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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
宝珠クエストとリリーたちの結婚式
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#868 ロコモコの試練

俺はまた獣魔ギルドに来て、ロコモコのクエストを受ける。内容はこちら。


ギルドクエスト『星金羊毛の試練』:難易度S+

報酬:星金羊毛の宝珠

金羊毛の守護竜から星金羊毛の宝珠を奪え。


お、おう。俺はいつからアルゴー船の船員になったんだろうか?内容が金羊毛から星金羊毛の宝珠に変わっただけだろう…これ!


確かこのドラゴンは眠らないドラゴンで魔女メーデイアの魔法の子守唄で眠らせられる話だったな。その隙に金羊毛を奪われてしまう間抜けなドラゴンとして登場している。


このため強いのかどうか謎だ。一つだけ言えることは魔法のスリープはきっと効かないということだね。こうなると強引に奪うしかないわけだが、苦戦しそうだな。


「ま、やってみるか」


「頑張ってくださいね! 応援してます!」


「…はい」


滅茶苦茶ハイのネフィさんに送り出される形でクエストを実行する。完全に進化したロコモコを狙っているな…ネフィさん。


俺とロコモコは洞窟の中に転移した。すると目の前に雷と共に白髪のムキムキの爺さんが現れた。まぁ、金羊毛の試練ならこの神様が登場するだろうな。


「我が名は雷霆主神ゼウス。アテナに注目されし召喚師よ。ついて来るがいい」


「はい。行くぞ。ロコモコ」


「メ~」


ゼウスの案内でついていくと目の前にドーム状の空間に案内される。その中央には巨大なブナの木とそこに巻きついている蛇タイプの黄金のドラゴンがいた。


プロテクションドラゴン?

? ? ?


めっちゃこっちを見ているよ。


「星金羊毛の宝珠はあのブナの木の頂上にある。プロテクションドラゴンを乗り越えて見事星金羊毛の宝珠を手に入れてみよ」


そういうとゼウスはいなくなった。無愛想なマッチョ爺さんだったな。確認すると巨大なブナの木の周囲には七色の障壁が張られている。


空間歪曲やテレポートで簡単に手に入ると思っていると当然のようにそれは出来ない。恐らくあの障壁のせいだろう。つまりまずはあの障壁を突破しないといけないってことだな。


幸い灯りはプロテクションドラゴンのお陰で確保出来ている。相手がドラゴンなら遠慮は無用だ。選んだ武器はブリューナク。これでまずは障壁を破壊させて貰うとしよう。


「障壁は俺が突破するからロコモコはそれまで回避に徹してくれ。障壁を破ることが出来たら攻撃をしてくれ」


「メ!」


「いい子だ。行くぞ。ロコモコ」


「メ~!」


俺たちが飛び出すとまずはブリューナクを投げる。すると七色の障壁に阻まれるが一番外側の赤色の障壁が無くなる。どうやら虹のように光の障壁が貼られているみたいだ。つまり後六回のブリューナクの投擲で障壁は無くなるわけだな。


「戻れ! ブリューナク!」


「メ~!」


「ロコモコ!?」


俺がブリューナクを手元に戻している間にロコモコは障壁に向かっていく。ロコモコが俺の指示を無視するとは思えない。ならばこれは挑発スキルか!俺は駆け出すがロコモコは障壁に体当たりする。当然障壁は無傷でロコモコの周囲に黄金障壁が離れて、ロコモコは閉じ込められてしまった。


この野郎…俺たちを見ていたのはロコモコを狙っていたからかよ。ふざけやがって。


ロコモコは放電を使うが、びくともしない。


「メ~…」


ロコモコがドナドナされていく子牛のような顔で俺を見つめてきた。ロコモコの背後からはプロテクションドラゴンが迫っている。完全に食べる気満々だ。やらせるか!


俺は転瞬で黄金障壁の前に現れるとブリューナクで黄金障壁を破壊する。


「メ~!」


「うお」


ロコモコが脱出したと同時に俺にぶつかってきた。余程怖かったらしい。するとプロテクションドラゴンの息を吸い込む姿があった。


「躱せ! ロコモコ!」


「メ!」


「シャァアアア!」


プロテクションドラゴンが使ったのは神魔毒ブレス。それを俺はロコモコの毛に捕まることでロコモコと共に回避した。そこで俺は思い出す。そういえばチロルたちがゴールドシープに乗って戦闘していたな。


「ロコモコ、背中に乗っていいか?」


「メ!」


了承を得たので、俺はロコモコの背中に乗ると足が毛に沈み込む。騎乗スキルがないこともあり、少し不安はあるがこれなら立ちながらでも戦闘が出来そうだ。


「気分は孫悟空だな。こりゃあ」


完全に感触が觔斗雲きんとうんなのだ。ロコモコの場合だと金斗雲きんとうんのほうがいいのかも知れない。スピードは本家と比べると完全に負けているんだろうな。


「回避は任せるぞ。ロコモコ」


「メ!」


これならロコモコを閉じ込めるためには俺も必ず一緒となる。さっきのようなことは出来ないだろう。案の定、プロテクションドラゴンは黄金の炎ブレスを使ってきた。


「貫け! ブリューナク!」


黄金の炎ブレスをブリューナクは貫いて、そのまま橙色の障壁も破壊する。


「戻れ! ブリューナク!」


「シャー!」


「メ!」


プロテクションドラゴンの目から日光が放たれるがロコモコは上昇することで攻撃を躱した。


「その調子で頼むぞ。ロコモコ」


「メ!」


「行け! ブリューナク!」


これで黄色の障壁を破壊した。残り四枚!


「戻」


「シャーー!」


プロテクションドラゴンが次は雷ブレスを使ってきた。広範囲で回避しづらいブレスだ。


「メーー!」


「うおっ!? とっと。あぶねぇ」


ロコモコは急降下し、見事に射線上から外れたが俺はバランスを崩して、慌ててロコモコの毛に捕まることで助かった。ブリューナクを手元に戻して、投擲すると緑の障壁を破壊した。


「シャー!」


「ロコモコ! 上だ!」


「メ!?」


上から雷雨が降ってきた。これは流石にロコモコは回避出来ない。


「空間歪曲! そら! お前が食らっとけ!」


プロテクションドラゴンの頭上に雷雨を返すが障壁に阻まれる。わかっていたよ。畜生。


「戻れ! ブリューナク!」


「シャーーー!」


「メーー!」


ロコモコがプロテクションドラゴンの神魔毒ブレスを急上昇で躱した後に俺はブリューナクを投擲する。これで青の障壁を破壊した。


「シャアアア…」


プロテクションドラゴンが様子が変化する。ブリューナクを戻しつつ様子を伺っているとプロテクションドラゴンの鱗が外れると鱗が俺たち目かげて飛んできた。スキルが多すぎだぞ!こいつ!


『レッドスプライト』


「メー!」


『トルネード』


『チェーンエクスプロージョン』


レッドスプライトを鱗は浴びるが効果なし。ロコモコが逃げてくれる間にトルネードを試すと風の影響を受けず、そのまま向かってきた。念動力で操っているせいだ。


次はチェーンエクスプロージョンで破壊を試すが破壊することが出来なかった。すると正面から鱗も鱗が飛んできた。


「メ!」


ここでロコモコがマグネットサークルを使うことで正面の鱗を止めた。その手があったな。


『『『『マグネットサークル』』』』


全ての鱗を止めたのでブリューナクを投げる。これで藍色の障壁が砕けて残り一枚だ。すると鱗がプロテクションドラゴンに戻っていく。これはチャンスだ。


「戻れ! ブリューナク! これで最後だ!」


金の鱗に邪魔されながらも紫の障壁を破壊した。これで後は星金羊毛の宝珠をゲットするだけだ。


「シャアアアアアー!」


当然簡単には行かず、プロテクションドラゴンは逆鱗を使う。それでも星金羊毛の宝珠をゲットすればこのクエストは終わりだ。


俺はロコモコから飛び出し、転瞬で一気に獲得しようとした。


「へぶ!?」


転瞬の途中で俺は障壁にぶつかる。更にその障壁は動いて俺は洞窟の壁と障壁に潰されそうになる。これは神格解放したコノハが使っていた技だ!こんなスキルを使ってくるなよ!


「メー!」


洞窟の壁と俺との間にロコモコが入って、潰されるのを防いでくれた。これで障壁は消える。


「助かった…大丈夫か? ロコモコ」


「メー」


大丈夫みたいだ。すると第六感が発動する。前を見ると次々障壁が飛んできた。


「嘘だろ!?」


『『『『レールガン』』』』


レールガン二発で障壁を一枚破壊する。しかし飛んでくる障壁が多すぎる。


「ロコモコ、行けるか」


「メ、メ~!」


ロコモコが動き、俺が回避出来ない障壁をブリューナクで破壊するが捌き切れない。ロコモコも守護を使うがそれで防げるのは一回のみだ。


最後の足掻きでブリューナクを投げるが障壁を三枚破ったところで押し返された結果、俺たちは洞窟の壁に押し付けられる。


「ぐ…戻れ。ブリューナク」


「メ~…」


このままじゃあ、どうしようもない。これを潜り抜けるのはロコモコではきつすぎる。ならばこの攻撃をしているプロテクションドラゴンを止めるしかない。


「ロコモコ…連携行けるか?」


「メ!」


「行けるか…ならこれで決めるぞ」


「メ~!」


ロコモコが急上昇する。


「剣のルーン!」


ブリューナクに七色の光の刃が発生する。これで障壁を斬り裂く。そしてロコモコとの連携が発動する。


「メ~!」


ロコモコの雷霆がブリューナクに宿る。


「ぶち抜け! ペネトレイター!」


槍武技のペネトレイターを使った状態で手を離す。


「シャー!」


これにプロテクションドラゴンは障壁をいくつも重ねて、対抗してくるが障壁を貫通するブリューナクの勢いが全く違う。次々障壁が貫通し、プロテクションドラゴンに襲いかかった。


プロテクションドラゴンは自分の尻尾でブリューナクを受けた。これでブリューナクは突き刺さってしまう。


「シャー! シャ? シャ!?」


「悪いな。頂きだ」


尻尾でガードした瞬間、プロテクションドラゴンは俺たちから目を離してしまった。これが決定的の隙となり、ロコモコから飛び出した俺は転瞬で星金羊毛の宝珠の前まで移動して、星金羊毛の宝珠をゲットした。これでクエストは終了だ。


神話では活躍が描かれないドラゴンだが、このゲームでの強さは本物だった。俺はこのドラゴンに敬意を抱いて、獣魔ギルドに戻った。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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