召喚
俺はようやく最後の1文字を書き終えることが出来た。
「ふはははははっ! これで完成だ! やっとだ、これでアイツに復讐が出来る!!」
俺は今、薄暗い部屋の中央に立っている。
足元には魔法陣と呼ばれる幾何学模様と、明かりの点いたろうそくが等間隔に置かれている。
そうだ。見て分かる通り、俺は今から悪魔を呼び出すための儀式を実行するところなのだ。
俺は召喚魔導書を手に取り、召喚手順の確認をする。
「何々、召喚は魔法陣の中で行うこと…ってあれ? 悪魔は魔法陣の上に現れる訳じゃ無いのか、へぇ~」
どうやら魔法陣という物は、悪魔から身を守るための物らしい、初めて知ったよ。
と言うことは、ゲームとかアニメで魔法陣の中心から召喚されるってのは嘘だったんだな。
安全な場所で悪魔との契約が締結してから、初めて魔法陣の外に出られるとのことだ。
「よし、行くぞ!」
俺は気合を入れ、呪文を唱えるのだった。
『فضلك؟هل يمكنك الخروج من السويماسين من』
呪文を唱え終わると、部屋の有る一点へと空気が集まる様に動き、そして光り始めた。
カッ!
「うわっ!」
フラッシュを焚かれたような光が溢れ、部屋全体が真っ白に染まる。俺は眩しさの余り思わず目を瞑った。
少しすると光が消え、辺りも落ち着いたので、俺は目を開けて状況を確認してみることにした。
「ふぇ?」
そこにはボロボロの汚いローブらしきものを羽織った15,6歳くらいの女の子が居た。
「こいつが悪魔!?」
おれは悪魔の予想外の見た目に愕然とするのだった。