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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ウィザードオーブ戦争
963/1718

#916 砂漠の罠とアラジンの裏切り

俺たちが海戦の準備を整えている頃、他のみんなは準備を整えて、出陣していた。


まず最初に動いたのはサンドウォール砂漠の魔導砲施設。ここの攻略にはウィザードオーブのプレイヤーは残念ながらサンドウォール砂漠には入れないので、ここに参加しているのはリープリングを中心としたサンドウォール砂漠に入れるプレイヤー連合だ。


隊長は鉄心さんでアーレイたちも参加している。理由はサラ姫様を救出出来ればサラ姫の好感度がかなり上がることを期待出来るからだ。


「イクスさんの話だとこの辺から攻撃が来たって話だったけど、何もないな」


「進化したエクスマキナの計算が間違えるとは思えない。怪しいのはあの丘だと思う。お父さん」


「そうだな。試してみるか。全員戦闘態勢のまま、この場で待機。いつでも戦闘するつもりでいてくれ」


鉄心さんが丘の上で交換した神息を構える。


「ふぅ…回天(かいてん)!」


鉄心さんがその場で回ると竜巻が発生し、砂を巻き上げる。すると砂の中に隠れていた忍者や狩人たちが竜巻に巻き込まれ、無残に斬られて、露わになった魔導砲施設に落下する。


「お前たちはブラッティウォーズか? ん?」


鉄心さんがそういうと施設のドアが開き、アサルトライフルを装備した敵が次々現れて、鉄心さんに撃って来た。


神風装甲(かみかぜそうこう)! はぁああ!」


鉄心さんに放たれた銃弾が全て不自然に外れる。そして鉄心さんは一瞬で間合いを詰めて、神息を抜刀。それだけで多乱刃が発動し、敵が全滅する。


進化した鉄心は将軍から大将軍となっている。大将軍となった鉄心さんは上杉謙信の武技と力を完全に継承した。つまりこれは毘沙門天の力も継承したこととなり、現時点で俺たちの中で一番速い。


「父さん…一人で倒したら、ダメだって言ったよな?」


「…すまない」


強くなっても、子供と妻には頭が上がらない鉄心さんである。その後、大英雄となったアーレイが一撃で魔導砲施設を破壊する。


『サンドウォール砂漠の魔導砲の破壊に成功しました』


「よっし!」


アーレイがガッツポーズをすると静かな風が砂漠に流れる。


「よしじゃないわよ」


「うん。悪魔とサラ姫様がここにいる話だったよね?」


すると部隊の一人が異変に気が付いた。


「すみません。サバ缶さんに報告しようと思ったら、繋がらないんですけど」


「罠か! 雫!」


「テレポーテーション! ダメ! 転移出来ない!」


「「「「何ぃ!?」」」」


ここで初めて鉄心さんたちは悪魔が言ったことが嘘だと気が付いた。悪魔はサラ姫を餌にフリーティアの主力をサンドウォール砂漠に閉じ込める作戦を考えたのだ。


「えーっと? これはどうすればいいの?」


「一応絨毯も確認してみるか…」


結果はやはりだめだった。


「…これが砂漠内限定の転移妨害ならここからサンドウォール砂漠の境界まで行って、抜ければ転移出来ると思う」


「「「「こ、ここから?」」」」


全員が絶望的な顔をする。この施設があった場所はほぼサンドウォール砂漠の中央付近だったからだ。つまり近道はほぼないと言っていい。


「サンドウォール砂漠内の町への転移も出来ないのか?」


「やってみる…やっぱりダメ」


「あらあら。大変ね~」


「「「「物凄く大変です!」」」」


何せフィールドを歩いているだけでモンスターに襲われるのだ。最も今のレベルだと大した脅威ではないし、飛行を封じられているわけでもない。残念ながら召喚師や猛獣使い、竜騎士はいないけど、幸い魔法使いの数はたくさんいた。


交互に飛行魔法を使い、マイリアの町に向かった。ここにはチョコレートがあるし、俺の情報でアラジンがいることをみんなは知っていたからだ。


「アーレイのせいでとんだ貧乏くじを引いちゃったわ」


「俺のせいかよ」


「喧嘩はダメだよ。二人とも。せっかくもうすぐ町に着くんだからね」


全員がマイリアの町に入るとみんなはアラジンがいる宮殿に向かう。その途中でトリスタンさんが違和感を口にする。


「やけに視線を感じない?」


「みんな砂漠とは無縁の格好をしているから無理もないわよ」


ノストラさんの言う通り、みんな立派な防具を装備している。砂漠の住民にはまず見えないだろう。トリスタンさんは納得し、アラジンがいる宮殿に到着した。


「あ、アラジン君!」


「なんだよ。あいつ…俺たちを出迎えているぞ」


みんなが宮殿の入口にいるアラジンに近付くとアラジンは魔法のランプを取り出し、ランプを触るとジンが現れる。


「え? なんでジンを出すの?」


「下がれ! 様子が変だ!」


「ジン。あいつらを殺して」


「わかった」


ジンの拳がシフォンに襲い掛かるとミランダが受け止める。


「ほぅ…俺様の拳を止めるか。随分強くなったな。だが…うぉおおお!」


「くぅうう…きゃあ!?」


ミランダが宮殿の柱に激突する。


「ミランダ!? てめぇら! どういうつもりだ!」


「全員戦闘態勢だ!」


武器を取ろうとしたみんなだったが、結界に囚われ武器が弾かれる。


「…武器封印!? っ!?」


周囲からアサルトライフルを持ったブラッティウォーズが現れる。そしてアラジンの隣にはリーダーと思われる男が現れた。


「ようこそ。リープリングとフリーティアの冒険者諸君。そこのリーダーは久しぶりと言うべきかな?」


「…そうだね」


そのリーダーの男はディザスターキマイラの時に鉄心さんと戦った黒いローブの男だった。


「さて、お前たちには今まで散々邪魔されてきた。ここらでお返しをさせてもらうぞ」


アサルトライフルが乱射される。みんながばらけるが後衛職たちは逃げれなかった。


「雫!? ワイフ!? 貴様ら!」


鉄心さんが斬りかかろうとするがジンが間に入る。


「邪魔をするなぁああ!」


鉄心さんはジンを真っ二つにするがジンの蹴りを受ける。そして斬られたジンは体がくっつく。


「俺の体を斬っただけでも大したものだが、残念だったな。ここは俺の領域だ。お前たちが勝てる可能性はない。魔神魔法! ジン・メイダン!」


ジンの魔法が発動する。すると全員が倒れる。


「ま、魔力がゼロに!?」


「それだけじゃないよ。ステータスが最初の頃と同じ位に」


「忘れているようだが、俺も魔神だ。人間に絶望を与えるぐらいの力は持っている」


「う…なんで!? アラジン君! どうしてこいつらの味方をするの!?」


シフォンが訴えかけるがアラジンの答えは冷たいものだった。


「ジン。やっちゃって」


「あぁ」


結局シフォンたちはアラジンに何が起きたのかわからないまま全滅した。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] サラ姫の救出成功が好感度上昇に繋がるとしても、下心の塊みたいなメンツで上がるのは流石にスッキリとはしないし、アーレイも参加してる時点で..だったのかな?笑 それにカインに冷めた態度なあのサラ…
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