なにぃ!?なんて奴だ!!
長く激しい激闘の末、俺事コトル=アグレッサムはロリータ王子と一緒に魔王を倒した。
〜その帰り道〜
「ふんっ!、コトル」
「はいっ!なんでしょうかロリータ王子!!」
俺はすぐさま王子の前に膝まずき頭をたれる。
(ふふふ...、お前にこうして仕えるのも今日が最後だ、この仕事さえ終われば俺は晴れて英雄!!、つまり可愛い子ちゃんにモテモテと言うわけだぁ!!)
ぐふふ♡と汚い顔で笑みを漏らす俺だったが...。
「お前は今日限りを持ってこのロリータ王子のパーティに必要なくなった!、という事で魔王討伐の名誉は全て俺のもんだぁ!!」
「なにぃ!!」
いきなりそんな事を言われたので焦る。
「ふざけるなぁ!!!、俺たちは今まで一緒に戦ってきた仲間だろ!?、何で魔王を倒した帰り道にそんな事を言われなきゃいかんのだ!?」
俺が激しく論議を持ち出していると...。
「ふんっ、アスカ、こいつを黙らせろ」
「はっ!」
そう王子が言い放つと、俺に対し【睡眠】の魔法を放ってくるアスカ。
「なにぃ!!、くそ...、急に眠く...」
頭の中がふらつく中、王子は笑いながら俺にこう言葉を述べる。
「じゃぁな、コトル、お前と過ごした数ヶ月は悪くなかっぜ、あっはっはっは〜!!」
高笑いを上げながら去っていく王子パーティに為すすべなく置き去りにしてしまうコトルなのだった。
〜1日後〜
王都クレイドル。
王都では王子の帰還に町中が歓喜に満ちていた。
「よくやったロリータ王子よ!!、お前のお陰で凶悪な魔王を倒す事に成功した!、これを祝福し、わしはロリータ王子に王座を譲る事にしよう!!」
そう言って王様からロリータ王子に王冠が授与されてしまう所を俺は遠くから見ていることしかできない。
(ぐぬぬ...ぐやじい....!!!)
ハンカチを片手に握りしめながら、ドヤ顔で仲間たちの名前を読み上げる王子。
「俺ロリータと魔導師アスカ僧侶ハンナの3人で魔王を倒した事をここに宣言しよう!!、後1人いた様な気がするが気にするな!!」
その言葉に俺は腹をたてる!。
(くそぉぉぉ!!!、壁兼攻撃役兼ヒーラーの聖騎士武闘家剣士な俺がいたからこその魔王討伐だろぉぉぉ!!!)
俺の脳裏に焼きつく言葉は【許せん】の2文字!!。
「あいつらぶっ潰してやる!!」
俺はそう呟くと泣きながら家に走るのだった。