#754 ドワーフ鉱山解放戦
夜七時、攻略本隊がドワーフの住処に迫っていた。銀たちの罠設置時間などを考えると一時間後がベストの時間だと判断した。長引けばそれだけ敵に発見されるリスクは高くなってしまうからだ。
「ドワーフの住処を捉えました。皆さん、準備はいいですか?」
ウィンドドラゴンに乗っている雷電さんが後ろにいる魔法使いたちに話しかける。
「「「「いつでも」」」」
「じゃ、一気に行きますよ!」
ウィンドドラゴンは急加速するとドワーフの住処の上空を通り過ぎて、引き返していく。
『運搬任務完了。砦に帰投します』
『了解。ドワーフの住処解放作戦! 発令します!』
『『『『了解!』』』』
ウィンドドラゴンから飛び降りた魔女の隠れ蓑で透明となっている魔法使いたちはフライやフライトを使い、地面に着地する。
「「「「シャドールーム!」」」」
「「「「シャドールーム!」」」」
彼らの影から新たに魔法使いたちが現れ、現れた魔法使いたちが再びシャドールームを使い、一気に攻略本隊が敵拠点に展開される。
「一気に攻め落とす! 合図を送れ! 門に突っ込むぞ!」
「「「「「おぉ!」」」」」
「カルバリン砲、行きます!」
カルバリン砲が住処に当たることで住処の中は慌ただしく動き出す。かなりの数が城門に向かっていく。するとゴブリンアサシンが異変に気づき、警告をする。門番などがいなくなっていれば怪しさ全開だろう。
しかし慌ただしく城門に駆け寄るかなりの数のゴブリンや鬼たちの状況では声など聞こえるわけがない。
『『爆破の霊符!』』
門や地面に設置されたダイナマイトが起爆し、敵が吹っ飛ぶ。
爆破の霊符は和狐のスキルにある霊符で作れる霊符だ。爆発特化にするために爆属性を強化出来る筆が必要で銀たちはこれを桜花の忍者の里で普通に購入したらしい。
この霊符のいいところは爆破の霊符という言葉をキーに起爆出来るということ。これを使うと火薬しか入っていない誤爆の恐れがないダイナマイトを起爆することが出来る。
そんなことをしてなんの意味があるのかと言うと危険察知系スキル対策だ。そのままでは爆発しないダイナマイトとキーを言わない限りただの紙である爆破の霊符は危険察知系スキルの対象外となる。
罠設置スキルで設置しているから罠察知スキルには引っかかるがそこは忍者、忍術の隠遁の術で罠察知スキルに引っかからないようにしている。
こうして無事に城門が破壊されたところに帝さんたちのギルメンが一列になって突っ込む。
「「「「ファランクスプレス!」」」」
爆発の被害を受けなかった敵がファランクスプレスで一気に押し出されていく。完全に城門を突破し、プレイヤーたちが雪崩込んでいく。
すると上からレッドキャップが落ちてきて、全員が構える。
「待って待って! 私たちだって! 偵察隊!」
「驚かすな…しかし本当にそっくりだな」
「…全然嬉しくない褒め言葉です」
霞ちゃんの意見に全員がその通りだと思った。二人は壁移動スキルで天井にくっついていて、隠れていた。爆破のタイミングと見計らうことと爆発から逃れるためだ。
「ここからは私たちも戦闘に参加します」
「俺は予定通り、外の奴らをここで足止めする。マグラス、頑張れよ」
「プレッシャーを言うなよ。帝。だがま、リープリングのギルマスにお膳立てされたからな。しっかりボスを倒してみせるさ。行くぞ!」
「「「「おぉ!」」」」
一方その頃、イビルバリアタートルに動きがあった。ゴブリンサモナーが杖でイビルバリアタートルを叩くと起き上がる。その瞬間、雷鳴と共にゴブリンサモナーの首が飛んだ。そして万雷が発動する。
「うひゃ~…流石ギルマスの刀…斬れ味凄すぎだよん。よ!」
銀が持っているのは俺の迅雷。流石に魔法剣はセチアのことがあるから貸し出すわけにはいかず、迅雷を貸し出すことにしたのだ。
銀がイビルバリアタートルの甲羅に迅雷を突き刺しとイビルバリアタートルに万雷が発動し、結界の発動が遅れる。更に起き上がったことで生まれた下の隙間にダイナマイトが放り込まれて、起爆するとイビルバリアタートルは悲鳴をあげる。
「美味しいご飯っすよ!」
口の中にダイナマイトが放り込まれて爆発する。更に潜入部隊が爆弾を投げようとするがゴブリンアサシンたちが阻止に動いて来た。その結果、周囲の敵も化けていたレッドキャップたちが敵である認識になったが、そこに攻略部隊が雪崩込んできた。
「今の私を前にしてよそ見は命取りだよん!」
銀は迅雷でゴブリンアサシンの短剣を弾くと斬り裂く。
「影分身!」
「「「「「行くよ!」」」」」
迅雷を持った銀が四人増えて、それぞれ潜入部隊に襲っていたゴブリンアサシンを一瞬で斬り裂く。そして偵察部隊は縮地で攻略部隊と合流する。
攻略部隊が一気に攻め込もうとした瞬間、住処にあった城をぶっ壊して、巨大なオーガが現れた。
マールス・オーガロード?
? ? ?
それを見た戦いに参加しているドワーフたちが怒る。
「こいつがこやつらのボスじゃ!」
「よくもわしらの城を!」
「技術的価値がわからん無能が!」
「ここはお前たちのような奴らがいていい場所ではない! 返してもらうぞ!」
ドワーフたちがそう言うとマールス・オーガロードは笑い、マールス・オーガロードが巨大な包丁のような剣を向ける。
「グォ!」
「「「「グォオオ!」」」」
マールス・オーガロードの指示を受けて、他のイビルオーガが雄叫びをあげた。
「来るぞ! 怯むなよ!」
「「「「おぉ!」」」」
攻略部隊が住処でバトルしている時、城門の所では帝さんたちが外に展開していた敵部隊を必死に押さえ込んでいた。
「イビルオーガのブレスが来ます!」
「「「ファランクスガード!」」」
「入れ替われ!」
「「「はい! ぐ!? おぉ!」」」
流石にライヒ帝国を代表する鉄壁の守りを誇る部隊でも外の敵の大群を彼らだけで留めるのは無理がある。だから帝さんたちの役目は敵の進行を留めて、敵を集めることにある。
集まる敵の後方から無数のドラゴンブレスが襲いかかる。ヴァインたちのドラゴニュート部隊だ。彼らは闇のドラゴニュート。夜襲は得意分野だ。
振り返ったイビルオーガにヴァインが襲いかかる。
「あいつらはいないがこのイラつきをお前たちではらさせて貰うぞ! 竜技ドラゴンフォース!」
ヴァインの全ステータスが二倍になる。これがドラゴニュートが誇る竜技の最終奥義だった。
ヴァインがイビルオーガをぶん殴るだけでイビルオーガがぶっ飛ぶ。しかしイビルオーガも負けじと戦斧をヴァインに向けて、振りかぶるとそれをヴァインは素手で受け止める。
「そんなもんか?」
ヴァインが力を加えるとイビルオーガの戦斧が刃が砕け散った。そしてヴァインはイビルオーガを格闘戦で圧倒し、イビルオーガが地面に膝を付いた所で背中にある大剣を抜く。
「邪竜解放!」
ヴァインの剣に紫色の光のドラゴンが宿るとヴァインがイビルオーガに剣を振り抜くと紫のドラゴンがイビルオーガを飲み込んだ。
「ふぅ…」
「少しは気分が晴れたか?」
「姉御…あぁ、さっぱりした」
「そうか…ではお前はこのまま外の殲滅部隊の指揮を取れ。我々は中にいく」
ヴィオレがそう告げるとヴァインが噛み付く。
「ちょっと待てよ! 俺だって、中で戦える!」
「その姿でか?」
「あ…」
ドラゴンフォースの反動でヴァインは子供になっていた。
「これに懲りたら、もう少し後先を考えるようにするんだな。行くぞ」
「「「は!」」」
「待てよ! 姉御! く…くそ~!!」
悔しがるヴァインだが、しっかりドラゴニュートたちを指揮して、帝さんたちを助けるのだった。




