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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
自由の国フリーティア
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#85 一角馬の契約と炎の巫女

獣魔ギルドにやって来ました。ネフィさんがいるか聞いてみるとちゃんと居てくれた。カウンターの人が呼んできてくれる。


「いらっしゃい。タクトさん。今日の用件は魔石召喚とその子との契約ですか?」


「はい。後、馬の装備について聞きたくて来ました」


「任せて。いい装備扱ってるわ。それじゃあ、先に召喚の間に行きましょうか」


「お願いします」


ネフィさんの案内で召喚の間に向かう途中で話す。


「本当に白馬を餌付けするなんて驚きました」


「かなり苦労しましたよ。自慢の料理も全部食べられちゃいましたしね」


「でも、満更でもないんじゃないですか?」


「…わかります?」


「当然です。欲しい召喚獣を苦労して仲間にする。これは私たち召喚師にとって、最高の瞬間の一つですから」


確かにその瞬間を味わっただけに否定できそうにないな。あ、そういえばあの謎の存在のことを忘れていた。


「洞窟の奥で識別不明の謎の存在に遭遇したのですか?」


「はい。どうやら縄張りに入られるのを嫌っているようでしたので、言うことを聞いて帰ることにしたら、これをもらいました」


「炎魔石…なるほど。それは忠告を聞いて正解でしたね」


「心当たりがあるみたいですね?」


「はい。しかしタクトさんが出会った存在を特定することは出来ませんね」


ん?心当たりがあるのに特定出来ない?どういうことだろう?


「恐らくタクトさんはマウントイエロー山脈に入ってしまったんだと思います」


「初めて聞く山ですが火山ですか?」


「はい。王城からなら見ることが出来る火山です。この火山は狐のモンスターたちが支配している山です」


ほう。狐というと九尾が有名だな。まさかあれが九尾だったということはないと思うが…炎魔石くれたからな。


「狐のモンスターは知性が高く、様々な術を使いこなします。タクトさんの話を聞く限りでは相当位が高い狐だったのではないかと」


「えーっと、もし忠告を無視していたら、どうなってましたか?」


「消し炭にされていましたね」


ですよね!あ、危なかった。怒らせなくてよかった。


そんな話をしながら、召喚の間に到着。


魔石が足りなくなって来たので、ここらで大量に作り、準備完了。早速リキュールと契約する。


『一角馬、リキュールと契約を結びました』


無事に契約が成功してインフォが流れた。これで契約完了。仲間に出来る召喚獣の数13に減った。


次はいよいよ魔石召喚だ。今回は手にいれたばかりの炎魔石を使って、通常の魔石召喚だ!


失敗したら、あの謎の存在に申し訳無さすぎる…そして魔石召喚を実行する。


炎魔石を中心に魔石が踊り、魔法陣に吸い込まれるが反応がない。やばい、失敗した!?


と思ったら、魔法陣が爆発した。なんだなんだ!?何事だ!?こんなこと初めてなんですけど!?


更に魔法陣から火柱が立ち上がる。そして火柱が消え、火の粉が降り注ぐ中、魔法陣の中心にいるのは、またしても女の子。このパターンに慣れてきたな。


ただし、種族はドラゴニュートでもエルフでもない。来ている服は巫女服で今尚降り続けている火の粉がどこか神秘的だ。しかし彼女の巫女服は普通と違い、ミニスカだった。見せるつもりがない癖にこの仕打ちだ。


髪の毛の色は白髪。ヘアースタイルは短い髪をポニーテールにしている。それはいいのだがヘアースタイルより目立つ物がある。白色の狐耳とフサフサの長く白い尻尾だ。


そう彼女は狐のセリアンビーストだった。さっき話をしたばかりだから変に予想してしまうな。


じっとしているわけにも行かず、俺が近づくと真っ赤な目が怯えに染まる。どうやらこの子は警戒心が強いみたいだ。この目を向けられるのは久々だな。


俺は近づくのをやめるとその場に座り、彼女から話し掛けて来るのを待つ。


その間にステータスチェックをする。どうやらさっきの召喚で召喚魔術がレベルアップしたみたいだ。魔石も大量に作ったから錬金もあがっていた。


俺がステータスを確認していると俺の様子を観察しながら、恐る恐る近付いてくる。これは重症だな。


そして勇気を出して声をかけてくる。


「あ、あの…あたしを呼び出したのは…あなたですか?」


「あぁ。召喚師のタクトだ」


「タクト…さん…あたしに名前を…ください」


考える時間はあったから、即答する。


「恋の火で恋火(れんか)なんてどうかな?」


「恋火…」


「嫌なら他にも考えるよ。どうかな?」


狐耳と尻尾が揺れる。これはどういう反応なんだ?


「素敵な名前だと思います…気に入り、ました」


「そっか。良かったよ」


あれは気に入った時の動作だったんだな。


「あの…お役に立てるか…わかりませんけど、よろしく…お願い、します」


まだ怯えや緊張があるな。でもちゃんと言えたことは褒めてあげたいな。


「こちらこそ。よろしく頼むな」


頭を撫でると最初は驚き耳と尻尾が飛び上がるが、しばらくすると耳が垂れ耳になり、俺のなでなでに合わせて、尻尾も揺れる。面白いな。さて、恋火のステータスを確認するか。


名前 恋火(れんか) セリアンビーストLv1


生命力 15

魔力  12

筋力  15

防御力 8

俊敏性 15

器用値 10


スキル


刀Lv1 炎魔法Lv1 狐火Lv1 気配察知Lv1


仲間に出来る召喚獣の数12になった。


恋火のステータスは平均的かな。だが気になるスキルがあるね。そう刀だ!やっぱりあったんだね。俺の取得できるスキル一覧にはないから何か特殊な条件で解放されるスキルだな。凄く欲しい!


ごめんなさい。違いますね。注目は炎魔法と狐火ですね。狐火は恐らくセチアの樹魔法と同じ固有スキル。もしかしたら炎魔法もそうかも知れないが、炎魔石のことを考えると炎魔法は火魔法の上位スキルの可能性が高いと思う。


しかし刀スキルに炎魔法、狐火。オールラウンダーのスタイルかな?俺がそんなことを考えていると--


じー


背後から視線攻撃。リリーたちだ。後が怖いからなでなではここまでにしておこう。


俺が手を離すと悲しそうな顔をする恋火。そしてこの言葉。


「やめて、しまうんですか?」


胸に痛みが…なんという攻撃だ!だが再開するとリリーたちが怖い。


「ごめんな。恋火の仲間を紹介したいからさ」


「仲間…ですか?」


「あぁ。安心していいよ。みんな、いい子だからさ。それと俺の事は好きに呼んでいいよ」


「なんでも、いいんですか?」


「あぁ」


恋火が顔を赤くして俯く。な、なんだ?この反応。


「じゃ、じゃあ…ん…」


ん?小さくて聞こえなかったぞ。だが恋火は顔をあげて、はっきり言う。


「タクトお兄ちゃんって、呼んでいいですか?」


撃ち抜かれた!兄耐性はあると思っていたが全然なかった!「お」がついただけでここまで新鮮になるのか!いかん、混乱してる。


「ダメ、ですか?」


泣きそうな顔しないでくれ!俺は慌てて答える。


「もちろんいいよ」


「ありがとうございます! タクトお兄ちゃん!」


そういって俺の胸に飛び込んでくる。俺が抱き止めると嬉しそうにお兄ちゃんと連呼する恋火。少し恥ずかしいな。


俺が恥ずかしがってる中、背後では--


じじー


視線攻撃を続けるリリーたちがいた。では、自己紹介するか。最初にリリーが元気よく挨拶する。


「リリーだよ!」


「ひっ!?」


俺の背中に隠れる恋火。リリーが「ガーン」と口にする。何処で覚えて来たんだ。


「驚かせてどうするんですか…えーっと、イオンです。あなたのお姉ちゃんになります」


「イオン…お姉ちゃん?」


「はい! よろしくお願いしますね。恋火」


「はい!」


「あー! イオンちゃんばっかりずるい! リリーも!」


「ひっ!?」


俺の背中に隠れる恋火。リリーよ。苛めてるように見えるぞ。仕方ないから俺が言うか。


「悪いな。驚かすつもりはないんだよ。代わりに言うと彼女はリリー。俺が最初に召喚した召喚獣だ」


「そう! 私が一番お姉ちゃんなんだよ」


「リリー…お姉ちゃん」


「うん! よろしくね。恋火ちゃん」


「…はい」


なんとか自己紹介できた。恋火は背中に隠れたままだが、そして最後はセチアだ。


「セチアと言います。よろしくお願いしますね」


「は、はい。セチア…お姉ちゃん」


「ふふ、お姉ちゃんと呼ばれるのは恥ずかしいものですね」


こうして恋火の自己紹介が終わった。色々大変そうだけど、ちゃんと挨拶が出来たのだ。ならきっと大丈夫だろう。


名前 タクト 中級召喚師Lv3


生命力 37

魔力  74

筋力  27

防御力 18

俊敏性 24

器用値 53


スキル


格闘Lv1 蹴り技Lv12 杖Lv15 召喚魔術Lv18→Lv19 錬金Lv7→Lv9 採掘Lv12 

伐採Lv10 解体Lv14 鑑定Lv9 識別Lv15 風魔法Lv19 火魔法Lv19 

土魔法Lv18 水魔法Lv19 闇魔法Lv18 光魔法Lv22 雷魔法Lv15 

爆魔法Lv15 木魔法Lv15 氷魔法Lv15 時空魔法Lv13 読書Lv5 

料理Lv18 餌付けLv5 釣りLv5 シンクロLv2


というわけで新しい亜人種は臆病なモフモフ狐獣人巫女娘の恋火ちゃんです!召喚に使用した魔石の関係でかなり強力なオールラウンダーのキャラです。炎魔法、狐火については後日書きます。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] タクトは毎回残念がってるけど、むしろ年齢の感じから見えるの防ぐ側なはずやのにな、笑 それに諸々の事考えると運営の措置が無い方が(主にロリコンが多過ぎるせいで)ある意味困りそうやけど..笑
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