#75 獣魔ギルド本店と土の番人
一瞬でお店に帰るとゲットした鉱石をヘーパイストスに渡す。たくさんの鉱石にうっとりしているが大丈夫だろうか?
それから冒険者ギルドに向かうため、外に出ると夜になっていてぎょっとする。慌てて、時間を確認するもうすぐ23時になろうとしていた。うわー、時間かかったなー。
トレントの森は暗いから時間感覚が失われる。伐採にトレント何よりウッドゴーレムにはとんでもない時間がかかったようだ。全然笑えない。
とにかく急いで冒険者ギルドに向かい、クエスト報告する。それから大工のお婆ちゃんの所へダッシュだ。
「おや? 集めて来たのかい?」
「はい。ご確認下さい」
俺は檜を5本出す。
「ほー。これはまた立派な物を選んだもんだね」
「大丈夫ですか?」
「あぁ、問題ないさね。今から手配してあげるよ」
「ありがとうございます」
代金は先払いで5000G支払う。それからフレンドの人たちに頼まれた町のスクショを送る。
最後に獣魔ギルドに向かう。魔石召喚のためだ。今回はリスト召喚の予定。今日はシープやゴートを見つけたし、それに個人的にビーが気になっている。召喚獣にも生産能力があることはクラスチェンジで確認された。そしてこの3体は生産技能がある可能性高い。是非仲間にしたいものだ。
獣魔ギルドに到着したわけだが、流石は本店。滅茶苦茶大きい。冒険者ギルドより一回り大きいな。因みにリリーたちは警戒態勢。俺の背中に隠れている。アウラさんがいたからな。
俺が中に入ると沢山の召喚師NPCがいた。流石だな。さて、受付でギルドカードを見せると何故か少し待つように言われる。すると俺達の所に綺麗なお姉さんが来る。
何処と無くアウラさんに似ている気がする。
「ようこそ獣魔ギルドの本店へ。召喚師のタクト様」
「俺のことをご存じで?」
「えぇ。姉から報告を受けてましたから」
「そのお姉さんはひょっとして、アウラさんですか?」
「正解です。私の名前はネフィ。ここで副ギルマスをしています」
「ども。タクトです。知っていると思いますがリリーとイオン、セチアです」
「…リリーだよ」
「…イオンです」
「…セチアです」
3人が恐る恐る自己紹介する。
「姉から聞いていた通り、可愛い子達ですね。これからよろしくお願いしますね」
あれ?抱き付かない。俺達が不思議がっていると笑われる。
「クスッ。その様子だと姉が暴走したみたいですね。大丈夫ですよ。召喚獣の嫌がることは絶対にしない主義ですから」
話を聞くと俺たちのような人が今まで結構いたらしい。何しているんだ…あの人。
「姉から面倒見てあげるように言われていまして、今日は何か用事ですか?」
「あ、はい。リスト召喚に来ました」
「なるほど。では、召喚の間に案内しますね」
そして召喚の間に到着。途中に色々な部屋があり、気になって、聞いたがそのうち使うことになると言われるだけだった。むぅ、気になる。
召喚の間に入り、魔石を用意する。そしてリスト召喚をするとやはり新たに増えていた。増えたのはこちら!
シープ
ヤギ
ゴーレム
予定変更です。ゴーレムって、あのウッドゴーレムを識別した時に解放されたんだな。うちには盾役でチェスがいるが、チェスはどちらかと言うとリリーと同じパワータイプの前衛だ。他のキャラより防御力が高いから盾役をしてもらってるに過ぎない。ゴーレムなら明確な盾役だろう。ウッドゴーレムの異常さは忘れないぞ!
では、リスト召喚を実行!いでよ!ゴーレム!
…魔法陣が無反応。どうやら失敗したみたい。リスト召喚も失敗するんだ…てっきり確定の気分でいた。だがしかし!俺は昨日までの俺ではないだ!何せ今の俺は1日2回召喚をおこなえるのだ!
再度魔石を作ると錬金スキルがレベルアップ。久々な気がするな。
リスト召喚を実行。魔方陣に魔石が吸い込まれて行く。頼む、成功してくれ!
魔方陣が輝きを増し、ゴーレムが召喚された!成功だ!仲間に出来る召喚獣の数14に減ったな。
ゴーレムは土のゴーレムで大きさは4メートルほど。比較対象がウッドゴーレムだから小さく感じるな。十分でかいんだけどな。さて、名前をつけないとな。ゴーレムだから金属の名前がいいなー。オーソドックスで少し変化を加えてみる。
名前 黒鉄 ゴーレムLv1
生命力 24
魔力 0
筋力 24
防御力 24
俊敏性 4
器用値 4
スキル
素手Lv1 防御Lv1 挑発Lv1 物理耐性Lv1
黒鉄が本来鉄のみでくろがねと読む。それをわざわざ黒い鉄という名前にしてみた。これで鉄とか金属にならなかったら、笑うしかないな。
ステータスは清々しい程極端だね。だが恐ろしいのは筋力が初期のリリーを上回っていることだろう。ウッドゴーレムの攻撃も見るからに上回っていたからな。そして問題は俊敏性と器用値の4だろう。どれだけスピードが遅いんだろう?
試しに一歩歩いてもらった。黒鉄はゆっくり頷き、ゆっくり足を上げ、ゆっくり一歩歩いた。うん、予想以上の遅さだ。初めて完成したロボットみたいだ。
だけど高い防御力に防御と物理耐性があるから壁役としてみたら完璧だろう。
黒鉄を魔石に戻して、獣魔ギルドを後にする。獣魔ギルドは明日ゆっくり見に来よう。今はログアウトしないとまずい。
俺たちのお店に戻り、中に入ると綺麗になっていた。仕事早すぎだろ!いや、ありがたいんだけど、しかもサービスでベッドも作ってくれたらしい。ありがとう!大工のお婆ちゃん!
2階は6つ部屋があり、それぞれベッドがあるんだが、リリーたちは俺から離れようとしなかった。時間がないから直ぐにログアウトした。成長したリリーが凄く気になったが警告ないならセーフだと思いたい。
名前 タクト 中級召喚師Lv2
生命力 36
魔力 72
筋力 26
防御力 17
俊敏性 23
器用値 52
スキル
格闘Lv1 蹴り技Lv12 杖Lv15 召喚魔術Lv18 錬金Lv6→Lv7 採掘Lv6 伐採Lv10
解体Lv11 鑑定Lv8 識別Lv13 風魔法Lv18 火魔法Lv19 土魔法Lv18 水魔法Lv18
闇魔法Lv18 光魔法Lv20 雷魔法Lv15 爆魔法Lv15 木魔法Lv15 氷魔法Lv15
時空魔法Lv12 読書Lv4 料理Lv16 餌付けLv4 釣りLv5 シンクロLv1
ゴーレム召喚回でした。作中でも触れましたが初めての壁キャラになります。難点はあるものの器量な壁役として活躍するキャラです。
次回はフリーティアの重要なNPCが登場いたします。お楽しみにです。