表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/40

買い物

アパートを出て2人で並んで道を歩いている。


「うわっ、うわっ、アレ何ですか? 凄いです!!」


アリシアはあちこちにある色んな珍しい物に興味が有るらしく、キョロキョロと見回している。

おっと、前から車が来たな。危ないからアリシアを道路の脇にでも移動させるか。


「おい、アリシア『ヨシカズさん! 魔物です!! 危な~~い!!』か。」


ドン!


俺はアリシアに突き飛ばされた。


「ぐぇ!」


俺は壁へと激突して、鼻を思いっきりぶつけてしまった。

車はそんな俺達の脇を何事も無く通り過ぎて行く。


「何するんだよ!!」


「危ない所でした。隠れるところが無かったけれど、無事にやり過ごすことが出来て良かったです。」


アリシアが本気で俺を心配している顔を見たら、俺は怒るに怒れなくなってしまった。


「あのな、あれは自動車と言って、馬の無い馬車みたいな乗り物だ。魔物じゃ無いから大丈夫だぞ。」


「え? そ、そうなんですか? てっきり魔物かと思っちゃいました。」


「言い忘れていたが、この世界には魔物は居ない。だからその辺も安心して良い。」


「魔物が居ない!? そんなことって有り得るんですか!?」


「俺からすると魔物が居る世界の方が在り得ないんだがな、そう言う物だと納得してくれ。」


「は、はい。」


返事もしたし、大丈夫かな?


「あ、また来ました。今度は色違いです。」


アリシアはビクビクしながら自動車が通り過ぎるのを見ていた。

何事も無く通り過ぎたのを見て、どうやら納得したみたいだ。


「まぁ、中には無茶な運転する奴もいるからな、気を付けるに越したことはない。

 向こうの世界でも暴走馬車とかってのも有るんだろ?」


「うん。そうだね。」


それからも色んなことが有ったが、何だかんだでお店に到着することが出来た。

まず俺達が最初に向かったのが、近所に有る「しままち」だ。

ここなら女性用の下着から服から一通り揃うからな。さっそく入ることにする。


ガー!


自動扉が開くと、アリシアは飛び上がって驚いた。


「えっ? えっ? 何で扉が? ここはダンジョンでトラップ!?」


「いや、違うぞ。これは自動ドアってやつだ。何の問題も無いからさっさと入るぞ。」


とりあえずツッコんでおいた。


「そ、そうなんですね。」


中に入る俺に続き、アリシアもおずおずと店内へと入ってきた。


「うわぁ~!」


店内にあふれる様に置いてある色取り取りの服や、その数に驚いているみたいだ。

さて、俺じゃ女性物の服とか下着とかは全く分からないし、一緒に選ぶなんてのは地雷にしかならない。

なので、店員に丸投げしようと思う。


「すいませ~ん。」


とりあえず目に付いた女性の店員に声を掛けることにした。


「はい。何か御用でしょうか?」


「この子の服、普段着が2着と部屋着が1着、後は下着とかの必要な物を数枚選んで欲しいですが、お願いしても構わないでしょうか?」


「かしこまりました。ご予算はいかほどでしょうか?」


「そうだなぁ…普通だと、どのくらいするものなの?」


「そうですね、安いものでと言うのでしたら、上下セットで一式4千円前後で揃えることも出来ますが、それなりの物で揃えるのでしたら1万前後は見て頂きたいですね。」


「まぁ、そのくらいなら良いか。

 それじゃ、本人の希望を聞きながらでお願いしますね。」


「では、案内します。」


「ほら、アリシアは、あの人が一緒に服を選んでくれるから色々聞いて決めてくれ。」


「わ、わかりました!」


アリシアは店員について歩いていく…と思ったら振り返り聞いてきた。


「あれ? ヨシカズさんは行かないんですか?」


服だけならまだしも、女性用の下着を一緒に選ぶなんて何て拷問だよ。


「いや、アリシアがどんな服を選ぶのかを楽しみにして待ってるよ。」


「わ、わかりました~」


俺がそんなことを言ったので、アリシアは嬉しそうにしながら服選びに向かって行った。


「さて、しばし待つとするか。」


俺はスマホを取り出し時間を潰すのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ