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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
EOの真実と復讐ネビロス
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#828 エステルイベント最終戦編成決定

年末年始に毎年恒例の二話更新をさせていただきます。


期間は12月29日~1月3日まで大晦日は特別に三話更新を致します。


時間は二話更新は朝7時と夜23時。大晦日は朝7時と昼12時、夜23時を予定しています。


この更新で一気にこの章が終わる予定です。一気に予約分がなくなりますので、何処かで毎日更新を止めることになるかもしれません。その時はご了承ください。

夕飯を食べ終わった俺たちは攻略会議をする。まずは最重要な香子さんたちの報告だ。


「次の敵の砦ですが予想通りの跳ね橋がある砦でした」


「回りにはマールス・パラディンって敵がうじゃうじゃいた。後、ガヘリス、パロミデス、カラドックの円卓の騎士たちも確認したよん」


「やはりですか…」


「あいつらは自分から命を絶ったと聞いていたんだけどな。アグラヴェインが何かを吹き込んだってところか?」


ランスロットとモルドレットは不快感全快だ。そして彼らが一番危惧していることを聞く。


「ペリノアの旦那はいなかったのか?」


「砦の外にはいなかったねん。もしかしたら中にいるかも知れないけど、流石に確認出来ないよ」


「アーサー王と同じで彼も王ですからね。恐らく彼が砦にいる可能性が高いと思います」


つまり次の砦には現時点でアグラヴェイン、ガヘリス、パロミデス、カラドックの四人の円卓の騎士たちがいるというのは確定した。そしてランスロットたちの話を信じるならばボスにペリノア王が登場することになる。


どの騎士も逸話があり、少し説明をしよう。


まずはペリノア王から説明するとペリノア王はアーサー王と同じで領地を治めていた王として、登場する。アーサー王とは最初は敵対しており、エクスカリバーを持ったアーサー王に勝利したチート王として有名だ。


この時にエクスカリバーは一度折れたとされているがこの時に折られたのがカリバーンという話もある。このゲームではどちらも登場しているから恐らくエクスカリバーが折られた設定だと思う。


ペリノア王とアーサー王の戦いの結末はこの勝負の後にマーリンが魔法でペリノア王を戦闘不能にしたことで戦い自体はアーサー王の勝利で終わる。その後、アーサー王とロット王との戦争でペリノア王はロット王を倒す戦功を上げるのだが、ロット王の息子であるガウェインたちの恨みをかい、暗殺されてしまう。登場するなら恐らくこのペリノア王がダントツに強いと思う。


次にガヘリスはガウェインの弟だ。いつもガウェインとセットで登場しているイメージが強く、ランスロットに助けられたことがあり、ランスロットの不倫を暴くというアグラヴェインの誘いを断った騎士として有名だね。


でも最後はグィネヴィアを救出に来たランスロットに殺されてしまう。これは故意ではなかったとされているが、このことでガウェインとランスロットとの関係は最悪なものとなり、二人は戦う事になる。強さ的にはガウェインの弟だから弱くはないだろう。


次のパロミデスは元々はイスラム教徒でトリスタンに敗れたことでキリスト教の洗礼を受けることになった異色の騎士として有名だ。悪役のイメージが強いが強さはランスロットやトリスタン、ラモラックには負けているが殆どの戦いで負けていないことからかなり強いイメージがある。


最後にカラドックは残念ながら、俺は知らない。ということで霰ちゃんから説明を受ける。


「…確か剛腕のカラドックと呼ばれている騎士で呪いの蛇によって腕が萎えてしまった騎士だったと思います」


「よくご存知ですね。今の彼はその腕を切断して聖なるガントレットを義手として使っています」


「殴り合いが好きな奴でな。こっちから殴り合いを挑めば喜んで応じて来ると思うぜ?」


どうやら義手の設定はゲームオリジナルみたい。後で霰ちゃんから聞いた話によるとアーサー王の姪の子供らしい。運営はよくこんな円卓の騎士を選んだものだと感心する。


敵の戦力の分析が終わったところでランスロットとモルドレットが話す。


「我が儘言って申し訳ないが次の戦いは最前線で戦わせてくれませんか?」


「後、アグラヴァインの馬鹿野郎の始末も俺たちにさせて貰いてぇ! 俺たちも不始末を起こした身だが、それだけにあいつらの不始末を止めねぇといけない気がするんだ!」


「えーっと…気持ちはわかるんだけど…」


俺はメルの発言を遮る。伝説の武器が欲しいのはわかるがそれを決めるのは早すぎる。


「それをどうするかも含めて今から決めましょう。暁と霰、そっちはどうだった?」


「はいはーい! ギルマスの読みは大正解だったよ!」


「…敵の本拠地に侵入出来ました。透明テントも設置済みです」


良かった…霰ちゃんたちは邪竜たちの助けを借りて、砦が設置されている道ではなく、山を飛行して敵の本拠地に潜入した。これが俺が見つけた裏口の敵本拠地侵入ルートだ。


地図が領地全体に書かれていたことに俺は引っかかりを感じたんだ。何せイベントのための地図なのに全く関係がないところが書かれているのはどうにも不自然だった。そこからは逆の発想で地図に書かれているということはこの地図に乗っている地形は進むことができると解釈することができる。


この結果、敵の砦をスルーして、敵本拠地に攻め込める敵本拠地侵入ルートの可能性に思い至った。後は敵がエステルの砦を無視してヴィオレたちの住処を襲ったという情報でこの裏口ルートがあると確信することになった。


「敵の本拠地はどんな感じだった?」


「敵がたくさんいるのは当たり前として、問題は本拠地に攻め込む為には四つの城門を落とす必要があるみたいだよ」


「…当たり前ですが中ボスが守っていました。中ボスはゼパル、ナベルス、ファライ、ゾレイです」


ゼパルの奴も復活しているか…グラシャ・ラボラスがいないところを見るとネビロスにベッタリなのかな?


「これで敵の戦力が大体わかったな…」


「後は作戦をどうするかですね」


猶予は今日を合わせて二日しかない。


「まず基本的なところから決めていきましょう。最後の砦をどうしますか?」


「「「「そりゃあ、落とすだろう」」」」


ボーナスが入るからね。全会一致だ。次に敵の本拠地についてだ。


「恐らく四つの城門を全部落とさないといけないと思います」


「中ボスを倒さないとボスに挑めないのはゲームのお決まりだからな」


「ということは必然的に戦力を分けて挑むことになりますね」


「時間もないから明日の夜に一発勝負か」


「ま、いつも通りだよね」


リサの意見に同意してしまうな。こうなると誰がどの敵を担当するかが重要になる。


「ネビロスはやっぱりタクト君かな?」


「恐らくシルフィ姉様も参加すると思います」


「間違いないでしょうな」


アンリ姫様とオリヴィエさんがそういうからにはやる気満々なんだろうな。


「ということは城門と砦の担当は私たちだね」


「あぁ。無傷でボス戦に挑んで貰わないとな」


「伝説の武器も今回はギルマスに使って貰わなアカンやろな」


「あ。ブリューナクとかは無しで大丈夫ですよ」


全員が驚くが俺は既にネビロスをボコボコにする手段を考えている。既に実験も実戦も済ませてあるし、リリーたちにも話してあるからやる気満々だ。俺が全て伝えると全員が納得し、戦うネビロスに同情した。


これを踏まえて、伝説の武器と共に配置を決める。するとそれぞれ戦闘したい敵がいるようだ。


「ゼパルは僕たちに任せてくれませんか?」


マコトは俺とゼパルとの戦いを見ていたと言っていた。ゼパルへの思いは強いだろう。次にチロルが言う。


「ナベルスって、ケルベロスなんだよね? なら先駆者として負けられない! ナベルスは私たちが倒すよ!」


「たちって、私たちのこと?」


「もちろん! ケモナーの力を見せる時だよ! みんな!」


「「「お、おぉ~…」」」


大丈夫かな?凄く心配だ。


「…グレイたちを参加させようか?」


「「「「是非!」」」」


そこはチロルも乗るんだな。次はトリスタンさんが言う。


「それなら私たちは狩人の悪魔であるゾレイね」


「あ、じゃあ。私たちも手伝い」


「シフォンちゃんたちは砦! 私たちの砦攻略のための秘策のために必要なんだよ!」


どうやらユグさんたちは跳ね橋を攻略する方法を考えてあるようだ。説明を受けると確かにこれなら跳ね橋を攻略することが出来るだろうが、かなりの度胸が要求される作戦だった。


「じょ、冗談だよね?」


「全然? 準備も出来てるよ!」


「無理無理無理~!」


シフォンは本気で嫌がっている。だが、それよりもヤバい人たちがいる。ミランダとアーレイだ。


「なぁ、タクト。これって、俺たちもするんだよな?」


「そうなるだろうな」


「完全に巻き添えよね…シフォンは理解できるけど、私たちは補助なしよ?」


「そこはシフォンとユグさんたちと決めてくれ」


残すファライは牛人の悪魔だ。これはマグラスさんたちが担当することとなった。そして敵本拠地の攻撃にはフリーティア騎士団、エステル騎士団、ダークエルフ、ドラゴニュートなどの邪竜軍団が加わることが決まった。


こうなるとリープリングの残りメンバーは自然と砦攻略ということになる。


「それじゃあ、私たちはやっぱり砦攻略か~」


「やはり相手のことを考えるとランスロットたちを参加させたほうが確実だろう」


「そうだね…それじゃあ、ランスロットさんたちは砦攻略に加わって貰えますか?」


「感謝する!」


「おう! 任せてくれ! あいつらにはきついお仕置きをしてやるぜ!」


するとここで上杉謙信さんとオリヴィエさんが話す。


「あなたたちにはお世話になりました。私の部隊も砦攻略に力を貸しましょう」


「敵の本拠地はフリーティアの本隊がいれば十分でしょう。私も引退した身ですが騎士の端くれ。お付き合いいたします」


「えぇ…ボクはあのグリフォンもどきと決着を」


「それはタクト殿とシルフィ姫様が倒すので、大丈夫です。あなたはこちらに参加して貰わねば困ります」


「ぶぅ…でも、オリヴィエがボクを必要としてくれているなら仕方ないね!」


これで明日の攻略がある程度決まった。編成を纏めるとこんな感じ。


砦攻略部隊

メルたち、シフォンたち、満月さんたち、鉄心さんたち、アルさん飛行部隊、ランスロット、モルドレット、オリヴィエ部隊、上杉謙信部隊、残りリープリングメンバー、ルインさんたち生産職、ドワーフ部隊、エステル騎士団。


敵本拠地攻略部隊

サルガタナスとネビロス、グラシャ・ラボラス担当:タクト、シルフィ姫様。

ゼパル担当:ブルーフリーダムメンバー、フリーティア騎士団。

ナベルス担当:チロルたち召喚師、グレイたち、ドラゴニュート部隊。

ゾレイ担当:トリスタンさん、与一さんたち、ニックさんたち、火影さんたち、香子さんたち、ソロプレイヤー、ダークエルフ部隊。

ファライ担当:マグラス、帝、シリウスなどのライヒ連合、エステル騎士団。


こんな感じだ。俺たちはそれぞれ作戦と陣形を決めた後にファフニールからの情報を公開することにした。


「やっぱりウィザードオーブとは戦争になるのかな?」


「この流れだとそうなりますけど、死の気配というのが不気味ですね」


「フリーティアから何か知らせは受けていませんか? アンリ姫様」


「今のところは何もないですね。もし何かあればシルフィお姉様とサラお姉様はお留守番になるはずですから。すぐに知らせが来るはずです」


つまりまだ動いてはいないわけだな。まぁ、普通ならイベントの後に動くだろうしな。


「一応このことは知らせておきますね」


「お願いします」


「イベントの後はウィザードオーブに行くのが決定したねん」


「一度」


暁の口を霰ちゃんが止めた。流石に潜入したことをこの場で言うのは良くない。ナイス判断だ。


そして会議が終わったところで昨日の報酬を公開する。


「一番、頑張ったのは他でもないお前だ。全部貰っても問題ない気がするが? なぁ?」


「ラストアタックした人が貰うルールにしているからな」


「わかってはいるんですけど、一応みんなで攻略しましたし、武器も予想外に多いですから」


「まぁ、タクト君が遠慮したい気持ちになるのもわかる気がするわ」


協議の結果、天國と神息、奥義書はそのまま俺の物ということになった。猫丸はくじの結果、霰ちゃんの物となり、銀がショックを受けていた。小猫丸は今回のイベントでの功労者である香子さんに渡ることになった。


その後、部屋に戻った俺は協議結果を伝えるとみんなが欲しがる。


「タクト! リリーは天國が欲しい!」


「や、やめてください! リリーお姉ちゃん! リリーお姉ちゃんが使ったら、折角の名刀が木っ端微塵になっちゃいます!」


「そうかな~。えへへ」


「褒めてませんよ!?」


とりあえず現時点では俺が神息。千影が天國ということになった。やはり天狗には天國が似合うと思ったのが理由だったりする。


その神息だが、鉄心さんに貸し出すことにした。やはり鉄心さんも神息が気になっているそうで、今回のイベント報酬で完全に狙っているらしい。そう考えるとイベント後の侍たちはみんなして天國や神息を持つ時代になるわけだ。恐ろしい時代が来るな。


奥義書は俺が飛梅、セチアが矢舞雨、恋火が雪月花となった。流石に雪月花を覚えさせないと恋火が怖い。報酬の件が片付いたところで残してしまったリアンとブランの試練をするとしよう。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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[一言] 読者としては嬉しいのですが、無理をしないでご自愛下さいね
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