餃子
出来上がった料理をテーブルに並べ、夕食を食べることにする。
そして餃子と言ったらコレだよな。俺は冷蔵庫からビールを取り出した。
「それって何ですか?」
「これか? これはビールってお酒だ。」
「お酒!」
「何だ、飲んでみたいのか?」
「飲んでみたいです!」
「でも、未成年にお酒は駄目だぞ?」
「え~!! でも、私の世界では15歳は大人なので普通にお酒飲んでますよ?」
アリシアは不満顔だ。
「アリシアの世界ではそうでも、こっちの世界では駄目なの。
代わりの飲み物を用意するから、それで我慢してくれ。」
俺は冷蔵庫からソーダ水を取り出してコップに次いで上げた。
「じゃあ、今日もお疲れ様~」
「お疲れ様です。」
グラスを合わせて乾杯をする。向こうの世界にも乾杯は有るみたいだ。
アリシアがコップに口を付け、ソーダ水を飲んだ。
「辛い! じゃなくて甘い? 口中がシュワシュワしていて変な感じですが、美味しいです。」
「そっか、炭酸は初めてだったか。」
「炭酸?」
「二酸化炭素を含んだ水のことなんだが、一応自然界にも存在しているハズだぞ? アリシアの世界には無かったのか?」
「どうなんでしょう? 聞いたことは無いですね。」
「そっか。」
多分知らないだけだろう。
「さて、餃子を食べるとするか。
アリシアは何を付けて食べる?」
「何が有るんですか?」
「これは好みだから何とも言えないんだけど、醤油だけの人も居れば、酢だけの人、醤油と酢を混ぜる人とか色々だな。
中にはケチャップやマヨネーズで食べる人も居ると聞くが、今回は止めておく。」
「ヨシカズさんはどうするんですか?」
「俺は酢とラー油で食べるのが好きだな。」
「じゃあ、私もそれにします。」
俺はふと立ち食いうどんでの出来事を思い出す。
「アリシア、ラー油は辛いぞ?」
「うえっ? じゃ、じゃあ酢だけで…」
「とりあえず色々と用意してみるから好みので食べると良いよ。」
俺は、醤油、酢、酢と醤油の3種類を用意した。
「まずはこれで食べてみると良い。」
「真っ黒? 大丈夫なんですかこれ?」
「大丈夫だ。」
「じゃ、じゃあ試してみます。」
アリシアが醤油を手に取り餃子を付けて食べる。
「ちょっと塩辛いかな? 次はどうかな?」
次に手にしたのは酢だ。
「酸っぱいです!!」
どうやら酢は苦手みたいだ。
「うぅ~これも酢が入ってるんですよね?」
そう言って酢と醤油を手に取り食べてみた。
「あっ、塩辛さは丁度良いし、あまり酸っぱくない。これ好きかも。」
どうやら酢と醤油が気に入ったみたいだ。
「どうする? ラー油も試してみるか?」
「ん~、止めとこうかな。」
やっぱり辛いのは遠慮するみたいだ。
その後は普通に夕食を楽しんだ。
・・・・
「ふぅ~、お腹が一杯です♪」
「満足、満足。」
やっぱり誰かと一緒に食べるご飯は美味しい。つい食べすぎちゃったよ。




