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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
宝珠クエストとリリーたちの結婚式
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#859 蕎麦クエストと村への襲撃

俺は八岐大蛟と戦った村にやってきた。そこで泊まっていた宿のおやっさんに交渉する。


「この村を救ってくれた兄ちゃんのおねげーなら仕方ねぇ! ついて来な…俺が教えてやるよ。蕎麦の奥深さをな!」


俺は手助けしただけなんだけどね。それに村よりも大陸が割れたことが大問題なんだけど、そんなことは知らない様子だ。まぁ、ゲームだし、天照大神様が何かした設定なんだろう。俺としては蕎麦打ちを教えて貰えるならそれでいい。


ということで蕎麦打ちのクエストが始まるわけだが、非常に楽しかった。まぁ、俺の場合は初めてのバイトで仕事のレクチャーを受けているのと同じ感覚だったせいでもあるだろう。


「ったく、憎たらしいほど呑み込みがはえーな」


「よく言われます」


「ばーろ! 小僧が調子に乗るなんざ百年はえー!」


怒られた。この百年ってなんで百年なんだろうね?普通に言っている張本人の年齢を超えると思うんだが…まぁ、とにかくこれでクエストクリアだ。報酬にソバの種を貰った。


桜花ソバの種:レア度8 食材 品質A

桜花産のソバの種。育てるとソバを作ることが出来る。これから作る蕎麦は桜花の都でも絶品として認められている。


一応初物だし、聖域の島で育てよう。普通の島ではカカオの木と小麦、米だらけになっているからこの二の舞だけは回避しないといけない。まぁ、リリーたちはそこまで蕎麦には食いつかないだろうから、暴走はしないだろう。


これでログアウトとしようとしたんだが、村人がお店に飛び込んできた。


「てーへんだ! 蕎麦屋な旦那! 神鹿(しんろく)がこの村目掛けてやってくる!」


「慌てるな。めでてーことじゃねーか」


「そんな感じじゃねーんだよ! なんか黒いもやに包まれててよ。目が真っ赤なんだ! あ、そうだ! あんた! 確かこないだ村を救ってくれた人だよな? 頼む! 神鹿から村を守ってくれ」


当然インフォが来る。


特殊クエスト『暴走している神鹿から村を救え』:難易度S

報酬:結果により、変動。

暴走している神鹿を村に入れることなく、暴走を食い止めよ。


内容を確認した俺は嫌な予感がする。ここには倒せとは書かれていない。


「それは別にいいですが、もしかして倒すのはまずいですか?」


「出来れば倒さずに鎮めて貰いてーな。神鹿は神様の使いで幸運の兆しなんだ。そいつを倒すと村に何が起きるかわからねー」


「た、確かにそうだ! それで頼む!」


蕎麦を教えてくれた師匠の頼みは断れないな。俺はクエストを持ってきた町人の案内で村の外に向かう。すると土埃が確かにこちらに向かって来ている。


それじゃあ、行くとするか。選んだメンバーはセチア、和狐、ブラン、チェス、ゲイルだ。


「どうしたんですか? タクト様?」


「緊急事態のようですね」


ブランがいち早く状況を見た。


「あぁ。どうやら暴走状態の神鹿が突っ込んで来ているらしい。とにかく村を守ることが最優先で出来れば神鹿の暴走を止めたい。協力してくれ」


「分かりました。ではまずは神鹿さんの動きを止めないと行けませんね」


「うちも暴走したことがありますし、頑張ります」


俺は神息を持ち、まず神鹿の姿を確認する。


神鹿?

? ? ?


神鹿は白い鹿でかなり立派な黄金の鹿角を持っていた。しかし村人の言うとおり、謎の黒い瘴気に包まれており、身体中から赤雷が発生している。まずは村に向かうコースを変えないとな。


「チェス、頼む」


「ガウ! ガァアア!」


チェスが煽動を使うと神鹿は足を止めて、こちらを見た。かなり荒い呼吸をしていて、辛そうだ。するといきなり黒い瘴気が宿った神雷を使ってきたが、雷は進化したゲイルには通じない。電磁操作で地面に落とした。するとそこに黒い瘴気だけ残る。


ここで和狐とセチアが気が付く。


「タクトはん! あの黒い瘴気から悪意を感じます!」


「私もこの鹿さんからは操られている感じを受けます」


つまり暴走をさせている原因が黒い瘴気のせいってことか。そしてこの黒い瘴気は神鹿が攻撃に加えることで減ることはさっき確認出来た。これでこのクエストのクリアする道筋がわかったぞ。


すると神鹿は光速激突してくる。これをチェスは止めた。


「ガァアアア~!」


しかし押されている。流石は神の鹿か。簡単には行かないが止めれたことは大きい。


「セチア! ブラン! 拘束だ」


「はい! 森林操作!」


「天鎖!」


木の根と天鎖で拘束する。


「和狐、祓えるか?」


「やってみます。大祓!」


和狐の大祓が発動すると神鹿が苦しみ、暴れる。周囲が一気に樹海へと変わる。白夜が覚えた樹海操作か!やばい!


「きゃ!?」


「く!?」


セチアは不自然に動く巨木にぶっ飛ばされ、ブランは二つの巨木に挟まれ、潰される。そして俺たちにも来る。


「あれは…」


「飛梅!」


俺は和狐を守りつつ、向かってくる巨木を斬っていると和狐が重要なことを教えてくれた。


「タ、タクトはん! 神鹿は無理でしたけど、地面の瘴気は祓えました!」


「本当か!」


「ガァアア!」


手が止まった所をゲイルが助けてくれた。


「俺は大丈夫だ。ブランとセチアを頼む」


「ガウ! ガァアア!」


ゲイルの爪に荷電粒子が発生し、爪の形となると一撃で巨木を焼き切る。


「ぐ…助かりました。く!」


ゲイルに救出されたブランに上から巨木が落ちてくるがこれはパッラースの盾でガードした。すると巨木はうねり、ブランを縛ろうとしたがブランは回避した。武器が槍だから相手が木では対処し辛いだろうな。


『ブラン、こっちに来てくれ。ゲイル、セチアを頼む』


『はい!』


『ガウ!』


俺たちが巨木に対処していると神鹿は決めきれないと判断したのか今度は無数の岩を操り、飛ばして来た。これにも黒い瘴気が宿っている。


「和狐! ブラン!」


「はい! 大祓!」


和狐が大祓を使うと確かに岩に宿った瘴気が消えた。更にブランが新たな天盾の武技を発動する。


「お任せを! ガーティアンエンジェル!」


光の天使が現れ、俺たちを翼で包み込むことで岩を弾く。このガーティアンエンジェルは一定ダメージをガードする技らしい。攻撃を食らうと徐々に光の天使が砕けていくので、大体砕けるタイミングはわかる。


これを見た神鹿は新たな攻撃を繰り出す。鹿角から雷を空に上げると万雷が俺たちに降り注ぎ、光の天使が消し飛んだ。それでも万雷をガードしきったガーティアンエンジェルは強いスキルだと思う。


そして神鹿は黒い瘴気が宿っている神波動を撃ってくる。これにブランはパッラースの盾を構える。


「絶対防御!」


ブランは見事に神波動を防ぎ切った。これを見た神鹿は鹿角を真っ赤にすると俺たちに目掛けて突進を仕掛けようとジャンプする。


「遮断結界!」


セチアが遮断結界を使い、神鹿は遮断結界にぶつかる。


「もう怒りました! 精霊結界! 列石結界! これで大人しくして下さい!」


ガチガチに固めたな。するとこの状況でも神鹿は暴れている。列石結界の効果でスキルは封じているはずなんだけどな。


「往生際が悪いですね」


「待て、セチア。このままでいい。ブランも結界を使ってくれ」


「分かりました。多重結界!」


神鹿が攻撃をするたびに和狐は大祓で黒い瘴気を消していると徐々に黒い瘴気が無くなってきた。すると最後の抵抗か鹿角に黒い瘴気と光が集まると光の球を作る。これはやばいな。


「セチア、ブラン、結界を解除しろ。遮断結界の中で爆発を起こさせるわけには行かない」


「「はい!」」


俺たちが結界を解除すると神鹿は光球を飛ばしてきた。これを防げば俺たちの勝ちだ。


「ガァアア! グォオオ!」


「ガルル…」


チェスが氷戦斧を構えると狂戦士化、逆鱗を使う。ゲイルは充電を使う。


そして光球にチェスはグランアックス、ゲイルは雷ブレスを使い、光球を樹海のかなたに吹き飛ばした。ここで神鹿は倒れて、樹海が消える。村を確認すると無事だ。樹海のせいで方向がわかりにくくなるんだよな。


これでクエストはクリアのインフォが来る。


『特殊クエスト『暴走している神鹿から村を救え』をクリアしました』


この後はどうすればいいんだろう?俺たちが困っていると突如、圧倒的な殺気が俺たちに放たれた。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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