デザート
「さて、お待ちかねのデザートだ。」
俺は買ってきた箱を開け、中の物を取り出す。
「うわっ、うわっ、何ですかこれ?」
白いクリームにイチゴの赤が映えて美しい形だ。
アリシアも目を輝かせている。
「これはショートケーキと言う物だ。旨いぞ?」
俺がフォークを渡すと、待ってましたとばかりに食べ始めた。
ケーキを口に運んだ瞬間、アリシアの動きが止まった。
「美味しいか?」
俺がそう聞くと、思い出したかのようにコクコクと頷いていた。
返事が出来ないくらいに美味しかったのだろう。
ショートケーキを食べ終えた俺達は、お茶を飲みつつまったりしている。
「今日は何をしてたんだ?」
俺が質問すると、アリシアはビクリとした。
これは…もしかして怒られる子供の態度と同じか?
「アリシアさん?」
少しキツメに聞いてみたら、観念したらしく、オズオズと話し始めた。
「あ、あの、あのですね、今日こう言った物を見つけまして、その…」
おずおずと出してきたのは、エロ漫画の雑誌だ。
これは確か隠していた本だが、わざわざ探し出して見つけたのか!?
「で、ここのページなのですが、この子って私と同じですよね? それにこっちはもっと幼いですよね?」
そこに描かれていたのはロ〇用漫画だった。確かに1漫画として載っていたが、決して俺の趣味では無い。無いったら無い! 本当だぞ?
そして、何となくそのキャラがアリシアに似ているのは気のせいだろう。
「そうだな、それはあくまでフィクションだ。現実では駄目だ。」
「フィクションって何ですか?」
「創作とか想像とかそんな感じだ。あくまでお話しだから問題は無い。」
「そうですか…」
アリシアがガックリと項垂れている。
そんな落ち込んだアリシアを見て俺は
「まぁ、何だ、アリシアさえ良かったらだが、大きくなったら、そ、その、お、俺が…」
アリシアが期待をした目でこっちをじっと見ている。
「嫁に貰ってやる!」
「本当ですか! 約束ですよ!!」
「あ、ああ、約束だ。」
どうやら俺は将来の嫁候補を得ることが出来たみたいだ。
それにアリシアが凄く嬉しそうにしているので、まあ良いか。
「ほら、明日も仕事だし、お風呂に入ってサッサと寝るぞ。」
「お風呂…」
アリシアがそう言うと、顔を真っ赤にして悶え始めた。
それを見て俺も昨日の醜態を思い出してしまった。
そしてお互い真っ赤に成って俯くのだった。
・・・・
何とか無事にお風呂を済ませ、今日は寝ることにした。
一応言っておくが、何もして無いからな?
「それじゃ、おやすみ。」
「ヨシカズさん、おやすみなさい。」
今日も一日が終わった。




