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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
宝珠クエストとリリーたちの結婚式
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#888 反転せし魔獣の母討伐戦

グレイたちがリュカーオーンと戦い出した頃、俺たちは森の捜索をしようと思っていたけど、すぐにリリーたちがラスボスを見つけた。


「タクト…いるよ」


「どこだ?」


「下です。私たちの真下というか…森のほぼ全体に気配を感じます」


「はい? っ!?」


俺が呆気に取られていると擬態で透明になっていた超巨大な蛇の尻尾が俺たちに向かってきた。回避が出来ない。


「受け止めろ!」


「「「「おぉ!」」」」


俺たちが同時に攻撃を受け止めるとラスボスが姿を見せた。


エキドナ・リバース?

? ? ?


エキドナはギリシャ神話で数々の魔物を生み出した怪物達の母と呼ばれている蛇女だ。ラミアの進化先として登場しているが流石に森規模の大きさではない。


「俺たちが知っているエキドナじゃねーぞ」


「優しそうな天使の羽を持っているエキドナとは真逆な感じですね。流石リバースと言うだけありますか」


俺たちが冷静に言っているとエキドナが叫ぶ。すると全ての召喚獣に異常が出る。


「リリーはあなたのものにならない! リリーが好きなのはタクトなの!」


「私たちのこの気持ちはあなたなんかに屈したりしません!」


「なんで闇落ちしたのか知らないけどさ。ボクらまで同じにしないでくれる?」


「全くじゃ。お主にこの指輪と妾たちの思い出は越えられぬ。妾たちを誑かそうとした罪、ただでは済むとは思ってわおるまいな?」


リリーたちが独力で弾き、無防備なアリナや他の召喚獣たちはコノハの女神の加護と蒼穹の和魂でガードした。これが気に食わなかったのか叫び声を再び上げると超巨大な尻尾から敵が次々出現する。


ネメアLv60

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


ケルベロスLv60

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


スターヒュドラーLv60

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


キマイラLv60

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


他にも今まで登場してきたモンスターたちを次々生み出す。なるほど…これは巨獣軍団だな。更にエキドナ・リバースが町に移動を始めた。


「俺たちでなんとかするぞ! みんなに状況を伝えてくれ!」


「はい!」


「まだ制空権はこちらにある! リアン! サフィと一緒ならこいつらを抑え込めるはずだ。アリナは竜化。蒼穹と一緒に奴らの飛行を封じてくれ」


「任せてください! 行きましょう! サフィさん!」


サフィが大噴火を降らせる。


「アリナもやるの! 竜化!」


アリナと蒼穹が気流操作で時間を稼いでいる間に他のみんなも切り札を投入していく。これで空はこちらが有利に立っただろう。


「コノハたちはとにかく魔物たちを上に上げないように攻撃してくれ! 残りでエキドナ・リバースを倒すぞ!」


「「「「おぉ!」」」」


俺はセチアに伝える。


『セチア! やばいのが現れた。他のエルフたちと一緒に精霊召喚を頼む!』


『はい! ルミ! 譲渡をしてください!」


『…わかった。譲渡!』


『ありがとうございます。行きますよ! 力をお貸しください! ノーム様! 大精霊召喚!』


セチアが大精霊ノームを呼び出した。それに続く形で次々、精霊が召喚させる。どうやらルークが指示を出してくれたみたいだ。ここではクリュスやヴィヴィアンたちが妖精の輪を発動させた。


他のみんなも切り札を使い、動いてくれる。後はエンゲージバーストに誰を選ぶかだ。


「堕天使の翼があるなら、決着を付けるなら女神と天使だよな?」


「はい! 先輩!」


「私たちと共に。我が主!」


俺とリアン、ブランが指輪を掲げる。


「「「エンゲージバースト!」」」


エンゲージバーストで降臨したのは八枚の翼に天使の輪がある青い鎧を身につけた魔法戦士の姿で降臨する。手にはブリューナクとパッラースの盾を構え、腰には近衛。背にはグランアルヴリングと聖剣グラム、周囲にはブランとリアンの魔導書と槍、リアンの水晶が展開されている。


「さぁ、このしんどいクエストをここで終わりにさせてもらおうか!」


他のみんなも切り札を切り、俺たちはエキドナ・リバースと戦闘を開始した。最初に挑んだのは俺とリリー、イオンの三人同時攻撃だ。


「剣のルーン! 貫け! ペネトレーター!」


「カラミティカリバー!」


「グランドサザンクロス!」


俺たちの攻撃に対してエキドナ・リバースは今まで見たことがない分厚い障壁を展開する。この障壁にリリーたちの攻撃はびくともせず、ブリューナクは貫通するかと思ったが、障壁の分厚さがブリューナク以上のため、届かなかった。


「こんなブリューナクの攻略法ありかよ」


俺はブリューナクを引き戻し、後ろに下がると構え直したリリーが攻撃する。


「天涯両断!」


リリーの光の巨剣で俺たちが攻撃したところをしっかり狙ったが、エキドナ・リバースは気にすることなく前に進む。


「お、押される~」


「デウスツインエネルギーブレード! 出力最大!」


「…影創造。んん!」


「グランドスマッシュ!」


イクスも魔力の巨剣を作り出し、ノワは巨大な影の大鎌を作るとファリーダと同時に攻撃を加えるがビクともしない。


「これならどうだ!」


俺はブリューナクを投げると未来を見る。やばい!


「戻れ! ブリューナク!」


エキドナ・リバースは空間歪曲でブリューナクを吸い込むとリリーを狙ったがギリギリ俺たちの手元に戻った。


『あ、危ないよ~…タクト』


『悪かった』


今のは俺もヒヤッとした。これでブリューナクを投げるのが困難になった。その間に同じサイズのノームが巨大なハンマーで分厚い障壁に攻撃を加える。しかしそれでもノームが押されてしまう。


「止まりやがれ! ドラゴンダイブ!」


「エンジェルダイブ!」


タクマとアロマが攻撃を加えていると俺たちの後ろで異変が発生した。優牙のスーパームーンだ。すると俺のところにアルさんが来る。


「このままだとまずいですよ。タクトさん。エキドナ・リバースの攻撃範囲にもし城壁が入ったら、一撃で終わってしまうかもしれません。まずは進行を止めないと」


「そうですね」


ちょっと攻撃に頭が一杯になっていたな。反省。


『イオン、ノワ、セフォネ、コノハ、白夜、ダーレー、伊雪、スピカ、ジーク! あいつの動きを止めてくれ!』


「はい! セフォネたちは鎖を! コノハ、伊雪! 私たちで凍らせますよ! 白夜さんは木と地面で動きを止めてみてください」


「はい! イオンお姉様!」


「任せよ! 冥府鎖!」


イオンはしっかり俺の意図を理解してくれたな。


「俺はちょっとここを離れます」


「作戦があるんですね。時間稼ぎは任せてください」


俺は秘密兵器のところに向かう。その間にイオンは瀑布を使い、コノハと二人で氷獄と氷牢で凍らせにかかるが完全に凍らせることは出来ず、尻尾が動くだけで氷結が砕ける。これは大地操作や樹海操作を使っても同じだった。


攻撃も続けているが障壁を突破しない限り攻撃を当てることが出来ない。


「「「「止まれ(止まって)ー!」」」」


リュカーオーンたちと戦っていたみんなも加わり、止めにかかるが止まらない。その時後方から黄金の光が空に上がる。エキドナ・リバースをそれを目で追う。俺が投げたブリューナクだから警戒するのは当然だ。


「タクトさんからの合図です! 皆さん!」


「みんな! エキドナ・リバースから一時退避! ここで決めるよ!」


『『『『テレポーテーション』』』』


全員がエキドナ・リバースから離れたと同時にエキドナ・リバースの正面に俺とユウィル、黒鉄、チェスが現れる。黒鉄は既に手をドリルに変えて、発射体制だ。


この瞬間、エキドナ・リバースは初めて命の危機を感じた。黒鉄のドリルレールガンロケットパンチは防がなければならない。障壁で止めれないなら空間歪曲が最適。しかしここで空間歪曲を使うとブリューナクがフリーになってしまう。


俺がどうするのか見ているとなんと空間歪曲を二つ作り出した。しかしみんなの妨害を防ぐためには障壁の内側に空間歪曲を作るしかない。結果、黒鉄のドリルレールガンロケットパンチとブリューナクが見事に障壁を貫き、空間歪曲に吸い込まれる。


そして全員が攻撃を畳み掛け、中でも強力だったのがゲイルでたっぷり充電してからの荷電光線は小さな荷電粒子砲に匹敵していた。他のみんなの攻撃もあり、障壁を破壊させると竜化したアリナとチェス、サフィ、ストラ、ジークが体当たりをして、エキドナ・リバースを遠退ける。


「アァアアアア!」


ここでエキドナ・リバースは初めて口から特大の暗黒ブレス放ち、四人をぶっ飛ばした。それで十分だ。レッカたちからの一斉上級魔法がエキドナ・リバースに降り注いだ。俺はその間にブリューナクを手元に戻して黒鉄にシンクロビジョンを使う。


「まだ生きてる! 流星群!」


「ここで一気に仕留めますよ! ドラゴンブレス!」


「「ハーミットブレス!」」


「「「魔王波動!」」」


みんなが攻撃する中、エキドナ・リバースは城壁に手を向ける。その瞬間、黒鉄の空間探知に反応を示した。


『テレポーテーション』


城壁の前に現れた空間歪曲だが、俺が転移させた虎徹によって、空間歪曲は斬られて不発した。これで心配要素は無くなった。


「一気に決めるぞ! リアン! ブラン!」


『『はい!』』


二人と超連携が発動する。俺がブリューナクに神撃と神罰が宿り、更に俺たちの前方にレールガンの魔法陣がありったけ展開される。


「アァアアアア!」


これを阻止しようとエキドナ・リバースの体中から目玉が発生し、全員に死滅光線を放ち、空からは黒雷が降り注ぐ。そして俺にエキドナ・リバースは手を向け、巨大な尻尾が森を破壊しながら、城壁に迫る。


「やらせるか! 白熱刃!」


「お父さんの邪魔はさせません! 白熱刃!」


死滅光線をくぐり抜けた竜人化したダーレーと伊雪が白熱刃でエキドナ・リバースの手を斬り落とす。


「電磁操作! いけー! 武装射出!」


黒鉄の上にいたユウェルが作り出した武装を全てレールガンとしてエキドナ・リバースに撃ち出し、同時に黒鉄がミサイルを撃った。全て命中し、翼がボロボロになり、怯んだエキドナ・リバースだが、尻尾は止まっていない。


「亀ちゃんたち! 集団体当たりだよ! 他のみんなもお願い!」


城壁で指揮を取っていたマヤさんの指示で夕凪たちが一斉に尻尾にぶつかることで止めに入るが押される。しかし勢いを止めることには成功しており、巨人や月輝夜たちオーガ、ベヒモスなどが攻撃を止めに入った。


「「狐技! ハーミットテイル」」


「狐技! ナインテイル!」


恋火と和狐、狐子の尻尾がエキドナ・リバースの尻尾を上から叩きつける。


「地獄の炎で焼いてあげるわ。獄炎! 煉獄!」


「ガァアア!」


大炎上するエキドナ・リバースの長い尻尾を虎徹が宝刀解放を使った三日月宗近によって、斬り裂かれた。これで尻尾も封じた。満を持して燃え上がるエキドナ・リバースにリリーたちが襲い掛かった。


「流水乱舞! シフォンさん!」


「シルフィードダンス!」


「これで終わりじゃ! チャージスライサー!」


イオンが容赦なく、エキドナ・リバースの顔に流水乱舞を浴びせると終わったと同時にシフォンがシルフィードダンスで攻撃を加える。それが終わるとセフォネが脳天にハルペーの一撃を浴びせた。これで不死も使えない。


「天涯両断!」


「…影創造。大きな剣。やー」


「デウスツインエネルギーブレード! 出力最大! マスターカリバー!」


「ガァアア!」


リリーとイクスが両肩からバツの字に斬り裂き、ノワがリリーたちと同規模の影の剣を作ると下部から横切りした。


それにしてもイクスの技にそんな技名はない。その証拠に最初は使っていなかった。きっとみんながカリバーとよく叫ぶから真似したに違いない。


「「「「タクト(さん)!」」」」


「あぁ! 終わりだ!」


「アァアアアア!」


俺たちはブリューナクを構えた状態で魔法陣に飛び込むと触れる度に稲妻を帯び、どんどん加速していく。対するエキドナ・リバースは口から神魔毒ブレスを使ってきた。


「『『いけぇえええ!』』」


俺たちは神魔毒ブレスを貫いていき、そのままエキドナ・リバースの胸を貫き、フィールドの端まで全てを貫いてしまった。


そして貫かれたエキドナ・リバースは体の内部から神罰と神撃が発生し、体中から閃光が放たれると大爆発した。


「「「「勝った~! きゃあ!?」」」」


「「「「よっしゃー! うお!?」」」」


「「「「ガァアア!」」」」


みんなが喜びの声を挙げているとまだ残っていたエキドナ・リバースの魔獣たちから攻撃を受けた。魔獣たちは一斉に逆鱗や狂戦士化を使い、暴れ出す。母親を殺されたのだから怒って当然だな。


みんながバトルを再開しているとは知らない俺たちはフィールドの境界の壁にぶつかっていた。


「痛くはないけど、やり過ぎだな」


『ロコモコちゃん、さまさまですね』


『何事も加減が重要と言ったところでしょうか』


「だな…でも勝ったならそれでいいさ。それじゃあ、遠いけどみんなの所まで戻るか」


『『はい!』』


俺たちが歩いている間にインフォが来た。


『おめでとうございます! ギルドクエスト『暴走した巨獣軍団から町を守れ』をクリアしました。報酬は町長からお受け取りください』


『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント3ptを獲得しました』

『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント3ptを獲得しました』

『刀のレベルが50に到達しました。刀【閃影】を取得しました』

『セチアの土魔法のレベルが30に到達しました。土魔法【アースクェイク】、【レジストストーン】を取得しました』

『セチアの土魔法が地魔法に進化しました。地魔法【メテオ】、【シンクホール】を取得しました』

『恋火の仙術のレベルが30に到達しました。仙術【仙郷移動(せんきょういどう)】を取得しました』

『クリュスの槍のレベルが30に到達しました。槍【三連星】を取得しました』


仲良く全員レベルアップしたみたいだ。イベントよりも人数が少ないからな。


俺はステータス操作をしながら歩く。ステータスポイントは俊敏値に回して、残りのスキルポイントは83ptとなった。俺が付くころにはボロボロのみんなの姿があり、早く帰らなかったことを怒られました。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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[一言] ボスを見て一言。絶対魔獣戦線バビロニア
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