#719 リビナたちの成長ラッシュとタクトの願い
最初にリビナがピンクに光り、成長する。終わるとインフォが来た。
『リビナが成長をしました。吸収、魔素化を取得しました』
あれ?この二つは魔王化の時には覚えていなかったスキルだな。てっきり夢幻回廊を覚えると思っていたが外れたか。魔王化のデメリット解除も無しだ。俺が唸っているとリビナが言う。
「やっぱり肉体的な変化は無しか~…全くタクトはどれだけこの肉いたたたた!?」
ここにはリリーたちがいるため、こめかみぐりぐりの刑。
「ちょ、これ。本気で痛いってばタクト! もう言わないから許して~」
よし。終了。リビナがこめかみを抑えて座り込んでいるのを見て、リリーたちはこめかみをガードした。やらないって。それじゃあ、ステータスを確認しよう。
名前 リビナ リリムLv20
生命力 154→184
魔力 318→358
筋力 160→190
防御力 114→144
俊敏性 216→246
器用値 210→240
スキル
鞭Lv22 吸血爪Lv15 魔拳Lv10 飛翔Lv32 隠密Lv15
暗視Lv29 堕落Lv37 精神誘導Lv15 罠設置Lv5 魅了吸収Lv38
魔力操作Lv7 魔法阻害Lv3 吸収Lv1 連撃Lv18 闇魔法Lv17
雷魔法Lv18 爆魔法Lv20 時空魔法Lv16 影潜伏Lv7 金縛Lv10
集束Lv6 障壁Lv15 夢幻Lv12 暗黒弾Lv23 夢幻泡影Lv5
黒霧Lv3 超再生Lv3 魔素解放Lv8 魔素化Lv1 暗黒波動Lv12
淫夢結界Lv28 魔王化Lv5 夢魔の加護Lv9
能力の確認は後でするとして、次はリアンの成長だ。リアンが水色に光ると成長するとインフォが来る。
『リアンが成長をしました。星波動、蒼雷を取得しました』
『リアンの擬似女神化の代償が減少しました』
こっちはほぼ今まで通りだ。蒼雷は擬似女神化の時に覚えていた黒雷枠だろうな。擬似女神化のデメリットは減少となったか。それだけ擬似女神化は強いということだろう。
「えっと。どうでしょうか? 先輩」
「強くなったし、可愛くもなったと思うぞ」
「えへへ~」
笑顔のリアンを見ていたリビナが突っ込む。
「…変わってないじゃん」
「褒めてもらうことが重要なんです! リビナお姉様! さっきの続きは私がします!」
「えぇえええ~!? 本当のこと言っただけじゃん!」
「問答無用です!」
追いかけっこが始まり、リビナがあっさり捕まるかと思ったが、捕まえたと思った瞬間リビナの体が黒い瘴気になる。あれはマルバスが使っていたのと同じスキルだな。つまりあれは魔素化だったのか。
「残念でした~。お姉ちゃんを捕まえるにはまだまだだね。リアン」
「リリーお姉様! リビナお姉様に聖櫃を使ってください!」
「わ、わか」
「ダメだよ。リリー。お姉ちゃんなら見守らないと」
リリーが二人を交互に見て、どうするべきか分からず混乱状態になる。リリーを巻き込むなよ。二人を止めて、リアンのステータスを確認する。
名前 リアン ネーレーイスLv20
生命力 152→182
魔力 332→372
筋力 148→178
防御力 100→130
俊敏性 260→290
器用値 215→245
スキル
槍Lv34 杖Lv1 聖歌Lv37 呪歌Lv12 舞踊Lv14
高速遊泳Lv34 連続詠唱Lv13 詠唱破棄Lv15 同時詠唱Lv15 水圧弾Lv15
疾魔法Lv11 水魔法Lv24 神聖魔法Lv10 雷魔法Lv20 連携Lv9
騎乗Lv18 未来予知Lv10 多連撃Lv17 潜水Lv18 誘惑Lv12
音響探知Lv22 洪水Lv6 水流操作Lv15 海波動Lv13 津波Lv8
星波動Lv1 蒼雷Lv1 水圧結界Lv4 天罰Lv5 擬似女神化Lv5
料理Lv20 人化Lv31 人魚の加護Lv11
確認終了。次は和狐の番だ。和狐が赤く光り、成長するとインフォが来る。
『和狐が成長をしました。蒼炎、紅炎を取得しました』
『和狐の獣化の代償がなくなりました』
まぁ、和狐の場合はいつも通り恋火と違いがないな。ただ身体的特徴には違いが出ている。それを間近で見ていたリリーたちが和狐を見ている。
『…』
「え~っと…皆はん、顔怖いどすえ?」
「お姉ちゃんばっかりずるいです~!」
恋火の叫びと同時にリリーたちが和狐に飛びかかり揉みくちゃにされている。
「タ、タクトはん! 助け」
『ダメ~!』
どうやらリリーたちの気が済むまでやらせるしかないようだ。俺はその場から離れてステータスを確認する。
名前 和狐 ハーミットビーストLv20
生命力 170→200
魔力 332→372
筋力 145→175
防御力 106→136
俊敏性 244→274
器用値 238→268
スキル
扇Lv15 神楽Lv18 投擲操作Lv10 黒炎Lv23 聖火Lv28
火炎操作Lv8 天耳通Lv24 他心通Lv16 神足通Lv17 危険察知Lv29
封印魔術Lv20 幻影Lv17 炎魔法Lv11 神聖魔法Lv13 神道魔術Lv34
妖術Lv17 霊符Lv10 式神Lv5 護符Lv6 仙気Lv18
仙術Lv14 飯綱Lv17 金縛Lv4 鬼火Lv5 裁縫Lv33
革細工Lv25 料理Lv27 蒼炎Lv1 紅炎Lv1 血醒Lv9
ハーミットブレスLv14 狐技Lv15 神降ろしLv2 獣化Lv9
和狐がリリーたちに揉みくちゃにされている一方でブランは待っていたので、成長させることにした。ブランが白く光り、成長するとインフォが来る。
『ブランが成長をしました。雷霆、光鎖を取得しました』
『ブランの天昇の代償が減少しました』
お!スピカの光鎖を先に覚えるんだ。雷霆も強いスキルだし、かなり強くなった。ただ天昇はやはり減少止まりか…これは仕方ないだろうな。
「主…どうでしょうか?」
「綺麗になったな。ブラン」
「そうですか。良かっ」
ブランの方にイオンとリビナが手を置く。二人の目が怖い。そしてブランの顔が真っ青になっている。
「立派に成長したブラン。ちょ~っとお話があります」
「和狐のところまで行こうか」
「…はい」
大人しく連行されていくブラン。ミスリルゴーレムとの戦闘ではかなり活躍したのにな。さて、ステータスを確認しよう。
名前 ブラン ドミニオンLv20
生命力 148→178
魔力 278→318
筋力 188→218
防御力 200→230
俊敏性 190→220
器用値 162→192
スキル
飛翔Lv38 光盾Lv39 槍Lv39 強制Lv31 光魔法Lv22
浄化Lv7 聖櫃Lv5 障壁Lv9 魔法妨害Lv2 防風壁Lv4
羽投擲Lv10 神気Lv24 封印魔術Lv12 聖波動Lv14 光輝Lv7
集束Lv7 光雨Lv13 光輪Lv32 蒼雷Lv9 雷霆Lv2 光鎖Lv1
光芒Lv10 聖弾Lv27 聖療Lv6 聖域Lv7 守護結界Lv22
神罰Lv18 魔力操作Lv16 多連撃Lv26 中天使の加護Lv28 天昇Lv4
確認が終わり、セフォネが来るのを待つ。
「サキュバスが成長しないのに天使が成長するってどういうことさ!」
「知りませんよ! 成長してしまったものはどうしようもないじゃないですか!」
「…長引きそうだな。グレイ」
「…ガウ」
一段落したところでセフォネがこっちに来たので、成長を実行する。セフォネが黒く光り、成長するとインフォが来る。
『セフォネが成長をしました。重力操作、黒霧を取得しました』
『セフォネの血醒の代償が減少しました』
まぁ、流石にアンラ・マンユのフリーティア攻撃の時に見せたぶっ壊れスキルは覚えないよな。
「…ふ、ふはは! どうじゃ! タクト! 強くなったのぞ!」
「…どうかしたのか?」
進化したセフォネが少し震えていた。
「な、なんでもないぞ!」
なんでもないわけがないと思う。ここは強引に聞き出すか。
「正直に話さないと暫く全員の料理ににんにくをつかうことになるぞ」
「どんな嫌がらせじゃ!?」
『…』
「ま、待て! 言うからそんな鬼気迫る目で妾を見るな。グレイたち」
被害を被るのはグレイたちも同じだったか。考えてみるとホーム全体がにんにく臭に包まれる可能性があるもんな。グレイたちにとっては地獄だろう。ちょっとセフォネの罰は考えよう。俺は気持ちを切り替えてセフォネの話を聞く。
「大したことではないのじゃ…ただ成長した瞬間、今までよりヴァンパイアという血を強く感じてしまっただけで…急に怖くなっただけじゃ。く…笑うなら笑え!」
「笑わないさ…」
「セフォネのヴァンパイアの血は私たちの中でもトップクラスのものだから恐怖を感じるのは仕方ないことだと思うわ」
実際にその片鱗を俺たちは一度見たからな。いい機会だし、話しておくか。
「みんな聞いてくれ。このままだともうすぐ進化が来ると思う。そこでは試練に挑むことになるだろう。どんな試練が来るか分からないがセフォネの場合は大きな選択をすることになる。他のみんなにも選択を迫られるかも知れない」
『うん…』
「その選択は自分でよく考えて選んでくれ。俺はどんな選択をしてもみんなが選んだ道を支持する」
「本当にそれでいいのかしら?」
ファリーダが確認してくる。
「あぁ。ただそれは自分が選んだ道なんだから後悔だけはしないようにしてくれ」
これは俺の願いであり、俺が誓っていることだ。これから俺にも大学受験や就活、色々な選択をする時が来る。その時、自分でこの選択が正しいと考えて選びたいと思っている。
もちろん、その選択の結果失敗することがあるだろう。それでも俺は勇気を出して選んだ自分に胸を張りたいと考えている。
まだ十六年ぐらいしか生きていない俺だが、近衛家の養子になる選択し、高校受験も一人暮らし、バイト。全部最終的には自分で決めてきた。失敗も色々あったが、それが今の俺を形作っていると思う。
リリーたちにこの考えを押し付けるのは酷かも知れない。それでも俺は自分の道は自分で選ぶことが重要だと思う。それを聞いたセフォネが質問してくる。
「タクトは妾がもし化物になったら、どうするつもりなのじゃ?」
「どうもしない。どんなことになっても今まで通りにいるだろうな。いや、みんなへの依存度が上がるかも知れないか…」
『そこはもっと上げていい!』
そ、そうか?まさか全員から言われるとは思ってなかった。
「そうか…タクトよ。今の言葉、後悔しないな?」
「俺が選んだんだ。絶対後悔なんてしないよ」
後悔しないためにわざわざみんなに言ったんだからな。俺が即答するとみんな嬉しそうだ。きっとそれぞれ心の中で色んなことを決めていることだろう。さて、俺の意志を伝えたことだし、セフォネのステータスを確認しよう。
名前 セフォネ ヴァンパイアクイーンLv20
生命力 187→217
魔力 290→320
筋力 160→190
防御力 110→140
俊敏性 146→176
器用値 210→240
スキル
鎌Lv24 影翼Lv24 吸血Lv26 暗視Lv33 吸血爪Lv10
影潜伏Lv23 影操作Lv12 影召喚Lv30 影移動Lv8 隠密Lv20
暗黒魔法Lv10 氷魔法Lv17 時空魔法Lv16 引力操作Lv4 夢幻Lv3
譲渡Lv5 蘇生Lv22 不死Lv29 血流操作Lv22 出血弾Lv18
血竜Lv10 金縛Lv7 障壁Lv9 血晶Lv16 斥力操作Lv6
重力操作Lv1 黒霧Lv1 魔法侵食Lv3 魔素解放Lv6 呪滅封印Lv27
暗黒波動Lv18 血醒Lv2 吸血鬼の加護Lv11
これで成長ラッシュは終わり、ミスリルゴーレムを解体する。
ミスリルコア:レア度9 素材 品質S
ミスリルゴーレムのコア。ミスリルゴーレムなどに進化させるために必要な素材。魔導エンジンとして使用することも出来る。
これと大量のミスリルが手に入った。滅茶苦茶嬉しいんだが、二度と戦いたくないレベルに強かった。それにこのミスリルコアだが、きっと黒鉄の進化先はミスリルゴーレムじゃないと思う。戦闘スタイルが違いすぎたからな。
「それでここはどこなんだ?」
『さぁ?』
全員が首をかしげる。まぁ、分からないよな。イクスに確認してみるとエクスマキナの施設ではないようだ。つまり人間かそれでも別の亜人種の施設かということになる。出来れば今すぐ調べたいが今の状態では無理だな。
セフォネにワープポイントを頼み、俺たちはボロボロの状態で帰った。するとメルたちと出会った。
「あぁ~! 兄ちゃん、私たちをスルーした…何かあったの?」
「洞窟の採掘トラップに引っかかって、恐らく第五進化のミスリルゴーレムと戦闘した」
『うわ~…』
軽く報告をして、ログアウトさせて貰った。いや、マジで疲れた。




