#843 ネビロスイベント完全決着
ネビロスが俺たちに話しかけて来る。
「あなたたちに殺されてからずっとこの日を楽しみにしていましたよ。さぁ、あなたたちに死を与える者たちを呼びましょう!」
ネビロスの前の空間が歪むとそこから色違いの馬に乗った騎士が四人現れる。それぞれの馬の色が白、赤、黒、青であることからこいつらに該当する伝説は一つしか存在していない。識別する。
アポカリプス・ペイルライダー?
? ? ?
黙示録に登場する七つの封印の内、最初の四つの封印を解くと現れると言われている騎士たちだ。何も封印とか触ってないのにこんな奴らが現れるなよ。
俺がそう思っていると青い馬に乗ったアポカリプス・ペイルライダーが槍を地面に投げると地面から黒い敵が無数に現れる。
ペストラット?
? ? ?
黒死病の鼠か。流石黙示録の第四の騎士。疫病や野獣を使って、地上の人間に死を与える役目を担っている騎士だ。
虎徹のおかげで全員が回復しているが長引くのはまずいかも知れない。
「ふふ。行きなさい! アポカリプス・ペイルライダー!」
『イクス。天秤を狙ってくれ』
『イエス、マスター』
アポカリプス・ペイルライダーたちが襲いかかってくる。まず黒い馬に乗っている騎士が天秤を掲げるとイクスのスナイパーエネルギーライフルに撃ち抜かれる。こいつは飢餓の能力を持っているはずだ。満腹度を狙われるのは前半で痛い目にあったから封じさせて貰う。
その間に大剣持ちの騎士と槍持ちの騎士が来る。大剣持ちの騎士の攻撃をファリーダが受け止めるとセフォネと九尾がぶっ飛ばすと地面に落下し、ユウェルがルナティックモーニングスターを投げつけるがこれは弾かれる。
「むぅ…強いな」
「人間に戦争を起こさせる騎士なら相手に不足はないわ」
「俺様の相手としては不足だが、ボコボコにしてやるよ」
「四対一じゃが、手加減無しじゃ。我が進化の礎にしてくれるのじゃ!」
槍持ちの騎士にはブランが攻撃を止めると和狐に宿っている空天狐がきっつい蹴りを放つ。
「主から最も厄介と聞きました。あなたの相手は私たちがしてあげます!」
「確かに冥府神の加護を持っとるこいつが一番厄介やろな。相手にとって、不足ないどす。うちの炎をたっぷり浴びて地獄へさっさとお帰りやす」
そして俺に飛んできた矢はセチアが撃ち落としてくれると弓を持っている騎士は空間歪曲によって、強制転移をさせられる。リビナの仕業だ。
「王冠はタクトにこそ似合うと思うんだよね」
「同感ですが、きっと今のままのタクト様のほうがいいと思いますよ」
「アリナもそう思うの!」
「そっか~。ならこの王冠持ちは消しちゃおうか」
最後に天秤を持っていた騎士には武器を構えたリアンとイクスが立ち塞がる。
「あなたのような人間を苦しめる騎士は女神である私が倒してあげます!」
「マスターの命令です。あなたを全力で排除させてもらいます」
これでそれぞれのバトルが勃発する中、俺たちとネビロスが互いに武器を構えた。そしてぶつかる。
ネビロスは死神の見た目らしく空間転移を多用してきた。更に恐らく飯綱のような悪霊を多数放って来るとその悪霊たちが死滅光線や黒雷を撃ってくる。
俺たちは死滅光線と黒雷を斬り裂く。時間遅延がある俺たちにこんな攻撃は通用しない。悪霊を斬り裂いて襲いかかると死風が放たれる。
それを予知した俺は離れて、グランアルヴリングを構えるとネビロスもこちらに手を向ける。
「天波動!」
「冥波動!」
ぶつかるとこれは互角に終わった。するとここで乱入者が空間転移して現れた。
「死ねぇええ!」
悪霊となったアグラヴェインとネビロスが同時に攻撃してくる。それを俺たちは冷静に見ていた。なんでアグラヴェインが来るのか知らないが、俺たちの戦いに乱入したのは間違いだ。ネビロス共々、あの世に送ってやろう。
ドラゴニュートのエンゲージバーストはドラゴンのエンゲージバーストと比べると残念ながら総合力で劣る。それでもドラゴニュートのエンゲージバーストには他にはない切り札が存在している。これが俺たちの勝利の切り札だ。
『『『「竜化」』』』
俺たちの姿が消える。二人の攻撃は外れて、俺たちを探している二人は空を見る。
「「な…」」
天空より降臨したのは各龍王たちと同じぐらいの巨大なドラゴン。その体は黄金とサファイア、アメジストのような鱗で覆われ、手には巨大化したグランアルヴリングとレガメファミリア持っている。周囲には俺たちの武器が展開されている。
『これがリリーたちの切り札!』
『これこそ私たちとタクトさんの愛と絆の結晶!』
『…にぃとノワたちの全力。止めれるものなら止めてみて』
三人は竜化を使うと話した時点で色々話し合っていた。するとアグラヴェインがエクスカリバーを構える。
「ドラゴンがなんだと言うのだ! エクスカリバーアヴェンジャー! 魔剣解放!」
魔剣になったのか。それにしてもこいつは状況が分かってないな。
『光化!』
「な…消え。ぐぅううううう!?」
「ぬぅううううう!」
俺たちは光になると二人の前に巨大化したグランアルヴリングとレガメファミリアが目の前に現れて、二人はギリギリガードするが力の差は歴然で地面に叩きつける。
『…空間転移で逃げた』
『逃がさないよ!』
『竜化した私たちからは逃げられません!』
俺たちの身体中から日光、冷凍光線、死滅光線が放たれる。
「く…凶暴なドラゴンですね! 冥府鎖」
『…甘い。冥府鎖』
冥府鎖同士がぶつかり合うとアグラヴェインがエクスカリバーを構える。
「キングダム・コールブランド!」
漆黒の斬撃が飛んでくる。お前がそれを使うのは似合わないな。
『空間歪曲』
キングダム・コールブラントが空間歪曲に吸い込まれる。
「何!?」
「く…ぐわ!?」
「がは!?」
キングダム・コールブラントの攻撃はネビロスに返したが回避されてしまったので光速激突で二人をぶっ飛ばした。
すると空間が突然大爆発する。不思議に思っているとシルフィ姫様とサルガタナスが姿を見せた。
「く…迷路ごと全部消し飛ばすとは! あなたには推理する頭が無いんですか!」
「し、失礼ですね! 私も国のことをいつも考えています! って、なんですか!? ドラゴンさんは!? かっこいいです」
『え? 照れるな』
『『『えへへ~』』』
そこでシルフィ姫様は俺たちが竜化した姿と気がつき、文句を言って来る。
「ず、ずるいです! タクト様! そんなドラゴンになれるなんて!」
余裕があるな。シルフィ姫様。でもこれはドラゴニュートとのエンゲージバーストでのみ可能な切り札だ。
これがドラゴンだと既にドラゴンだから竜化することは出来ない。最もステータスでは常に竜化しているようなものだから強さでは大差ない。それでもドラゴンの姿で暴れられるのは快感なものだ。
しかしこの状況はチャンスだな。まとめて仕留めるチャンスだ。
『やるぞ! まずは動きを止める!』
『うん! 天鎖!』
『…冥府鎖!』
『氷獄!』
俺たちの周囲から無数の天鎖が降り注ぎ、地面から無数の冥府鎖が襲いかかると全ての敵が拘束されて凍りつく。
『…刑罰』
凍りついた敵全てに赤雷の放電が襲いかかる。赤雷を浴びせるのではなく直接感電させるこの技は回避不可能な技だ。この状況にセチアたちが文句を言う。
「切り札を使うのが早過ぎです。タクト様」
「タクトらしいと言えばタクトらしいけどね」
「勝負の途中ですが、あなたたちの命はここまでのようです」
「あなたたちが強いことはわかっているけど、今回ばかりは相手が悪かったわね」
ファリーダが空を見ていう。
『光球!』
『水爆!』
『…黒星』
俺たちの周囲に白く輝く巨大な球と青く輝く巨大な球と真っ黒な巨大な球が作られる。それを見た彼らがそれぞれがとんでもないエネルギーが集まり、作られた物だと理解する。
「これはまずいですね…一時避難です」
シルフィ姫様がサルガタナスを放置して、逃げる。更にセチアたちもそれぞれの敵を置き去りにして、避難すると三つの球がサルガタナスの都に向けて落下する。
落下中の黒星は天鎖を吸い寄せ、天鎖を重力崩壊により、消滅させる小型ブラックホールであることが判明した。それがアグラヴェインを襲う。アグラヴェインは黒星に引きずり込まれると何も言わないまま完全消滅した。
そして光球と水爆は落下するとお互いに激しい閃光が放たれる。その光がサルガタナスの都に終焉を告げる。
「そんな馬鹿な!? こんなはずではぁあああ!?」
ネビロスとサルガタナス、アポカリプス・ペイルライダー、ペストラットはサルガタナスの都ごと消し飛ばす爆発によって、吹っ飛ぶ。ここで竜化を解除すると俺たちは仲良く倒れこむ。
「跡形もなく消し飛んだな」
「うん! でも張り合いがなかったね。タクト」
「タクトさんならもう少し遊ぶと思ってました」
「…二人共、甘い。にぃは他の人が死ぬのが嫌でみんなの期待に答えるために切り札を早めに使っただけ」
ノワにはバレバレか。流石に今回は個人的な戦いよりもここまで頑張ってくれたみんなが一人でも多く助かる道を選んだ。こんなことを言ってもネビロスの強さは気になったからペストラットがみんなを襲うまでの僅かな時間だけ戦闘させてもらった。
「よくも…私の都を…消し飛ばしてくれましたね…」
ズタボロのサルガタナスが現れる。インフォが来ていないからこいつが生き残っていることは理解していた。というのもこいつは天鎖と冥府鎖の拘束を抜け出して、爆発から逃げ出していた。恐らく拘束自体にサルガタナスは耐性を持っているか拘束を抜け出すスキルがあるんだと思う。
何せサルガタナスは人を透明にする力があり、更に人を瞬間移動させる力にあらゆる鍵を開け、家の中で起こっていることを見せる力があるとされている。このことからなぜ探偵になったのかわからないが少しわかる気もするのは何故だろうね。
サルガタナスが歩行用のステッキを外すと剣が出てくる。仕込み杖か。非常にピンチな状況だが、きっと大丈夫だろう。
「死ね!」
「させません!」
シルフィ姫様が一瞬で現れて、助けてくれた。
「邪魔をするな!」
「あなたの相手は私のはずです! 約束を守らない魔王さんにはきついお仕置きをさせて貰います! 竜技ドラゴンクロー!」
これをサルガタナスはガードするが後ろに吹っ飛ぶ。こちらも力の差は歴然だ。
「行きますよ! 竜技ドラゴンフォース!」
「く…」
サルガタナスの姿が消える。シルフィ姫様が動かないところを見ると竜眼系のスキルでは見切れないみたいだ。サルガタナスはここで逃げるかじっとしておけば良かったがアスタロトから預かった都を消し飛ばされたことが許せず、動くと目の前にシルフィ姫様が現れる。
「そこです!」
「ぐは!?」
シルフィ姫様の渾身のパンチが入る。風竜の力で察知したな。そこからはボコボコにされる。シルフィ姫様が強くなったことが一番の原因ではあるが、サルガタナスは自分の戦闘スタイルを見失ってしまったように感じた。
空に上げられたサルガタナスはドラゴンブレスを浴びて地面に落下すると強烈な重圧と空気圧、水圧、重力、光力に潰されて更に封印と鎖の拘束が発動する。
「これでもう逃げれないでしょう…終わりです!」
天空に見たことがない七色の竜の魔方陣が展開される。
「全六つの属性を持つものだけに許されたとっておきの魔法です! 全属性竜魔法! ドラゴニック・オールパニッシュメント!」
七色のドラゴンが魔方陣に現れ、サルガタナスに向かっていく。なんとか逃げ出そうとするが流石にシルフィ姫様は脱出を許してくる相手ではなかった。
七色のドラゴンがサルガタナスに噛み付くとエビデンス・ゼロ規模の閃光が放たれて、超爆発する。これでイベント終了を知らせる大量インフォが来る。
『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント3ptを獲得しました』
『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント3ptを獲得しました』
『二刀流スキルのレベルが20に到達しました。二刀流【デュアルスプラッシュ】を取得しました』
『セフォネのレベルが30に到達しました。特殊クエスト『不死身の選択』に挑むことが可能です』
『ユウェルのレベルが30に到達しました。特殊クエスト『命農龍王の試練』に挑むことが可能です』
『ゲイルのレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『優牙のレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『黒鉄のレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『アラネアのレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『ロコモコのレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『エアリーのレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『ダーレーのレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『ぷよ助のレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『狐子のレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『伊雪のレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『ミールのレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『サフィのレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『蒼穹のレベルが32に到達しました。進化が可能です』
『コーラルのレベルが32に到達しました。進化が可能です』
まぁ、このインフォの量は予想通りだ。するとシルフィ姫様が俺のところに降りてくるとマリッジバーストが解除されて倒れてくる。
俺はもがくが体が動かず、支えることが出来ないと思っていたら、サラ姫様がシルフィ姫様を支える。いいところを取られた。
「大丈夫か? シルフィお姉様」
「はい…サラ、こういうのは殿方に譲るべきだと思います」
「タクトも力を使い切って倒れているのに出来るはずがないだろう?」
「むぅ…それはそうですけど…仕方ないですね。これは次の機会に取っておくとしておきましょう」
どうやらシルフィ姫様はまた戦う気満々のようだ。その時はリクエスト通り支えられるように頑張るとしよう。
その後、俺はステータスを操作する。ステータスポイントは俊敏値に振って、残りスキルポイントは90ptとなった。ここでみんなが集まり、俺たちの暴れっぷりをいじられたり、功を労っていると気になる報告を受けた。
「グレイが喋った?」
「そうだよ!」
「普通の状態で話せていたから今でも話せるはずだぞ?」
「グレイ、喋れるのか?」
グレイが首を傾げる。
「話せないってさ」
「「「「いやいやいや! ノリノリで話していたから」」」」
召喚師たちが必死にグレイにお願いする中、メルたちと一緒にリアム国王様とテグスターさんが来ると正式に魔王ネビロスと魔王サルガタナスからの勝利と解放を宣言し、俺たちの長いイベントでの戦いは終わった。
ここはアスタロトが支配している地獄。そこにネビロスとサルガタナスの姿があった。
「くく…まだ終わってませんよ。次はアスタロト様と共にあなたたちを殺して差し上げましょう」
「やれやれ…早くアスタロト様の所に行きますよ」
二人はヘルズゲートに向かっていくと門が壊されていた。
「これはどういうことだ!?」
「誰がこんなことを」
「うちどす。この門の破壊はうちに迷惑を掛けたお代や。あんさんたちが行くべき地獄へお行きやす」
二人が空天狐に強制転移させられると目の前に王の文字が書かれた王冠を被っている巨大な鬼と眠たそうな目をした女神が来た。
「よく来たな。暗黒大陸の魔王たちよ」
「…稲荷に感謝」
「閻魔に月読!?」
「正気か! お前たち!? これはルール違反だぞ!」
サルガタナスのこの言葉に二人は目を細める。
「お前たちがそれを言うか」
「先にルール違反をしたのはあなたたちのほう…だから私たちはルール違反をしたお前たちを裁く」
「ふふ、あなたたちに出来ますか?」
「…もうした」
ネビロスの首が切れると消滅する。それを見たサルガタナスはレベルの違いを察知した。月詠からは一切視線を外してはいなかった。月詠の姿は消えることはなかった。それどころか魔力なども発せず、身体も動かすこと無く、ネビロスの首を切ってみせた。
これが日本神話の夜の神にして、月の神とされた月詠の強さだった。これを見たサルガタナスはすぐさま逃げ出す。この判断力は素晴らしいが一生懸命逃げ出した果てに二人がいた所に戻ってきた。
「はぁ…はぁ…くそ」
「気が済んだか? では判決を言い渡す。お前たちは消滅だ」
閻魔が判決を言い、裁判で使われる小槌を叩くと巨大な鬼の拳がサルガタナスの上から落ちてきて、潰されるとサルガタナスは消滅した。この世界は二人が支配している世界、勝ち目などあるはずがなかった。
イベント終了後のゲーム内。暗黒大陸の中央にあるパンデモニウムではネビロスとサルガタナスの死によって、暗黒大陸のサタン傘下の魔王たちが集まっていた。
「わざわざ集まって貰って申し訳ないね」
「流石にネビロスとサルガタナスが殺されたとあっては集まらないわけには行くまい?」
「あなたも大変ね。アスタロト」
「大変? 何を言っているのかしら? アスモデウス。凄く楽しみの間違いでしょう?」
その場にいる全員がアスタロトの態度に笑みを浮かべる。配下二人の犠牲より人間ともうすぐ戦える喜びが勝るとはなんとも悪魔らしい。
「それで今後の我々はどうするのだ?」
「やられてばかりでは面白くないからね。一つ人間の国には滅んでもらうことにした。既に七大魔王の一人と私の配下の悪魔と協力者を派遣している」
サタンが言う七大魔王とは七つの大罪に対応している悪魔たちのことだ。すなわちルシファー、サタン、レヴィアタン、ベルフェゴール、マモン、ベルゼブブ、アスモデウスの事を指している。
「あら? 私は呼ばれていないわよ? 誰が行っているのかしら?」
「ここにいない者は二人しかないぞ。アスモデウス」
「レヴィアタンは海の監視で忙しいところを考えるとあいつが行っているのか」
「あなたも人が悪いですね。サタン」
全員の視線を受けてサタンが立ち上がる。
「私はサタンだから当然さ。ただこれが終わると中央大陸の人間は一気に我々の国に進攻してくるだろう」
「だろうな。本気で我々と戦争をすると言うなら奴らの狙いは海か…バエルの土地を落としていることを考えると」
「中央大陸に最も近い私の国が狙われるでしょうね。ルシファー様」
「えぇ。もし攻めてくると言うなら遠慮は無用です。サタナキア」
サタナキアがベガス島に現れたのは偶然ではなく、魔王たちの中で最も中央大陸と距離が近いのがサタナキアが支配している国だった。サタンが最後に告げる。
「まもなく最高の宴が始まる。この場にいる者たちがずっと待っていたものだ。さぁ、人間たちとのゲームを楽しもうじゃないか」
パンデモニウムにワイングラスの音が怪しく響くのだった。




