#823 大熊座の熊とエルフの試練
最初はチェスから行こう。進化先は一つ。
カリストベア
だよね。では、説明を見てみよう。
カリストベア…月の女神アルテミスの侍女カリストの力を受け継いだ巨大な白熊。星と氷の力が強化され、狩人の能力に目覚めた。猛吹雪の中でも正確に獲物を狙う極寒地の凄腕の狩人。
あー…あくまでカリストから力を受け継いだ設定なんだ。まぁ、カリストベアとなると性別が女性になるから受け継いだ形なら性別は関係ないか。それじゃあ、進化いってみよう。
大熊の宝珠をチェスの前において、進化を実行するとチェスが白銀に輝き、進化する。
『チェスがカリストベアに進化しました。星矢、念動力、千里眼、狙撃、第六感、荷重操作、虚空切断、多乱刃、神障壁、守護結界、星雨、星間雲、高速再生、猛吹雪、氷原操作、雪崩、暴風雪、氷旋風、絶対防御、氷獄、月海、海魔法、氷魔法、冷凍光線、全反射、乱反射、変光、狂戦士化、覇撃、逆鱗、宇宙魔法、神威解放、月神の加護』
『氷斧が氷戦斧に進化しました。氷戦斧【グランアックス】を取得しました』
名前 チェス アルカスベアLv32→カリストベアLv1
生命力 124→174
魔力 180→230
筋力 185→235
防御力 248→298
俊敏性 80→120
器用値 90→130
スキル
噛み砕くLv30 格闘Lv31 氷斧Lv37→氷戦斧Lv37 星矢Lv1 念動力Lv1
鉄壁Lv45→堅牢Lv45 強制Lv39→煽動Lv39 千里眼Lv1 狙撃Lv1 第六感Lv1
荷重操作Lv1 虚空切断Lv1 多乱刃Lv1 氷装甲Lv43→魔氷装甲Lv43 星鎧Lv40
神障壁Lv1 守護結界Lv1 物理破壊Lv35→万物破壊Lv35 魔法耐性Lv34 強襲Lv35
星雨Lv1 星間雲Lv1 高速再生Lv1 遊泳行動Lv32 氷爪Lv35→星氷爪Lv35
氷の牙Lv21→星氷の牙Lv21 雪潜伏Lv17 猛吹雪Lv1 氷原操作Lv1 雪崩Lv1
暴風雪Lv1 氷旋風Lv1 絶対防御Lv1 氷獄Lv1 氷結ブレスLv31→極寒ブレスLv31
神聖ブレスLv28→ゴッドブレスLv28 氷投擲Lv42→氷柱Lv42 連撃Lv30→多連撃Lv30 月海Lv1 海魔法Lv1
神聖魔法Lv14 氷魔法Lv35 冷凍光線Lv1 全反射Lv1 乱反射Lv1
変光Lv1 狂戦士化Lv1 覇撃Lv1 逆鱗Lv1 宇宙魔法Lv1
耐寒Lv20→極寒無効Lv20 神威解放Lv1 星の加護Lv23 月神の加護Lv1
進化したチェスは両手にある巨大な氷の戦斧も特徴的だが、背中の後ろに光の矢が展開されている。こうして見るとクエストで見たカリストベアと違うな。俺はチェスに拳を突き出す。
「お母さんの分までこれから頑張っていこうな」
「ガウ!」
チェスが俺に答えて拳を合わせる。これぞ男の友情だ。
次はセチアの試練だが、その前にリサとミライがチェスと遊びたいと言い出した。チェスはいいみたいだし、許可した。
「それじゃあ、行くか」
「はい」
「頑張ってね! セチアちゃん!」
「応援してますよ。セチア」
リリーたちの応援を受けて、試練を実行するとセチアから新緑の光が放たれ、転移する。
「ここは…ユグドラシル?」
「そうみたいですね」
ということはここはエルフの森か。そして目の前にユグドラシルがあるということは当然エルフの女王イヴリーフ様が現れる。
「よくここまで強くなった」
「あ、ありがとうございます! イヴリーフ様」
「うむ。素直なのはいいことだ。さて、そなたの試練だが、行うのはこのユグドラシルだ。覚悟が決まったら、二人でユグドラシルを触れ。そうすればユグドラシルが答えるはずだ」
俺はセチアを見るとセチアが頷く。そして二人でユグドラシルに手で触れるとユグドラシルが放つ光に包まれる。
俺たちが目を開けるとそこは宇宙空間だった。
「これはなんだ?」
「信じられませんが、ここは世界樹ユグドラシルの中です。タクト様」
あぁ…ユグドラシルは世界樹としての名前が有名だが、宇宙樹という名前でも知られている。内部が宇宙でも不思議じゃないかな。俺が納得しているが俺たちが下から巨人が上がっている。
ミーミル?
? ? ?
ミーミルはユグドラシルの根元にあるミーミルの泉を守っている巨人だ。ミーミルの泉の水を飲むと優れた知恵や知識が授けられると噂されており、これを知ったオーディンは巨人ミーミルに片方の目を対価に支払い、泉の水を飲むという話で有名だ。そんな巨人が口を開く。
『我が名ミーミル。ユグドラシルを守りし巨人の一人だ。盟約に従い、召喚師とエルフに試練を課す』
さて、どんな試練が来るかな?すると予想外の問いかけをされる。
『まず召喚師よ。心して聞くがいい。今、ここでお前のエルフを対価に支払えばユグドラシルはお前にあらゆる知識を授ける。これによりお前はあらゆる禁呪、上級魔法、全ての上位スキルを得ることが出来るだろう。エルフか知識か選ぶがいい』
完全に喧嘩を売っている質問だな。
「俺はセチアを選ぶ」
『即答か…何故エルフを選ぶ?』
「そんなこともわからないのか? 俺にとって、そんな知識よりもセチアのことが大切だからに決まっているだろう?」
『理解できぬ。お前がここでエルフを差し出せば世界が救われるかも知れないだぞ?』
まだこの質問を続けるかよ。それなら納得するまで教えてやる。
「悪いがそんな犠牲精神で救われる世界はくそだ。そんなことをしなくても世界は救えるはずだし、例え俺がお前の言うスキルを獲得出来なくても他の誰かが使えれば何も問題はない。違うか?」
『それは未来が見えてないから言える言葉だな』
まるで個人での強さを推奨しているような言葉だな。
「あぁ…未来なんて俺にはわからない。だからこそ毎日が楽しくて、面白いんだよ。未来を見ているお前たちにはわからないだろうけどな」
知っている未来を毎日繰り返す。なんてつまらないことだろう…もしそんな能力を持っていたら、俺は気が狂うだろうな。
『よかろう。盟約に従い、お前の答えを尊重する。後悔するなよ?』
「これだけは後悔するはずがないから安心しておけ」
例えこの結果、ゲームをクリア出来なくなっても俺は間違いなく後悔はしないと断言できる。もちろん、ゲームはクリアするつもりだけどね。次にミーミルはセチアを見る。
『次にエルフよ。心して聞くがいい。お前には二つの道がある。片方の目を差し出せば最強のエルフ、レジェンドエルフに成れる。もう一つの道は何も支払わずエンシェントエルフとなる道だ。好きな方を選ぶがいい』
随分レベルが下がったな。今度の条件はオーディンと同じかよ。リリーたちはドラゴンとなることで完全にドラゴニュートで得られる幸せを進化の測りにかけられた。これに対してセチアは片目になるがエルフのままだ。これだとセチアがどちらを選ぶかわからない。
「一つ聞いていいですか?」
『なんだ?』
「エンシェントエルフになるということは老けるということでしょうか?」
そこが気になるか。エンシェントエルフは意味的には太古のエルフという意味になる。これがセチアには老けると思えたってことだろう。
『成長はするがすぐに老けることはない』
「老けはするんですね…」
『あぁ。エンシェントエルフなら老いは人間と大差ないがレジェンドエルフになれば永遠の若さと命を得ることができる』
つまりイヴリーフ様はレジェンドエルフでエルサリオンのお爺ちゃんはエンシェントエルフってことか。さて、セチアの選択はどちらかな。
「そうですか。では、私はエンシェントエルフを望みます」
『理由を聞こう』
「そんなこともわからないんですか? 私は強さや知識、永遠の若さに命。そんなものより愛する人をこの両目で見たいんです。一緒に老けるというなら私は寧ろそれを望んでいます」
わざと俺の真似をしたな。俺がセチアを見ると微笑み返して来た。完全に狙って言ったな。
『理解は出来ぬが盟約に従い、そなたの答えを尊重しよう』
セチアが新緑の光を放ち、進化する。
『セチアがエンシェントエルフに進化しました。星矢、多連射、念動力、天耳通、他心通、慧眼、空間歪曲、指揮、空虚、宝石解放、時空魔法、融合魔法、星座魔法、天波動、木分身、連携、聖療、天撃、夢幻、多重障壁、遮断結界、精霊門、妖精の輪、世界樹の加護を取得しました』
『セチアが魔法弓【スピリッツアロー】を取得しました』
『セチアが星座魔法【アルゴ】を取得しました』
『セチアが惑星魔法【ジュピター】を取得しました』
『セチアの鷹の目スキルが千里眼スキルに進化しました』
『大精霊召喚で上位精霊の召喚が可能となりました。上位精霊の召喚の場合にはデメリットが発生します』
名前 セチア ホーリーエルフLv30→エンシェントエルフLv1
生命力 190→240
魔力 436→496
筋力 186→236
防御力 113→153
俊敏性 154→204
器用値 354→404
スキル
杖Lv25 魔法弓Lv50 星矢Lv1 鷹の目Lv40→千里眼Lv40 射撃Lv40→狙撃Lv40
多連射Lv1 念動力Lv1 天耳通Lv1 他心通Lv1 慧眼Lv1
空間歪曲Lv1 指揮Lv1 空虚Lv1 木工Lv32 採取Lv42
調薬Lv24 刻印Lv17 宝石魔術Lv13 宝石細工Lv13 宝石解放Lv1
封印魔術Lv15 ルーン魔術Lv20 連続詠唱Lv34 同時詠唱Lv34 魔力操作Lv13→魔力支配Lv13
疾魔法Lv1 炎魔法Lv2 海魔法Lv1 土魔法Lv29 闇魔法Lv18
神聖魔法Lv14 雷魔法Lv30 爆魔法Lv30 木魔法Lv30 氷魔法Lv30
時空魔法Lv35 樹魔法Lv41 融合魔法Lv1 星座魔法Lv1 罠設置Lv5
魔法阻害Lv9→魔法破壊Lv9 阻害無効Lv11 森林操作Lv15 自然波動Lv9 天波動Lv1
ホーリーエルフの知識Lv34→エンシェントエルフの知識Lv34 精霊召喚Lv13→大精霊召喚Lv13 精霊結界Lv15 精霊魔法Lv5 惑星魔法Lv1
木分身Lv1 連携Lv1 聖療Lv1 天撃Lv1 夢幻Lv1
多重障壁Lv1 遮断結界Lv1 列石結界Lv8 精霊門Lv1 妖精の輪Lv1
使役Lv16 世界樹の加護Lv1 料理Lv30
進化したセチアは俺と同じくらいの背丈に成長した。そして俺は今こそ断言しよう。完全に魔法使いとしてセチアに敗北した!だって、融合魔法に星座魔法を覚えているんだもん。謎の召喚魔術も増えたし、これを敗北と言わずしてなんというのか。俺が凹んでいるとミーミルが言う。
『試練はこれで終了とする』
俺たちは新緑の光に包まれて、転移させられる。いきなりかよ!
俺たちが転移したのはユグドラシルの外だった。これにはセチアも怒り心頭だ。
「空気を読めない巨人ですね! タクト様に感想を聞くぐらいの時間は与えるべきです!」
するとこれにイヴリーフ様が答える。
「気持ちはわかるが散々ミーミル相手に惚気たのだ。勘弁してやってくれ」
「「惚気!?」」
た、確かに…試練の内容にムカついて結構なことを言っていた気がする。そしてセチアが重要なことを聞く。
「イヴリーフ様…ま、まさか…聞いてましたか?」
「私はエルフの女王なのだぞ? 当然聞いていたとも。私でも赤面してしまうくらいの見事な惚気だったぞ?」
く…全然赤面してないくせに!これは旗色が悪すぎる。
「あぁ…暗黒大陸でまだ戦闘中なので、これで失礼してもいいですか?」
「それぐらい分かっているが、精霊門の説明をせねばならん。妖精の輪と同じ感覚で使われては困るからな」
おや?違うんだ。てっきり上位精霊とかを呼び出す技だと思ってた。説明を受ける。
「精霊門は精霊界への門を開くスキルだ」
マジで!?確か精霊界にはフェンリルとかがいたとか聞いたことがあるな。
「精霊界は今、我々がいる現実世界の裏側に存在している世界だ。つまり精霊門はこの現実世界ならばどこでも開くことが出来る」
それは凄いんだけど、精霊門を使った途端に襲われる危険があるんだよね。ここで質問させてもらおう。
「精霊界に行けるようになったことはわかりましたけど、行く意味はなんでしょうか? 強い敵と戦うためですか?」
「確かに強くなる手段の一つではあるな。しかし精霊界は我々エルフを初め、多くの妖精や精霊の故郷とされている場所だ。当然そこには我々にとって、重要な物が多く存在している。その一つが精霊石と呼ばれているものだ」
「精霊石? それって雷精石とかのことですか?」
「そうだ。精霊石は妖精や精霊と非常に相性がいい石でな。普通の物は現実世界で手に入るが上位の物は精霊界にしか存在しない。もしあるとしたら、それは精霊界から持ち込まれた物となる」
なるほど…つまりセチアをより強化するためには精霊界に挑むのは必須と言いたいわけか。一応俺たちは既に第五進化でのパーティーは組めるようになっているが、相手がフェンリルであることを考えるともう少し第五進化をさせてから挑むのが正解な気がする。
「精霊門は説明は終わりだ」
「では、タクト様。進化した私はどうですか?」
「あぁ。大人っぽく」
「私の前で惚気るのは許さん。ダークエルフたちを頼んだぞ」
俺たちは容赦なく転移させられた。
「あ、タクトたちが帰ってきた!」
「あ…」
チェスの頭に馬乗りしているメルと目が合う。
「…楽しそうで何より」
「大人の女性としてそれはどうかと…」
セチアの容赦ない一言にメルが慌てる。
「ち、違うよ!? 二人共! これはリサとミライが無理矢理」
「「嘘はダメー!」」
メルがリサとミライに怒られていた。俺は別にメルもチェスで遊んでいていいと思うけどね。頭に馬乗りの件はノーコメント。
俺たちが見渡すと既に攻略部隊が集まっていたが、随分人数が減っていた。チロルたちも召喚獣にかなりの被害が出てしまったようだ。
「すまない。助かった」
「リリーちゃんたち、凄かったですね!」
「奥の手を使って良かったのか?」
「ソーマ酒で回復させたので、大丈夫です。みなさんも回復を。武器の耐久値がまずい人は言ってください。ユウェル」
「任せろ!」
俺たちは今出来る準備を整えて、いよいよ菅原道真に挑む。




