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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ウィザードオーブ戦争
997/1718

#950 アテナの親友とアテナとの契約

俺はアテナの神殿にやって来た。そこでみんなと武器を泉の効果で回復させてから挑む。


扉を進んだ先は森だった。


「ここは私とアテナがお互いに武を高め合った森さ」


木から誰かが飛び降り、俺の前に着地する。


パラス?

? ? ?


最後の相手はやっぱり神様か。彼女がアテナの試練を最後を務めるのはある意味当然のことからも知れない。だからこそ俺はイオンの回復を待ったんだ。彼女を相手にするならイオンかリアンの力がきっと必要になると思う。


「君がアテナが目を付けた現代の英雄だね。うんうん。見た目もいいし、賢そうだ。アテナが目を付けたのも納得できるなぁ」


「パラスちゃんは何を言っているのかな?」


アテナ様がたまらず現れた。


「こらこら。これは君の試練なんだから出て来ちゃダメだろ?」


「それぐらい分かっているけど、ボクの事を言うのは禁止!」


「あはは~。照れない照れない」


「照れてるんじゃなーい!」


なんかアテナ様がウキウキしているな。


「ほらほら。怒ってないで帰る帰る。私はもう死んでいるんだ。いくら神でも死者といつまでも話すことは褒められたことじゃないよ」


やはりパラスはもう死んでいる設定なんだ。


「それぐらい分かっているよ。でも、それなら早く最終試練を始めて。いいね? パラスちゃん」


「はいはい」


そういうとアテナ様は消えた。


「素直じゃないアテナも可愛いなぁ。さて、アテナにそう言われたから、そろそろ始めよっか。聞いての通り、私は既に死んでいる神様だから手加減しなくていいよ。全力でかかっておいで。君がアテナの友達になれるか私が見定めてあげるよ」


「はい」


俺が選んだメンバーはイオン、ノワ、セフォネ、コノハ、ルーナだ。パラスはコノハを見て、感想を言う。


「私にその子をぶつけて来るんだね」


「元々最後の試練に使うつもりでした。最後に登場するのはアテナ様と関りが深い人だと思ってましたから」


「なるほどね。それに他のメンバーも面白そうだ。それじゃあ、準備が出来たら、教えてね」


俺は陣形と作戦を指示して、皆に料理バフを掛けて準備完了。それを見ていたパラスが言う。


「その料理は反則じゃないかな? 私にも味見を」


「「「「ダメー!」」」」


「だよね…はぁ、死者にも食事を楽しめる世界になって欲しいよ」


この発言には言いたいことがあるな。


「うちのギルドで死神や霊でもご飯食べてますよ?」


「…死んだ神様より贅沢しているのは納得いかないな~。さて、準備はいいかな?」


俺たちは陣形を整えて、武器を構える。俺の武器は近衛と神息だ。


「はい」


「じゃあ、始めよう。海神トリトンの娘パラス! いざ、尋常に勝負!」


パラスが蒼い鎧を装備し、青色の槍と盾を構える。


「津波!」


パラスがそういうと水がないパラスの足元から津波が発生し、波乗りして突っ込んで来た。やはり海神トリトンの娘なら水を使ってくるよな。対するこちらはノワとコノハが影召喚、セフォネはブラッディクリエーションで態勢を整え、前衛のイオンが動く。


「負けません! 津波!」


イオンが津波を使うと波乗りではなく、水の中に入る。そして津波同士がぶつかり、イオンが斬りかかるとパラスはジャンプで躱しイオンを蹴る。するとイオンは地面にとんでもない速度で落下し、砂塵が発生する。


物凄い筋力だな。アテナ様と切磋琢磨していた女神だ。実力がほぼ拮抗していないとお互いに切磋琢磨にはならない。そのためにはアテナ様と同じくらいの筋力があるのは当然なのかもしれないな。


俺がそう思っているとパラスは波を操り、再びこちらに来る。ここで俺とルーナが動く。俺は全滑空で波に乗りながらパラスとの距離を詰める。


「ふふ! いくよ!」


パラスの槍から火と水が発生し、螺旋回転して火と水のドリルのようになる。


「雷光刃!」


俺は近衛でぶつかってみる。近衛の雷光刃とパラスの火と水の槍がぶつかり、火花が散ると雷光刃があっけなく砕ける。分かっていたことだけど、流石にこんなにあっさり砕けるのは予想外だ。俺は心眼で回避するとパラスに読まれる。


「甘いよ!」


「く!」


パラスはすれ違い様に体を捻り、回し蹴りを放ってきた。俺は神息でガードするがぶっ飛ばされる。代わりにルーナがパラスを狙う。


「白熱刃!」


「甘い甘い。ってそう行きますか!」


「…ドラゴンブレス」


パラスはルーナの白熱刃を盾でガードすると自分が乗っている波の下からノワのドラゴンブレスが飛んで来る。この攻撃に対してパラスは槍を波の中に突っ込むと波の中でも火は燃え続けて、ドラゴンブレスが真っ二つにされる。


「惜しかったね。ばいばい」


ノワが津波に飲み込まれる。しかしノワは既に波と水の攻略法を知っている。


「…影潜伏」


ノワは津波によって出来た影に潜り込むことで津波を回避した。


「うわ!? これは凄いね…波で出来た影に潜り込んだんだ。こんな波の躱し方は初めてだよ!」


「ぬぅえええ!」


セフォネがハルペーで斬りかかる。これに対してパラスは盾でガードしようとするがセフォネは盾に刃を合わせず、棒の先を盾にぶつける。こうすると刃が盾を回り、刃がパラスに向く。


「魔素刃!」


「おっと!」


刀身から伸びた魔素刃がパラスを襲うが首をずらして躱すとパラスは後ろに下がり、投槍の構えを取る。


「ばいば」


「ドラゴンダイブ!」


自分が乗っている水の中からによるイオンの突進攻撃に流石のパラスもガードが出来ず、木に叩きつけられる。


「樹海操作! 今です!」


ルーナがパラスを木に縛り付ける。


「ホー!」


「…影死針!」


「氷柱!」


「雷轟!」


俺たちの連続でセフォネの時間を稼ぐ。


「これで止めじゃ!」


ブラッディクリエーションで増えたセフォネたちが一斉に魔方陣を展開する。


「「「「吸血鬼魔法! オリジンストリーム!」」」」


全てのセフォネから敵を無に還す魔力の奔流が放たれ、パラスに直撃する。


「勝ったのじゃ!」


「いや、そんな簡単な相手じゃないみたいだぞ」


コノハとルーナが魔法で追撃を加える中、俺はセフォネに確認する。


「あの槍を投げられそうになった時、本気で死ぬと感じたのじゃ。タクトの予想通り、あの槍に触れるのはまずいとはっきり言えるぞ」


「やはり不死殺しを持っているか」


あれがアテナの槍なら持っていても不思議じゃない。何故ならアテナはヘラクレスと共に不死の巨人アルキュオネウスを倒している。まぁ、アテナがヘラクレスに倒し方を教えたとか一緒に打殺したとか言われているけど、このゲームなら武器に不死殺しを与えても不思議じゃないと思ったんだ。


するとここで下からとんでもない力を感じる。俺が見ると火と水の竜巻がパラスの周囲に交互に発生する。これを見た俺たちは下がるがパラスの槍が巨大化し、再び火と水のドリルになる。パラスは再び投槍の構えを取る。やばい!


「散れ!」


「はぁああああ! 消し飛べぇえええ!」


俺がノワと逃げると巨大な火と水のドリルが光速で飛んできた。


「「「「…にぃ~!」」」」


ノワが増やしていた影召喚のノワたちが一斉に魔障壁と黒霧で防ぎに掛かる。しかし止まったのは一瞬で本体のノワごと中心にいたノワたちは貫かれ、周辺にいたノワたちは吹き飛ぶ。


「「「「…うわ~」」」」


しかしノワたちの頑張りは無駄ではなく、俺は僅かな時間の間に転瞬で逃げていた。


「あっぶな…ノワに盾役を頼んで無かったら、やばかったぞ」


「…ん。危なかった。にぃの読みは流石」


本体のノワは俺のマントにくっついていたチビノワと身代わりで入れ替わっていた。あれは無我があるから逃げれるという類の攻撃じゃなかったぞ。ペルセウスとの戦いでこれぐらいはして来るとは思っていたけど、保険を指示しといて良かった。


「あれを誰も死なせず躱しちゃうか~…これはアテナに怒られるかな? いや、自慢して来そうだな~。戻っておいで。パラス・アテナの槍」


遥か遠くに飛んで行った槍がパラスの手元に元のサイズで戻る。俺たちも集まり、武器を構える。パラスを見るとダメージは確かに受けている。逆に言うと先程の攻撃に絶対防御を使わず、何らかの防御スキルでダメージを抑えられたみたいだ。


セフォネのブラッディクリエーションとオリジンストリームのコンボで決めれなかったのは痛いな。セフォネの魔力がもう残り少ない。そんな状況で俺たちは戦っているとここで予想外の事をパラスが言う。


「もう探り合いは十分じゃないかな? 私には蘇生系のスキルはないから、遠慮しないで君たちの全力でかかってくればいいよ」


俺は考える。これが誘いなら俺たちは一気に不利になるかも知れない。でも俺にはパラスが嘘を付いているようには思えなかった。これで蘇生があったら、敗因は俺だな。


「イオン! ノワ! セフォネ!」


「はい!」


「…ん!」


「任せよ!」


「「「「エンゲージバースト!」」」」


三人のエンゲージバーストが発動する。降臨するのは濃紺色のうこんいろの竜騎士。赤褐色のマントに頭からは蝙蝠の羽があり、周囲には俺たちの武器が展開されている。


「そう…それでいい。ぞくぞくするね。これだから戦いはいい!」


そういうとパラスは飛び込んで来る。


「はぁあああ!」


『常闇なのじゃ!』


フィールド全てが闇に包まれる。


「暗闇なんて神には通じないよ!」


槍が俺たちに届きそうになった瞬間、俺たちの姿が消える。


「な!? これは闇転移!?」


「ホー!」


「く! この! 放射熱線!」


暗闇の中、コノハが襲い掛かり、パラスは槍から放射熱線を放つが影分身で外れる。その瞬間、この状況のまずさをパラスは理解した。


「はぁあああ!」


『やぁあああ!』


『…んん!』


『ぬりゃあああ!』


俺たちが作り出した分身体が次々パラスに襲い掛かる。


「くぅうう! なめないで! 分身くらい私にも作れるんだよ! 水分身!」


パラスの水分身が俺たちに攻撃をするが全ての攻撃が俺たちの分身体に攻撃をしない。


「幻術!? 神が掛かるはずは…しまった!?」


パラスは水を発生させ、自分の体に付いた媚毒鱗粉と夢幻鱗粉を洗い流す。流石に光がない暗黒の世界では神瞳でもルーナの鱗粉を捉えることは困難だったようだ。洗い流す判断は正しいが水を使うべきでは無かった。


『氷獄!』


パラスが水ごと凍り付く。しかしそれで大人しくなるパラスでは無かった。パラスの槍が輝く。


「烈日!」


日の光が発生し、一時的に俺たちの姿が露わになる。パラスが見た光景は俺たちが踵落としの状態で上から迫っている姿だった。


「踵落とし!」


『星震!』


「キャッスルガード! 星震!」


パラスは盾から星震を使ってきて、俺たちはぶっ飛ばされるが水になる。


「また!?」


『…冥府鎖』


「しまっ」


「はぁあああ! らぁ!」


俺たちはパラスの足を冥府鎖で縛るとそのまま地面に叩きつけようとするがパラスは盾を手放して片手で地面に手を付くとバク転し、槍で冥府鎖を破壊する。


いやいや、色々可笑しいと言いたいがこちらも止まらない。パラスが盾を手元に戻す前に畳みかける。


「ホー!」


パラスが上を見ると神威解放を使ったコノハが大気壁を次々パラスに浴びせる。


「ここで使ってくる!?」


『…重力操作』


「く! はぁああ!」


重力操作で足が止まり、重力を浴びながら、パラスは槍で大気壁を破壊する。とんでもないぞ。しかしここで決めさせて貰う!


『斥力操作なのじゃ!』


『氷牢!』


『…牢獄!』


分身体で時間を作ってくれている間に本体の俺たちは魔力を回復アイテムで回復し、大技を待機させている分身体と共に使用する。


しかし魔方陣の展開を見たパラスも動く。


「パラス・アテナの槍! 神威解放!」


それを見た俺は近衛と神息を手放し、展開されているグランアルヴリングとフロストグレイザーを持つ。


「全宝玉解放! 宝玉解放!」


「やるぞ! ルーナ!」


「はい! パパ! 聖剣解放!」


俺とイオン、ルーナで超連携が発動すると俺たちは剣を合わせる。


「魔法剣技! アルティメットシャリオ」


『魔法剣技! オーロラオーバル!』


「いっけぇえええ!」


「神槍技! クイーントリートーニス!」


アルティメットシャリオとオーロラオーバル、ルーナの聖剣が混ざり合い、パラスに放たれる。これに対して、パラスも必殺技を使用し、火炎と海水、神の光、冥界の力の四つが渦巻く攻撃が俺たちの技とぶつかる。


するとあっさり俺たちの攻撃は押されていく。


「くそ!」


「パパ!」


俺たちはそのまま呑み込まれる。


「私の勝ち」


『冥府鎖なのじゃ!』


「な!? どうやって…あぁ~。そういう事か。戦いに熱くなった私の負けだな。こりゃ」


パラスの影から冥府鎖が出現し、パラスを完全に縛り付けた。そしてパラスは無事だった俺たちの姿を見て、納得する。俺たちが使ったのは身代わりでルーナが使ったのがチェンジリング。これでルーナもノワの分身体と場所を入れ替えることで攻撃を回避したんだ。


『惑星魔法! ジュピター!』


『…惑星魔法プルート!』


「精霊魔法! ライトフォース!」


「ホー!」


二つの惑星魔法が直撃し、その後にセチアのガイアフォースの光属性バージョンであるライトフォースがパラスに堕とされ、最後はコノハの影分身たちが一斉に諸刃の一撃を使い、燃え上がるとパラス相手に突っ込み、諸刃の一撃の反動で影分身は消えてしまうがこれをまともに受けたパラスは倒れるとインフォが来る。


『パラスの討伐に成功しました。おめでとうございます。特殊イベント『アテナ神殿の試練』をクリアしました!』

『称号『神の試練を越えし者』を獲得しました』


称号『神の試練を越えし者』:難易度SSS

効果:スキルポイント+20

神の試練を突破したものに与えられる称号。


勝ったか。これで俺の残りスキルポイントは140ptとなった。本来なら神の試練を一番乗りしていれば追加の称号を貰えているけど、今回はそれがない。


何故ならこの神の試練の称号はどんな神の試練でも同じ称号を取得することが出来るからだ。サバ缶さんの話だと初めての突破者は桜花の神様と契約したらしい。


まぁ、残念だけどこればっかりはしょうがない。そもそも俺たちは戦争中だからどうしても時間が割かれてしまうからな。その分、経験値と武器に期待が持てるから文句はないけどね。


俺はエンゲージバーストを解除し、力尽きたコノハを両手で受け止めて、優しく撫でる。


「お疲れ様。コノハ。みんなもありがとな」


「「「えへへ~」」」


倒されたパラスが起き上がり、消えそうになっている状態で話しかけて来た。


「最初に闇のドラゴニュートちゃんに分身をたくさん作らせてしまったのが私の敗因だね。後は君を意識しすぎちゃったかな?」


「それは仕方が無いんじゃないでしょうか? 俺が倒されていればそれで終わりだったんですから」


「そうだね。そこで決めきれなかったのが私の敗因か…さて、これでアテナの試練は終わりだ。この後、君はアテナと契約することになる。私が言うのもなんだけど、アテナの友達になってあげてくれるかい?」


「友達ですか?」


パラスが頷く。


「アテナを崇拝する人はたくさんいるし、アテナが認めた人間もいる。でもね…アテナと友達になれたのは私だけなんだ。だから君にはアテナの友達になって欲しいと思わずにはいられないんだよね。アテナは人には絶対に見せないけど、ああ見えて寂しがり屋なんだ。アテナの事、よろしく頼むね?」


「はい」


「うん。いい顔付きだ。それじゃあ、君にもアテナと同じように私の槍を託そう」


パラスが槍を横にして差し出す。


「深海でも燃える炎の神槍(しんそう)。パラス・アテナの槍! 私とアテナの二柱の神の力が融合した槍さ。この力…君に託すよ」


俺が槍を受け取るとパラスは消えてしまった。


パラス・アテナの槍:レア度10 槍 品質S+

重さ:180 耐久値:3000 攻撃力:1000

効果:大物特攻(究)、不死殺し、火属性アップ(究)、水属性アップ(究)、万物貫通、放射熱線、強激突、神気、帰還、巨大化、海流操作、炎熱操作、荷重操作、水圧切断、溶断、紅炎、神水、神火、烈日、流星群、神波動、神撃、神威解放、巨人の加護、海神の加護、アテナの加護

女神アテナが親友パラスから受け継いだ神槍。元々は水属性の槍だが、アテナの力が融合することで本来共存しない火と水属性の槍となった。そのため、海の中でも炎が燃え続け、炎が水で消えることはない。また不死身の存在を殺すことが出来、神すら倒す力を有している神槍。


まぁ、強いよね。最強という説明はないけど、それよりも託された重さをこの槍から感じた。


「大切に使わせて貰います。アテナ様の親友、パラス様」


俺がそういうと背後にアテナ様が現れる。


「全く…パラスちゃんはお節介にも程があるよ。ボクはもう立派な大人なのに…とにかくこれでボクの試練は終わり。制覇おめでとう」


「ありがとうございます」


「それじゃあ、早速契約を結ぼうか」


「はい。でもその前にパラス様から頼まれたことからお願いします。アテナ様、俺と友達になってくれませんか?」


俺がそういうとアテナ様はそっぽを向く。


「嫌だ」


まさかの拒否である。パラス様が言うように素直じゃないな。


「そもそもパラスちゃんにお願いされたから友達になるとか意味不明だと思わない?」


「あぁ…まぁ、そういうものじゃないですね」


「分かってくれたなら、まずはボクのことは様呼びしないこと! 後、おやつを二人分毎日用意して、それから」


「ちょっと待ってください! 要求をどれだけ…って二人分ですか?」


「うん…ボク一人だけ食べているとパラスちゃんに怒られるからね。場合によっては、お父様やお義母様も欲しがるかも知れないからその時は追加で」


ゼウスとヘラならアマルテイアのお菓子は欲しがりそうだな。しかも上げないと反撃がこの二人の場合は怖すぎる。


「他の女神にはいいんですか? 上げてましたよね?」


「あれはあの時には必要なことだったからね。ボク個人が貰った物は上げないよ? 特にアフロディーテとアレスには絶対に上~げない」


やはりこの二柱の神とは不仲なんだな。


「まぁ、あまり要求するのも友達としては変だけど、これだけははっきりさせとくよ。ボクは処女神だから恋人や結婚をすることは出来ないからあくまで友達止まりね。後ろの子たちは安心したかな?」


「「「はい!」」」


そこで元気に返事をされてもな。俺もそこまで節操無しじゃ…いやたくさんの女の子と結婚しようとしているんだから節操無しか。


「わかって貰ったところで契約しよっか。王様に会う時みたいに座ってくれるかな?」


「はい」


俺が座るとアテナ様は俺の顔に両手を優しく添える。


「汝、女神アテナの試練を突破したことを認め、ここに契約を結ぶ。我が祝福をここに授け、我が力を与える」


俺を光が包み込むとインフォが来る。


『女神アテナとの契約を結びました。称号『女神アテナの契約者』を獲得しました』

『神召喚【アテナ】を取得しました』

『神瞳、神気、恩恵、空間索敵、絶対防御、巨人の加護、アテナの加護を取得しました』

『読書スキルが叡智スキルに進化しました』

『超感覚スキルが神感覚スキルに進化しました』

『指揮スキルが軍略スキルに進化しました』

『エンゲージバーストの最大数が6になりました』

『全てのスキルの代償が減少しました』

『パラス・グラウクスの神威解放の代償が減少しました』


称号『女神アテナの契約者』

効果:女神アテナのスキルの取得、全ステータス上昇

知恵と戦略の女神アテナと契約したものに贈られる称号。この称号を得た者は神の力を獲得する。


アテナ様が手を放すと俺は目を開ける。


「これで正式にボクはタクトと契約を結んだ。これがその証拠だよ」


俺はアテナから召喚石を受け取る。


「これからよろしくね。タクト」


「こちらこそよろしく。アテナ」


俺たちは握手を交わした。こうして俺とアテナは友達としての一歩を踏み出した。


「さてと、改めて話すけど、ボクらの試練はこれで終わりじゃない。寧ろここは通過点と言っていい。改めて次の試練をタクトに示そう」


新たなクエストが公開された。


特殊イベント『オリュンポス山の試練』:難易度SSSSS

報酬:ゼウスもしくはヘラとの契約

条件:オリュンポス山の神の試練を一つ突破、星座の試練を六つ突破。

オリュンポス山を攻略せよ。


きっとサンドウォール砂漠の試練と同じだな。ピラミッドか山かの差だ。


「これは言っていたゼウスとヘラの試練か?」


「そうだよ。この試練に挑む場合は既に突破した試練の神は参加することが出来ない。この試練を突破すると主神ゼウスと戦う資格を得ることが出来る。当然この試練に参加している神を倒すことが出来ればその装備品を貰うことも出来る。どうするかは君次第だよ」


取り敢えず保留かな。挑むとするならファリーダと関りがあるサンドウォール砂漠の試練が先だ。そして公開された試練はもう一つの試練ある。ここに挑む前に公開されたアテナとの決闘クエストだった。


「どうする?」


「やめときます」


「ちぇ」


「でも、いつか挑ませて貰うな」


「男の子はやっぱりそう来ないとね! それじゃあ、ボクはその日を楽しみにしておくとするよ。あ、それとこれをタクトの部屋に飾っておいてね」


俺はアテナからアテナの像を貰った。


アテナの像:重要アイテム

設置された場所が女神アテナの領域となる。


九尾の社と同じ物かな?一緒に設置にして大丈夫だろうか?


「九尾なら何も問題はないよ。お互いに不干渉を貫くしね。ただおやつの争奪戦は発生することはあるかも知れない」


「…家の中で戦うとキキーモラが黙ってませんよ」


「そうなんだよね。ま、上手くするから大丈夫だよ」


諦めないんだ。俺は呆れながら、ホームに帰ると部屋にアテナの像を置いて、ステータスを確認する。


名前 タクト 究極の召喚師Lv8


生命力 204→254

魔力  480→530

筋力  313→373

防御力 120→180

俊敏性 289→319

器用値 321→372


スキル


格闘Lv42 蹴技Lv42 杖Lv47 片手剣Lv50 槍Lv39 

刀Lv50 二刀流Lv31 指揮Lv16→軍略Lv16 恩恵Lv1 念動力Lv33 

神気Lv1 神瞳Lv1 詠唱破棄Lv41 魔力操作Lv25 魔力切断Lv40 

空間歪曲Lv10 空間索敵Lv1 第六感Lv33 天言Lv1 超感覚Lv38→神感覚Lv38 

召喚魔術Lv50 封印魔術Lv43 ルーン魔術Lv42 阻害無効Lv24 騎手Lv51 

錬金Lv33 採掘Lv40 伐採Lv42 解体Lv57 鑑定Lv53 

識別Lv60 疾魔法Lv21 炎魔法Lv18 地魔法Lv20 海魔法Lv15 

暗黒魔法Lv18 神聖魔法Lv30 雷魔法Lv55 爆魔法Lv58 木魔法Lv39 

氷魔法Lv43 時空魔法Lv65 獣魔魔法Lv17 遅延魔法Lv23 連続詠唱Lv49 

遊泳行動Lv34 転瞬Lv25 心眼Lv26 無我Lv23 読書Lv22→叡智Lv22 

料理Lv53 釣りLv23 シンクロLv37 エンゲージLv25 マリッジLv3 

超連携Lv38 絶対防御Lv1 巨人の加護Lv1 アテナの加護Lv1


「俊敏性の上がりが弱いだと…ショック!」


この称号では直接スキルを獲得したからスキルポイントの獲得は無かったんだな。まぁ、スキルポイントより沢山のスキルを貰えたから文句はない。ただもう時間は深夜で流石に強さの確認は明日に持ち越すしかなかった。というわけでおやすみなさい。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] 名前に神が付いてるもの含めて、与えられたスキルは通常の進化からでもポイントさえ使えば取得自体は出来るもの?
[気になる点] 称号の女神アテナの契約者に難易度がついてますよ。
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