#886 初めてのギルドクエスト
遅い夕飯を食べた俺は約束の時間前にログインするとリリーたちがお待ちかねの料理を完成させる。
古代鯨王のクリームソテー:レア度10 料理 品質S+
効果:満腹度全回復、生命力全回復、魔力全回復、二時間状態異常無効、二時間生命力回復(究)、二時間魔力回復(究)、三時間全ステータス上昇(究)、三時間英気、二時間寒無効、二時間黄金の加護、全状態異常解除、一回蘇生
古代鯨王の鯨肉をオリーブオイルで高温で焼き、上からゴッドシープミルクで作ったクリームをかけた料理。効果もさることながら一口で満腹感と幸福感を味わえる料理となっている。
アリエスのクリームシチュー:レア度10 料理 品質S+
効果:満腹感90%回復、生命力全回復、魔力全回復、二時間状態異常無効、二時間生命力回復(究)、三時間魔力回復(究)、二時間全ステータス上昇(究)、二時間英気、三時間寒無効、二時間黄金の加護、全状態異常解除、一回蘇生
ゴッドシープミルクを使った野菜たっぷりのシチュー。飲むだけで体が温まり、凍死寸前の者を一口飲むだけで元気にさせるほどの美味しさを誇る。
完成させて、振り返るとシルフィ姫様の妖精がいて、紙を見せてくる。
『私もその料理を食べたいです! それとソーマ酒の許可が出たので、一緒にその子に渡してください』
完全に料理を狙っていた。
「はー…入れ物に入れるからちょっと待ってくれ。君も食べるだろう?」
シルフィ姫様の妖精が喜ぶ。そしてシチューをリクエストした。俺は料理だけ渡して、ソーマ酒は主治医のヒポクラテスさんから貰うように伝えた。
シルフィ姫様の魔素問題が解決後、魔素の研究をしていたらしいヒポクラテスさんは、現在はソーマ酒の研究も並行してしているらしいのだ。
シルフィ姫様が全力で戦い続けるためにソーマ酒は重要だし、ソーマ酒と同じ効果の薬が作れたら、これはかなり有用な薬となるだろう。
シルフィ姫様の妖精がいなくなると既に料理を並び終えたリリーたちとご飯を食べる。するとリリーたちが何も言わず、ただ尻尾や耳、羽を激しく動かして美味しさを表現する。頼むから椅子や机を壊す事態だけは起きないで欲しい。
効果も凄いけど、それより俺は普通のクリームソテーで満腹度を全回復させてくれる古代鯨王の鯨肉の素晴らしさを称えたい。なんて経済的なお肉なんだ!
「タクト~。物足りないよ~」
「満腹度がいっぱいならお腹いっぱいなの」
「私たちはいっぱいになっておりません」
「九割回復したら、十分だ。ほら、食べ終わったなら戦う準備をするぞ。宝石とか色々準備しないといけないんだからな」
俺がそういったことでリオーネが足にすり寄って来た。現金な奴だ。その後、準備を整えた俺はギルドに向かう。中に入ると完全武装したギルドメンバーが揃っていた。
「気合十分ですね」
「知らない間に装備を一新しているお前にだけは言われたくないと思うぞ?」
「「「「うんうん」」」」
それもそうか。まだメンバーが集まっておらず、俺たちに付与されているとんでもない料理バフについて追及される。
「私たちの分は?」
「ありません」
「なんで作ってくれなかったの?」
「余分に作って残ると思ったら、大間違いだぞ?」
俺は断言できる。余分に作れば必ずリリーたちは全てを食べるに違いない。ここで待っている最後の人が集まり、俺は初めてのギルドクエストに挑んだ。
転移した先は城壁がある大きな町の中だ。するとNPCがやってきた。
「あぁ! 良かった! ギルドの方たちですよね?」
「はい。そうです」
「私はこの町の町長です!今、この町の近くにある森に生息している魔獣が暴走した状態でこの町に向かってきていると報告を受けました! 今から避難をしたのでは、到底間に合いません。どうかこの町にいる多くの命をお救いください!」
話が重いな。
「わかりました。お引き受けいたします」
「あぁ! ありがとうございます! 魔獣は向こうの方向からやって来るそうです! よろしくお願いします!」
そう言うと町長はいなくなった。不思議と逃げたように見える。
「盛り上がって来たんじゃねーか!」
「タクト君がいるとアーレイ君は元気になるね」
「水を得た魚ね」
「それを言うなら魚だぞ!」
「「「「魚であっているぞ(よ)」」」」
アーレイに味方がいなかった。中には言っていない人もいるから魚と読んでいた人たちかも知れない。
俺たちは迎撃ポイントに向かうとカウントダウンが始まっていた。
「これが終わるとクエスト開始みたいだね」
「レギオン召喚! 事前召喚は出来ないか」
「プレイヤーの数に召喚獣を含めていないからこれぐらいは目をつぶらないとね」
それもそうか。俺たちは陣形を整える。後方は与一さんたち、レッカたち。中堅にメルたちやシフォンたちなどの騎士たち。前線は満月さんたちと召喚師たち。最前線は俺が務めることになった。
「何か変じゃないか?」
「ギルマスが最前線で戦うことなんてよくある話ですよ!」
「まぁ、巨獣に同じ大きさの召喚獣をぶつけるのはセオリーと言えなくもないかと」
そうかな?最前線に召喚師がいるこの状況は凄く変だと思うんだけど…そんなことを思っているとカウントダウンが十秒前になる。
「来るぞ。戦闘準備!」
全員が武器を構える。そしてカウントが無くなり、クエスト開始となった。
「「「「レギオン召喚!」」」」
俺たちが一斉にレギオン召喚し、空と地上に部隊を展開する。俺はエアリーとコーラルだけお留守番だ。理由はレベルが上がらないからです。すると早速敵が出てきた。
ジャイアント・センティピードLv48
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
ジャイアント・ビートルLv48
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
ジャイアント・スタッグ ビートルLv48
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
現れたのは巨大なムカデ、カブトムシ、クワガタムシだ。運営に言いたい。巨獣じゃねー!
「「「「きも!?」」」」
「「「「無理!」」」」
早くも女性陣は全滅状態だ。そんな中、リリーたちは怯まない。
「行くよ! みんな! 突撃!」
「「「「おぉ!」」」」
最初はリリーがジャイアント・センティピードに仕掛ける。
「カラミティカリバー!」
ジャイアント・センティピードがカラミティカリバーの大爆発を受けるとバラバラになったと思ったら、それぞれの身体が動いて、こちらに向かってきた。
「分裂か」
「ですね。矢舞雨!」
セチアが放った矢舞雨が分裂したジャイアント・センティピードに命中するとウルイチイボウの効果で動きを封じる。
「燎刃、お願い出来ますか?」
「お任せを!」
しっかり燎刃に任せるところは流石セチアだ。
『リリー、さっきの奴らは俺たちが引き受けるからジャイアント・ビートルとジャイアント・スタッグ ビートルを相手にしてくれ』
『わかった! わ!』
リリーがジャイアント・ビートルのタックルを受けたがリリーは踏みとどまる。
「パワーじゃ負けないよ! カラミティカリバー!」
ジャイアント・ビートルはこれを受けるが吹っ飛ばされつつ、再度リリーにぶつかってくる。
「硬いけど、何度でも止めてあげる!」
結構レベルが高いだけはあるか。ジャイアント・ビートルと戦っているのは、他にはブラン、ファリーダ、ユウェル、ゲイル、月輝夜がいる。
この中で最初にジャイアント・ビートルを倒したのはファリーダだった。イフアックスの高熱切断がジャイアント・ビートルの硬い体を見事に斬り裂いた。
次は月輝夜。ジャイアント・ビートルの角と金剛戦斧がぶつかり合うと角が砕けて、そのまま潰した。
遅れてしまったゲイルだが、ジャイアント・ビートルを弱点の下から雷光刃で貫いて倒した。それを見たブランがすぐさまジャイアント・ビートルの下から槍で貫いた。
ユウェルはリリーと一緒に白熱の力比べをしていた。こういうところは似なくていいのにね。
一方、ジャイアント・スタッグ ビートルと戦っているのはイオン、恋火、虎徹、チェス、ジークだ。全員が何故か鋏を受けてから攻撃していることから何かしらの能力は持っているんだと思うが、イオンたちはあっさり弾いて、返り討ちにしていた。
苦戦したのがジーク。どうやらジャイアント・スタッグ ビートルは大きな敵に強いみたいだ。それでも至近距離からのドラゴンブレスで倒していたけどね。
ここまでは俺たちが戦っていると徐々に森から現れる速さが上げってくる。
「突破されちゃうよ! 兄ちゃん!」
「いや、まだまだ大丈夫だろう。全員の場を動かないでくれ。アラネア、頼む」
「はい。巣窟縛り!」
一瞬で張り巡らされた粘着糸によって、虫たち全てを捕まえた。
「「「「すご…」」」」
みんなが圧倒している間にリリーたちが捕まった哀れな虫たちを倒していく。それを見て、敵を倒すチャンスだと思いアーレイたちは討伐に動いた。
暫くすると別の敵が現れた。
カリュドーン・ボア?
? ? ?
これは巨獣だな。
「カリュドーンの猪!?」
「ちょっと待て。こいつは確かギリシャ神話の英雄たちが総出で狩りをしたんじゃなかったか!?」
「そうね。それで確か何人も犠牲者が出たのよ」
「女神アルテミスが野に放った聖獣って話だったのよね?」
みんなが説明してくれるので、俺は戦いに集中だ。ここでボアハンターのリリーが挑む。
「ボアなら任せて! ドラゴンダイブ!」
リリーとカリュドーン・ボアがぶつかり合う。
「うぎぎぎぎ~! 負けないよ~!」
「フゴ!」
「キャアアア!?」
ぶつかりあったリリーだが、結局負けてふっ飛ばされる。
「メ!」
「もぐもぐ~。もぐもぐ(ありがとう~。ロコモコ)」
ロコモコが体でリリーを受け止めて、頭からロコモコにダイブしたリリーが感謝を言っていた。さて、リリーのドラゴンダイブで止められないならここは黒鉄に任せよう。
「黒鉄、頼む」
俺の指示を受けて、黒鉄は両手をドリルに変化させると背中のブースターを噴かして、カリュドーン・ボアにぶつかる。しかしドリルはカリュドーン・ボアの毛皮を突破出来ない。
しかし進化した黒鉄はこんなものではない。ドリルから稲妻が走り、真っ赤になると次の瞬間、至近距離からのレールガンドリルロケットパンチが放たれ、カリュドーン・ボアは吹っ飛ぶ。
「「「「かっけー!」」」」
俺を含めた男性プレイヤーたちはみんな感動する。しかしカリュドーン・ボアは起き上がると額に穴が空いていた。どうやらカリュドーン・ボアを貫通したようだ。
「フゴォオオオオオ!」
ここでカリュドーン・ボアは逆鱗を発動させると再度突っ込んできた。これに対して黒鉄は胸から銃口を出現させると放射熱線を放った。カリュドーン・ボアはこれを浴びながらも突進するが結果はぶっ飛ばされる。
更に黒鉄は腕を巨大ハンマーに変えると腕を伸ばして、巨大ハンマーでカリュドーン・ボアを潰した。荷重操作も加わった攻撃だ。これは効いたな。そう思っていると雷放電まで巨大ハンマーから発生し、これが完全に止めとなった。
「お疲れ様。黒鉄。かっこよかったぞ」
俺が褒めると体から蒸気を出す。嬉しいのかな?俺が倒したので、解体する。するとリリーが後ろから抱きついてきた。
「タクト、新しいお肉出た~?」
「毛皮だけだな」
「…おに」
「出なかったって」
リリーが背中からずり落ちる。遊んでいるな。
「リリー…真面目にしてください」
「…ん。このままだとお肉が手に入ってもリリーだけ食べれなくなる」
「えぇ!? リリーは真面目にやっているよ! タクト!」
「マスター、かなりの敵が来ます」
これで終わるわけないよな。軍団じゃないもん。
「良かったな。リリー、まだお肉のチャンスがあるぞ」
「頑張る!」
「でも、ここは一度下がるぞ」
ずっと戦い続けていたら、身が持たない。それに折角の集団戦なのだ。任せれる所はみんなに任せたい。
『レッカ』
『準備は完璧だよ』
次に現れたのが、こいつら。
エリュマントス・ボアLv55
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
アクタイオーンLv55
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
ライラプスLv52
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
テウメソスアレプーLv52
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
ギリシャ神話ラッシュ。上から猪、鹿、犬、狐だ。カリュドーン・ボアよりは小さいがそれでも十分巨獣と言っていいサイズだ。テウメソスアレプーは俺たちが倒してきた奴よりかなり大きい。
こいつらが群れで現れ、レッカたちの魔法使いと与一さんたち銃士、トリスタンさんたちの狩人たちの一斉攻撃が放たれるとエリュマントス・ボアたちは加速し、アクタイオーンとテウメソスエアプーたちは攻撃の範囲から逃れる。ライラプスは死ぬ前に背中に装備していた槍をアーバレストのように射出してきた。
「数が多すぎる上に強い!」
「あの槍はたぶん必中の槍だよ! 弾いてもダメ! 破壊して!」
メルは流石の判断能力だ。ライラプスはテウメソスアレプーを捕まえるために放たれた猟犬だ。以前にも話したけど、この勝負はお互いの能力上決着がつくことが無かった。あの槍がライラプスの能力を持っていると仮定するなら当然の判断だ。
「召喚師たちでまずはエリュマントス・ボアを止めるぞ! 満月さん!」
「あぁ! 抜けてきた敵は任せてくれ! 一匹たりともここは通さん!」
「私たちはアクタイオーンを倒すよ! 何せ女神アルテミスの水浴びを覗いた女の敵だからね!」
「ならわいらはテウメソスアレプーを狙うで! 手の内は分かっとるんや。一体ずつ確実に仕留めるで!」
メルの暴露に女性陣はアクタイオーンを狙う。一方ライラプスが放った槍はアルさんたちによって、破壊され、レイジさんたちがテウメソスアレプーと追いかけっこをしている。地上では乱闘状態だ。
アルさんたちが援護に向かおうとすると空からも敵がやってきた。
ステュムパリデス・オルニスLv60
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
ギリシャ神話に登場する怪鳥の群れが現れた。その瞬間、城壁の前から星矢と氷柱が飛んできて、ステュムパリデス・オルニスを追尾して、撃ち落とす。チェスの仕業だ。しかし流石に数が多い。
そいつらが一斉に羽投擲をしてくる。これをアルさんたちは防ぎきれず、羽が当たると起爆して次々墜落してしまう。
更にこの羽が後続部隊と城壁に襲いかかる。しかし城壁には最強の守り手がいる。降り注ぐ羽投擲をぷよ助が全て吸い寄せ、食べてしまった。
ぷよ助に危険を感じたのか一斉に口から竜巻のブレスを放ってきたがこれもぷよ助は真っ向から受けて防いだ。ぷよ助に風は通じない。そしてぷよ助が体を伸ばすとステュムパリデス・オルニスを捕まえて丸ごと呑み込み、綺麗に消滅された。
ステュムパリデス・オルニスが血の気が引いている背後からコノハたちが爪で蹴り、地上からはユウェルたちは引力操作で引き寄せるとぷよ助が全て食べる。中々酷い光景だ。楽勝モードではあるがステュムパリデス・オルニスが次々やって来ると不利になってくる。何より制空権を取られると地上も戦闘に集中出来なくなる。
「まずいぞ! タクト!」
「あぁ…リリー! ここは任せるぞ!」
「任せて! タクト! お肉は残さないから!」
すっかり元の調子に戻ったな。これなら安心だ。ノワとセフォネ、アラネア、ミールたちがしっかり足止めしてくれているし、厄介なテウメソスアレプーは白夜が圧倒していた。これなら離れても大丈夫だろう。
「イオン! リビナ! リアン! サフィ! 一緒に空へ上げるぞ!」
「「「はい(任せて)!」」」
俺はダーレーと共に空へ上げる。するとステュムパリデス・オルニスたちは急旋回すると体を炎上させ、俺に向かってくる。するとリアンとサフィが前に出た。
「先輩はやらせません! 行きますよ! サフィさん!」
「ぼえー!」
二人が超連携を使う。サフィの角から星の輝きを放ち、リアンが突き出す槍から渦巻く海流が発生し、二人を包み込むとステュムパリデス・オルニスたちとぶつかると全て弾き飛ばす。それをアリナたちや復帰したチロルたちが狩る。
『つえーのが来るぜ』
ダーレーの知らせ通り、森から謎の鳥がリアンとサフィに襲い掛かられると吹っ飛ばされ、身体中を斬り裂かれた。
「リアン! サフィ! っ!?」
俺にも襲いかかってきた謎の鳥と近衛がぶつかり合う。そこで識別出来た。
スィエラクシフォス・オルニス?
? ? ?
その鳥は羽毛が刃になっている鳥だった。こんな鳥は存在していない。
「お前の体が俺の刀に勝てると思うな!」
『そうだ! そんな奴、叩き斬ってやれ! タクト!』
俺はダーレーの力もスィエラクシフォス・オルニスを弾き、片翼をぶった斬ると雷轟を受けながら墜落する。するとスィエラクシフォス・オルニスは失った片翼を復活させて、体を回転させると巨大竜巻となって、城壁に襲いかかる。
「喧嘩を売ったのに俺たちを無視するとは礼儀がなっていない鳥だな」
『同感だ』
「竜巻ごとぶった斬るぞ! ダーレー!」
『それは爽快だろうな! 任せろ!』
ダーレーがスィエラクシフォス・オルニスの前に先回りすると俺とダーレーの超連携が発動する。ダーレーの浄火が近衛に宿り、巨大な浄火の刃が出現する。
『行くぜ!』
「あぁ! ぶった斬れ! 近衛!」
俺とダーレーの炎の刃はスィエラクシフォス・オルニスの竜巻を横一閃に斬り裂き、竜巻の中心にいたスィエラクシフォス・オルニスも両断し、雷轟と紅炎の追撃で倒した。
『は! ざまーみやがれ!』
ダーレーがそう言うとスィエラクシフォス・オルニスが新たなに二羽追加された。すると今度は刃の羽が分離すると魔力の刃が発生し、俺たちに向けて飛んできた。
これをイクスが全て撃ち落とした。
「マスター。ここはわたしに任せてください」
ソードフライヤーのパクりをされて怒ってらっしゃる。
「なら任せる」
「ありがとうございます。マスター。デウスレーザーフライヤー、展開」
生まれ変わったレーザーフライヤーが展開させると次の瞬間スィエラクシフォス・オルニスの背後から撃ち抜いた。スィエラクシフォス・オルニスは撃たれたほうを見るが既にデウスレーザーフライヤーの姿はなく、また背後から撃たれる。
デウスレーザーフライヤーの動きが光速でスィエラクシフォス・オルニスは完全について行けていない。たまらず、その場から神速で逃げ出すがその間も撃たれ続ける。
するともう一匹のスィエラクシフォス・オルニスがこちらに羽を飛ばして来た。今度は四つの蒼い宝珠から雷轟が放たれ、全て消し飛ばした。蒼穹だ。
四つの蒼い宝珠がスィエラクシフォス・オルニスに向かっていくとスィエラクシフォス・オルニスは危険を感じ、逃げ出そうとするが蒼穹は逃げ先を読んでおり、竜爪で捕まえると首に噛み付き体を巻き付かせ、締め付ける。完全に決まったな。
スィエラクシフォス・オルニスも鎌鼬でなんとかしようとするがそんな攻撃無視して、蒼穹はスィエラクシフォス・オルニスも締め付け続けて、圧死させた。
そしてイクスにいじめられているスィエラクシフォス・オルニスは遂に墜落するとイクスが構えたデウスエネルギーキャノンに撃ち抜かれ、消し飛んだ。威力も上げっているけど、それよりチャージ時間なしでぶっぱなしたぞ。これがデウスエクスマキナの装備の力か。
「マスターからの熱視線を観測。照れてしまいます。マスター」
「全く照れていない顔で報告しても意味ないぞ」
するとまた森から新たな敵が姿を見せた。
ランナウェイ・マンモス?
? ? ?
家出マンモス?いやこの場合は暴走マンモスか?いずれにしてもこれはオリジナル。というかマンモスの大群はやばい。あちこち大変すぎる!
「チロルたち、空は任せる! イオンたちはこのまま空の敵を倒してくれ!」
「「はい!」」
俺はダーレーと共にランナウェイ・マンモスに向かった。




