#800 ゾンビ再びと第五進化無双
俺たちが砦についた時には既に地獄絵図の様相になっていた。地面にはゾンビやスケルトンだらけで空にはマールス・ゲニウスたちが群がっている。
「タクト~! どうするの!? これ! みんなが大変だよ!」
「わかっている。コノハ! 俺たちにアテナの加護を頼む!」
「ホー!」
コノハの光を受けた飛行部隊全てにアテナの加護が付与された。これで状態異常は怖くない!
「これで遠慮は無用だ! 全員広範囲攻撃をぶち込んでやれ!」
「うん! ジーク! 一緒にやるよ! 竜魔法! シューティングスターライト!」
「わかりました! 竜魔法! クワトロシースパウド!」
「行きますよ! 精霊魔法! アースフォース!」
「大技行くの! 竜魔法! ドラゴントルネード!」
アリナの竜魔法ドラゴントルネードは上空に銀色の魔方陣が描かれるとドラゴンの姿を模した緑の竜巻が地面の敵に降りると周辺の敵を吸い寄せ、緑の竜巻に触れた瞬間、敵が斬り刻まれた。範囲外に出れば怖くない魔法だが、範囲にいる敵の殲滅力がかなりの物だ。やはり竜魔法は強いね。
そしてコノハの新スキルである旋風雪も使われた。これは雪の竜巻を発生させるもので、ディアトロフ・リーパーが使っていたスキルだ。こちらは竜巻に触れたゾンビたちが凍りついていった。
他にも俺たちの一斉攻撃で敵部隊が消し飛ぶと俺たちに呪滅撃が発動する。しかしアテナの加護が無効化してくれた。これでアテナの加護の有効性が証明された。
「俺たちも行くぞ! 撃って撃って撃ちまくれ!」
「魔法使いの皆さんは大魔法の準備を。私たちが守ります」
「頼む! 大魔法、やるぞ!」
「おぉ!」
みんなには既にコノハの能力は説明済みだからテキパキ動いてくれている。そしてみんなが召喚したドラゴニュートたちの竜魔法と魔法使いたちの上級魔法で地面にいるゾンビたちが消し飛ぶ。すると紫の魔方陣が地面に無数に描かれ、ゾンビたちが現れる。相変わらずネビロスはうざいな。だが、空で安全に戦っているみんなは呪滅撃の効果が弾かれたことで戦意が上昇している。
「本当にダメージ受けないぞ!」
「流石コノハちゃん! 一気に行くよ! みんな!」
「ちょっと待て…チロル。城門がやばそうだ。俺たちは城門も救援に向かう。ウルフ持ちは一緒に来てくれ」
「あ、グレイちゃんの能力ですね! じゃあ、私たちが護衛に回ります」
チロルたちが俺の護衛についてくれた。そして俺は空をリリー、イオン、ノワ、リビナ、リアン、ブラン、セフォネ、アリナ、コノハ、ヒクス、ストラ、スピカ、サフィ、クリュス、蒼穹、コーラルに任せることにした。
「それじゃあ、俺たちは空からの援護を続けるか」
「ですね…私はアルさんと共に護衛に回ります」
「悪いな…次は変わるよ」
「えぇ」
アルさんとアロマがプレイヤーたちを乗せている召喚獣の護衛に回り、烈空さんとタクマたちが空中からの支援攻撃に回った。俺たちがジークで降りていくと識別が出来た。
腐蝕ゾンビLv50
通常モンスター 討伐対象 アクテイブ
腐爆ゾンビLv55
通常モンスター 討伐対象 アクテイブ
カーススケルトンナイトLv48
通常モンスター 討伐対象 アクテイブ
怨念侍Lv50
通常モンスター 討伐対象 アクテイブ
怨念鉄砲隊Lv50
通常モンスター 討伐対象 アクテイブ
基本的には腐蝕ゾンビみたいだが、厄介な奴がいる。それが腐爆ゾンビで死んだり、城門にくっつくと爆発するみたいだ。体内に爆弾でも入れているのか?おかげでみんな爆発を警戒して、動きが鈍い。
すると降りてきていると声が聞こえた。
「あいつらを狙え!」
俺たちに怨念鉄砲隊が銃を連射して来る。何か特殊な銃弾のようだが、その効果は受けない。そして声を出した奴を見ると俺が知っている奴だった。
松倉勝家?
? ? ?
武田信玄さんと上杉謙信さんにボコられた奴だ。ネビロスに復活されたのか?どうやら怨念侍と怨念鉄砲隊の指揮官をしているようだ。攻撃を受けたならやり返さないとな!
「コノハ!」
「ホー!」
俺がラーヴァフローでコノハがトルネード。
「獣魔魔法! ラーヴァトルネード!」
怨念鉄砲隊たちが溶岩の竜巻に巻き込まれる。
「ひぃいい~」
松倉勝家は部下を放置して一人だけ魔法の範囲から逃げていた。あれが指揮官の姿か…そりゃ、侍たちも怨念に取り付かれもするわな。お前らの能力は効かないから安心して成仏してくださーい。
「みんなを呼ぶから召喚場所の確保を頼む」
「はい!」
「消し飛ばせばいいのね!」
「了解であります!」
恋火、ファリーダ、千影が先行する。
「ハーミットブレス!」
恋火がハーミットブレスで二人の着地地点を確保すると先にファリーダが降りるとゾンビたちが群がってくる。
「熱波!」
ファリーダから放たれた熱波を浴びて、ファリーダ周辺のゾンビたちが燃えかすとなる。そして千影が着地する。
「伸びよ! 如意金剛錫杖! はぁああ!」
如意金剛錫杖を伸ばし、敵を吹っ飛ばすと千影は更に如意金剛錫杖を横薙ぎし、ゾンビたちを吹っ飛ばした。これで召喚場所が確保出来た。
俺たちは降り立つとジークはリリーたちと合流させてグレイたちを召喚する。
「まずはルーナ、強化を頼む」
「はい! パパ!」
ルーナがブラギの竪琴を演奏し、戦っているみんなに強化が発動する。
「城門を狙っているゾンビたちを優先して倒してくれ」
「ガウ! ガァ!」
「ガゥ!」
グレイと虎徹が会話すると虎徹が空間跳躍で城門の前に移動するとゾンビたちが群がってくる。虎徹の背後に神々しい光が発生するとその光を浴びたゾンビたちが光となって、消えていく。これが後光の効果だ。
そしてグレイが群狼と幻狼を使う。
「ガゥ!」
「「「「ガァアア!」」」」
グレイの仲間たちと幻狼が分散し、ゾンビたちを餓狼で容赦なく食べていく。グレイたちには後で美味しいお肉をあげたくなってしまうな。
更にリリーたちも戦いに参加する。アテナの加護はまだ続いているから怖いもの無しだ。そしてチロルたちの狼召喚獣たちも戦いに参加するとグレイの神の加護が付与されて暴れだした。
これに続くように召喚したみんなも暴れ出す。ただコノハの支援は受けていないので、無理だけはしないように伝えておいた。
するとゾンビキラーのぷよ助がゾンビたちを捕まえて次々、捕食していく。腐爆ゾンビはぷよ助の中で自爆するが生憎火属性無効と衝撃吸収があるぷよ助には効果がない。
それを見たアラネアと狐子は閃いた。アラネアは操り糸でゾンビたちを操り、狐子は憑依してゾンビを操るとぷよ助に向かわせた。酷いが賢いと思う。
「俺は城門の上に向かう。ここは任せた。セチア、和狐、ダーレー、ルーナ、リオーネ、ルミ一緒に来てくれ」
「「「はい!」」」
俺が城門の上に移動すると呆けている俺が教えたフリーティアの騎士たちがいた。
「戦闘中だぞ。しっかりしろ。軍師を目指すならどんな状況になっても考え続けろ」
「「「「は、はい!」」」」
「誰か状況説明をしてくれ。他の者は部隊を一度下がらせて、体勢を整えろ」
「「「「わかりました!」」」」
セチアと和狐は城門から攻撃を開始する。
そこでこのゾンビたちの現れ方の報告を受けた。どうやら巨大魔方陣からの召喚で現れたらしい。砦から来ると思っていたら、いきなりこれかよ。すると第六感が発動する。
「下がれ」
「は、はい!」
マールス・リーパーが現れた瞬間、蹴り飛ばす。更に転瞬で移動する。
「踵落とし!」
俺の踵落としをマールス・リーパーは鎌でガードするが地面に落下する。アテナの加護と巨人の加護が合わさった攻撃だ。簡単には止められない。
「ガァアア!」
地面にいた優牙が極寒ブレスを浴びせて、マールス・リーパーを倒す。グレイの群狼スキルで優牙にも神の加護が与えられている。こちらも威力十分だ。サバ缶さんにコミュニケーションを使うと使えた。阻害無効は有効か。状況を説明する。
『了解しました。こちらにはレッカさんとアンリ姫様がいるので、通信はこちらでなんとか対処してみます』
『お願いします』
すっかりべったりだな。レッカの奴…俺が呆れていると敵部隊の中で逃げ回っている銀たちの姿を見つけた。砦を偵察していたはずがいきなりゾンビに囲まれたら、こうなるのは仕方ないかも知れないな。見つけた以上、助けに行くか。
『グレイ、騎乗いけるか?』
『ガウ!』
グレイがこちらに来る姿勢を低くしてくれたグレイに乗る。グランアルヴリングを構えるとセチアたちに声を掛ける。
「ちょっと助けに行ってくる。もし敵に動きがあったら、頼むな」
「はい! 任せてください」
俺がグレイに合図を出すと一瞬で銀たちのところにたどり着き、ゾンビ部隊が空振を受けて夜空に舞う。
「わ!? なんだ…ギルマスか…びっくりしたよん」
「助けに来たのに酷い言われようだな。グレイに乗れ」
「え!? やった!」
「…一番乗り」
銀たちを乗せて、砦に戻るとまたゾンビ部隊が空に舞う。
「うーわー…なんだこれ…」
「これが第五進化の召喚獣の強さか…」
「あの狼ちゃんに乗させてくれないかな?」
「私も乗りたい!」
グレイ人気が上がっているとは知らない俺は銀たちから報告を受けた。
「そうだ! 敵の砦の城門が開いて敵部隊が進行してきてるよん!」
「たくさんのチャリオットやネクロオーガなどを確認したよ」
チャリオットまで出てきたか…これは先に潰しておくべきだろうな。
『アルさん、タクトです。敵の城門から大部隊が現れたました。コノハの加護があるうちに部隊を率いて攻撃してください』
『了解です!』
俺が指示を出すと巨大な魔方陣が発生するとヘル・ドラウグルとヘル・ドラウグルビーストが現れる。更にロイヤル・デュラハンとデュラハンたちがたくさん現れる。それを見たフリーティアの騎士たちは呟く。
「あれはフリーティアを襲った奴ですか?」
「これじゃあ、あの時の再現だ…」
「そうだな。でもあの時、俺たちは生き残り、勝利した。今回も同じさ。あいつらの相手は俺たちがする。部隊の再配置は任せたからな」
「「は、はい」」
さてと、早速撃退にと思ったら、虎徹が宝刀解放を使う。構える刀は三日月宗近と数珠丸恒次。まずは三日月宗近を振るうと黄色に輝く巨大な三日月の斬撃が放たれると回転しながら敵に向かっていく。
すると三日月の斬撃はヘル・ドラウグルビーストの当たる直前に三つに分裂するとヘル・ドラウグルビーストを横にあっさり三つに斬り裂く。
それを見たヘル・ドラウグルは刀で受けようとするが刀ごと三日月の斬撃はあっさり斬り裂く。他のヘル・ドラウグルも覇気を纏った刀で受けようとし、ヘル・ドラウグルビーストは障壁を使うが結局三日月の斬撃を止めることすら出来ないまま、斬り裂かれた。
「「「「ええ~…」」」」
プレイヤーの皆さんは色々言いたいことがあるだろう。でもまだ虎徹の攻撃は終わっていない。今度は数珠丸恒次を構える。
すると斬られたヘル・ドラウグルとヘル・ドラウグルビーストが地面から現れた数珠に拘束されて謎の封印が発動する。全く動かないところを見ると動きそのものを封じる封印だろうか?こうなるとやられたい放題だ。
「みんな仕留めるよ!」
「横取りするみたいで嫌だけど、このスキルは多分長続きしないはず。私たちも行くよ!」
「「「「おぉ!」」」」
リリーたちとメルたちが襲い掛かり、倒した。
虎徹はいい奴だな。リリーたちに獲物を譲るなんて素晴らしい心使いだ。封印をなんとかしようと動いたデュラハンやロイヤル・デュラハンは虎徹の重圧に潰されていて、別の刀で串刺しにされているけどそれは些細なことだな。
「グル~…」
「どうした? グレイ? ん?」
何か来るな。そしてリリーも感知する。
「みんな、気を付けて! 大きいへんてこなグリフォンが来る!」
「でかい敵が来るぞ! 全員武器を構えろ!」
「「「「はい!」」」」
『アルさん! ボスクラスの敵が来ます! 警戒してください!』
俺とリリーの警告で全員が警戒体勢になった。




