#930 アトランティス防衛戦
明日から一日一話更新です!
異星獣コインヘンの頭の上でナイアーラトテップは余裕で人魚たちの相手をしていた。
「ふふ。あなたたちの攻撃は私たちには通じないとまだ理解出来ませんか?」
「黙れ! 全軍! もう一度だ!」
人魚たちの一斉魔法攻撃を行おうがダメージが入らない。
「くそ!」
「理解出来ましたか? これが我々の力」
「そうかよ!」
イクスとエンゲージバーストをした俺は超バリアを貼った状態で体当たりをする。そのまま俺たちはスラスターを全力で使い、強引にコインヘンの頭上から離れさせた。
「またあなたたちですか!」
本来ならここでナイアーラトテップの能力が発動するのだが、ナイアーラトテップに触れているのは超バリアのため、ナイアーラトテップの能力は発動しない。
これがアポが教えてくれたナイアーラトテップ対策。そもそもエクスマキナの装備のほとんどがレーザーやビーム兵器なのはナイアーラトテップ対策の面が大きいからなのだそうだ。確かにレーザーやビームならナイアーラトテップに触れずに攻撃を当てることが出来るからそれは当然と言えた。
そのまま海底にぶつかり、俺たちは相対する。
「先日はよくもやってくれたな。今日はその礼をしに来てやったぞ」
「それはそれは。私との実力差はわざわざ教えてあげたのに…残念ですよ。今度は殺して差し上げましょう」
「やれるものならやってみろよ!」
俺はゼノ・ゲイボルグを取り出す。
「ふふ。その槍が切り札ですか? そんなものが私に通用するとでも?」
「なら受けて見ろ! 行け! ゼノ・ゲイボルグ!」
ナイアーラトテップはスカアハ師匠の予想通り、ゼノ・ゲイボルグを受けた。掛かった!
「破壊のルーン!」
「ふふ。無駄なあがきを…体を壊そうとしても無駄ですよ。これでも神様ですからね。灰燼!」
ゼノ・ゲイボルグが消え去るが復活のルーンが発動し、俺の手元に戻る。
「小癪な手を…それでどうしますか?」
「この槍を作ってくれた人から伝言がある」
「はい?」
「『よくも私の妹と同士たちをたぶらかしてくれたな。これはその礼だ。己の罪を痛感するがいい』だそうだ」
「何? っ!?」
突如コインヘンが悲鳴を上げて暴れ出した。
「なんだ!? 何をした!」
あぁ。こいつの慌てるこの顔が見たかった。
「さぁ? 知らね」
『自分のことぐらい自分で考えたらどうですか? 子供じゃないんですから』
「っ!」
おーおー。もしかして怒ってらっしゃるのかな?
「はぁ…もういいです。コインヘン! そいつらは後回しです! まずはエクスマキナとそのマスターを殺しなさい!」
さて、スカアハ師匠の作戦は成功したかな?コインヘンがこちらを向き、一斉に攻撃を放つがその攻撃は俺ではなく、ナイアーラトテップに浴びせられる。
「く!? 何故私に攻撃を…言うことを聞け! ぐぁあああ!」
怒鳴ったナイアーラトテップにコインヘンの攻撃が炸裂する。そこでナイアーラトテップはスカアハ師匠の狙いに気が付いた。
「まさかさっきの破壊は私ではなく、コインヘンとの」
「そうだ。契約を破壊させて貰った。これでコインヘンはお前との力が断たれて、野生の異星獣となった。今までお前の命令を無理矢理聞いていたんだ。さぞ、怒りを買っているだろうな」
「…やってくれましたね。しかしまだまだ甘い。コインヘンは純粋な異星獣。私の指示が無くてもお前たちを襲うだろう」
「だろうな。だから徹底的に痛めつけて教えてやるのさ。死にたく無ければとっとと逃げろってな」
俺はコインヘンの方を見るとコインヘンが体をこちらからアトランティスに向けるところだった。
「よそ見」
「星震」
俺は裏拳を止めて、触れずに星震でナイアーラトテップをぶっ飛ばした。
「お前は余裕を見せすぎだ」
「…いいでしょう。コインヘンがあの町を潰すまで遊んであげますよ」
「それだと一生遊んでもらうことになっちゃうな」
『わたしとマスターとの甘々の時間が無くなることを危惧。前言撤回を要求します』
心配するところはそこなんだ。俺がそう思っていると攻撃されるが俺は躱し、ナイアーラトテップと戦闘を開始した。
一方みんなもポセイドンたちにカリュブディスから救援の要請を受けたことを説明し、ボロボロのポセイドンたちを引かせて、回復させる。このイベントでは彼らの協力は不可欠だからだ。
コインヘンがこちらを狙い出したことを確認したところでまずはチロルとその後ろに乗っているシャローさんが動く。
「行きますよ!」
「はい! お願いします!」
チロルはコインヘンにとりつこうとするとウツボの顔がある触手がチロルたちに襲い掛かるがこれをチロルは躱す。
「今だよ! シャローさん!」
「はい! 貫け! ゼノ・ゲイボルグ!」
シャローさんがゼノ・ゲイボルグをウツボの顔がある尻尾に突き刺すと見事に貫く。
「死棘!」
突き刺したゼノ・ゲイボルグが内部で破裂し、三十の死棘となって、ウツボ顔のある尻尾の内から外へ紫の棘を咲かせる。そして元に戻るとウツボ顔のある尻尾は沈黙する。
「効果覿面ですね」
「ヘーパイストスさんたちが作った槍だからね! どんどんいくよ!」
「えぇ! 貫け! ゼノ・ゲイボルグ!」
シャローさんはゼノ・ゲイボルグを投擲するがコインヘンの体には弾かれた。
「戻れ! ゼノ・ゲイボルグ! 簡単には行きませんか」
「ですね。でも今ので、弱点の位置は分かったかな?」
「そうですね。え? チ、チロルさん! 逃げてください!」
「へ?」
チロルがコインヘンの体を見るとコインヘンの体中からウツボ顔が生えようとしていた。
「きも!?」
「それどころじゃないです! あれらから一斉に攻撃されたら! あ」
シャローさんの警告は遅かった。ウツボ顔の口から無数の暗黒ブレスが放たれる。しかしイオンが二人の前に割り込んだ。
「水鏡!」
イオンの水の鏡に触れた暗黒ブレスが吐いたウツボ顔に返される。
「大丈夫ですか?」
「イオンちゃ~ん! 素敵! 愛している!」
「えぇ!? こ、困ります! 私にはタクトさんが…っ!」
無数のウツボ顔が一斉に伸びて、襲い掛かって来た。ここでみんなの援護が来るがそんなの諸ともせず、イオンとチロルたちに向かってくる。
「そんなに群がっていいのかよ! 行くぜ! 竜化!」
ダーレーが竜化を使うと美しい東洋タイプの白竜が降臨する。
名前 ダーレー 玉龍(竜化)Lv3
生命力 150→230
魔力 237→317
筋力 207→287
防御力 110→190
俊敏性 388→468
器用値 196→276
スキル
蹴り技Lv18 天耳通Lv14 他心通Lv17 千里眼Lv14 念動力Lv1
天言Lv17 第六感Lv15 神感覚Lv15 強激突Lv34 竜牙Lv1
竜爪Lv1 竜角Lv7 堅固Lv1 天鎧Lv8 天障壁Lv6
竜鱗装甲Lv8 天鎖Lv2 紅炎Lv33 火炎操作Lv33 海流操作Lv6
天候支配Lv1 仙術Lv15 後光Lv1 天弾Lv6 騎乗Lv40
神足通Lv36 防御無効Lv29 万物破壊Lv27 騎手強化Lv38 空間歪曲Lv2
多連撃Lv21 神速Lv13 光線Lv7 瞑想Lv2 英気Lv35
仙気Lv37 覇気Lv32 竜気Lv16 浄火Lv27 聖水Lv1
雷放電Lv14 天雷Lv3 重圧Lv3 空振Lv12 譲渡Lv17
超連携Lv19 海波動Lv1 太極波動Lv2 ドラゴンブレスLv1 無我Lv5
荒魂Lv1 逆鱗Lv1 竜技Lv6 竜魔法Lv1 竜人化Lv4
馬化Lv5 覇馬の加護Lv33 海竜の加護Lv6 仏の加護Lv7 王の加護Lv1
竜化したダーレーはイオンたちに襲い掛かったウツボ顔がある触手を求めて横から噛みつき、雷放電を浴びせる。
「むむ。やりますね…ダーレー。今のうちに」
「うん! 一旦下がるよ!」
しかし敵を追撃は止まず、竜化したダーレーも狙われる。するとここで蒼穹が神威解放を発動させた。
現れるたのは蒼穹よりも更に巨大化した青い東洋のドラゴンが降臨する。
名前 蒼穹 蒼帝Lv3→東海竜王Lv3
生命力 288→368
魔力 257→337
筋力 213→293
防御力 153→233
俊敏性 217→297
器用値 154→234
スキル
噛み砕くLv24 巻き付きLv22 尾撃Lv22 飛翔Lv36 千里眼Lv11
天言Lv10 神感覚Lv10 重圧Lv3 神速Lv9 空振Lv4
空虚Lv4 慧眼Lv7→心眼Lv7 指揮Lv4 堅固Lv1 神障壁Lv4
強激突Lv6 神魔毒Lv23 虚空切断Lv3 魔力感知Lv11 遊泳行動Lv18
仙気Lv12 竜気Lv12 竜鱗Lv33 竜爪Lv30 神鎌鼬Lv6
遮断結界Lv1 気力装甲Lv1 瞬間再生Lv32 天候支配Lv11 気流操作Lv7
気圧操作Lv4 水圧操作Lv1 疾魔法Lv6 海魔法Lv10 神聖魔法Lv10
時空魔法Lv35 竜魔法Lv1 神道魔術Lv30 浄炎Lv25 暴風壁Lv13
雷光Lv1 雷光刃Lv1 雷雨Lv27 黒雷Lv7 雷霆Lv3→大雷霆Lv3
雷轟Lv4 荷電光線Lv1 荷電爪Lv1 魔力支配Lv7 多連撃Lv11
聖波動Lv27→神波動Lv27 念動力Lv13 神雷Lv29 海ブレスLv24 雷ブレスLv26
ドラゴンブレスLv4 太極ブレスLv1 逆鱗Lv7 竜技Lv1 覇撃Lv1
星震Lv1 和魂Lv8 聖竜の加護Lv7→海竜神の加護Lv7 王の加護Lv7
四海竜王のコラボが実現した。ダーレーのお父さんである西海竜王と同格の竜王だ。孫悟空に如意棒を盗まれるというエピソードが有名なドラゴンで他にも哪吒という少年神のやられ役としても登場している。
四海竜王にあまり強いイメージがないけど、それを払拭するように蒼穹は力を振るう。
尻尾が雷光が宿ると一瞬でウツボ顔がある触手を斬り裂き、復活しようとしたウツボ顔がある触手を手で掴むとすさまじい量の雷の嵐が降り注ぎ同時にとんでもない重圧と水圧がコインヘンに襲い掛かる。流石に東海竜王のほうが強いみたいだな。
これでチロルたちは離脱出来たように見えたけど、別の所から伸びたウツボ顔の触手が来る。
「うわぁああ! 助けて~!」
チロルの召喚獣たちが攻撃を加えるが全く相手にされていない。シャローさんもゼノ・ゲイボルグを投げてるけど、数が多すぎた。
「封鎖!」
チロルたちに噛みつこうとしたウツボ顔の触手たちが見えない壁に弾かれるクリュスだ。
「ふふ。ここから先は通行止めよ」
ウツボ顔の触手たちは今度はクリュスを狙う。クリュスは逃げ出しウツボ顔から放たれるブレスを躱していくと突然ウツボ顔の触手たちに何かがくっつく。ぷよ助の粘着糸だ。
突然の糸にウツボ顔の触手たちは暴れ、お互いに絡まり合い、粘着糸でくっついてしまう。擬態していたぷよ助が触手に体をくっつけると粒子分解と腐蝕でダメージを与える。
「お馬鹿さんね! 氷竜解放!」
クリュスはウツボ顔に氷竜解放を浴びせるが凍らない。
「やっぱりダメね…でも、だからって引けないのよ!」
俺の召喚獣たちを見ていたサバ缶さんは指示を出す。
「タクトさんの召喚獣たちが戦っている今がチャンスです! ハープーンガン部隊は体ではなく、あの触手を狙ってください。同時に拘束部隊は気づかれないように大回りで鋼索と超鋼線の設置を!」
更にメルとウィザードオーブのプレイヤーを率いている人も指示を出す。
「私たちはハープーンガン部隊の援護をするよ! ダメージが無くてもいい! 攻撃をハープーンガン部隊に行かせないで! いくよ!」
「ヒーラーを除いた魔法使いは大魔法の準備を! あの化け物にウィザードオーブのプレイヤーの意地を見せてやろうぜ!」
「「「「おぉ!」」」」
チェスたちも召喚獣も攻撃をするがやはり効いていない。そしてハープーンガンも弾かれた。
「ダメか…」
「いいえ。体に刺すことが出来なくても口に入れることは出来ますよ」
「その手があった! 流石キャプテン!」
シャローさんはみんなを船で運んでいるうちにキャプテンと呼ばれるようになっていた。ハープーンガンが口の中に入り、突き刺さる。
「おっし! 命中! たっぷり食らいやがれ! 化け物鯨! 雷放電!」
ハープーンガンの雷放電が放たれ、ウツボ顔の触手は暴れる。
「ダメージは発生してないけど、なんとなく効いている!」
「動きが止まった! 我々も続きますよ!」
次々ウツボ顔の触手に与一さんと漁師たちがハープーンガンを撃ち込み、チロルたちは鋼索でウツボ顔の触手を縛って行く。するとここでコインヘンの口が開き、何かが無数に現れる。
「なんだ? ぐぁ!?」
「光線!? 全軍回避行動! ハープーンガンも回収して、退避を優先してください!」
コインヘンが口から出したのは謎のヒトデ型の生物。中央には牙があり、そこから光線を撃って来た。
「くそ! まるで艦載機だな!」
「どうしますか? サバ缶さん」
「必ずこちらを追ってくる…ワゴン・ホイールをやってみましょう!」
ワゴン・ホイールについてサバ缶が説明する。ワゴン・ホイールとは航空戦の戦術の一つ。航空戦の場合は基本的に相手の背後に付けて攻撃するのがセオリーだ。背後ならロックオンされる可能性がなく、攻撃手段もないから当然と言える。
ワゴン・ホイールはそこを狙った戦術だ。まず先頭に囮役がいる。敵機は当然囮役の背後に付く。すると味方がその敵機の背後を取るという戦法だ。
これを繰り返すと輪のようになることから名付けられた。ワゴン・ホイールをする側は攻撃のタイミングなどを合わせて攻撃する一方で敵は何も知らない状態で攻撃する敵は味方機に当たるリスクを抱えることになる。
「重要になるのは最初の囮役ですね」
「それなら私がします!」
イオンが立候補した。
「大丈夫ですか?」
「あんな光線、いくらでも捌けないとタクトさんの召喚獣は名乗れませんから余裕です」
「「「「(どれだけレベルが高いんだ!)」」」」
全員がイオンの言葉にツッコミを入れたくなるが攻撃されているので、今は急いでイオンに囮役を頼むと早速イオンは攻撃し、敵の誘導を開始した。
「食らいついた!」
イオンは踊るように攻撃を捌く。
「チロルさんたちは敵の背後から攻撃を!」
「ラジャー! いくよ! みんな!」
「次の人は準備を!」
「はい!」
チロルたちが攻撃をするとヒトデ型の生物は止まり、反転するとチロルたちに襲い掛かった。これが戦闘機とヒトデの差だ。
「ちょ!?」
「聞いてないよ! サバ缶さーん!」
「…裂空さんが艦載機のようだと言ったせいです」
「おい! 俺のせいかよ!」
そんなことを言っている間にチロルたちはヒトデ型の生物に襲われる。
「うわ!? くっついた!? いった~い!」
「噛みついて来るの!? しかも取れないよ! こいつら!」
「誰か助けて!」
「グォオオオ!」
誰も手がない中、チェスが神威解放を発動させる。降臨したのは俺が以前に出会った狩人だ。
名前 チェス カリストベアLv3→カリストLv3
生命力 174→254
魔力 233→313
筋力 242→322
防御力 306→386
俊敏性 120→200
器用値 133→213
スキル
格闘Lv35 氷戦斧Lv42 星矢Lv20 念動力Lv20 必中Lv1
堅牢Lv46 煽動Lv40 千里眼Lv20 狙撃Lv20 第六感Lv20
荷重操作Lv9 虚空切断Lv12 多乱刃Lv12 魔氷装甲Lv45 星鎧Lv44
神障壁Lv7 守護結界Lv3 万物破壊Lv38 魔法耐性Lv39 強襲Lv38
星雨Lv6 星間雲Lv3 高速再生Lv11 遊泳行動Lv33 幻月Lv1
月光Lv1 雪潜伏Lv17 猛吹雪Lv1 氷原操作Lv3 雪崩Lv2
暴風雪Lv1 氷旋風Lv4 絶対防御Lv4 氷獄Lv4 極寒ブレスLv33
ゴッドブレスLv31 氷柱Lv45 多連撃Lv32 月海Lv3 海魔法Lv2
神聖魔法Lv14 暗黒魔法Lv10 氷魔法Lv35 時空魔法Lv35 冷凍光線Lv5
死滅光線Lv1 全反射Lv5 乱反射Lv4 月食Lv1 冥波動Lv1
加護破壊Lv1 阻害無効Lv1 変光Lv6 狂戦士化Lv2 精霊召喚Lv1
覇撃Lv3 逆鱗Lv2 宇宙魔法Lv3 惑星魔法Lv1 極寒無効Lv21
神技Lv1 楽園の加護Lv1 星の加護Lv26 月神の加護Lv9
カリストが言う。
「私を救ってくれた英雄に今こそ恩義を返しましょう! 我が名は狩人カリスト! 相手が異星の存在であろうとも、生物ならば狩ってみせましょう! 我が子に敵対する者よ! 母の力を知るがいい! 神技! アークトゥルス・ストリーム!」
カリストが光の弓矢を放たれ、コインヘンに命中するとコインヘンを中心に小さな銀河が誕生する。無数の星の光が円運動し、拡大していく。そして拡大しきると星の光は小さな銀河を飛び出し、ヒトデ型の生物を貫き、撃破する。
それが繰り返され、ヒトデ型の生物は全滅した。
「すご…」
「きれーい」
「これが第五進化の召喚獣の力か」
しかしこれでカリストは力を使いは果たし、チェスに戻るとチェスはダウンする。この攻撃の中心にいたコインヘンが無事なのは全員が納得できないところだが、ここで代わりの助っ人が復帰する。圧倒的な海流の渦がコインヘンに命中する。
「アルテミスの元従者にいつまでも救われていては海神の名折れじゃ」
「全回復させて貰ったし、作戦も聞いた。ここからは私たちも一緒に戦うよ!」
ポセイドンたちが復帰し、早速コインヘンに仕掛ける。
「人魚姫を怒らせたら、どうなるか教えてあげる! みんな! 私に合わせて! 行くよ! 人魚技! ハートブレイク・スクリーム!」
「「「「人魚技! アンサンブル・アムプリファリー!」」」」
ロデの絶叫が響き、それに重なるように人魚たちが声を合わせるとロデの絶叫が増幅される。
この声を聞いてしまったコインヘンにダメージが発生する。するとコインヘンはここで異空間に逃げる行動を取る。これを見ていたナイアーラトテップはコインヘンの元に行く。
「何逃げようとしているのだ! コインヘン! それでも貴様は異星獣か!」
「今じゃ! やれ! オリハルコンゴーレムたちよ!」
オリハルコンゴーレムたちの胸から砲身が出現し、星の光が集束する。黒鉄たちもその動きに合わせ、一斉に砲撃がコインヘンにぶち当たり、コインヘンとナイアーラトテップを異空間に押し込んでいく。
「竜化!」
イオンが竜化し、ダーレーとディアン、蒼穹などの召喚獣たちに更にはアトランティスにいた海竜たちも加わり、更にコインヘンを押し込んでいく。
「こんなことをしても無駄だ! 私たちはすぐに戻ってくることが出来ると分からないのか!」
「「「「ぼえー」」」」
サフィたち鯨とドラゴンのような巨大魚たちが一斉に体当たりをするとコインヘンが異空間に入る。その直前にナイアーラトテップは逃げ出した。
「なんて様だ。アザトース様になんて報告すれば…っ!?」
「聖剣解放!」
ルーナが聖剣解放を使うと地面から星の光が発生し、ルーナの剣に集まる。
「これはこの星が誕生した時からずっと願われていた小さくもとても大きな願い。あなたはその願いを邪魔する者として、私が排除します! 聖剣技! スターロストウォーズ!」
星の光の奔流にナイアーラトテップが吞み込まれる。
「そんなものに興味はありませんね!」
ナイアーラトテップはルーナの攻撃を弾くとルーナにナイアーラトテップが迫る。
「神威解放!」
リアンが神威解放を使い、ナイアーラトテップの腕を斬り飛ばす。するとナイアーラトテップの腕が跡形もなく、消え去る。
「何!?」
「大海波動!」
「く…!?」
ぶっ飛ばされたナイアーラトテップの視線に真の女神として降臨したリアンの姿があった。
名前 リアン オーケアニスLv3→エウリュビアーLv3
生命力 243→323
魔力 470→570
筋力 245→345
防御力 180→260
俊敏性 367→467
器用値 304→404
スキル
槍Lv37→神槍Lv37 杖Lv10→神杖Lv10 神歌Lv41 呪歌Lv14 神楽Lv18
神速遊泳Lv39 連続詠唱Lv27 詠唱破棄Lv29 同時詠唱Lv29 念動力Lv6
第六感Lv11 他心通Lv13 神瞳Lv10 水鏡Lv1 水飛沫Lv23
疾魔法Lv14 海魔法Lv4 神聖魔法Lv12 雷魔法Lv32 爆魔法Lv35
氷魔法Lv35 時空魔法Lv35 封印魔術Lv30 融合魔法Lv1 星座魔法Lv1
魔力支配Lv6 超連携Lv11 超集束Lv1 騎乗Lv22 天言Lv27
多連撃Lv28 潜水Lv18 堕落Lv13 音響探知Lv26 神気Lv11
洪水Lv6→大洪水Lv6 海流操作Lv20 渦潮Lv4 水圧切断Lv7 海波動Lv21→大海波動Lv21
津波Lv10 瀑布Lv3→大瀑布Lv3 凪Lv1 水分身Lv6 神軍Lv1
神水Lv4 神波動Lv15 流星群Lv2 彗星Lv1 神雷Lv16
黒雷Lv5 雷霆Lv4 雷轟Lv4 天候支配Lv7 天雨Lv4→神雨Lv4
神障壁Lv4 天輪Lv6 冷凍光線Lv1 水圧操作Lv8 原子分解Lv1
氷山Lv2 氷獄Lv1 氷旋風Lv3 神罰Lv12→神撃Lv12 料理Lv28
水球Lv1 人化Lv33 人魚技Lv1 神技Lv1 人魚魔法Lv2
海女神の加護Lv15 原初の加護Lv1 大地母神の加護Lv1
これを見たナイアーラトテップは目を見開く。
「馬鹿な!? 原初の加護だと!? それは無の」
「はい。原初は全ての始まり。そこには何もない無の力が支配しています。私には創造の力はありませんからあなたを消し去ることしか出来ませんので、注意してください」
これを聞いたナイアーラトテップはイラつく。
「次から次へと。私も暇ではないですよ…雑魚は雑魚らしくさっさと死ね!」
「ブリューナク、神威解放! 光の神、ルー様。どうかお力添えを」
『相手はこの星の神、共通の敵。原初の海神と大地母神の子よ。思う存分、我が神槍を使うがいい』
「はい! はぁああ!」
リアンがナイアーラトテップをブリューナクで貫く。
「あなたの槍が消え去ったことをお忘れですか? 例え無の力があったとしても槍を消し去ることぐらい出来るのですよ! 灰燼!」
しかしブリューナクが消えることはない。神威解放されたブリューナクにはスキル無効がある。こいつの灰燼スキルはブリューナクには通じない。
「何!? ぐ!?」
「私たちの星から出て行ってください! 神槍技! ルー・シャナス!」
リアンがナイアーラトテップが刺さった状態でルー・シャナスを異空間に入っている最中のコインヘンに向けて使う。するとブリューナクと共にナイアーラトテップはコインヘンに突き刺さり、大爆発する。
「ぐは!? まだですよ!」
「いいや。終わりじゃ」
リアンが退き、ポセイドンが槍を構える。
「わしの領域に攻め込んだ貴様らにはわしが鉄槌を下す! トリアイナ、伝説解放!」
ポセイドンが槍から今まで感じたことがない圧倒的な力が発生する。そしてギリシャ神話の中でもゼウスに次ぐ実力者と呼ばれる海神の怒りの一撃が放たれる。
「神槍技! エナリオス・クェイク!」
「な!? ぐぁあああああ!?」
世界そのものを揺さぶる地震の波動がコインヘンとナイアーラトテップに集束する形で放たれ、二人は異空間の彼方にぶっ飛ばされた。
ポセイドンは神話で地球が裂けて冥界が露わになってしまうとハーデスが心配するほどの地震を放っている。これでとりあえずアトランティスから追い出すことは出来た。後は俺たちの仕事だ。
『ミア、どうだ?』
『随分遠くに飛ばされましたが、異空間にて捕捉完了しています。マスター』
あれだけぶっ飛ばしても捕捉しますか。優秀だね。それじゃあ、俺は最後の仕上げに向かうとしよう。
 




