#935 冬を告げる死の妖精
俺はコーヒーで一服しながら、考える。今回のクエストもそうだけど装備のあるなしでだいぶ難易度が変わってきている。恐らく普通の雪山装備だとスノーボードには勝てなかっただろうからな。
「「「「ふぅ…」」」」
俺がコーヒーを飲んでいるところを見ていたリリーたちが俺が息を吐くタイミングに合わせてきた。何が楽しいのかどや顔だ。さっきまでルミと揉めていたのにすぐに元通りになっている。これがリリーたちが上手くいっている理由なのかも知れないな。
「それじゃあ、ルミの進化をさせるか」
「「「「はーい!」」」」
進化先は当然一つ。
ジャックフロスト
現実ではイングランドの民間伝承に登場する霜の妖精だ。雪だるまの姿だったり、雪男など色々な姿で登場している妖精なんだけど、女の子の伝承はちょっと知らない。たぶんないと思うんだけどな。なぜならジャック自体が男の意味があるからだ。説明を見てみよう。
ジャックフロスト…冬の寒さを具現化する氷の妖精。氷の妖精の中でも頂点に君臨し、死神の要素も合わせ持っている存在で寒さで死ぬのはこの妖精によるものだと一部の地域で信じられている。召喚師の間では最も可愛い死神として絶大な人気を誇る。
見事に男をスルーしてきたな。説明から見ると結構強そうだ。それじゃあ、進化行ってみよう。雪精女王の宝珠をルミの前に置き、進化を実行する。
雪精女王の宝珠から輝く青い光がルミを包み込み、ルミは進化した。
『ルミがジャックフロストに進化しました』
『氷創造、精霊眼、使役、魔力喪失、指揮、空間転移、雪潜伏、飛翔、他心通、神感覚、無我、氷柱、疾魔法、暗黒魔法、時空魔法、封印魔法、精霊魔法、氷原操作、氷結の魔眼、即死、加護無効、耐性無効、冬眠、全反射、全滑走、雪洞、氷牢、霧氷、冷凍光線、雪崩、氷獄、妖精の輪、神威解放、女神の加護を取得しました』
『使役【雪精】を取得しました』
『精霊魔法【コールドフォース】を取得しました』
名前 ルミ スネグーラチカLv32→ジャックフロストLv1
生命力 138→188
魔力 310→360
筋力 116→166
防御力 100→150
俊敏性 115→165
器用値 190→240
スキル
氷創造Lv1 氷刃Lv6→雪氷刃Lv6 精霊眼Lv1 投擲操作Lv6→念動力Lv6 使役Lv3
氷装甲Lv7→魔氷装甲Lv7 魔法耐性Lv5 魔力喪失Lv1 指揮Lv1 空間転移Lv1
雪潜伏Lv1 雪隠密Lv1→空虚Lv1 飛翔Lv1 他心通Lv1 神感覚Lv1
無我Lv1 氷柱Lv1 疾魔法Lv10 神聖魔法Lv3 暗黒魔法Lv10
氷魔法Lv3 時空魔法Lv35 封印魔法Lv30 精霊魔法Lv1 暴風雪Lv4
氷原操作Lv1 氷結の魔眼Lv1 氷旋風Lv4 吹雪Lv1→猛吹雪Lv1 即死Lv1
加護無効Lv1 耐性無効Lv1 冬眠Lv1 全反射Lv1 運勢操作Lv14
全滑走Lv1 かまくらLv3 祝福Lv1→天祝Lv1 雪洞Lv1 氷牢Lv1
霧氷Lv1 譲渡Lv4 守護Lv5→守護結界Lv5 誘惑Lv1→堕落Lv1 罠設置Lv12
冷凍光線Lv1 氷結波動Lv9→極寒波動Lv9 プレゼントLv18 雪崩Lv1 氷獄Lv1
妖精の輪Lv1 神威解放Lv1 女神の加護Lv1
進化したルミは身長や髪型に変化はなく、背中から氷の妖精の羽が生えて、服装が藍色のワンピースに雪がデザインされている服に変化し、フード付きの水色のコートを着た妖精となった。
「…どう? パーパ?」
「可愛くなったな」
「…ん。くすぐったい」
頭を撫でるとルミは目を細めた。この子が死神だとは思えないな。もし先にフィールドで出会っていたら俺はあっさり殺されていた気がする。
さて、知らない能力を確認して行こう。まずは新しい魔眼スキルである氷結の魔眼。見たまんまで視線があった敵を凍らせるスキルだ。耐性と加護をルミは無効にするから防ぐのがかなり困難だろうな。
次は冬眠。冷気でダメージを与えて相手を眠らせるスキル。広範囲のスキルで普通に見ると冷気は霧にしか見えない。吹雪で一面真っ白な状況でこんなスキルを使われたら、察知することは不可能だろう。死神の能力は伊達ではないか。
最後は雪洞。雪道に空洞を作り出す罠のスキル。他にも吹雪対策で穴に入ることも出来る。
そして新しい使役を確認する。するとルミは何故か雪だるまさんを呼び出した。
「雪だるまさん、雰囲気が変わっていないか?」
顔がハロウィンで見かけるカボチャのようになり、雪の手が氷の手に変化し、鋭い氷の爪となっていた。
「…雪だるまさんは前からこんなだよ?」
「ならどうして見せたんだ!」
しかもこの雪だるまさん、目から冷凍光線、口から暴風雪を発生させることが分かった。氷の爪も威力は十分ある。恐ろしい雪だるまさんになったものだ。
俺が圧倒されているとルミは雪精を呼び出す。雪が集まり、目がある可愛い存在だった。
「そうそう。ルミにはこういう可愛い子が似合」
目から冷凍光線を撃ちました。しかもこの雪精は複数召喚可能らしいのだが魔力を消費するから限界は存在している。それでもグレイといい勝負をするだろうな。
これで確認は終了、次は難易度がめちゃくちゃ高いリオーネの進化クエストだ。




