
「じゃあ...来週で良い?」
アインスとしても、確実にこのチャンスを物にしたいので、今までの復習や作戦を練りたかった。気分的にはテスト一週間前の今までの授業を一気に頭に叩き込む時のそれだ。
「分かった、だがその一週間も特訓は続けるからな」
「はい」
「よろしい」
こうしてアインスはこれから一週間、まずはコルチカムを倒す為に頑張ることにした。
時は変わって自由時間、いつもの丘でアインスはコルチカムとの勝負について考えていた。
「やっぱりなるべく魔術は使いたくないから魔法で攻撃とかは避けたいな...」
いくらハンデがあるとは言えコルチカム相手に手を抜くことはできないが、やはり不気味に思われたくないのと、今更言いにくい事もあり、アインスはなるべく魔術や魔法を使わずに勝負したかった。
「普通に戦うとなるとやっぱりフェイントで相手の重心を崩していく感じかな...相手の背中に跳びつければ何とかなりそうか..,」
いくらコルチカムが手が使えない状態でも、リーチや力の関係でまともに打ち合ったら一方的にボコボコにされる為、小手先の技でなんとかするしかない。
「とりあえずなんか使えそうな技が無いか本でも探すか!」
そう言って今度は本部屋にて戦闘系の本を読み漁る。見つかる本は、やはり剣術系の本の方が多かった。
「緩急をつけてフェイントを、相手の力を利用する、弱点を狙う...やっぱり抽象的な書き方が多いなぁ...」
その日は沢山の本を読んだが、特に収穫も無く終わった。
そして大体の、どういう形に持って行くかなどの流れは見えてきたが、具体的なフェイントの掛け方や緩急の付け方は、決まらずに4日が経った。
因みにコルチカムの弱点として見つかったのは、魔力の察知が苦手だと言う点だった。残念ながらアインスは役に立たなそうだとすぐに切り捨てた。
「一体どうしたら良いんだよ...」
勝負までのタイムリミットが迫る中、アインスは中々戦い方の構想が練れないでいた。
「何だ良い案が浮かばないのか?今までの特訓がしっかり身に付いていれば大丈夫だよ」
「普通はそうかも知れないけど...」
アインスは努力こそしているが、根本的に運動神経が悪い為、剣術などの筋肉を使う戦い方はセンスが全く無かった。
(今までどれだけ特訓してきたと思ってるんだ...)
アインスはコルチカムが思っている以上に努力をしている。毎日自由時間は魔術、魔法以外は剣の素振りや足運びの特訓に加え、様々なイメージトレーニングをしている。
しかしアインスは心配とは逆に、今回勝負する張本人のコルチカムが大丈夫と言うなら、そこまで難しくないのではないかとも思っていた。
(なら難しく考え過ぎずに、自分の全力を出すか)
コルチカムは図らずしてアインスの気持ちを和らげる事に成功していた。
1話から改めて見たところ色々と文章の書き方が変わっていたので、そこら辺も手直しをしようと思います。
次回も早く完成する事を願いましょう()
それではまた次回( ˊ̱˂˃ˋ̱ )ノシ




