#72 木の守人と伐採地獄
トレントの森に到着した。若木の森と比べて木が明らかに大きく、深く暗くなっている森だった。これは苦労しそうだ。メンバーはひよりと優牙に代え、コノハとグレイを入れた。
そして森の中に入ったんだが、ゴブリンがうざい!ゴブリンが群れてくるんだが、ちゃんと連携してくるのだ。しかもゴブリンシーフはどうやらアイテムを盗めるみたいだ。まぁ、取ったのが石ころで舌打ちされたわけだが…その態度にイラッとして礫でボコった。
ゴブリンシャーマンは火魔法を使うみたいだ。ゴブリンシャーマンを守るようにゴブリンファイターが展開して、ゴブリンファイターの援護をゴブリンアーチャーがするという形だ。
ファイターはリリーの敵じゃないんだが、アーチャーの攻撃を回避するのは苦手でダメージをくらってる。シーフもうざいがイオンと同じスピードタイプと分かればイオンの敵じゃない。しかし、アーチャーの援護や魔法に苦戦している感じだ。俺とセチアも魔法を使おうとするとアーチャーに狙われ、下手に攻撃出来ない。だからグレイとコノハにアーチャーを狙わせるんだがファイターに邪魔される感じだ。結局はファイターの数が減ると崩れるんだが、そこまで行くのにダメージが蓄積している感じだ。戦闘が終わる度に回復しているんだが、直ぐに襲撃されるのを繰り返されている。
繰り返している内にレベルアップはしているんだが、現状の突破口にはならない。そんなことをしながら檜を探していたら、やっと檜を発見した。
檜:レア度3 素材アイテム 品位D
建材として非常に優秀な木。加工が容易な上に緻密で狂いがなく、強い芳香を長期にわたって発する。
鑑定すると鑑定がレベルアップ。木や草、花の鑑定が出来るようになっているのは、称号『若木の森の祝福』を得てからだ。セチアもわかるらしいがいつも連れていけるわけじゃないからな。素直にありがたい。
早速伐採しようとするわけだが、リリーの全力攻撃するが、見事に無傷だった。
「木に負けた…」
地面に手をついて落ち込んでいるリリーなわけだが、相変わらずのセキュリティ。
こんなことをしている余裕はないんだった。時間をかけるとゴブリンたちが来るからだ。イオンの水刃、俺とセチアの攻撃魔法も試したが無理だった。檜つえー。檜最強説を提唱したい気持ちだが、このままじゃダメなので、諦めて伐採スキルを取得する。取得ポイントは2pt。
これで俺の残りスキルポイントは9ptになった。
ここから俺の地獄が始まった。斧で何百回も叩き、やっと1本ゲット。途中でリリーたちが応援してくれなかったら心が折れていたかもしれない。剣の素振りはしたことあるが斧は別格だな。そしてこれを後4回する地獄。ユグさん、毎回これをやっているのか…凄いな。
俺が絶望しているとグレイが何かを警戒する。なんだ?と思っていると小さい木が近付いてくる。グレイが警戒していることから考えるとモンスター。そしてこの森の名前は!
「全員! 戦闘準備!」
俺の指示でリリー達が武器を構え、戦闘態勢へ。そして視界に現れたのは木に顔があるモンスター。
トレント?
テイムモンスター 討伐対象 アクティブ
テイムモンスターか…残念。そう思っているとトレントが攻撃を仕掛けてくる。大きな手というか木を振りかぶって、振り下ろす。攻撃は遅いな。
ドゴォォォン!!
だが攻撃力が半端じゃない!喰らったらやばいな。ここは落ち着いて…
「やー!」
リリーが飛び出す。あちゃー、遅かった。
「リリー!? さっきの攻撃見てなかったんですか! あぁー、もう!」
イオンがサポートに入る。苦労かけるね。で、リリーの闘気を使った攻撃だが、全く効いてない!
「うそー!?」
飛び上がって、斬りつけたせいで逃げ場がない。トレントが振りかぶる。
「わわ!? イオンちゃん、助けて~」
「全くもう!」
イオンが連続で斬りつけるが効いてない上に完全に無視されている。
「…無理ですね。これは」
「そんな!? タ、タクト~」
魔法も間に合わない。だとしたら取れる手は一つ。
「コノハ、頼む!」
「ホー!」
コノハがリリーを空中で捕まえて、トレントの攻撃を回避する。リリーがコノハにぶら下がって帰還する。
「助かった~。ありがとうコノハ」
リリーがお礼を言うがイオンが怒ってる。
「何も考えずに攻撃するのは、やめてと言ってるでしょ!」
「だって、木に負けて悔しかったんだもん」
「子供ですか!」
イオンよ。君たちの背丈は…いや。何も言うまい。
「あ~、今は戦闘中だから後でな」
距離はあるが安心出来ないからな。魔法とか使って来るかも知れないしな。
「とりあえず物理攻撃がダメなら魔法で攻撃するしかない。リリーとグレイは無茶しないように攻撃して、引き付けてくれ」
「はーい…」
「イオンは水刃を試してダメならリリー達に合流してくれ」
「はい」
「コノハとセチアは魔法の準備を。俺がディフェンスダウンをかけたら攻撃してくれ」
「お任せを」
「よし、やるぞ!」
というわけで作戦を実行。結果、水刃は効かず、イオンは陽動に参加。魔法は俺の火魔法が一番効果あり、次に爆発。他は大差無かった。
結局ノーダメで倒せたがやたら時間がかかった。そしてレベルが識別出来ないだけあって、経験値は高いようだ。俺を除く全員がレベルアップです。そしてインフォが来る。
『リリーの片手剣のレベルが10に到達しました。武技疾風突きを取得しました』
お!アーサーが俺に使ったスキルだな。不意打ちを狙うならいい技だが、正面との戦いが好きなリリーには向いていないかも知れない。それでもスピードも上がるスキルなので悪くはないと思う。問題はリリーが使うかどうかだが、なぜかヘビースラッシュしか使わないリリーの姿が頭に過ぎる。
因みに伐採スキルは一気に5上がった。俺の頑張りの証です。
「面倒な敵、多すぎだろ」
「同感です」
「疲れた~」
疲れきっているが気になっていることがある。トレントが現れたタイミングだ。
「檜を倒したら、現れたが偶然だと思うか?」
俺が植物の専門家であるセチアに聞くとセチアが答える。
「偶然じゃないと思います。ガーベラグロウと違って、言葉はわかりませんが怒りを感じました」
「だよなー。つまり後、4回戦うのか…」
沈黙が支配する。
「家の為だ。休憩しながら頑張ろう」
というわけでご飯を取りながらトレントと3回戦う。当然レベルアップです。
『職業召喚師のレベルが上がりました。仲間にできる召喚獣の数が2つ増えました』
『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント2ptを獲得したした』
『イオンの二刀流のレベルが10に到達しました。武技【ドライブエッジ】を取得しました』
いつものインフォが来る。これで俺の残りスキルポイントは11pt。仲間に出来る召喚獣の数9となった。
だが俺は魔法スキルのインフォが来ると思っていたが来なかった。通常魔法は今まで5ずつで取得していた。だが今回15になった火、光魔法のインフォはなかった。そして複合魔法は通常魔法が取得した10になってもインフォはなかった。恐らく通常魔法は20。複合魔法は20で被らせて来るとは思えないから15かな?いよいよ要求されるスキルレベルも高くなってきたってことなんだろう。
イオンの技を見せて貰ったら、どうやら突進の刺突技だ。疾風突きの二刀流バージョンといったところだな。
だがここで予想外のインフォが流れる。
『職業レベルが20レベルに到達しました。クラスチェンジが可能です』
…え?
俺の思考が停止した瞬間だった。
名前 タクト 召喚師Lv18→Lv20
生命力 27→30
魔力 60→64
筋力 20→22
防御力 12→14
俊敏性 18→20
器用値 38→42
スキル
格闘Lv1 蹴り技Lv12 杖Lv10→Lv12 召喚魔術Lv15→Lv16 錬金Lv6 採掘Lv6
伐採Lv1→Lv8 解体Lv9→Lv11 鑑定Lv7→Lv8 識別Lv9→Lv11
風魔法Lv11→Lv14 火魔法Lv12→Lv15 土魔法Lv11→Lv14 水魔法Lv11→Lv14
闇魔法Lv11→Lv14 光魔法Lv12→Lv15 雷魔法Lv10→Lv12 爆魔法Lv9→Lv12
木魔法Lv9→Lv11 氷魔法Lv9→Lv11 時空魔法Lv9→Lv10 読書Lv4 料理Lv15→Lv16
餌付けLv4 釣りLv5
名前 リリー ドラゴニュートLv17→Lv19
生命力 27→28
魔力 17→19
筋力 54→58
防御力 21
俊敏性 16
器用値 12
スキル
素手Lv6 片手剣Lv9→Lv12 闘気Lv4→Lv5
名前 イオン ドラゴニュートLv14→Lv17
生命力 25→28
魔力 29→32
筋力 18→20
防御力 12→13
俊敏性 46→52
器用値 40→46
スキル
二刀流Lv7→Lv10 水中行動Lv5 水刃Lv5→Lv8
名前 セチア エルフLv12→Lv15
生命力 21→24
魔力 52→58
筋力 10
防御力 8→10
俊敏性 14
器用値 52→58
スキル
杖Lv4→Lv6 弓Lv1 木工Lv1 採取Lv4 調薬Lv5 水魔法Lv3→Lv6 土魔法Lv4→Lv6
木魔法Lv4→Lv6 樹魔法Lv2 エルフの知識Lv5
名前 グレイ グレーウルフLv6→Lv8
生命力 31→33
魔力 12
筋力 38→40
防御力 20→21
俊敏性 38→40
器用値 20→22
スキル
噛みつきLv9→Lv11 気配察知Lv8→Lv10 夜目Lv5→Lv7 危険察知Lv4→Lv6 硬化の牙Lv4→Lv7
名前 コノハ シロフクロウLv5→Lv7
生命力 30→32
魔力 32→34
筋力 21
防御力 18
俊敏性 26
器用値 30→34
スキル
奇襲Lv7→Lv9 飛行Lv7→Lv10 鉤爪Lv4→Lv6 夜目Lv5→Lv7 隠密Lv7→Lv9 風魔法Lv3→Lv5
水魔法Lv3→Lv5 氷魔法Lv4→Lv7
次回は遂にタクトがクラスチェンジです。そしてクエストが急激に安くなった理由が判明いたします。お楽しみにです。