交友関係
僕達がお風呂から上り、入れ替わりに高崎さんがお風呂へと入る。
料理はもうすでに仕込は終わったらしく後は、食べる前に仕上げをすればいいとの事だ。
ただ、職務中に風呂に入るのが納得できないのだろう。
「ここのお風呂に追い炊き機能が無かったための苦肉の策です」
などと、言っていた。
そんな訳で、風呂に引き続き、先輩と二人きりだ。
「勉学はどうだ」
先輩が聞いてくる。
その質問内容に苦笑した。
どう聞いても、話題が無くなった人が無理やり話題を作っているようにしか感じなからだ。
「先輩、無理して話そうとしなくてもいいんですよ」
「そうは言ってもだな」
先輩が言いたい事は解る。
あまり沈黙が続くと気まずくなる。
「ならゲームでもしますか」
「ゲームか。だが、家庭用ゲーム機はないのだろう」
「良くご存じで。基本的にスマホゲームか携帯機のゲームしかやってませんので家庭用ゲーム機は無いですが、こう言うのは有るんですよ」
僕は、将棋、囲碁、チェス、オセロ、バックギャモンを取り出した。
「結構持っているのだな」
「それは一応取り揃えていますが、残念ながらあまり使われたことは無いんですけどね」
ちなみ、使われていないのは友達を家に呼ぶ機会が無かったためであり、断固として、友達がいないと言う訳ではない。
友達がいないと言う訳ではない。
「それはぜひ一局と言ってやりたい所だが」
どうやらあまり気乗りしないらしい。
「ならトランプやウノなんてどうですか」
「これもなのか」
「確かに、これもあまり使われたことは無いです」
「そうか」
先輩が憐憫の眼差しをむけてくる。
「違いますよ。友達は居ますよ」
「わかっている」
「ただ単に友達が遊びに来る機会が無かっただけです」
主に先輩絡みで、呼べなかったり、断られていたりする。
「後で高崎も混ぜてみんなで遊ぼう」
「ちゃんとわかっていますよね」
「わかっている」
先輩は依然として憐憫の眼差しを向けている。
ちがうから、僕にはちゃんと友達居るから。
そんな視線を向けないで。
しばらく僕は憐憫の眼差しを向けてくる先輩に弁解しつづけた。
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