#778 過去のファリーダと生産職からのお礼
アンラ・マンユと連合軍で六大精霊を書いたと思いますが、ここで設定の間違いで炎の精霊をイフリートと書いていました。正しくはヴルカンです。
夕飯を食べ終えてからゲームにログインする。今日はこの後、ギルドでイベント報酬をどうするか決める会議が行われる。
みんなそれぞれ欲しいものをゲットする考え方もありだが、どうしても欲しいものが揃わない状況となっているからちょっと話し合うことにしたのだ。
「ちょっといいかしら? タクト」
「ん? 大丈夫だぞ。ファリーダ」
ギルドに向かう前にファリーダに声を掛けられた。するとアリナがすぐさま反応をする。
「愛の告白なの」
「たぶん違う」
「あぁ!? 三つ編みを持つのは…ダメ…」
アリナが急にしおらしくなってしまった。弱点は三つ編みか…覚えておこう。この結果、アリナは警戒して距離を取り、こちらを伺っている。この執念の強さはドラゴニュートの共通点だと思う。俺はファリーダを見る。
「別に聞かれても問題はないわ。魔王化も使って、もうすぐ進化も近いからタクトにはそろそろ魔神だった頃の私のことを話しておこうと思ったのよ。大体の予想はついているんじゃないかしら?」
聞かれてたなら答えよう。
「イフリートだろう?」
イフリートは炎を操る悪魔や精霊、魔神として知られている。アラジンと魔法のランプに出てくるランプの精や指輪の精もイフリートという説もあるからほぼ間違いないだろう。
「残~念。外れよ。引っかかったわね。タクト。イフリートは私の父の名前。私が魔神だった頃の名前はイフリータ。炎の魔神イフリートの一人娘よ」
くそ!嬉しそうだな…確かに女性ならイフリータとなるか。ドジッた。
「今ここでこの話をするってことはまさか魔王の試練でイフリートと会うのか?」
「そうよ。私のことが大好きな父だから事前に話しておいたほうがいいと思ったのよ」
フラグを貰いました!絶対もめるよ…この流れ。
「そうか…名前はどうする?」
「もちろんファリーダでいいわ。これでも気に入っているのよ?」
ちょっと嬉しい俺である。
その後、俺はギルドに向かうとドラゴニュートやエルフだらけだった。うちのギルドはドラゴニュートやエルフ専門のギルドになったのか?ルークに至っては当然のようにエルフが二人。全部女の子で良かったね。これでルークが落ち着くことを切に願う。
「彼らが強いことはタクト君が証明しているからね。こうなることは予想できていたわ」
「ルインさんたちは召喚師たちの食費が増えてぼろもうけですね」
「それを判断するのは召喚師よ。サバ缶」
ルインさんの言う通りだな。恐らく最初から食費を節約していたら、俺のようにはならないはずだ。
既にリープリングの召喚師たちはお腹いっぱい美味しいものを食べさせることに染まっているから今から節約すると召喚獣たちが凄い悲しい顔をするから後には引けなくなっているんだよね。
それじゃあ、イベント報酬について話し合おう。
「ルインさんたちはみんな島ですか?」
「私は島で終了ね。施設や素材はミュウたちが交換することになってるわ」
「因みにルイン姉の島はお金を取る上にギルマスの島からの撤退命令が出ました…」
「私は商人だから当然でしょ? それに本来、島のシステムはこう使うべきなのよ」
今までは無料でみんな素材を集めていたからな。代わりに俺は集める手間が省かれていた。それが無くなるのはきついが管理はしっかりしてくれるみたい。
「今までタクト君への依存度が強かったからね。今回島も手に入ったし、やっとタクト君に今までの恩返しが出来る感じになって来たわ」
「結構恩恵受けていると思いますけど?」
「全然バランスが取れていないんですよ。今回のイベントもタクトさんが貸し出した伝説の武器やヘーパイストスさんのチャリオットが無ければもっと苦戦していたはずです」
これはつまりポイントの減少を意味する。少なくとも俺たちとは別グループの人たちは島一式のポイントは獲得出来なかったらしい。
「ということで今回私たち生産職は余ってるポイントをタクト君に優先することを決めたわ」
マジで!?
「ポイントには限りがあるので、そこまで高いのは無理だと思いますけど、タクトさんは欲しいものをとりあえず教えてください。計算しますので」
全部はダメだよね。とりあえず俺が気になっているのを伝える。
「金の苗木と銀の林檎の苗木、タンザナイトは譲れないのかしら?」
「はい。リンゴはリリーたちが楽しみにしてますし、金の苗木はセチアの話ではケツァルコアトルの杖に最適らしいので、譲れないですね。タンザナイトはちょっとわけありです」
タンザナイトはイオンが楽しみにしているからな。これらは俺が交換しないとダメなものだと思う。俺の残りのイベントポイントは107,118ptとなるが仕方ない。
残りは俺が欲しいものと交換することになる。俺が悩んでいるのは月の苗木、レージングル、星核のかけら、地図と設計図、各種絨毯、テントが気になっている。流石にヴェルンドの指輪は高いから言うのをやめた。
「それじゃあ、月の苗木は私からプレゼントするね」
ユグさんから月の苗木を貰えることになった。するとここでクロウさんから驚き発言だ。
「ヴェルンドの指輪は俺たちからプレゼントだ」
「えぇ!? 言ってませんよ」
「お前が遠慮していることなんてバレバレだ。ま、俺たち鍛冶師からの先行投資だと思ってくれ」
俺が持っている伝説の金属目当てなのを堂々と宣言するのはクロウさんらしい。
「わかりました。それじゃあ、とりあえずイベント開始まではクロウさんたちのリクエストに答えますね」
「そうしてくれると助かるぜ。俺は島を交換するから誰かプレゼントしてやってくれ。俺からはレージングルをプレゼントだ」
「なら俺が出そう。リリーちゃんたちや黒鉄には世話になっているからな。誰かコールドアイロンもプレゼントしてやってくれ」
「なら俺が出します! 和狐ちゃんの手作り肉じゃがを食べさせて貰ったお礼です」
イオンたちが作った料理は大好評で物凄い争奪戦だったんだよね。今でも悔しそうな顔をしている人がいるぐらいだ。ということでクロウさんからレージングル、ヴェルンドの指輪は石工のリーダーの人、石工のメンバーの人からコールドアイロンを貰った。次はサバ缶たちだ。
「では、私たちからは星核のかけらを三十個プレゼントします」
「そんなにいいんですか!?」
「もちろんです。タクトさんには今まで素材をたくさん貰いましたからね。次のイベントには例の秘密兵器が完成する予定ですから、これはそのお礼です」
おぉ!遂にロボが完成するのか!これは楽しみだ。そういうことならありがたく貰おう。ただ星核だけで作れないのがエクスマキナの装備だ。本当にコスパが悪い。その分、強力なんだけどね。
最後はミュウさんたちだ。
「じゃあ、地図やテント、絨毯は私たちからプレゼントします。といっても地図や設計図はギルド管理になると思いますけど」
そうだね。でも、ポイントを使ってもらったことにはしっかり感謝しないといけない。
「ありがとうございます! って、結局俺の残りポイントはどうすればいいんでしょうか?」
結局欲しい物をほぼ全部貰ってしまった。
「このポイントは後半イベントに繰り越されるわ。とっておくことも選択よ。私たちもどうするか結構悩んでいるの」
「そうなんですか?」
「島とかは今までより必要ポイント減ったでしょう?」
そういえばそうだな。サバ缶がみんなが危惧している予想を教えてくれた。
「ポイントの減少は単純に今回のポイントに合わせた可能性もあるんですが、繰り越せることを考えると島を超える物が後半の報酬に登場する可能性が高いと思われます」
「私たちの中にも後半の報酬に凄いアイテムが来ると思っている人がたくさんいるから結構残している人がいるよ」
メルに言われて納得する。でも結構使っちゃったんだよね。リリーたちのご褒美だから仕方がない出費なんだけど。ただこれは難しい選択だろうな。
「後半は死に戻るとポイントの減少とそれ以降のポイントが貰えなくなるし、かと言って身の安全を見るとボーナスポイントは獲得できないか。これをどう判断するかだな」
俺の呟きにメルとリサが答える。
「そこが不安要素でもあるね。ここでポイント交換して、後半イベントでポイントをたくさん稼ぐか。それとも危険覚悟でクリア後の大量ポイントを狙うか。難しい判断だと思うよ」
「みんな、ポイント交換をする人と温存する人で分けてる感じになっているよ」
リスク分散か。それが一番いい賢い選択なんだろうな。まぁ、俺は折角ルインさんたちからプレゼントを受け取ったんだから残りのポイントは繰越を選択しよう。ということでポイント交換が済み。改求めるとこんな感じ。
太陽の苗木:レア度9 素材 品質A
太陽の木の苗木。太陽の木は太陽の光を常に放つ木で太陽の力を内包しており、魔を存在を怨嗟も残さず焼き滅ぼす力がある。
月の苗木:レア度9 素材 品質A
月の木の苗木。月の木は月の光を常に放つ木で月の力を内包しており、死した存在の力を喪失させ、浄化する力がある。
銀の林檎の苗木:レア度9 素材 品質A
銀の林檎が実る苗木。銀の林檎を食べてから数時間以内に死んだ場合、蘇生することが出来る。
レージングル:レア度9 鎖 品質A
重さ:50 耐久値:10000
効果:拘束、物理耐性、伸縮
ドワーフの鍛えた鎖でとても頑丈に作られている。その頑丈さは力持ちの巨人たちですら引きちぎることができなかった程。投げると鎖が伸び、自動で相手を拘束する魔法の鎖。
コールドアイロン:レア度8 素材 品質A
効果:退魔、魔素祓い
妖精や幽霊、悪魔を退ける力を持った金属。魔素とは反発することから魔除けの素材として使われる。
ヴェルンドの指輪:レア度10 アクセサリー 品質S+
効果:一日一個金属か鉱石を生成
ヴェルンドが妻のために作った魔法の指輪。一日一個手に入れたことがある鉱石か金属を出すことが出来る。ただし生成は登録者が自力で手に入れたものしか出すことが出来ず、登録者の登録は指輪一つに付き、一人のみ。登録者の変更はすることが出来ない。
星核のかけら:レア度9 素材 品質A
流れ星が落ちたところに極稀に見つかることがある希少金属。星核のかけらを五つ集めて錬金スキルを使うと星核を作ることが出来る。
サルガタナス領の地図:重要アイテム
サルガタナス領の詳細が書かれている地図。
黒の砦の設計図:重要アイテム
サルガタナス領にある黒の砦の内部図が書かれている設計図。
大型透明テント:便利アイテム
効果:宿泊、透明、気配遮断
100人は入ることが出来る大型のテント。設置すると透明になり、外にいる敵から見つからなくなる。雑貨などは無いため、揃える必要がある。
転送の絨毯:通常アイテム
効果:転送
離れたところにいる者とのアイテムの転送を可能とするアイテム。使用するためには最低二枚必要となる。魔法が使えない状況でも使えるため、大手ギルドでは殆ど使われている絨毯。
転移の絨毯:通常アイテム
効果:転移
離れている者の転移を可能とするアイテム。使用するためには最低二枚必要となる。結界などが貼られている特殊な場所以外なら転移が可能。魔法が使えない状況でも使えるため、大手ギルドでは殆ど使われている絨毯。
生命力回復の絨毯:通常アイテム
効果:生命力回復
絨毯の上にいるだけで生命力を回復できる絨毯。魔法が使えない場所でも生命力を素早く回復できるため、回復役の負担や回復アイテムの消費軽減など部隊運営する際に活躍する。
魔力回復の絨毯:通常アイテム
効果:魔力回復
絨毯の上にいるだけで魔力を回復できる絨毯。魔法が使えない場所でも魔力を素早く回復できるため、魔法使いなど魔力消費が激しい職や回復アイテムの消費軽減など部隊運営する際に活躍する。
異常回復の絨毯:通常アイテム
効果:状態異常回復
絨毯の上に乗るだけでどんな状態異常でもすぐに回復する絨毯。魔法が使えない場所でも状態異常をすぐに回復できるため、部隊運営する際に活躍する。
みんなで地図と設計図の確認をすることにした。




