#78 イオンのお願いとぽっちゃり兎
今日はどうするか考えているとイオンが話しかけてきた。
「タクトさん、少しいいですか?」
「ん? どうかしたのか?」
「色々考えていたのですが、私はこのままじゃいけないと思うんです。ですからタクトさん、私に剣を教えてください!」
イオンのお願いに驚く。それと同時に嬉しく思う。イオンは本当にあの敗戦から悩んだ結果、こういうお願いをしてきたからだ。
「あ!? イオンちゃんだけずるい! リリーもタクトに剣を教えて欲しい!」
そしてリリーはあまり悩んでないな。まぁ、これは性格の差かな?とはいえ問題がある。
「教えると言っても俺は教えたことないぞ?」
「構いません。今より少しでも強くなれる可能性があるなら私はその道を選びます」
やれやれ。そんなこと言われたら、協力するしかないな。
「わかった。俺で良かったら、剣を教えるよ」
「本当ですか!?」
「あぁ。ただし厳しいかも知れないぞ?」
「お、お手柔らかにお願いします」
そこで引いちゃうんだなー。
「タクト! リリーも! リリーも教えてくれるよね?」
「はいはい。ちゃんと教えてあげるよ」
何せリリーの剣術は致命的なところばかりだからな。まずは剣の使い方から教えないといけないからな。この時、リリーはこれからタクトの地獄の特訓が始まることは夢にも思っていなかっただろう。
「で、では早速、稽古を」
イオンが急かすが残念ながらそれは出来ないんだよね。
「焦る気持ちはわかるが今はダメだ」
「な!? なんでですか!」
「食料がない。このままだとお金もやばい」
残念だけど、これが現実なんだよね。
「辛い現実ですね」
セチアが染々言う。
「だから今日は食料調達がメインだ。特訓は明日の朝だな。それでいいか?」
「大丈夫です!」
よし、方針は決まった。問題はどの食材を狙うかだな。シープは逃げ足が異常だったし、海は戦力に不安がある…となると狙うのはウサギになるわけだが…とりあえず図書館に行ってみるか…ダメなら肉屋さんの人に聞けば教えて貰えないかな?
図書館で調べた結果。ウサギ肉の正体はチャビーラビット。日本語に略すとぽっちゃりウサギ。美味しそうな名前である。
しかもこいつが出る行き先に例のガラスの元になる素材が手に入る洞窟があるらしい。図書館で調べたので読書スキルがレベルアップした。
目指すはガラスが手に入る洞窟!その前にチャビーラビットを沢山狩るぜ!
とやる気満々で出発したメンバーは俺、リリー、イオン、セチア、コノハだ。なぜメンバーが1人いないのかって?黒鉄が遅かったからだ。なので、戦闘の際に呼び出します。
そしてチャビーラビットには簡単に出会った。サイズは俺の2倍ぐらい…でかいわ!そして現在は夜。つまり沢山います。これはピンチだ!
チャビーラビットLv15
モンスター 討伐対象 アクティブ
黒鉄を召喚するがみるみるHPが減っていく。マジでやばいな。救いは図体がでかいので、お互いが邪魔しあって、思うように動けない奴がいることだな。
「俺は黒鉄をサポートする! リリー、イオン、コノハは手分けして攻撃してくれ! セチアはフォレストウォーリアーを頼む! なんとか攻撃をばらけさしてくれ!」
「わかりました!」
そしてチャビーラビットを狩っていく。しかしこのチャビーラビット単体でも強い!基本は体当たりだが、丸くなって転がり攻撃が強い。連続攻撃らしく、しかも早い。黒鉄のHPがごりごり減っていくのだ。フォレストウォーリアーは一撃だった。だがセチアも成長している。初めて使った時は魔力を使い果たしたが今はまだ余裕がある。しかしこの転がり攻撃を俺達があれを食らったと思うとぞっとする。
だが、黒鉄は見事に耐えきった。リリー達も頑張って倒していたが今回のMVPは黒鉄だろう。俺は新しい光魔法とシンクロを試してみた。名前からしてある程度予想できていたから遠慮なく使った。
まずはシンクロ。これは召喚獣たちと喋らず遠距離通信が出来るスキルだった。黒鉄が大きいからこのスキルは大活躍した。何せリリーたちから戦況を教えてもらえるからな。超便利だった。流石クラスチェンジで覚えたスキルといったところだろう。因みに自分が伝えたい内容しか伝えることが出来ない。セチアが俺を使ってテストしたから間違いない。その時の質問がこれだ。
「私の服装についてどう思いますか?」
エロいと思います!
伝わらなくて本当によかった。もし伝わっていたら、戦闘どころではなくなっている。セチアには戦闘中にふざけるのは禁止しておこう。
次は新しい光魔法であるエリアヒール。指定した味方の周囲にいる味方を回復させる。今回は黒鉄を中心にしてリリー達を回復させていた。敵は回復しないから便利な魔法だ。
次にライトシールド。指定した味方にバリアを張る。一回しか攻撃を防げないし、転がり攻撃だと最初のダメージしか無効化出来なかったが、それでも一回攻撃防げるのはでかいと思う。
俺もサポートしていたがはっきり言って黒鉄がいなかったら、全滅してたな。その黒鉄だが、どうやら挑発スキルで敵の攻撃を自分に向けられることが判明した。リリーに攻撃しようとしたチャビーラビットが途中で攻撃をやめて黒鉄に攻撃を向けたから間違いないと思う。
改めて壁役の重要性を認識したよ。
で、当然レベルアップです。
『職業中級召喚師のレベルが上がりました。仲間にできる召喚獣の数が1つ増えました』
『職業中級召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント1ptを獲得したした』
俺の残りスキルポイントは18pt。仲間に出来る召喚獣の数15に戻った。黒鉄はレベル上がり過ぎだね。レベル1で激戦だったから当然だが。では、ウサギ肉タイムです。
ウサギ肉:レア度2 食材アイテム 品位E-
ウサギから取れるお肉。血の香りが強く、意外に甘いのが特徴。
ウサギ肉を無事に18個ゲット。結構落ちた。これで少しは余裕が出来た。まぁ、肉のみだが。そして忘れてダメなのがイオンだ。Lv20に到達しました。というお馴染みにインフォが来る!
『イオンのレベルが20に到達しました。進化を実行します』
そしてイオンが青く輝き、進化が始まる。
名前 タクト 中級召喚師Lv2→Lv3
生命力 36→37
魔力 72→74
筋力 26→27
防御力 17→18
俊敏性 23→24
器用値 52→53
スキル
格闘Lv1 蹴り技Lv12 杖Lv15 召喚魔術Lv18 錬金Lv7 採掘Lv6 伐採Lv10
解体Lv11→Lv13 鑑定Lv9 識別Lv13→Lv14 風魔法Lv18 火魔法Lv19 土魔法Lv18 水魔法Lv18
闇魔法Lv18 光魔法Lv20→Lv22 雷魔法Lv15 爆魔法Lv15 木魔法Lv15 氷魔法Lv15
時空魔法Lv12 読書Lv4→Lv5 料理Lv17 餌付けLv4 釣りLv5 シンクロLv1→Lv2
名前 リリー ドラゴニュートLv20→Lv21
生命力 35→36
魔力 25→26
筋力 65→67
防御力 25
俊敏性 20
器用値 15→16
スキル
素手Lv6 片手剣Lv16→Lv17 大剣Lv2 闘気Lv6 擬似竜化Lv1
名前 イオン ドラゴニュートLv19→Lv20
生命力 30
魔力 36→38
筋力 24→25
防御力 14→15
俊敏性 56→58
器用値 48→50
スキル
二刀流Lv15→Lv16 水中行動Lv5 水刃Lv9
名前 セチア エルフLv18→Lv19
生命力 24→25
魔力 58→60
筋力 12→13
防御力 10
俊敏性 15
器用値 58→60
スキル
杖Lv8→Lv9 弓Lv1 木工Lv1 採取Lv6 調薬Lv5 水魔法Lv10→Lv11 土魔法Lv10→Lv11
木魔法Lv10→Lv11 樹魔法Lv3→Lv4 エルフの知識Lv5
名前 コノハ シロフクロウLv9→Lv10
生命力 34→35
魔力 36→37
筋力 21→22
防御力 20
俊敏性 26
器用値 36→37
スキル
奇襲Lv11 飛行Lv12→Lv13 鉤爪Lv7 夜目Lv8→Lv9 隠密Lv10 風魔法Lv7→Lv8
水魔法Lv7→Lv8 氷魔法Lv9→Lv10
黒鉄 ゴーレムLv1→Lv7
生命力 24→36
魔力 0
筋力 24→36
防御力 24→36
俊敏性 4
器用値 4
スキル
素手Lv1→Lv3 防御Lv1→Lv7 挑発Lv1→Lv4 物理耐性Lv1→Lv7
イオンが1つ重大な決断をする回でした。これからタクトの指南を受けて、リリーと共に剣士として成長していくことになります。
次回はそんなイオンが進化します。黒鉄も進化いたしますので、お楽しみにです。