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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
お月見イベントとパンドラ
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#721 タクトの和服とエクスマキナの輸送船

三連休の朝を迎える。連休って素晴らしいね!気分爽快で朝食を作り、食べてからログインする。部屋を出ると和狐がいた。


「どうしたんだ? 和狐?」


「タクトはんの着物が完成したので、最初に見してもらいまへんか?」


「いいぞ」


俺は着物を受け取り、部屋の中で見ると全体的に空色の着物だが、ところどころ白が使われていて、デザイン的にもかなり本格的な着物だ。鑑定している。


天空の着物:レア度9 防具 品質S-

重さ:5 耐久値:1000 防御力:30

効果:魔素攻撃無効、精神攻撃無効、天の加護

天の衣から作製した男物の着物。空のイメージして作られており、清潔感を感じさせるデザインとなっている。天の衣の効果で精神攻撃と魔素から身を守り、天の加護で全ての武器に神聖属性を付与することが出来る。


装備画面を操作するだけ、着れるからだいぶ楽だな。俺は変なところがないかチェックした後、ドアを開く。


「わぁ…」


「ど、どうだ?」


「とっても似合っとります! イメージ通りどす!」


和狐が俺の全体をくまなくチェックする。流石に恥ずかしいんだが、ここは和狐の気がすむまでやらせよう。和狐のチェックが終わった後、下に降りるとリリーたちがすぐに集まってくる。


「タクトが新しい服着てる~」


「やっぱりタクトさんには青が似合いますね」


「格好いいです! タクトお兄ちゃん!」


「そ、そうか?」


なんか着物を褒められるのはこれまでの服と違った嬉しさがあるな。俺自身が着物に少なからず憧れがあったせいだろうか?するとリビナが言う。


「なーんか隣にいる和狐と合ってる気がする」


「気のせいどす」


「満面の笑みじゃん! 絶対狙ったでしょう! 和狐」


「それは…秘密どす」


確かに巫女服と着物で並ぶ姿は一見すると和式の結婚式に見せなくないかも知れない。流石にこんな派手な着物で結婚式はないと思うけどね。するとメルたちがやってきた。


「わぁ! タクト君、それってイベント装備だよね?」


「…兄様、似合っている。和狐ちゃん、グッジョブ」


「兄ちゃん、派手な服って中々着ないから新鮮~」


悪かったな。どうせお洒落とは無縁の暗い男ですよ。すると和狐が興味を持つ。


「タクトはんはどんな服が好きなんどすか?」


メルたちの目が光った気がした。


「ちょっと和狐ちゃん、一緒にお話しようか」


「は、はいな」


「ダ」


「…兄様はリリーちゃんたちのご飯作ってて」


ミライに止めるのをガードされた。絶対に変な格好をさせるつもりだ。後で和狐に聞いて、封じよう。するとリリーたちがメルたちについて行った。それを確認した俺はキキに料理を頼んでへーパイストスと共に島に向かう。


「すみません。タクトさん」


「いつもお世話になっているし、これぐらいはしないとな。それじゃあ、早速料理をするか」


「だ、大丈夫なんでしょうか?」


「たぶんいけるはずだ。一応へーパイストスに合っている料理を教えるつもりだよ」


当然といえば当然だが、俺はへーパイストスから料理を教えて欲しいと依頼されていた。ただリリーたちやパンドラがいる前では教えることが出来ず、ずっとチャンスを待っていたんだ。


これからへーパイストスに教える料理は材料さえあれば誰でも作れる料理だ。重要なのは火加減、これの見極めが料理の出来を左右する。鍛冶の神様のへーパイストスなら火加減の見極めはお手の物だろう。


ということで料理を教えつつ、グレイたちを呼んでセーフリームニルの丸焼きを作る。


グレイたちは美味しそうにかぶり付く。いつもはリリーたちが先に食べてからグレイたちにご飯作っているからたまにはこういう日があってもいいだろう。へーパイストスが作った料理も食べて貰った。


「ど、どうでしょうか?」


「美味しいか?」


みんなが声をあげる。尻尾がある者も振っているし、満足してくれたみたいだ。帰るとリリーたちがいた。


「どこ行ってたの? タクト」


「島でグレイたちにご飯を作っていたんだよ。いつもリリーたちが先に食べているんだからたまにはグレイたちが先でいいだろう?」


『それは…まぁ…』


納得するってことはみんなも思ってたってことだな。これから順番とか少し考えよう。因みにへーパイストスの料理のことは男の秘密。グレイたちにも約束させたから大丈夫だろう。


さて、今日は昨日の夜の続きからスタートする。メンバーはリリー、セチア、イクス、ファリーダ、ルーナを選んだ。暗黒大陸の遺跡に向かうと三人の猿のセリアンビーストたちがちゃんと待ってくれていた。


ずっと待たしていて申し訳なく思いつつもイベントを進める。三人はハヌマーンの櫝を持って、彼らの村に案内される。たどり着いたのは森の中にある大きな洞窟。この洞窟の中に彼らの村があるそうだ。


俺は村長たちに事情を説明し、三人はしっかり謝った。当然怒られはしたが、許してもらえた。


「三人を助けてくださり、本当にありがとうございます。ハヌマーン様の櫝も無事に帰ってきて、一安心ですじゃ」


「あれを運んだのは彼らですよ」


「そうでしたな。しかし三人を卑劣な魔王から救ってくださったのはあなたですじゃ。お礼をさせて下さい」


俺は初めての金属を貰う。


神珍鉄(しんちんてつ):レア度9 素材 品質S

自在に伸縮し、重さも変化する変幻自在の幻の金属。最大で八トンの重さにまでなり、海底の水圧でもビクともしないことで知られている。


孫悟空の武器、如意金箍棒にょいきんこぼうの素材として有名な素材だね。村長が話す。


「この神珍鉄はかつての我々の王が海底の竜王から頂いた金属だそうで、これを貰ってくだされ」


頂いたか…確か持ち去ったという伝説だったと思うが、深く突っ込むのはやめよう。どうやら孫悟空は登場しないらしい。リサの話では武闘家の試練で絶対出てくるとか言っていた。まぁ、手から気弾や仙術、棒術まで覚えられる職種だ。孫悟空と戦うのは仕方がないのかも知れない。


「ありがとうございます」


俺が報酬を受けて取ると村長が聞いてくる。


「あなた方はこの先にお進みになるおつもりですかな?」


「はい」


「そうですか…では、止めねばなりませんな。ここより先はアスラ族の領域となっております。彼らは神の直系、強さは言うまでもありません」


「ご忠告ありがとうございます。この先に進むか考えさせて貰います」


これでクエスト終了。アスラ族はインド神話に登場する神の一族だ。インドラと敵対することも書かれていることで魔族要素もあることで知られている。暗黒大陸にいるのはこのためだと推理出来る。日本では阿修羅という名前のほうが知られているかも知れない。


因みにメルたちは忠告を聞かず、果敢に挑んでいる。その理由がこの村でアスラ族について聞くと黄金卿の話が出てくるからだ。彼らが住む黄金卿の名前はヒラニヤプラ。エルドラドの前例があるからメルたちが必死になるのもわかる。


ただし、アスラ族たちは滅茶苦茶強いらしい。神様の直系なんだから当然だ。俺も荒神と戦ったことがあるが決定的な違いはアスラ族は集団戦をするとのこと。基本的に腕が六本あり、肌の色は赤色で筋肉ムキムキの人型の敵として登場するそうだ。


使用する武器は剣、槍、弓が確認されている。後は拳や蹴りなどの格闘戦が得意らしい。武器での攻撃と格闘戦を合わせてくるらしいからまぁ、厄介だろう。しかも気弾や波動技も使ってくるそうだ。俺は挑むのを暫くやめよう。


話を聞いて勝てる敵とは思えないからな。俺と戦闘スタイルは似ているから戦ってみたいという気持ちはあるんだけどね。村長と別れた俺はイクスの案内でエクスマキナの船を見に行く。


「…あれです。マスター」


「あれかぁ…」


エクスマキナの船は崖の上に斜めで突き刺さっていた。あれではオブジェだ。


「悪意を感じます」


そうだな。あれだとエンジン吹かした瞬間、崖から落ちそうだ。寧ろ落ちるようにそうしているとしか思えない。まさかとは思うが孫悟空が誕生した話に寄せてないか?


「ルークたちの話ではあれはトランスポートシップという話だったが」


「間違いないです。あの船はエクスマキナたちを輸送するための船です」


イクスの話ではこれでエクスマキナの船は全て出たそうだ。トランスポートシップの役割はバトルシップやマザーシップが攻撃したところにエクスマキナたちを運び、制圧することにある。更にエクスマキナたちのエネルギー補給という重要な役割があるそうだ。


てっきりマザーシップがその役割をしていると思っていたのだが、マザーシップは基本的に動かず指揮と武器生産がメインとのことだ。もちろんマザーシップは戦闘も出来るし、補給も行える。


バトルシップとトランスポートシップの違いはまずバトルシップのほうが武装を多く保有している。変わりにトランスポートシップはバトルシップよりいい工場があるそうだ。ここで運営に言いたい。手に入れる順番、間違えていないか?


後、重要な点がトランスポートシップにはマスター登録が複数可能らしい。エクスマキナを輸送する船なんだからマスターも多く乗せないとダメということだろう。結果チロルたちは全員トランスポートシップのマスターとなっている。


トランスポートシップに乗れるのはマスターのみなのは同じでルークだけ乗れないという状況だ。非常に可哀想だが、エクスマキナたちを召喚していないんだからしょうがない。


「あ、タクトさん」


「よ。エクスマキナの船を見に来たぞ。状況はどうだ?」


「進化素材があってくれたので、無事に進化させれましたよ」


それは良かったね。まぁ、ないと問題だとは思う。武器も装備したらしく、これでやっとまともな戦力となったな。


「タクトさんもこの船のマスター登録をしますか?」


「俺はバトルシップとマザーシップに登録しちゃったからここの登録はやめておくよ。チロルたちが自由に使ってくれ。ところで何か揉めてないか?」


「この船の中に新しいカプセルが見つかったんですよ。それでルークが登録すると言ったんですけど、権利はここにたどり着いたみんなにあると揉めているんです」


「ルークの気持ちはわかるが、それはみんなの言い分が正しいだろうな」


結局じゃんけんをして、勝ったのがチロル。じゃんけん強いな。チロルに勝てる気がしない。


「チ、チロル」


「あげないよ。ルーク。私にはタクトさんにも成し得なかった騎乗エクスマキナを実現させるという使命があるんだよ!」


ということでルークはエクスマキナを手に入れることが出来ずに終わった。俺がホームに帰ってからイクスに聞いた。


「エリクサーラピスにあるエクスマキナの船はトランスポートシップか?」


「その可能性が高いと思われます。断言は出来ませんが」


バトルシップだったら、俺に頼ることなく兵器を作っているはずだ。恐らくトランスポートシップで間違いないだろう。エクスマキナがたくさん見つかった話があったからな。するとメルたちがボロボロになって帰ってきた。


「腕六本ってあんなに厄介なんだね…うぅ…まだ痛い…」


「グーパンチの巨大気弾ってギャグだろう…」


「しかも連射してきたね…連携も隙がないし、完全にストップかな。これは」


「むぅ~! 普通に私より強いって問題だと思う!」


アスラたちにまた挑んだんだな。リサの言い分を言うなら俺はかなり前から自分より強い敵と戦ってきた気がするぞ。メルたちのアスラたちの愚痴を聞きつつ、ログアウトした。


名前 和狐 ハーミットビーストLv20


生命力 200

魔力  372

筋力  175

防御力 136

俊敏性 274

器用値 268


スキル


扇Lv15 神楽Lv18 投擲操作Lv10 黒炎Lv23 聖火Lv28 

火炎操作Lv8 天耳通Lv24 他心通Lv16 神足通Lv17 危険察知Lv29 

封印魔術Lv20 幻影Lv17 炎魔法Lv11 神聖魔法Lv13 神道魔術Lv34 

妖術Lv17 霊符Lv10 式神Lv5 護符Lv6 仙気Lv18 

仙術Lv14 飯綱Lv17 金縛Lv4 鬼火Lv5 裁縫Lv33→Lv34 

革細工Lv25 料理Lv27 蒼炎Lv1 紅炎Lv1 血醒Lv9 

ハーミットブレスLv14 狐技Lv15 神降ろしLv2 獣化Lv9


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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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