#898 イオンとの結婚式と結婚祝い
次回は掲示板でこの章はここまでとさせていただきます。
そして一つ残念なお知らせがあります。
ここまで毎日更新を続けてきましたが、3月1日から1日おきの更新にすることを決めました。更新の予約分が無くなったことが原因です。
毎日楽しみにしてくれていた皆さんには本当に申し訳ございません。
予約分に余裕が出来ましたら、毎日更新に戻す予定です。とりあえずGWの毎日二話更新を目指して執筆作業を進めますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。
夕飯を食べてからログインする。いよいよイオンとの結婚式だ。獣魔ギルドに向かって、クエストを受ける。
そして俺は再びタキシードに着替える。再び暇な時間が出来たので、また予定を立てる。
「明日はエアリーの試練の再挑戦とコーラルの進化クエストで一段落だな」
「そうなんですか?」
「はい。後は全員の魔法の訓練に今まで保留していた精霊門も試さないと」
「それは楽しそうですね。是非私も参加したいです」
「それなら一緒に」
ここで俺は振り返るとシルフィ姫様が笑顔でいた。
「それなら一緒に行くと言うことでよろしいですか?」
「ギリギリ言ってないです」
「むー。惜しかったです」
わざわざこれを俺に言わせるためだけに気配を消さないで欲しい。
「というかシルフィ姫様は精霊門が使える召喚獣がいないんですか?」
「いますよ。タクト様がよく会っている私の妖精が覚えています」
「それなのに一緒に行きたいんですか?」
「はい! ここでは精霊門は使えませんからね」
これは初耳だ。
「ここでは精霊門は使えないんですか?」
「使えなくはないですけど、もしここで使うとこの国を守っているフリーティアドラゴンに襲われることになります。その場合はフリーティアドラゴンの領域で召喚石より遥かに強いフリーティアドラゴンとの戦闘となりますから私は勝てる気がしませんね」
危なかった。ここで使いそうだったぞ。まぁ、たぶんセチアが止めてくれると思うけどね。この話からするとあまり国や町で精霊門を使うのは危なそうだ。そこでシルフィ姫様の狙いに気が付いた。
「もしかして外出するために言いましたか?」
「そんなことはありませんよ? どこで精霊門を開くのかタクト様に任せようと思ってましたから」
「ここで開けれない以上、それは外出を意味していると思いますよ」
全く油断も隙もない。するとシルフィ姫様が近づいてきて、俺が書いた予定表を覗こうとする。
「…なぜメモを隠すんですか?」
「逆にお聞きします。なぜメモを見ようとするんですか」
「「…」」
俺とシルフィ姫様とのメモ争奪戦が勃発し、イオンの準備が出来るまでそれは続いた。おかげで緊張する余裕がなかったけど、完全に息が上がってしまった。息を整えて会場に入り、ウェディングドレス姿のイオンを待つ。
そしてリリー同様にサラ姫様と一緒にウェディングドレス姿のイオンが姿を見せた。そしてイオンが歩き出すと何故か軍事パレードで見るガチョウ足行進だった。みんなが笑いをこらえる一方で俺が心配していると案の定、イオンはウェディングドレスを踏んでしまい、前に倒れる。
「きゃ!?」
「イオン!」
俺がイオンを支える。
「大丈夫か? イオン」
「は、はい。すみません。タクトさん」
「別にいいよ。サラ姫様」
「あぁ。ここで交代をしよう」
予定とは違ったがイオンと腕を組んでカインさんのところまで行く。
「さっきまで変な歩き方しているのに、タクトと歩くときはなんで普通になるのかな?」
「流石イオンお姉様、全て計算通りですか」
「タクトに助けて貰うためにあんな歩き方をしたのなら、イオンは相当痛い女性になるわね」
「聞こえてますからね! リビナ! セチア! ファリーダ!」
早くも結婚式の空気が壊れた。まぁ、イオンの最初の登場で壊れていたんだけどね。
それでもカインさんのところに着くた後は普通に式が進み、俺たちはお互いに愛を誓い合い。指輪を付けるとお互いの指輪にキスをした。
「獣魔ギルドのギルドマスター、カインがここに二人にマリッジが結ばれた事を宣言する!」
前回同様カインさんがそう言うとみんなからの拍手と共にインフォが来る。
『イオンとマリッジが結ばれました』
『称号『マリッジの先駆者』が称号『重婚の先駆者』に上書きされました』
『ウェルシュマリッジリングの効果により、イオンとのマリッジバーストが強化されます』
ある程度予想はしていたけどさ…そこは裏切って欲しかったよ。運営さん。ロリコンといい、変な称号を考えるなよ。
「タクトさん、タクトさん」
「ん? おっと」
イオンがリリー同様に抱きついてきた。
「ふふ。リリーよりも大好きです」
イオンのこの発言にすぐさまリリーが噛み付く。
「何言っているの! イオンちゃん! それにそれはリリーがしたんだよ!」
「結婚式の観客は黙ってて下さい」
「むぅ~! リリーはイオンちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」
「奇遇ですね。私もリリーに育てられた記憶は全くありません」
二人が睨み合う。
「はいはい…そこまでだ。結婚式は終わったけど、この後みんなに祝ってもらうんだぞ。主役の二人がそんな調子でどうするんだ?」
「「う…」」
「わかったなら、リリーはすぐに着替えて来てくれ」
「はーい」
あまり乗り気がないな。
「早くしないとまたシルフィ姫様の召喚獣にケーキを食べられるぞ」
「急いで着替えてくる!」
「その言い方はあんまりです! タクト様! 皆さんもそう思いますよね?」
その場にいる全員が可能性を否定出来ない。
「フェンリル」
「ちょっと待ったぁあああ! ここでフェンリルなんて召喚させたら、式場が滅茶苦茶になるでしょうが! 治すのにどれだけお金が掛かると思っているの!」
カインさんが必死にシルフィ姫様を止めてくれたおかげでその場は解散することになった。リリーの準備が出来るまでに称号の確認をする。
称号『重婚の先駆者』
効果:スキルポイント+25
全プレイヤーの中で最初にマリッジを二人以上結んだ者に与えられる称号。
これで俺の残りスキルポイントは108ptとなった。地味に嬉しいから困るんだよな。
その後、俺たちは獣魔ギルドから結婚式の衣装でリープリッヒに向かうことになるんだが、国を上げて祝われた。今までそんな素振り見せていなかったのに…これはシルフィ姫様というよりグラン国王様の仕業な気がする。
その後、リープリッヒにたどり着くとギルドメンバーからの祝福に街にいるシグルドさんとブリュンヒルデさん、ディアドラ姫、ノイシュ、ランスロットさん、モルドレッドに加えて、モッチさんにアクアスの代表であるリーシャさん、アインシュタインさん、安綱さん、宗次郎、ジャンヌ、レギンたちまで祝いに駆けつけてくれた。
この国にいる人たちは予想できたけど、流石にモッチさんたちは予想外だった。
「二人の結婚お祝いパーティーだからね! これは参加しないわけにはいかないよ!」
「アクアスの町が今もあるのは、タクトさんたちのおかげです。結婚のお祝いくらいはさせてください」
「わしは一応エリクサーラピスの代表じゃ」
「私たちが今、生きているのはタクトさんたちのおかげです。三人の結婚を言わないと神様から罰を受けてしまいます」
これは嬉しいな。こうして見ると本当に今まで多くの人と関わってきたことが分かる。更に予想の斜め上を行く人が現れた。
「やぁ! 結婚おめでとう」
「「「「誰?」」」」
そこにはアルスル姿のアーサー王がいた。この正体を知っているエイルとスクルドは絶句しており、ランスロットさんは頭を抱えている。モルドレッドは我関せずの様子だ。
「何しているんですか」
「君とは一緒に悪魔を退治した仲だし、今日は君の友人アルスルとして結婚を祝わせてくれ」
「はぁ…ありがとうございます」
アルスルという名前にメルやルインさんたちは正体に気が付いた様子だ。みんなからお祝いを受けているとへーパイストスたちがお店に入ってきた。セチアや和狐、アラネア、伊雪も一緒だ。
「タクトさん、リリーさん、イオンさん。結婚おめでとうございます! パンドラ」
「おめでとう! おじ様たち! はい! これ! パンドラたちからの結婚祝い!」
「これはうちらからの結婚祝いどす」
「「受け取ってください」」
俺は旗に加えて、注文していない二つの物を受け取った。
リープリングの軍旗:レア度10 槍 品質S+
重さ:120 耐久値:800 攻撃力:400
効果:鼓舞、全属性アップ(究)、英気、黄金障壁、遮断結界、紅炎、溶断、烈日、放射熱線、魔力アップ(究)、再生、蘇生、魔法半減、衝撃吸収、太陽の加護、楽園の加護
旗を掲げると味方全てを鼓舞し、英雄の力と太陽の加護を与える効果がある。また槍としても使うことが出来る。槍の先から放たれる強力な熱線は全てを溶解させてしまうほどの威力を誇っている。旗には表裏に別々のエンブレムが描かれている。
リープリングのアリエスマント:レア度10 防具 品質S+
重さ:20 耐久値:250 防御力:100
効果:英雄の称号を持つ者に全耐性、高飛翔、脱出、神気、英気、堅固、黄金障壁、英雄障壁、星鎧、全反射、後光、陽光、重圧、全滑走、寒無効、妨害無効、衝撃無効、圧力無効、星間行動、黄金の加護、太陽の加護
刻印:加速、魔力回復、耐水
魔法使いのローブに取り付けることが出来るフード付きのマント。ゴッドウールで作られており、サポートに特化した作りとなっている。マントの表裏には別々のエンブレムが描かれている。
そしてへーパイストスとパンドラからは金の写真立てを二つもらった。旗に関しては時間がかかっていると思ってはいたけど、この日のために残していたんだな。
問題のマントは魔法のローブを作ったときから俺へのプレゼントとして仕事を依頼していなかった伊雪がこの日のために作成を進めており、セチアと和狐、アラネアが仕上げしたらしい。肝心のエンブレムは説明では曖昧なものとなっている。これは正式に決めたわけじゃないからだろう。
一応説明するとリリーたちをイメージして作られたエンブレムは盾の中央に二刀流のドラゴンの姿があり、盾の横から天使とコウモリの羽があり、盾の裏側にあるように斜めから刀とトライデントの槍、銃、斧があり、盾の草や木が巻き付き、余っているところに妖精の羽、雪の結晶、扇が描かれていた。
グレイたちのエンブレムは旗全体を使ったもので、中央には盾でドラゴンがいるのは一緒。その盾の周囲をそれぞれの動物たちが取り囲んでいるエンブレムだ。
「詰め込みすぎな気がするけど」
「これはひと目でタクトのエンブレムだと分かるな」
「これを見ると自分たちの旗も作りたくなりますね」
「依頼をしてくれたら、作ってあげるよ」
ミュウさんはちゃっかり売り込みをしていた。
「やられたな」
「いつものお返しどす」
「嬉しいですか? お父さん」
「もちろん。大切に使わせてもらうよ」
早速装備をしてみる。するとそれを狙っていたコノハとリオーネがフードの中の取り合いをする。
「こら! 二人とも!」
「…いいな。きっとあそこは至高のベッド空間に違いない」
「小さくなって入りたいよね! ノワちゃん」
「…ん」
このフードに小さくなったリリーたちが入り、俺が運ぶ絵が脳裏に過った。他のみんなも同じ絵を考えたのか笑っている。ただこれはリリーたちが可愛い笑いだ。
結局フードに二人が入ったことで落ち着き、俺は謎の写真立てについて聞くとアインシュタインが説明してくれた。
「お主たちの結婚写真を頼まれたのじゃよ」
「もう一つはルインさんからの依頼で全員の集合写真用です」
う…嬉しいじゃないか。ルインさん、流石過ぎる手回しだ。そんなことが起きたけど、ここでやっと俺たちの結婚式祝いが始まった。みんなが料理を食べているとリリーたちが楽しみにしていた巨大ウェディングケーキが登場した。
「「大きい~!」」
「「「「綺麗~!」」」」
「「「「なんじゃこりゃ」」」」
それぞれの反応だ。リリーたちには是非綺麗という方に感想を言って欲しかったけど、敢えて言うまい。なんじゃこりゃは男のほとんどの感想だ。建物サイズのウェディングが二つも運ばれて来たら、そんなリアクションにもなるだろう。
「それではケーキをカットして、皆さんに配りますね」
「え? リリーの分じゃないの?」
「え? 私の分じゃないんですか?」
全員が固まり、俺を見る。俺としてはこのケーキを食べる中に俺もカウントされていないんだから、見られても困る。むしろ俺へのダメージを察して欲しい。
「え、えーっとね。リリーちゃんにイオンちゃん。ウェディングケーキって言うものはね。みんなで食べるものなんだよ?」
メルがそう言うとリリーとイオンは手を大きく広げて、断固阻止の構えだ。
「そうよ。リリーちゃんたちもみんなの結婚式の度にウェディングケーキを食べることになるんだから、結果的にこれよりたくさんのウェディングケーキを食べることになるのよ?」
「それならいいよ!」
「そういうことならいいですよ!」
ルインさんはリリーたちの性格をよく理解しているよ。これよりたくさん食べられると知ればリリーたちは当然そちらを選ぶからな。何よりも量が大事な二人である。
その後、巨大ウェディングケーキはみんなに振舞われた。アーサー王たちはこれが目当てで集まっている感じさえする。するとここでイオンが動いた。
「タ、タクトさん。はい、あーんです」
みんなの前でこれをしてくるか。イオンの顔が真っ赤なのでかなり勇気を出したことが分かる。するとアーレイやレッカたちが煽ってくる。
「あ、あー」
「イオンちゃん! ダメだよ! 最初はリリーが」
リリーがケーキを持ったまま、走ったことでウェディングドレスを踏んでしまい、俺目掛けてこけて来る。なんでケーキを俺の顔にぶつける体勢で倒れてくるんだ!?心眼の効果ではっきりとわかってしまう!
ここで俺に出来る選択は転んで回避か。顔面にケーキを受けるかだった。
「あ」
「…甘い」
リリーを安全に受け止めるために俺は甘んじて顔面ケーキを受けた。ここで俺が避けて椅子にリリーが当てるわけには行かなかった。
「ご、ごめーん! タクト!」
「な、何しているんですか! リリー」
「これは事故だよ! イオンちゃ~ん」
「「「「ぷ…あははははは!」」」」
俺たちは全員から大笑いを受けた。それはそうだろう。こんな古典的なギャグ光景を味わうことになるとは夢にも思わなかった。しかもウェディングケーキでだ。
「いや~…久々に笑わせて貰ったぞい。タクト」
「最近ピリピリしてばかりいたからね。うん。こうして笑ってみると色々な重みが無くなったような感じがする」
「…それは良かったですね」
「そう怖い顔をするでない。すぐに元に戻してやるわい」
せっかくの申し出だけど、俺はこれを拒否してそのまま写真撮影をすることにした。これも一つの俺たちらしい思い出だと思ったからだ。
その後、無事に写真撮影が終わるとこれで俺たちの結婚祝いパーティーは終わる。するとここでサラ姫様が遠征に向かうと言って、フリーティアを去った。これにみんながワールドイベントの空気を感じ取った。
俺はギルドにシルフィ姫様とアルスル姿のアーサー王とアインシュタインさんを呼んだ。
「わざわざわしらに話というのはエクスマキナのことかの?」
「はい。実は最近マザーシップを使って、エクスマキナの母星に行ってまして」
「うむ。そうか…エクスマキナの母星にな。ん? タクトよ。すまんがもう一度行ってくれるか?」
「聞きたくなる気持ちはわかりますが、彼は確かにエクスマキナの母星に行っているといいましたよ」
まぁ、信じられない気持ちは当然だろうな。
「それはつまりわしらがいるこの星とは異なる星にお主は行っておるということか!?」
「まぁ、そういうことになりますね」
「あっさりしすぎじゃ! そしてずるいぞ! タクトよ! わしも行きたい!」
「私もです! そんな大冒険をお一人でするなんてずる過ぎます!」
まぁ、そうなるよね。
「落ち着いてください。簡単に連れてはいけませんよ」
「まぁ、私たちがエクスマキナの立場になるわけだからね。警戒させるのは当然だろう」
「それはそうじゃが…ぐぬぬ。それでも行きたいものは行きたいぞ」
「というかこれは国際法違反だよ」
「え? 何処がですか? バトルシップやマザーシップの使用制限をされているのはこの星だけのはずですが?」
アーサー王は固まり、その後盛大に溜息を付く。シルフィ姫様とアインシュタインさんは笑っている。
「くく。各国や各ギルドまで騙すとは、やるのう。タクト」
「騙すとは人聞きが悪い」
「でも、こうなることを分かってて国際法に組んだんですよね?」
「俺は皆さんの提案に乗っただけですよ。そうですよね? アーサー王」
「確かにそうだが…はぁ、参ったよ。これは完全に我々の提案ミスだ。一応釘を刺しておくけど、宇宙からのこの星への攻撃は違反だから注意してくれ」
そこら辺は分かっているつもり。でも宇宙からの攻撃でもそれがバトルシップやマザーシップ由来のものじゃなかったら使用することが出来る。つまり宇宙からイクスが狙撃することは許可されている。最も察知されるだろうけどね。
「話を戻します。エクスマキナの星に行きたいアインシュタインさんに一つ依頼をさせてくれませんか?」
俺はエクスマキナの母星の状況ともし解決するアイテムが開発出来たら、エクスマキナの母星に行ける可能性があることを伝えた。
「マナがない状況でマナを作り出すアイテムか。また無茶なアイテムを依頼してくれるわい」
「俺も可能性がない依頼はしません。実はよく似ているアイテムがあるんですよ」
俺はクリスタルピラーを見せる。
「これは確かに似ておるが、マナがない環境を回復させるものではないな。しかもマナクリスタル限定じゃぞ」
「やっぱり無理ですか。すみません。それじゃあ、この話は忘れてください」
「待て待て! やらんとは言っておらんじゃろうが! わしは天才研究者じゃぞ」
自分で言っちゃったよ。それじゃあ、お願いしよう。
「彼女と私に話をした理由は何故かな?」
「話しておいたほうがいいと思ったからです。アインシュタインさんだけに言っていたら、後でわかると何か言ってくるでしょう」
「まぁね」
「否定はできませんね」
その後、一応情報を聞いてみたがサラ姫様は念のための遠征という話でアーサー王もウィザードオーブの事を何も知らなかった。
秘密の会議が終わると俺はナオさんにセチアと恋火の指輪を依頼してホームに帰るとグレイたちにウェディングケーキをあげて寝ることにする。その前に写真を飾らないといけないな。
「これでよしっと」
「ここに飾るんですね」
「一番目が付くからな」
「「えへへ~」」
二人とも嬉しそうだ。
「みんな笑っているね。タクト」
「あぁ。それじゃあ、寝るか」
「「はーい!」」
俺が寝ると二人が抱き着いてきた。
「タクト、ぎゅ~っとして」
「夫婦になったんですから、それぐらいはしてもらわないと困ります」
「はいはい」
俺は今日という日を絶対に忘れないと誓い、ログアウトした。




