#799 約束のスキル上げとネビロスイベント開始
スキル上げに選んだメンバーはリリー、イオン、セチア、恋火、リビナ、リアン、和狐、ブラン、セフォネ、ファリーダ、ユウェル、アリナ、コノハ、ゲイル、白夜、アラネア、ロコモコ、エアリー、狐子、ルーナ、伊雪、ミール、ヒクス、ストラ、スピカ、クリュス、コーラル、千影、リオーネを選んだ。
するとセチアが聞いてきた。
「ちゃんと覚えていたんですね」
「あぁ…最もレベル上げとか優先しちゃったけどな。代わりと言ってはなんだけど、俺が持っているチョコレートを全部使ってスキル上げをしてくれていい。ちゃんとあげたいスキルに使うんだぞ」
「「「「はーい!」」」」
俺はクマムシを出すとリリーたちが我先に魔法を使いまくる。早く魔力が無くなれば、その分チョコレートを食べれると思っているみたいだ。
俺はスキル一覧を見て、考え中。激突対策に空間歪曲が有効であることがプリズムケルビムとの戦いで証明された。そしてオゾンドラゴンとの戦いでは転瞬が破れられた。これが空間跳躍なら恐らく完全な瞬間移動となるため、防風壁に阻まれることはなかったはずだ。
「あぁ~!? タクトがまた何かしてる~!」
「だ、誰かタクトさんを止めてください!」
「イオンお姉様が止めればいいではないですか」
「私はスキル上げで忙しいんです! というかセチアは魔力が減るのが早すぎなんですから、行ってきてください!」
連続詠唱や魔導書持ちは魔力消費の速度が桁違いだからな。
「嫌です。チョコレートは全て私が食べさせて貰います」
「「「「そうはさせない!」」」」
白熱しているな…ちょっとクマムシが気の毒になる。さて、吟味した結果、空間歪曲を取ることにした。やはり激突対策や相手の攻撃を利用する手段やこちらの転移など応用力が高いのがこちらだと判断した。これで俺の残りスキルポイントは84ptだ。するとメルが来た。
「なんか凄いことになっているね…」
「あ、夕飯の準備が出来たか?」
「もうすぐ出来るから呼びに来たんだよ」
「それじゃあ、俺も魔力を無くしてくるか」
結局クマムシを倒さないまま、島から撤収するとインフォが来る。
『リリーの光魔法のレベルが30に到達しました。光魔法【リフレッシュ】、【フラッシュバン】を取得しました』
『リリーの光魔法が神聖魔法に進化しました。神聖魔法【セイント】、【ブレス】を取得しました』
『リアンの水魔法のレベルが30に到達しました。水魔法【ブレスレイン】、【サブマリージ】を取得しました』
『リアンの水魔法が海魔法に進化しました。海魔法【カーレントラピッズ】、【ウォーターワールド】を取得しました』
『ブランの光魔法のレベルが30に到達しました。光魔法【リフレッシュ】、【フラッシュバン】を取得しました』
『ブランの光魔法が神聖魔法に進化しました。神聖魔法【セイント】、【ブレス】を取得しました』
『アリナの雷魔法のレベルが5に到達しました。雷魔法【ショックボルト】、【サンダーブランチ 】を取得しました』
『コノハの雷魔法のレベルが50に到達しました。雷魔法【レッドスプライト】、『レールガン』を取得しました』
『コノハの氷魔法のレベルが50に到達しました。氷魔法【アバランチ】、【ヒドゥンクレバス】を取得しました』
『アラネアの土魔法のレベルが20に到達しました。土魔法【ボトムレススワンプ】、【デザートストーム】を取得しました
『ルーナの連続詠唱のレベルが30に到達しました。連続詠唱の最大数が1増加しました』
『ルーナの同時詠唱のレベルが30に到達しました。同時詠唱の最大数が1増加しました』
『ルーナの水魔法のレベルが30に到達しました。水魔法【ブレスレイン】、【サブマリージ】を取得しました』
『ルーナの水魔法が海魔法に進化しました。海魔法【カーレントラピッズ】、【ウォーターワールド】を取得しました』
『伊雪の氷魔法のレベルが35に到達しました。氷魔法【ダイヤモンドダスト】、【ヘイルシャワー】を取得しました』
『コーラルの火魔法のレベルが20に到達しました。火魔法【ファイヤーウォール】、【ヒートランス】を取得しました』
『コーラルの光魔法のレベルが20に到達しました。光魔法【エリアヒール】、【ライトシールド】を取得しました』
『千影の風魔法のレベルが20に到達しました。風魔法【ウインドウォール】、【ダウンバースト】を取得しました』
『リオーネの風魔法のレベルが5に到達しました。風魔法【エアインパクト】、【エレメントウインド】を取得しました』
『リオーネの光魔法のレベルが5に到達しました。光魔法【フラッシュ】、【ディフェンスアップ】を取得しました』
『リオーネの雷魔法のレベルが5に到達しました。雷魔法【ショックボルト】、【サンダーブランチ】を取得しました』
『リオーネの氷魔法のレベルが5に到達しました。氷魔法【フリーズ】、【アイシクルアロー】を取得しました』
またコノハに先を越された!?しかも雷魔法も追いつかれただと!?やたら氷魔法と雷魔法ばかり使っていると思ったら、コノハめ…やってくれたな。
「ホー?」
首を傾げてもダメだ!狙っていたことはバレている!
コノハが覚えた氷魔法アバランチは雪崩を発生させる魔法だ。広範囲魔法だが、平地だとそこまでのスピードが出ないのが難点の魔法。これが山だと広範囲に猛スピードで襲いかかる魔法なので使いどころが要求される魔法らしい。
次がヒドゥンクレバス。これは見えない氷の裂け目に落とす魔法。設置タイプの罠魔法で普通の落とし穴と違う点は落ちると裂け目が閉じるそうだ。ユウェルの地割れスキルと似ているかも知れない。どこにあるか分からないという点ではヒドゥンクレバスは非常に厄介な魔法となっている。空を飛べたら、意味ないけどね。
これでイベント準備は整った。俺は一度ログアウトして三人が作ってくれたカレーライスを食べ終えると再度ログインする。リリーたちとご飯を食べて、メルたちと共にエステルに向かうと多くの人が集まっていた。
そこでレッカとアンリ姫様の関係が話題になっていた。どうやらレッカは最初の戦闘に間に合い、二人で仲良くしている所を目撃されたらしい。
「レッカ君、やるね。タクト君からアンリ姫様を奪うなんて」
「…大金星」
「私たちも負けられないね!」
「奪うってなんだよ…確かにアンリ姫様はフリーティアに来た時からの付き合いだけど、そこまでの深い付き合いはしてないぞ」
どちらかというとシルフィ姫様とサラ姫様の二人と関わる機会が多いからな。
「そこを狙ったわけだね」
「…兄様、残念?」
「残念という気持ちより、レッカの行動が意外な感じかな? あいつ、自分から女の子に話しかけるタイプじゃないだろう?」
「「「それは分かる」」」
まぁ、あいつなりに必死にアピールしたってことかな?同じ魔法使いだし、関わる機会が多かったのかも知れない。
俺たちが作戦司令室に顔を出すとレッカがいなかった。男の魔法使いたちに連れて行かれているらしい。関わるのはやめよう。
「最初の攻撃は前回のイベントと出てくるモンスターが同じでした。一番強いので、クリミナル・トロール。残りはゴブリンなどの雑魚でしたね」
「やはり夜が本番ということでしょうか?」
「間違いないと思うわ」
「リーゼたちはどんな感じです?」
俺が聞くと全員が苦笑いを浮かべる。第六感は発動していないが嫌な予感がする。
「それが一応フリーティアの援軍だから第五砦の守備につくことになったわ」
「アストルフォの活躍が裏目に出た感じですね」
あぁ…アストルフォを戦闘に参加させないのはマイナスと判断したのか…もちろんリーゼやハンズさんは第五砦の作戦司令室に待機することになるが、ある程度守りを意識しないといけないな。
「一応護衛をやってくれる人を募集したら、予想外に集まって困っているのよ」
「レッカさんの事を見たから自分もと考えているみたいですね」
面倒臭いことになったな…最初はダークエルフ、ドワーフ、ドラゴニュートたちは参加しないみたいだから陣形を考えないとまずいと思っていると花火の音が聞こえた。屋上から声が聞こえてきた。
「赤花火を確認! 敵襲です!」
俺たちは一斉に転移魔法や通信を使おうとするが封じられている。そういえばネビロスは最初のイベントの時にアウラさんたちを封じて、通信を妨害したことがあったな。
「ルインさん、絨毯は?」
「設置出来ているわ」
「主力は転移の絨毯で第五砦に急行! 残りの者は飛行召喚獣たちで砦に送るぞ!」
「「「「了解!」」」」
ルインさんが直ぐに転移の絨毯で向かうメンバーを決めて、俺たちはサバ缶さんたちを乗せて、第五砦に急行した。




