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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
EOの真実と復讐ネビロス
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#834 跳び橋砦攻略戦

俺たちより先に動くのは砦攻略の部隊となった。もし魔王を先に倒してイベントクリアとなった場合、砦攻略をしていないとそのまま終了するかも知れないからだ。


まずはランスロットとモルドレッドが降伏勧告をする。


「これからこの砦を攻め落とす! 命惜しければ降伏せよ!」


「猶予は十分! 返事がない場合、即刻落とさせて貰う!」


するとアグラヴェインの映像が空中に映る。


『アーサー王に反旗を起こしたお前たちが生きているとはな。アーサー王も存外甘いな。私からの回答は簡単だ。やれるものならやってみろ。ランスロットにモルドレッドよ!』


「投降する意志は無しか」


「ま、死んでいるし、当然だろうな」


二人が下がると自分の部隊に加わると剣を抜く。


「これより敵の砦を落とす!」


「俺たちが先陣を切る! 行くぜ! お前ら!」


「「「「おぉ!」」」」


まずは砦周辺にいる敵部隊とランスロットたち、NPCの部隊が進軍する。これには当然敵の飛行戦力であるヘル・フレアドラゴンとマールス・ドラグーンが動く。これに対するはアルさん、烈空さん、雷電さん、タクマ、アロマ率いるリープリングの飛行部隊にアウラさんとネフィさんだ。


最初にアウラさんが召喚を行う。


「さぁ! 久々に暴れさせてあげるわ! 魔石召喚! 来なさい! ウェルシュドラゴン、ロック鳥、ロードガーゴイル、スコル、炎帝(えんてい)!」


予想通りのネタバレラッシュ!ウェルシュドラゴンは既に知っているから他を説明して行く。


まずロック鳥は赤みがある黄金色の超巨大な鷲だ。大きさではウェルシュドラゴンを超えている。ほぼ間違いなくゴールデンイーグルの進化先だろう。


ロック鳥は現実では中東やインド洋地域の伝説に登場する鳥で三匹の象を持ち去るほどの力を持ち、アラビアンナイトのシンドバッドの話では、シンドバッドの船を破壊する鳥として登場している。そりゃ、大型船より巨大な鷲に襲われたら、船ぐらい壊れて当然な気がする。


次はロードガーゴイル。ガーゴイルの第四進化と思われる。宝石がたくさんある鎧に槍、盾、兜を装備しているガーゴイルで大きさもゴーレムサイズとなり、かなり強そう。体もメタリックとなっており、それでいて細いから俊敏値はかなりあると思われる。こちらはゲームオリジナルで現実での伝説はない。


どんどん行こう。次はスコル。スコルは真紅の巨大な狼の姿をしている。恐らくソールガルムの進化先だろう。現実では北欧神話に登場する狼で有名なフェンリルの子供として知られている。


常に太陽を追いかけている狼で日食はこの狼が起こす物だと信じられていた。フェンリルの子供だから当然強いだろう。


最後は炎帝。見た目は完全にフェニックスだが、尾が孔雀の羽のようになっており、六本ほどに増えている。更に燃える輪が頭の上にあり、神秘性を感じる姿をしている。


現実では炎帝の名は朱雀の別名として知られている。このことから朱雀の進化先にほぼ間違いないだろう。しかもこれで四神全ての進化先がネタバレされたと言っていいだろうな。


次はネフィさんが召喚をする。


「出番ですよ。グウィバードラゴン、ティターニア、デスリーパー、ハティ、天魔(てんま)!」


ネタバレラッシュ再び!実は既に登場しているティターニアとデスリーパーから説明していく。


ティターニアはシルフィ姫様が既にネタバレをしており、シルフィ姫様と結婚している妖精がティターニアだ。


現実ではシェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』に妖精の女王の名前として登場している。それ以前にも妖精の女王の存在は書かれているものがあったようだが、明確な名前は存在しなかったことでティターニアという名前が妖精の女王の名前として浸透することになった。


宝石がたくさんある剣を持っていることからほぼ間違いなくヴィヴィアンの進化先だろう。恐らくルーナの進化先だ。


デスリーパーは俺がルーナを召喚した後に出会っている死神だ。名前の由来は恐らくタロットカードの死神のカードだと思われる。死神系は現在グリムリーパーまでしか分かっていないから第三進化か第四進化かはわからない。


次からは初見。まずはハティから説明しよう。ハティは青白い巨大な狼の姿をしている。現実では北欧神話に登場する狼で先に説明したスコルと共にフェンリルの子供として知られている。


常に月を追いかけている狼で月食はこの狼が起こす物だと信じられていた。このことから北欧神話では天空で太陽を追う狼スコルと月を追う狼ハティという感じで一緒に語られている。


最後に天魔。鼻が長い天狗の姿だが、天夜叉に負けない迫力を放っていた。恐らく鼻高天狗の進化先であっていると思う。


現実では天魔は仏の修行を妨げている魔として登場している。人によっては第六天魔王(だいろくてんまおう)という言葉のほうが知っている人が多いかも知れない。何せ織田信長(おだのぶなが)がそう言われていたし、鈴鹿大明神(すずかだいみょうじん)として知られている鈴鹿御前(すずかごぜん)も第六天魔王の娘と一説では言われている。


なぜ天狗の姿なのかと言うと天魔の配下に天狗がいるからだと思う。何せ天狗は山で仏の修行に失敗した者が天狗となるとされているからな。天魔のせいで天狗になっているなら上下関係は明らかだろう。


現実では完全に仏教で言うところの魔王なのだが、このゲームでは違うみたいだな。ま、第六天魔王の名前で登場していないからどうなるかわからない。


さて、こんな面子を相手にしなければならない騎士たちの心境はどうなんだろうね?円卓の関係者ならウェルシュドラゴンとグウィバードラゴンとの関係は非常に深い。


するとそんなの関係がないように果敢に挑んで来た。俺は彼らの勇気に敬意を称したい。例え一瞬で消されることになったとしてもね。


「ロック鳥の羽ばたきだけで飛んでいきましたよ…」


「その風の中を平気でスコルとハティは攻撃していたよな? 早くて見えなかったけどよ」


「あ、凄い攻撃が来ますよ」


ウェルシュドラゴンとグウィバードラゴンの身体が光ると身体中から熱線と光線が放たれて、敵部隊と砦に降り注ぐ。その結果、部隊は消し飛んだが、砦は強力な結界で攻撃を阻まれた。


「ま、簡単には行かないわよね」


「姉さん、来ますよ」


砦から大砲やバズーカ、魔法が放たれる。狙いは当然アウラさんとネフィさんだ。更に飛行部隊もアウラさんとネフィさんを狙う。流石に群がれるときついので、飛行部隊のみんなが助けに入る。


これは完全にこちらの狙い通りの展開だ。流石にあんな攻撃を見せられたら、早めに仕留めないといけないだろう。これで地上部隊への攻撃が手薄となった。


砦に結界が貼られることもオリヴィエさんが予想していた。そのための作戦もオリヴィエさんが考えてくれた。


「ボクらの任務は結界の突破! 行くよ! ヒポグリフ!」


「ピィ!」


アストルフォがヒポグリフと共に突撃すると結界があっさり破られる。アストルフォにはオリヴィエのお願いを受けて、魔術殺しの魔導書を渡しておいた。しかしアストルフォたちは魔法が通用しないことがバレると弓や槍で攻撃を受ける。


「わー! わー! 頑張れ! ヒポグリフ!」


アストルフォたちも狙われ、ここまでは作戦通り。後はどうやって跳ね橋攻略するかだ。そこで登場するのがユグさんたちが考えた特別なカタパルトだ。


「今こそカタパルトの可能性を見せる時だよ! 準備がいいかな?」


「準備はいいけど…」


「本当に大丈夫なのよね? これ?」


「俺は大丈夫とは思えない…」


シフォンたちがカタパルトの岩を飛ばすところに魔女の隠れ蓑を装備して乗っていた。そう…ユグさんたちが考えた作戦は透明になったシフォンたちをカタパルトで飛ばす人間カタパルトだ。


ランスロットの話では、魔法での飛行やスキルでの飛行は察知されると言う話を受けて、この作戦が正式に決定した。何せ言い換えると魔法やスキルを使わなければ察知されることはないということだからね。


ただこれがかなり難しい。狙いは城門の上となるんだが、きちんと距離を計算しないと城門や建物にぶつかったり、敵がたくさんいる砦内に入ったりする可能性がある。こうなるとまず助からない。そこで通常の移動式カタパルトを使ってバレないように距離を図る。


「城門の上にカタパルト命中を確認!」


「この距離だね! 後は任せて! 運に!」


「その言葉だけは聞きたくなかったわ! アーレイが一緒にいるだけでないに等しいのよ!?」


「それは酷すぎるだろう!?」


アーレイたちが喚いている一方で準備は進んでいく。ルインさんの指示でレイジさんが太陽神の戦車で敵軍に突っ込んでいくと烈日で敵を消し飛ばす。これを見たランスロットたちは一斉に指示を出す。


「全部隊、作戦地点まで後退!」


「急げ! 洒落にならない攻撃を受けて死ぬぞ!」


ランスロットたちが突然逃げ出したことで敵部隊は当然追撃に出る。こんな見え見えの誘導に引っかかってくれるのは有難い。


ダークエルフの隠れ蓑を装備している雫ちゃんがアロンの杖を構える。このために雫ちゃんはメルたちより早めにログインして、準備を整えていた。全員が攻撃範囲からの離脱を確認したところで使用する。


「アロンの杖! 伝説解放! 聖杖技! ドケッ・イシュア!」


前のイベントで猛威を振るったモーゼの奇跡が敵の騎士団に襲いかかった。これで砦の外にいた地上部隊はほぼ壊滅する。


「いつでもいいわよ! ユグ!」


「オッケー! ルイン姉! 安全装置解除!」


「「「安全装置は解除しないで!?」」」


もちろん最初から安全装置なんてものは存在していない。


「じゃ、いってらっしゃ~い!」


「「「話を聞いて(くれ)~」」」


三人の訴えは虚しく、シフォン、アーレイ、ミランダは空を飛んだ。砦の敵部隊と飛行部隊の攻撃は完全にアウラさんたちとアストルフォたちに向けられている。やはり主戦力NPCや有名NPCたちは優秀でシフォンたちが狙われないようにしっかりカタパルトの進路上には攻撃が行かないように動いていた。


「気流操作!」


シフォンが気流を操り、無事に城門への着地に成功する。この時に初めて敵は城門に取り付かれたことを知る。


「地面ってこんなに素晴らしいものだったんだな…」


「気持ちはわかるけど、地面じゃなくて城門の上よ」


「よ、余裕あるよね。二人共。あ、防風壁!」


シフォンがバズーカの弾を風で吹き飛ばす。


「いこ! 二人共! 飛んでくるみんなを援護しないと!」


「よっしゃ! これさえなんとかなったならもう怖くないぜ!」


「えぇ! 敵を吹っ飛ばすわよ! 覇撃!」


シフォンたちに続いたのはリサ、鉄心さんと銀たちだ。メルたちは完全に逃げた。シフォンの気流操作でみんなも無事に着地を決めて、跳ね橋を下ろしに向かう。


リサたちが城門で暴れている間に銀たちが跳ね橋を下ろす作戦だったが、当然そんなに簡単ではなく、銀と霰は見つかってしまう。


「ギルマスより預かったこの刀、恐れぬならばかかってくるといいよん!」


「…一気に倒す。猫丸、妖刀解放! 化猫夜行!」


「「「「にゃー!」」」」


銀には迅雷を預けており、霰ちゃんは猫丸を振るって暴れていると跳ね橋が動いた。すると二人の前に空間歪曲が発生し、暁が現れる。


「陽動成功だね。二人とも」


暁には鏡幻を預けていた。天國を千影が使うつもりでいたから、空間歪曲で移動や奇襲に向いている鏡幻を暁に預けて貰えるようにお願いしていた。


この状況にアグラヴェインも声を荒げる。


「何をしている! こうなれば跳ね橋を破壊しろ!」


使われるぐらいなら壊す判断をするのは当然だった。これに気づいたシフォンは風で必死に跳ね橋を守り、俺から引き続き神息を預かった鉄心さんが小烏丸と共にシフォンの護衛に回った。


「小烏丸、宝刀解放! 八咫暗転!」


砦内が暗闇に包まれる。突然の暗闇に攻撃の手が止んだところに鉄心さんが神息と小烏丸で敵を斬り飛ばした。


暗闇が晴れると建物の屋上から迫撃砲が橋に向けられており、橋に放たれる。これに対応したのはリサだ。


「輝け! 私の伝説の武器! ギルダス・アガートラーム、聖籠手解放」


リサのギルダス・アガートラームが聖なる光を放つと拳を握る。


「聖籠手技! セイントフィスト!」


聖なる光の拳が飛んでいき、迫撃砲の弾を破壊するとそのまま建物の屋上をぶっ飛ばした。


「決まった…」


リサはご満悦だ。


砦の外でも跳ね橋破壊の動きがあったが、上杉謙信さんとオリヴィエさんがいち早く察知して、妨害することに成功する。馬での速度が滅茶苦茶早かった上に流石の判断能力と言うべきだろう。


二人の活躍もあり、遂に跳ね橋が掛かった。ここにメルたちが急いで向かう。


「我々がここを死守します」


「皆さんは先に進んでくだされ」


「感謝する。砦内に流れ込め!」


「みんな! 行くよ!」


跳ね橋の守りを上杉謙信さんとオリヴィエさんに任せて、メルたちは砦内に流れ込む。ここでメルたちがシフォンたちと合流し、シフォンたちを称える。


「これで第一関門は突破だね」


「後は円卓の騎士団たちだな」


「いるところは一番大きな城みたいな建物で間違いないだろうな」


「囲まれると厄介なので、なるべく雑魚を倒して進みましょうか」


メルたちはランスロットたちと共にボスがいる建物を目指していると竜騎士たちが合流した。空はアウラさんとネフィさん、アストルフォ、アルさんと雷電さんたちが入れば大丈夫だという判断だ。


竜騎士たちも加わったことで更に攻略の速度が上がり、無事に建物の前にたどり着いたところでレッカが合図を上げる。


これを見た敵本拠地攻略部隊が一斉に動き出す。今から砦のボス戦をすれば流石に時間的に大丈夫だろうという判断だ。するとレッカたちの耳に二匹のドラゴンの咆哮と轟音が次々響いた。


「タクトが暴れだしたみたいだね」


「間違いない!」


「私たちも急ごう!」


「あぁ。ここでこの砦を落とす! 行くぞ!」


メルたちはボスがいると思われる建物に突入した。

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