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これからは

アリシアが落ち着いたところで、話を聞いてみることにした。


「アリシアはどうして戻ってくることが出来たんだ?」


するとアリシアが怒り出した。


「ヨシカズさん! 魔法陣が間違ってましたよ!! ほらココ!!」


そういってアリシアが空間から白い本を取り出した。


「なっ!!」


俺が驚くと、アリシアも気が付いたみたいだ。


「これ? 収納魔法って言うんだよ~、便利でしょ?」


「あ、ああ。でも、前は使えなかったよな?」


「勉強したからね~、これでも成績優秀なんだよ?」


「確かに頭が良いのは認めてるが…」


「あ、そうそう、それでね? ここの魔法陣だけど、ほら、時間の制約が記載されてて…」


何か色々と説明されているが、俺は魔法陣なんて読めないし、言っていることもチンプンカンプンだ。


「…って、説明しているの聞いてる?」


「ゴメン、俺には何を言っているのか良く分らなくて。とりあえず間違っていたのだけは分かったよ。」


「分かれば宜しい。」


とりあえず納得(?)してくれたみたいだ。


「それで、あの後のアリシアはどうなったんだ?」


「えっとね、元の世界に戻されちゃったんだけど、この本を解析出来れば、またヨシカズさんに会えるかもって思って魔術学園に入学したんだよ。」


「それは凄いな。」


「でしょ? で召喚術を専門に勉強した御蔭でなんとかこの本も解析できたんだよ~」


「そっか。」


「あ、それでね? ヨシカズさんがその指輪をしていてくれて助かったんだよね~

 もし外されてたら会えなかったからね。」


「そ、そうなのか?」


ついさっき外そうとしたのは言わない方が良いな。


「うん。召喚とは違くて転送って形になるから、何か目印みたいな物が無いと無理だったんだよね。」


「目印だけなら外していても大丈夫じゃないのか?」


俺がそう言うと、アリシアが首を振って否定した。


「あくまで目印になるのは生きている人だからね。同じリングを付けて繋がっていた私とヨシカズさんだから出来た話なんだよ?」


「そうだったのか。」


このペアリングを売ってくれた店員さんに感謝だな。あと着けていた俺偉い!


「それでヨシカズさん、今でもあの約束って大丈夫なのかな?」


「約束?」


「覚えてないんですか?」


「ちょ、ちょっと待って! 今すぐ思い出すから!!」


しまった何のことだ? 何か約束したっけ? 覚えてないぞ?

やばい、アリシアの顔がどんどん険しくなっていく…

これは素直に謝るのが正解だ。


「ご、ごめん! 何の話だっけ?」


「もぅ~!! 私この前ようやく18歳になったんですよ!」


「18歳? …あっ!」


「思い出しましたか?」


「思い出したと言うか、アレはアリシアの質問に対して答えただけだったような気がするんだが。」


「そうでしたっけ?」


アリシアはジト目だ。もしかして間違った!?


「たぶん…」


アリシアが大きなため息を一つついた。


「…まあ良いです。それでどうなんですか?」


「…参考に聞くが、また向こうに戻るってことは?」


「無いですね。完璧な魔法陣ですから。

 それに向こうでの研究成果は全て破棄してきました。呼び出される心配も有りません。」


アリシアがエッヘンと胸を張った。

体は成長したみたいだが、胸はそうでは無かったみたいだな…


「そ、そうか。」


そして随分と逞しくなったみたいだ。なら良いか。


「アリシア。」


「はい。」


「俺はアリシアを受け入れるだけにするつもりは無い。

 一緒に笑って、一緒に怒って、一緒に泣いて。

 それを一生続けたいと思っている。

 だから、俺と結婚して下さい。」


「…はい♪ 喜んで。」


そう言ってアリシアは大粒の涙を流しながら笑顔で返事してくれた。

俺はアリシアを引き寄せて抱きしめるのだった。


これから慣れない世界で生活するのに苦労するかもしれないが、そこは俺がフォローして行けば大丈夫だろう。

無戸籍に関しては家庭裁判所での許可を得ての就籍も可能だし、何とかなると思う。

何だかんだ言ってアリシアと一緒に居ることが俺の幸せでも有るんだ。

困った時に一緒に悩んでいけば良いさ。


復讐のため悪魔を呼び出すつもりだったのだが、異世界の普通の女の子を召喚してしまったのだが…

ホント召喚して良かった!!


                        おしまい。

きっとこの2人ならば、困難が有っても何とかやって行けるのではないかと思います。

それでは最後まで読んで頂き有難うございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 完結お疲れ様でした。 中々いい引き際だったのはないでしょうか? ……私も完結させねば。 ともかく、ほのぼのとした物語有難う御座いました。
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