#71 大工と伐採クエスト
大工さんのお店を発見し、店に入ると加工済みの板がたくさん並んでる。森では沢山見ている木だが、この加工されている木の匂いの空間はまた違っていて、俺は結構好きだ。
「いらっしゃい。何かようかね?」
店員のお婆ちゃんに声をかけられた。さて、リフォームって言葉がないみたいだから。事情を説明しないとな。
「実は住もうとしているお店がボロボロで床や階段を作り直すことって出来ますか?」
「もちろん出来るさ。ただ一軒建てるより安いが結構するよ」
「どのぐらいしますか?」
「そうさね。家の規模や使う材料で値段は変わるが50万はするだろうね」
たっか!?いや、現実で考えたら安いか?
「目当ての材料とかあるのかい?」
「出来れば檜か杉を考えていたんですが」
「なるほどね。お前さん、素人ではないね?」
素人だよ。お婆ちゃん。まぁ、佳代姉たちの家をリフォームすることがあって、その時に大工さんに気に入られて、少し話を聞いたことがある程度だ。
「どうしてそう思うんですか?」
「迷いなく答えたからね。それに店を見回している時に見る目が職人の目をしていたからさね」
そんな目をしていたのか。いや、確かにいい板がないが探してはいたが…
「本職の人から少し教えて貰った事がある程度ですよ」
「ま、そうでもなければ依頼には来ないだろうね。お金が足りないなら依頼を受ける気はあるかい?」
お婆ちゃんがそういうとインフォが流れる。
『依頼クエスト『大工お婆ちゃんの依頼』が発生いたしました』
クエスト『大工お婆ちゃんの依頼』
報酬:大工の仕事の減額
内容:檜の伐採
なるほどね。檜をゲットすれば減額してくれるのか。
「どれぐらいのお金になりますか?」
「そうさね…檜を丸々5本なら5000Gにまけてあげるよ」
一気に安くなったな。逆に怖いぞ。
「そんなに安くしていただいて、大丈夫なんですか?」
「おや? 木の値段を馬鹿にしちゃいけないよ。木を伐採するのも命掛けだからね」
え?命掛けなの?いや、確かに危ない仕事ではあるが不安になってきたぞ。
「それでどうするね?」
そんなの決まってるじゃん。逃げ場ないじゃん。
「お受けいたします」
「そうこないとね。一応、この斧を貸したげるよ。伐採するのに必要になるからね」
とはいえ伐採スキルないんですけどね。ははは。
「後、檜が取れるのは東の街道の先にあるトレントの森だよ。じゃあ、よろしく頼むよ」
おや?トレントって確か木の化け物の名前じゃなかったか?物凄く嫌な予感がするがやるしかない!
「というわけで家を直すためにトレントの森に行こうか」
「それはいいのですが、どうやって木を切るんですか?」
「以前にリリーの攻撃で木を手に入れたことはあったから、それでゲット出来ればいいんだが、ダメなら俺が伐採スキルを取ることになるかな」
俺がそういうとリリーが張り切るがその様子を見ていると無理そうな気がするな。
とりあえず情報収集から始める。最初に向かったのは図書館。やはり国の首都だけあって、規模が違う。とにかくでかいのだ。どうやって本を探せばいいのか絶句していたが、端末があり、検索すると手元に本が転移してきた。便利で感動したが最初の図書館の苦労はなんだったんだ?
とはいえ肝心の情報は無かった。これは読書スキルのレベルが低いからか、もしくは未開の地だと情報が出ない仕様なんだと思う。つまり諦めるしかないわけだ。
次に冒険者ギルドに向かう。やはりでかいし、冒険者NPCは召喚師が多いね。クエストを受ける。
討伐クエスト『トレントの討伐』:難易度E+
報酬:5000G
トレントの森に出るトレントを5匹討伐せよ
討伐クエスト『グレーウルフの討伐』:難易度E
報酬:1000G
シーク街道に出るグレーウルフを10匹討伐せよ
討伐クエスト『カラスの討伐』:難易度E
報酬:1000G
シーク街道に出るカラスを10匹討伐せよ
討伐クエスト『ゴブリンシーフの討伐』:難易度E-
報酬:750G
フリーティア周辺に出るゴブリンシーフを10匹討伐せよ
討伐クエスト『ゴブリンファイターの討伐』:難易度E-
報酬:750G
フリーティア周辺に出るゴブリンファイターを10匹討伐せよ
討伐クエスト『ゴブリンシャーマンの討伐』:難易度E+
報酬:750G
フリーティア周辺に出るゴブリンシャーマンを10匹討伐せよ
討伐クエスト『ゴブリンアーチャーの討伐』:難易度E-
報酬:750G
フリーティア周辺に出るゴブリンアーチャーを10匹討伐せよ
とりあえずこれだけ受ける。トレントは戦うことになりそうだし、グレーウルフ、カラスは通り道でゴブリンファイター、ゴブリンシーフ、ゴブリンシャーマンはフリーティアならどこでも出てくる奴らみたいだったから、受けることにした。
これで準備完了。一旦お店に戻り、ヘーパイストスに説明とガラスの容器を一つプレゼント。知らない鉱物だったようで感動している様子に更に手に入れられる可能性があることを話すと目を輝かせる。作りたくて仕方ない様子だ。
更にもう1つしておくことがある。俺はもう1つの容器に塩漬けのイワナを入れて蓋をして、密封する。本当はイワシとかでするらしいが何事もチャレンジだ。
「何を作っているんですか?」
魚を使ったためかイオンが聞いてくる。
「魚醤って言う調味料を作っているんだ」
「魚醤ですか?」
「そう。これが作れたら料理のレパートリーが格段に増えるから楽しみにしてるといいよ」
俺がそういうとイオンだけでなく、リリーとセチアも反応する。本当に食べ物には反応するな。でも実際には一年以上かかるんだよな。ゲームの世界ならどうなるかわからないが気長に待つとしよう。
改めてトレントの森に向かう。メンバーは俺、リリー、イオン、セチア、ひより、優牙だ。カラスが出るから飛行戦力が必要で探索警戒役が必要だったからあっさりメンバーは決まった。
早速シーク街道を進むが最初に出会ったのが羊だった。
シープLv7
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
識別には成功したが、こちらに気付き、逃げられた。逃げ足がめっちゃ早かったぞ。羊はあんなに機敏じゃないだろ…ひよりすら追いつけないってどんだけだ。しかし俺は諦めないぞ!次、見付けたら仕留めてやる!ラム肉!マトンでも可!
次に出会ったのがヤギ。ここはそういうモンスターしかいないのか?
ゴートLv7
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
識別出来たがまたも逃げられた。くそ!ヤギ肉が逃げた!サバンナのライオンの気持ちがわかるぜ。いや、サバンナに羊やヤギはいないと思うけどね。
しかしヤギは肉よりヤギ乳が有名だ。チーズが作れるんだよね。名前はシェーブルチーズ。牛乳と違って、酸っぱい味がする。作ってみたいな。
しかしここからは戦闘ラッシュ。グレーウルフの群れを倒し、カラスの群れを退治したがカラスが面倒だった。範囲魔法を察知して、逃げるし、デバフをかけてきた。なんというかカラスらしい戦闘だった。幸い直接的な魔法攻撃はなく、攻撃は嘴でつついてくるぐらいだったので、助かった。他のモンスターと一緒に来られると厄介な奴だろうな。
そして俺を除く全員がレベルアップした。グレイウルフとカラスは一回進化した奴らだ。それを沢山倒したら、レベルも上がるか。
名前 タクト 召喚師Lv18
生命力 27
魔力 60
筋力 20
防御力 12
俊敏性 18
器用値 38
スキル
格闘Lv1 蹴り技Lv12 杖Lv10 召喚魔術Lv14→Lv15 錬金Lv6 採掘Lv6 解体Lv8→Lv9
鑑定Lv7 識別Lv9 風魔法Lv10→Lv11 火魔法Lv11→Lv12 土魔法Lv10→Lv11
水魔法Lv10→Lv11 闇魔法Lv10→Lv11 光魔法Lv11→Lv12 雷魔法Lv9→Lv10
爆魔法Lv8→Lv9 木魔法Lv8→Lv9 氷魔法Lv8→Lv9 時空魔法Lv8→Lv9 読書Lv4
料理Lv15 餌付けLv4 釣りLv5
名前 リリー ドラゴニュートLv16→Lv17
生命力 26→27
魔力 16→17
筋力 52→54
防御力 20→21
俊敏性 16
器用値 12
スキル
素手Lv6 片手剣Lv9 闘気Lv4
名前 イオン ドラゴニュートLv13→Lv14
生命力 24→25
魔力 28→29
筋力 17→18
防御力 12
俊敏性 44→46
器用値 38→40
スキル
二刀流Lv6→Lv7 水中行動Lv5 水刃Lv3→Lv5
名前 セチア エルフLv11→Lv12
生命力 20→21
魔力 50→52
筋力 10
防御力 8
俊敏性 14
器用値 50→52
スキル
杖Lv4 弓Lv1 木工Lv1 採取Lv4 調薬Lv5 水魔法Lv2→Lv3 土魔法Lv3→Lv4
木魔法Lv3→Lv4 樹魔法Lv2 エルフの知識Lv5
名前 ひより ホークLv3→Lv4
生命力 24→25
魔力 23→24
筋力 30→31
防御力 18
俊敏性 26→28
器用値 20
スキル
飛行Lv6→Lv7 強襲Lv2→Lv3 鉤爪Lv2→Lv3 風魔法Lv2→Lv3
名前 優牙 ホワイトウルフLv3→Lv4
生命力 25→26
魔力 16→17
筋力 26→27
防御力 24→25
俊敏性 32→33
器用値 22
スキル
噛みつきLv3→Lv4 気配察知Lv3→Lv4 夜目Lv3 水化の牙Lv2→Lv3
さらりと新たな召喚獣候補登場回です。色々予想してみてください。
次回はトレントの森での戦いです。お楽しみにです。